日本オラクルでは日々、数多くのパートナー様とともに、お客様を成功に導くカスタマー・サクセスを念頭に置きながら協業の取り組みを行っています。

国内にはOracle PartnerNetwork(OPN)のパートナー様が約1,500社います。この1年は他社ハイパースケーラーの有力パートナー様を含め新たなパートナー様がオラクルのクラウドビジネスへの参入を目的に、OPN契約を締結されるなど、Oracle Cloudへの注目度が急速に高まっているという実感があります。2025年5月期(FY25)に加入されたパートナー様の社数は、対前年比約4倍に上ります。またパートナー様がリードしたクラウド商談案件も飛躍的に増加するなど、パートナー様とのクラウドビジネスを大きく伸長させることができました。

新たな会計年度がはじまり、7月10日にオラクルのビジネスを推進いただいているパートナー様向けに 「FY26 OPN Japan Partner Kickoff」を開催しました。

その中で、「Oracle Japan Award 2025」を発表し、FY25にオラクルのビジネスに顕著に貢献いただいたパートナー様を表彰しました。新たに設けた、Oracle AI関連ビジネスにおいて顕著に貢献いただいたパートナー様を表彰する「Best Cloud AI Partner of the Year」含め11のアワードを11社に授与しました。オラクルとのビジネスにおいて、総合的かつ顕著に貢献いただきましたNTTデータ様が「Best Partner of the Year」を受賞されました。

NTTData
Best Partner of the Yearを受賞された
株式会社NTTデータ取締役副社長執行役員
テクノロジーコンサルティング&ソリューション分野担当 冨安寛様(中央)、
日本オラクル取締役執行役社長 三澤智光(右)、
同常務執行役員アライアンス統括 佐野守計

また、今年2月のPartner Success Summitにて発表させていただいた「OCI Top Partner Engineers Program」についてもご紹介します。このプログラムは、OCIエンジニアとして高い技術力と実績を持ち、プロジェクトへの貢献や社内外での積極的な情報発信を行っていただいているトップエンジニアの方を年に一度表彰するもので、本年から正式にスタートしました。この度、50名のトップクラスのエンジニアの皆様を「2025 OCI Top Partner Engineers」として表彰させていただきました。表彰者一覧はこちらからご覧いただけます。

「FY26 OPN Japan Partner Kickoff」では、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」および「Oracle Fusion Cloud Application Suite」の事業リーダーと共に、「パートナー様との協業の取り組み」についてご紹介しました。ここでは、その中でご説明した今期の注力領域をご紹介します。

【今期の重点領域①:パートナーとのモダナイゼーション協業の本格展開】

この8年間、OCIは日本市場における基幹システムのモダナイゼーションを軸にクラウド移行を進め、イノベーション創出につなげてきました。FY26はその取り組みをより大規模・広範囲に拡大するフェーズと位置づけています。

特にモダナイゼーションにおいては、これまでの成功事例やノウハウをパートナー様に本格展開し、お客様・パートナー様・オラクルの三者にとっての“Win-Win-Win”モデルの構築を目指します。

OCIはミッションクリティカルな基幹システムにも対応できる強みを持ち、それを活かすための方法論・フレームワークとして、日本向けに拡張されたOracle Cloud Lift Services(OCLS)およびTransition Planning Methodology(TPM)を展開しています。

OCLSは、150件以上の日本市場での適用実績をもとに、特に初期段階のフィージビリティスタディを重視し、アプリケーション改変時には有償サービスと連携します。パートナー様には専任チームが導入支援します。

TPMは、大規模クラウド移行の設計から実装までをカバーする欧州発のフレームワークで、日本の品質要件に応じた拡張を実施します。Executive Architectと並走しながらパートナー様と共同展開を進めます。

さらに、マルチクラウド対応についても、マイクロソフト様との協業が先行していますが、グーグル・クラウド様とも協業が開始されており、アマゾン ウェブ サービス(AWS)様はローンチ前から多くのお問い合わせを受けており、今後本格化していくはずです。今後はOCIと他社クラウド双方のスキルを持つエンジニアの育成が課題であり、パートナー様に向けたマルチクラウド対応のLearning Pathも整備中です。

今期は、こうした支援体制と知見をパートナー様と共有・拡張しながら、日本のクラウドモダナイゼーションの次のステージをともに切り拓いていきます。

【今期の重点領域②:クラウド・アプリケーション分野におけるパートナー協業の拡大と期待】

クラウド・アプリケーション分野では、「Oracle Fusion Applications」の急成長を背景に、パートナー様からの関心がこれまで以上に高まっています。今や「Oracle Fusion Applications」の話をしない日はない。と言えるほど、導入・提案活動が活発化しており、FY26はパートナー様とともにビジネスを一気にスケールさせるフェーズと捉えています。

