2023年9月18日~21日までの4日間、米国ラスベガスにて、Oracle CloudWorld 2023(OCW 2023) が開催されました。
本ブログでは、オラクルのERPアプリケーション開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのロンディ・エンによるソリューション・キーノートスピーチ「Innovating in finance, thriving in disruption (ディスラプションの中で成功を収める、財務のイノベーション)」の概要をご紹介します。

Fusion Cloud ERPのお客様導入:10年を超える市場での実績、1万社の顧客
Oracle Fusion Cloud ERPが初めて市場に投入されてから12年が経ちました。現在では、多様なインダストリーで世界トップクラスの企業様、1万社以上にご採用をいただいています。
我々の大手のお客様の多くは、組織におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みの一環としてFusion Cloud ERPを導入しています。そして、彼らの「変革ジャーニー」には、ここに挙げる3つの共通項があります。
- Fusion Cloud ERPのモダンベストプラクティスを活用した、シンプルで、標準化され、自動化されたアプローチを採用
- ビッグバンではなく、アジャイルで段階的なアプローチで導入
- 稼働後はオラクルによる四半期アップデートを利用して進化を継続
四半期アップデートについては、過去1年で1,200以上の実に様々なERP新機能がリリースされました。それらの新機能の半数以上が、お客様から寄せられたアイデアやご意見がベースとなっています。Fusion Cloud ERPは、お客様とのパートナーシップを通して進化を続けています。
◆本セッションでは、北米スーパーマーケットチェーン大手のAlbertsons社のGreg Rousseau氏(Group Vice President Finance Transformation)をお招きし、Fusion Cloud Applicationsを活用した財務変革の取り組みと成果、そして今後の展望を話していただきました。
同社は、まずFusion Cloud ERPを導入、その後EPM、HCMを導入されています。導入後は、以前と比べて15%少ない人員で決算をクローズできたこと、また、データがシームレスにつながることでデータの流れを把握でき、透明性が向上したことでコスト節減につながっていること、などを成果としてお話しくださっています。詳しくは動画(外部サイト)でご確認ください。
Oracle B2B: B2Bビジネスの複雑性をシンプルにする、組込み型のバンキングとロジスティクス
昨年のOCW 2022において、オラクルは「Oracle B2B」を発表いたしました。Oracle B2Bは、複数のサービスをOracle Cloud ERPにネイティブに組み込むことで、B2B取引における複雑なプロセスをシンプル化、自動化することを目指しています。
昨年は、J.P.モルガンとのパートナーシップを発表しました。彼らのバンキングや決済サービスを組み込むことで、例えば経費処理の簡素化が実現可能となります。また、物流ではFedExとのパートナーシップも発表されました。
オラクルでは、今後この「Oracle B2B」への投資を強化します。特に金融分野への投資を拡大し、より多くの銀行や決済サービスと連携し、グローバルのカバレッジを拡大する予定です。また、クレジットや金融サービスとの連携も進めています。
そして、今回のOCW2023では、新たにMastercardとのパートナーシップを発表しました。
■Mastercardとの連携「組み込み型場バーチャルカードでの支払い」:Oracle Cloud ERPとMastercardを直接統合することで、企業間の支払いを自動化。不正防止の強化・リスク削減を実現可能。また、ニア・リアルタイムでのキャッシュフローの把握が可能になる。サプライヤーは、早期支払や回収リスクの低減、売掛金の効率化といったメリットが享受可能となる
(参考)オラクルとMastercard、顧客の運転資本への迅速なアクセスを可能に(2023年9月20日プレスリリース)
機械学習/AI:ファイナンス業務での生成AIの活用
オラクルでは、既に多くの機械学習/AI機能をOracle Cloud ERPに実装しています。今回のOCW2023では、新たに「生成AI」の搭載計画を発表しました。
ファイナンス業務領域への生成AIのユースケースとして、ナラティブレポート生成、情報の要約、ファイナンスに特化したモデルなどの機能が提示されました。
オラクルの生成AIの特徴は、エンタープライズのための生成AIであること、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)を使っておりスケーラブルでセキュアであること、そしてお客様固有のデータを誰とも共有しないことが、強調されました。
◆本セッションでは、生成AIを活用したEPMナラティブレポーティングの作成や、マーケティングキャンペーンプロジェクト・プラン作成が、コンセプチュアル・デモとして紹介されました。デモの様子は動画(外部サイト)をご覧ください。
必要なものを全て、イノベーション実現のために、お客様の成功のために
多くの大企業が、Oracle Fusion Cloud ERPによってバックオフィス業務を変革しており、業務面での成功にとどまらず、継続的な価値あるイノベーションにより進化しています。
オラクルは、顧客主導のイノベーションに加えて、Oracle B2Bや機械学習/生成AIに多額の投資を行っており、これらはすべて、通常の四半期アップデートで提供される予定です。
私たちオラクルは、皆様の変革ジャーニーのパートナーとなることに情熱を注いでいます。私たちの仕事は、皆様が成功を収めるまで終わることはありません。
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