皆さん、こんにちは。

最終回である第5回は、第4回に引き続き人的資本経営の実現にむけたソリューション面からのサポートについて取り上げます。

今回のテーマは、「リスキリング・人材育成、全体サポートの仕組み」です。

Safe harbor statement  以下の事項は、弊社の一般的な製品の方向性に関する概要を説明するものです。また、情報提供を唯一の目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことはできません。以下の事項は、マテリアルやコード、機能を提供することを確約するものではないため、購買決定を行う際の判断材料になさらないで下さい。オラクル製品に関して記載されている機能の開発、リリース、時期及び価格については、弊社の裁量により決定され、変更される可能性があります。


人的資本経営にむけた施策検討

人的資本経営の施策については、「人的資本可視化指針」や「人材版伊藤レポート」で様々触れられておりますが、本ブログでは、施策を大きく下記の3点に分類し、それぞれの領域でのソリューション活用を検討していきます。

  1. As is-To beギャップの定量的把握(第3回ブログをご参照下さい)
  2. 従業員エンゲージメントの向上(第4回ブログをご参照下さい)
  3. リスキリング・人材育成(第5回ブログ)

HCM施策検討

3. リスキリング・人材育成の仕組み

リスキリング・人材育成については、現在、日本全体で非常に注目されている領域です。経済産業省でも「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」等の活動も実施している状況です。

では、リスキリング・人材育成を実施していくにあたり、どのような点に考慮すべきでしょうか?人材版伊藤レポート2.0には、「自律的なリスキル・学び直しを促す際には、それぞれの社員が自身の過去の経験やスキル、キャリア上の意向、強い意欲をもって取り組める学習領域等を理解するプロセスが重要であり、会社がそのプロセスを支援することが肝要となる」、と記載されております。

そこで、リスキリング・人材育成を効率的に取り組む仕組みとして、以下の2点をご紹介いたします。

ⅰ 自律的なリスキル・学び直しにAIを活用し、新たな気づきを得る

リスキリングは、「経営環境の変化や技術革新に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶこと」となりますが、自分自身の過去の経験や所持しているスキルを踏まえた、各個人ごとにデザインされていることが重要であること考えております。

そこで、オラクルのDynamic Skillsを活用することで、効率的にリスキリングに取り組むことをサポートいたします。

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リスキリングに取り組むにあたって、AIを活用することができます。

具体的には、各個人の過去の経験や保有しているスキルに加え、様々な業種・業界における職務記述書内容を搭載したAIエンジンと掛け合わせることで、開発すべきスキルが推奨されます。そして、推奨されたスキルを習得するためのトレーニングも推奨されます。

また、自律的なキャリア形成を実現するために、キャリアの推奨(求められるキャリアレベルと現状のキャリアレベルのギャップを視覚化にて提示)や様々な職場経験(異動を含む長期的な仕事や、応援といった短期的な仕事)が推奨されます。これらの推奨された内容を自律的に判断し、キャリア形成を効率的にサポートいたします。

ⅱ チームのスキル状況を把握

リスキリングについては、各従業員が自律的に取り組むことが非常に重要となりますが、チームとして目指す方向を実現するためには、マネジメント層がチームのスキル状況を俯瞰的に把握することも非常に重要なテーマとなります。

そこで、オラクルのDynamic Skillsでは、各個人のキャリア形成だけでなく、チーム全体のスキルを見える化し、チーム全体のスキルアップをサポートいたします。

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チームの全員に求められるスキル(コアスキル)と、チーム内の各職種に求められるスキル(ロールスキル)を定義し、それぞれのスキルレベルを一元管理することが可能です。

チーム単位でスキルレベルを把握したり、ブレークダウンして個人単位でスキルレベルを把握することが可能です。従業員からドリルダウンして該当するスキルを特定したり、また逆にスキルからドリルダウンして該当する従業員を特定することができます。

