2023年9月18日~21日までの4日間、米国ラスベガスにて、Oracle CloudWorld 2023(OCW 2023) が開催されました。

本ブログでは、オラクルのアプリケーション開発の責任者のスティーブ・ミランダによるキーノートスピーチ「Achieving Lasting Success with Oracle Fusion Applications」の概要のサマリーをご紹介します。

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変化に迅速に対応する能力のために

数年前まで、新しいビジネスモデルなどのディスラプション(破壊)については多くの議論がありました。しかし2020年に世界は突然止まりました。私たちは在宅勤務に適応し、またデジタルで顧客に対応し、サプライチェーンの混乱にも対処しなければなりませんでした。今私たちは生成AIについて取り組んでいますが、半年前には生成AIは話題になっていませんでした。今、変化のスピードが高まっているということがビジネスの全体の共通テーマなのです。このような変化に対応するためにも、オラクルはFusion Applicationsを四半期ごとにリリースし、毎回何百もの新機能を追加しています。変化がどのようなものであれ、お客様が最適に適応し、永続的に成功できるように取り組んでいます。

 

必要なものを全て提供する

私たちの継続的な戦略の一つは、お客様のビジネスに必要なものをすべて提供することです。Fusion Cloud Applicationsは、カスタマー・エクスペリエンスから始まり、サプライチェーンの受注管理、製造、計画、在庫/倉庫管理、請求書作成、コンソリデーションやEPM、財務、人事、これらに至るまでの必要なすべてをエンド・ツー・エンドで完結して網羅しています。さらにFusion Applicationsは、業界アプリケーションとの統合がますます増えています。従来は水平的なアプリケーション・セットであったものを業界ソリューションと統合し、業界のビジネス・プロセスと合わせて提供することに継続して取り組んでいます。またオラクルは、アプリケーション・ビジネスとテクノロジー・ビジネスの両方を手がける唯一のアプリケーション・ベンダーです。SaaSアプリケーションを利用しているお客様にとって、インフラを心配する必要がないということは大きなメリットです。現在すべてのお客様は、100%OCIインフラに移行しており、自動的にかつ無料で利用できます。つまり最新のデータセンター、最新のネットワーク、最新のストレージ、最新のバージョンのデータベース、オペレーティング・システムを自動的に手に入れています。オンプレミスのアプリケーションを運用する場合、今までは技術的負債に悩まされてきたと思いますが、もうその心配はありません。OCIがより高速になり、セキュリティ・アップデートがさまざまなレイヤーで行われ、SaaSのお客様に自動的に提供されるようになっており、さらにAIや人工知能にまで広げています。私たちは数年前からアプリケーションにAIや機械学習を使っており、IoTやサプライチェーンプランニングのようなアプリケーションでもAIを追加してきました。例えば、画像をスキャンして文字認識を行いますが、その文字認識を向上させるために機械学習を使っているのです。不審な取引を検出するための監査機能にも機械学習を使っており、金融機関が監査を容易に行えるよう支援しています。

 

生成AI

今回のカンファレンスでは、まったく新しい一連の生成AI機能を発表しました。スイート全体で50を超える新機能が追加され、今後2回のリリースで、全てのお客様が現在お使いのモジュールで利用可能となります。自動生成するボタンを押すだけで、AIがあなたの代わりにテキストを生成するので、人間はレビューするだけです。ERPの生成AI機能では、財務レポート、貸借対照表、損益計算書など、生成AIにレポートを要約させ、テキスト形式にまとめることができます。サプライチェーンでは、品目の説明やサプライヤーとの交渉提案等にAIを追加しています。例えばHCMの分野では、採用業務で求人情報を掲載する際に、仕事内容や資格、経験、学歴要件等を生成AIが作成することができます。

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Oracle B2B

昨年、私たちはJPモルガン・チェースとFedexとの提携を発表し、タッチレスの経費報告機能を提供しました。経費と支払処理を統合して、完全なタッチレスの経費報告システムを実現するものです。今年はより拡大し、マスターカードとの提携を発表します。マスターカードのクラウドと私たちのクラウドを直接接続し、バーチャル・カードの仕組みと連携することで、カード決済のデータを繋げて自動化したり、不正検知を強化したり、リコンシリエーション(照合)を自動化できます。私たちは今後このような協業の仕組みをより拡大していくつもりです。

 

Fusion Data Intelligence Platform

Fusion Analytics Warehouseは、人事、ファイナンス、サプライチェーン、CXアプリケーションとフュージョンを自動的に統合するエンド・ツー・エンドのデータウェアハウスです。私たちはこの分析プラットフォームにAIとML機能を追加し、レポーティングとしてだけでなく、アクション、レコメンデーションを追加拡張しています。Fusion Data Intelligence Platform では、Fusion Applicationsからデータウェアハウスに統合されたデータは、そのままレポートやダッシュボードとして利用できます。また、CX、SCM、HCM、Financeのいずれにおいても、AIとMLによるレコメンデーションとアクションが提供されます。また、Fusion Cloud Applicationsのアプリーケーションのデータとの統合だけでなく、サードパーティのデータを取り込み、同じAPIを使って同じレポートを作成し、アクションを生成できます。

 

お客様の成功にコミット

今、私たちは間違いなく変曲点にいます。ビジネス・バリューの向上という変曲点を迎えているのです。Oracleはカスタマー・サクセス・マネージャーとセンター・オブ・エクセレンスという新しい役割を作っています。新機能をいち早くお客様に採用していただくためのライトハウス・プログラムもあります。私たちはすべてのパートナー様と密接に協力し、本番稼動を成功させてきました。また新しいカスタマー・コネクトという仕組みを導入し、すべてのユーザー、すべてのオラクル・プロダクト・マネージャー、すべてのパートナー様が参加するオンライン・コミュニティで、アイデアや機能強化のリクエストについて投稿して話し合うことができます。

私たちはお客様第一主義を掲げています。オラクルとFusion Cloudを選択すれば、世界中のどこにも負けないトップ・チームを持つことができます。オラクルは、プロジェクト成功だけでなく、お客様の個人的な成功にもコミットします。

 


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