皆さん、こんにちは。
前回のブログでは、「Fit to Standard」アプローチに対する「オラクルの対応」という視点で、お客様から頂いた質問を1つとりあげさせていただきました。最終回である今回は、引き続き、お客様からの質問を題材としてとりあげさせていただき、その中で、オラクルとしての支援体制をご説明させて頂きたいと思います。
「Fit to Standard」アプローチを成功させるためには?
ERPの導入プロジェクトを成功させるために何が必要か、どのような準備が必要かという質問は、どのような導入アプローチをとったとしても聞かれる質問の一つです。
これまでのブログで、「Fit to Standard」アプローチを進めるために、「適正なERPパッケージの選択」・「変革に対応できる推進体制」等の技術的なポイントを記載してきましたが、それらを考え、判断し、推進するのが、ヒトであるということは忘れてはいけないポイントになります。
オンプレミス型・クラウド型、また、「Fit Gap」・「Fit to Standard」アプローチといった、どのような導入プロジェクトとなったとしても、ステークフォルダー含めたプロジェクトメンバー全員が、「これからは自分が会社を引っ張っていく・業務を考えていく」という熱意とオーナシップをもって、ITベンダー任せにしないマインドがプロジェクトを推進し、成功へ導く要因の最も大きなものの1つになることは間違いありません。

オンプレミス型のシステム導入の場合、これまでは、5年、10年に一度の大イベントとしてコスト・ヒト・時間を多大に使って導入プロジェクトを実施してきました。オンプレミス型のシステム導入を継続し続ける限りにおいては、定期的に、膨大なコスト・ヒト・時間を費やすことになります。
対して、クラウド型のERPパッケージの「Fit to Standard」アプローチによる導入は、導入後の定期的なバージョンアップにより最新の機能のメリットを享受するために、最後に取り組むイベントとなります。
ERP導入においては、ビッグバンによる一括導入、または、スモールスタートで、特定の領域から徐々に全体に拡張していく段階導入の手法がありますが、いずれにせよ、クラウド型のERPパッケージを導入していく領域においては、永続的にビジネスと共存するERPシステムの導入であるという意味において、最後に取り組む重要なイベントとなります。
そうした最後に取り組む重要なイベントとして、クラウド型のERPパッケージ導入プロジェクトを立ち上げたならば、すべてのプロジェクトメンバーが、「Fit to Standard」への意識を持ち、業務変革における影響項目の特定と影響への考慮をおこなうべきであり、長期的なクラウドソリューションが定着するように、運用の立ち上げと展開を支援するマインドをもつことが、「Fit to Standard」のプロジェクトの成功に大きく寄与することは間違いありません。
オラクルコンサルティングの「Oracle Fusion Cloud ERP」を含む「Oracle Fusion Cloud Applications」の導入方法論である「TCM(True Cloud Method)」では、その導入アプローチの一つの要素として「CAS(Cloud Adoption Service)」というサービスを提供しています。
「CAS(Cloud Adoption Service)」とは、クラウド移行に向けて、お客様の視点で変革を促し、お客様ご自身のオーナーシップで、長期的なクラウドソリューションが定着するように、運用の立ち上げと展開を支援するチーム/考え方であり、プロジェクト導入中は、専任のCASコンサルタントが、お客様CAS/業務チームの実施する変革の推進をサポートします。
「CAS(Cloud Adoption Service)」は、このように、お客様の「レガシーシステムのモダナイゼーション」に向けて、「ソリューションのアドプション(採用)とお客様組織によるオーナーシップの醸成」を強力に支援します。
ここまでに記載させていただいた内容で、「ヒト」、「プロジェクトメンバーのマインド」が成功要因の最も大きなものの一つであることは、ご理解いただけたかと思います。そして、もう1つご理解しておいて頂きたいポイントとしては、オラクルコンサルティングが有する導入方法論である「TCM(True Cloud Method)」では、「CAS(Cloud Adoption Service)」が定義されており、「ソリューションのアドプション(採用)とお客様組織によるオーナーシップの醸成」のためのアプローチが体系化され、この成功要因をサポートする準備があるということです。
我々、オラクルコンサルティングサービスは、お客様のマインドに寄り沿う姿勢を常に持つとともに、体系化された方法論である「TCM(True Cloud Method)」を活用して、プロジェクト成功に向けて強力に支援させていただけるよう、各コンサルタントの育成も含めて、社内体制を整えています。
繰り返しとなりますが、「Fit to Standard」アプローチを成功させるために技術的な部分が必要であることは間違いありませんが、プロジェクトが大規模で複雑になるほどに、「ヒト」、「プロジェクトメンバーのマインド」が成功のために重要な要素となります。そして、オラクルコンサルティングが有する導入方法論である「TCM(True Cloud Method)」は、「ソリューションのアドプション(採用)とお客様組織によるオーナーシップの醸成」のために、「CAS(Cloud Adoption Service)」を活用して、「Fit to Standard」アプローチの成功を強力にサポートします。
ここまで、導入プロジェクトにフォーカスして、成功のためのポイントを記載してきましたが、ERP導入においては、導入プロジェクト期間のみならず、システム戦略・企画から実際の運用支援といった導入プロジェクト前後の活動も重要な取り組みとなります。
我々オラクルは、ERP導入プロジェクト期間におけるオラクルコンサルティングサービスのご支援のみならず、ERP導入の検討開始時点から実際の運用支援まで、各部門で協力して、Oneオラクルとして、お客様の「レガシーシステムのモダナイゼーション」の成功を一貫してご支援する体制をとっています。
このようにプロジェクト期間のみならず、その前後の活動が、お客様のビジネスに寄与するERP導入を成功させるために重要なポイントであることは、既にご認識されているとは思いますが、こうした重要なポイントに対して、オラクルは、各部門で連携して、お客様を包括的にご支援する体制をとっており、それも成功要因の1つになるということを最後に申し上げて、今回の質問に対する回答を締めさせていただきたいと思います。

まとめ
多くのお客様は、企業経営における課題がより複雑化する昨今の環境の中で、変化のスピードに追従しながら、日本が直面するコスト構造とデジタル化による業務の変革を達成するため、DXを推進し、お客様主導でクラウドを活用した「レガシーシステムのモダナイゼーション」を考えているかと思います。
オラクルコンサルティングサービスは、こうしたお客様に導入・運用などの技術支援を中心としたサービスを提供しています。
今回、「Fit to Standard」をテーマにブログを書かせていただきましたが、我々だけでは、そうした日本の未来を切り拓くことはできません。パートナー様との協業やエコシステムも含めて、国内におけるPure SaaSのERPシステムの導入事例を増やし、「IT投資構造の改革」と「デジタル化による企業競争力の強化」の実現、日本の未来を切り拓くために、貢献していきたいと考えております。
繰り返しとなりますが、近い将来、「IT投資構造の改革」と「デジタル化による企業競争力の強化」が実現し、日本の未来が切り拓いていることを切に願うとともに、それに向けて邁進していきたいと思います。
長いブログとなってしまいましたが、少しでも「レガシーシステムのモダナイゼーション」に向けた検討や実施に向けての参考になっていましたら幸いです。ここまで読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
「Fit to Standard」アプローチで切り拓く日本の未来 Vol.1
「Fit to Standard」アプローチで切り拓く日本の未来 Vol.2