今年度からクラウド・アプリケーション部門とコンサルティング部門の統括体制を整え、以下のような変化と広がりが見られています。

拡大するパートナー協業の現状

  • パートナー主導プロジェクトの比率拡大:営業活動を通じてパートナーとの協業を推進した結果、プライム案件の8割以上をパートナー様が担う状況に。お客様との関係性を活かした受注例も増えています。
  • オンプレミスからSaaSへの移行加速:特にSAPユーザーからの関心が高く、クラウドネイティブなERPへの移行が本格化しています。
  • クロスセルの広がり:ERPに加えて、HCMやEPMなど複数モジュールを組み合わせた導入が増加し、パートナー様にはより広範な対応力が求められています。
  • 公共分野での採用・導入事例増加:東京大学、東洋大学、産業技術総合研究所など、大学や研究機関での採用・導入が進んでおり、老朽化システムの刷新需要に対してパートナー様との連携が不可欠です。
  • パートナー間の協業深化:1社単独では対応が難しい案件が増加し、パートナー様同士の連携による共同提案が拡大。OCSとの後方支援体制とあわせ、真のパートナー様主導モデルが進展しています。

パートナー様への期待

  • オラクル手法の活用:営業活動、プロジェクト管理、CSM(カスタマーサクセスマネジメント)、ユーザー会、Cloud Customer Connectなど、オラクルが培ってきた各種手法を活用いただき、より一体感のある提案・運用を期待しています。
  • 強みを活かしたエコシステム形成:パートナー様各社の得意とする業種・業務領域・顧客基盤を生かし、他パートナー様との連携も含めたエコシステムの構築を推進していただきたいと考えています。
  • 人材投資と育成:クラウド・アプリケーション領域における人材の確保・育成、先行的なビジネス投資を通じて、オラクルとの中長期的な成長パートナーシップを築いていただけることを期待しています。

本年度はまさに機が熟し、「Oracle Fusion Applications」を核としたクラウド・アプリケーションビジネスの飛躍の年です。パートナーの皆さまとともに、持続的で競争力のあるエンタープライズITの未来を切り拓いてまいります。

最後に、私の方からパートナーの皆様にいくつかアップデートをさせていただければと思います。

Enhanced OPN Programのご紹介

昨年のOracle CloudWorldで発表された「Enhanced OPN Program」は昨年秋にLevel 3を先行リリースし、ご関心をお寄せいただいておりましたが、Level 1およびLevel 2が8月4日リリースとなりました。ISV向けのLevel 0も同時にスタートしています。

今回のプログラムは、従来に比べてシンプルかつ明確で、パートナー様の投資に応じて累進的にベネフィットが提供される設計となっています。技術者育成のためのトレーニングシートの提供に加え、Partner Creditを使用したマーケティング支援、専門リソースの活用などの選択式のベネフィットカタログの提供など、パートナー様のビジネス状況に応じた多彩な支援を受けて頂けます。

各レベルの特徴:

  • Level 1:オンプレミス/クラウドの再販に取り組む、またはこれから参入を検討されているパートナー様向け。現行のOPNプログラムでは個別に費用が発生する「License & Hardware Track」「Sell Track」などのトラックが含まれており、複数のトラックに入られているパートナー様の場合は費用的にも安価となります。
  • Level 2:再販に加えて構築・運用などサービス提供を広く行うパートナー様向け。グループ会社のAssociate登録が追加費用なしで無制限に可能。またエンジニア育成に不可欠なトレーニングシートも100をご提供しグループ会社内でご利用頂けますので、特にグループ会社を多く持たれているパートナー様に最適です。
  • Level 3:国内外での構築・運用・再販を行う大規模なパートナー様向け。トレーニングシートも500ご提供、日本以外のグローバルリージョンでも専任の担当者がアサインされるなど、特にグローバル展開を行っているパートナー様に最適です。

また、Level 2以上ではGTM協業のためのリソース提供、Level 1以上では新たなインセンティブプログラムも開始され、これまで以上に魅力的なプログラムとなっています。どうぞご期待ください。

Oracle CloudWorld 2025のご案内

最後に、Oracle CloudWorld 2025のご案内です。10月13日~16日、ラスベガスのベネチアンリゾートにて開催予定です。生成AI、データ管理、セキュリティ、サステナビリティなど、最先端のクラウド技術に触れていただける貴重な機会であり、昨年は約150名のパートナー様にご参加いただきました。すでに多くのパートナー様からお申し込みを頂いておりますが、まだの方はぜひご検討ください。

これからの一年、より強固なパートナーシップを築きながら、さらなる成長と価値の創出を目指してまいります。引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。