把握した結果、今後のチームの目指すべきゴールを踏まえ、コアスキルを強化する(習得すべき新たなスキルを割り当てる)ことも可能です。

人的資本経営にむけた各種施策をサポートする仕組み

本ブログシリーズでは、第3回から第5回までの計3回にわたり、人的資本経営に向けた施策検討をサポートする様々のソリューションをご紹介してきましたが、これらのソリューションは相互連携することでより一層の効果をあげ、結果として、生産性の向上につながるのではないかと考えております。

そこで、各種施策をサポートする仕組みとして、以下の2点をご紹介いたします。

ⅰ 従業員へのトータルサポートを実現し、生産性の向上につなげる

従業員エンゲージメント向上にむけた各種施策やリスキリングなど、従業員が対応しなければならない取り組みが非常に多くあるのが現在の状況です。その際、各種取り組みに対して個別対応していると、従業員にとっては非常に負荷がかかり、結果として生産性が低下する可能性を秘めています。

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そこで、オラクルのJourneysでは、このような各種施策をまとめてプラットフォームとして従業員に提供いたします。

例えば、リスキリングを例にとった場合、

(1)会社から従業員へ、会社としてのリスキリングに対する取り組みを理解いただく(動画等を利用することも可能)

(2)従業員が、自分自身の過去の経験や保有スキルを確認する

(3)AIから推奨された、開発すべきスキルの内容やそれを実現するためのトレーニング内容を確認する

(4)自分自身のキャリアマップを最新化(更新)する

(5)目指すべきモデル従業員とつながる

(6)1on1を通じて、上司からのアドバイスをもらう 

といったような業務の流れがあるかと思いますが、これらの流れを独自に設定して(ジャーニーとして登録)、効率的に取り組むことをサポートいたします。

上記の(2)から(6)のような取り組みを初めて経験される従業員もいらっしゃるかと思いますので、ガイドを添えて従業員を正しい方向に導くことをサポートいたします。このような一連の流れを設定・構築することで、生産性の向上に繋がると考えております。

ⅱ 従業員へのトータルサポートを実現し、生産性の向上につなげる

お客様と会話をしていると、「従業員からの問い合わせ業務の負荷が高い」ということが、各社共通の課題の一つになっております。本来取り組むべき人事施策の検討などの「戦略的業務」にどうやって時間を割くことができるのか?、何らかのソリューションで解決できないのか?、といったお悩みを頂戴することがございます。

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そこで、オラクルのHR Help Deskでは、人事部門への問い合わせ業務を削減することをサポートいたします。

HR Help Deskを活用することで、従業員は複数のチャネル(チャットボットを活用してデジタルアシスタント、メール等)を介して問い合わせすることができ、人事部門では即時対応にも応じることが可能となります。結果として、人事部門のみならず従業員の生産性も向上することに繋がります。

また、問い合わせ事項をデータベース化して一元管理しますので、問い合わせ内容を分析して、傾向を把握した上での改善策等を検討することも可能となります。

なお、問い合わせ内容によっては、機密性の高い情報が含まれることがございますので、データの非公開化などのデータプライバシー対策を組み込んでおります。

計5回にわたって「なぜ今、人的資本経営が求められるのか?」と題して、ブログを連載いたしました。

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今後の人的資本経営に求められることとしては、現在だけを見るのでなく、5年後のビジネスを見据えた人的資本経営が必要と考えております。

その際、事業環境の変化に迅速に対応するためには、ゴールを実現するために、必要に応じた対応策を都度取っていくことが求められていると考えております。

弊社のソリューションは、年4回のアップデートを通じて、お客様の「期待を超える」ソリューションを継続的にご提供したいと考えております。


なぜ今、人的資本経営が求められるのか?(全5回シリーズ)

第1回「人的資本開示に至った経緯」

第2回「人的資本開示とは:『法定開示』と『任意開示』を知る」

第3回「ソリューションを活用した人的資本経営の実践:As is-To beギャップの定量的把握」

第4回「ソリューションを活用した人的資本経営の実践:従業員エンゲージメントの向上」