※ 本記事は、Nathan ThomasHasan Rizviによる”Bringing Business Data Insights to Every User with Gemini Enterprise and Oracle AI Database“を翻訳したものです。

2026年5月18日


Google Cloud Next 2026において、OracleとGoogle Cloudは新しいAI連携機能とOracle AI Database@Google Cloudの継続的な拡張を発表しました。

長年にわたり、SQLやスプレッドシートから最新のアナリティクス、アプリケーション、そして今やAIへと、人々がデータを操作する方法は進化し続けてきました。クラウドとAIが仕事の進め方を変えていく中で、企業はデータのビジネス価値を安全に引き出し、まったく新しい方法で活用できる機会がさらに増えています。

本日、Google Cloud Next 2026で、OracleとGoogle Cloudは両社のパートナーシップをさらに一歩前進させ、Gemini EnterpriseとOracle AI Databaseを連携させることを発表しました。これにより、企業はAIを使用して最も重要なビジネス・データをより簡単に分析・活用できるようになります。

この協業が特に大きな意味を持つ理由は、 Fortune 100企業の97%がすでにOracleを利用してミッションクリティカルなワークロードを運用しているためです。Gemini Enterpriseをそのデータに直接接続することで、お客様はデータを複製したり複雑なデータ連携処理を必要とせず、既存の環境でリアルタイムのビジネス・コンテキストを活用できます。

GoogleとOracleの協業は、Oracle AI Database@Google Cloudにおいても勢いを増しています。拡大を続けるパートナーシップの一環として、新たな機能連携や機能拡張、利用可能リージョンの拡大を継続的に進めています。

新しいOracle AI Database Agent for Gemini Enterprise

Google Cloud MarketplaceにおいてOracle AI Database Agent for Gemini Enterpriseのプレビューを発表できることを嬉しく思います。この新しいエージェントにより、ビジネス・ユーザーはOracleデータに対して、SQLを記述したり、基礎となるデータ・モデルを理解することなく、 Gemini Enterpriseを通じてわかりやすい言語で質問できるようになります。これは、Oracle AI Databaseのミッションクリティカルなエージェント型AIワークロード向けに設計された革新的な技術を基盤としています。

たとえば、Gemini Enterpriseで、「次の四半期に北米で在庫切れのリスクが最も高い製品はどれか、収益への影響はどの程度か」などの質問をすることができます。Gemini Enterpriseは、Oracle AI Database Agentにリクエストを渡します。エージェントがその内容を解釈し、信頼できるビジネス・コンテキストに基づく回答を返します。

この仕組みが強力なのは、Oracle AI Database Agentが単にSQLクエリを処理するだけではなく、Gemini Enterpriseを利用して、ユーザーの意図を踏まえ意味的な解釈とガバナンス・ガードレールを適用した上で回答を生成することです。その結果、通常、データのセキュリティを維持しながら、より高品質な回答を、より効率よく提供できるようになります。これは、複数のOracleデータベースや異なる環境にデータが分散している企業にとって特に重要です。

このアプローチでは、セキュリティとプライバシーが基礎ととして重視されています。Oracle AI Database Agentを通じた問合せは、Oracle AI Database上の新しいOracle Deep Data Security機能を使用して処理されます。これはエージェントAI用に設計されたデータベースネイティブのアイデンティティ対応アクセス制御システムです。Deep Data Securityは、実行時にエンド・ユーザーやエージェントのアイデンティティをデータベースに引き渡すことができるため、アクセス・ポリシーをデータ・レイヤーで一元的かつ一貫して実装できます。行、列およびセル単位でのファイングレイン・コントロールによって、Oracle AI Database側で、ユーザーとエージェントが、表示を許可されたデータにのみアクセスできるようにします。

開発者は、自然言語による問い合わせだけでなく、Oracle AI Database Agentを使用して、データ・アクセス、分析、アクションを組み合わせた自動化されたマルチステップ・ワークフローを実現できます。Agent-to-Agent (A2A)との完全な互換性があるため、開発者はエージェント開発キット(ADK)を使用してエージェントをGemini Enterprise Agent Platformと統合できます。このアプローチにより、Oracleデータへ安全にプログラムからアクセスが可能になり、さらに、Oracle AI Database Agentを他のエージェントと一緒にオーケストレーションすることで、データ取得、分析、可視化、下流処理などの独自の自動化を作成できるようになります。たとえば、開発者は、あるエージェントがサプライチェーンのリスクを検出し、Oracle AI Database Agentを呼び出して関連する業務データを取得し、影響を分析し、追跡アクションを自動で実行する、といったワークフローを構築できます。すべて、手作業で問合せすることなく構築できます。

The Oracle AI Database Agent in Gemini Enterprise

Oracle AI Database@Google Cloudの拡大


また、Oracle AI Database@Google Cloudにおける強力な推進状況についてもご紹介します。リージョン、サービス、連携機能を継続的に拡大しています。この両者共同運用のマネージド・サービスにより、企業はすでに使用しているGoogle Cloudサービスに接続しながらエンタープライズ・グレードのパフォーマンス、可用性、セキュリティを備えたOracle AI Databaseを Google Cloud上で実行することができます。

Banco ActinverWorldlineをはじめとする先進的な企業は、データ・プラットフォームを最新化し、イノベーションを加速させるのに Oracle AI Database@Google Cloudを選択しています。

「このアプローチは、Googleのようなクラウド・パートナーの柔軟性と、Exadataのパワーとシンプルさを組み合わせたものです。まるで自分のデータ・センターを持っているかのようですが、クラウド上で実現できるのです。」- Worldline、ソフトウェア・エンジニアリング、統合および支払いプラットフォーム担当ディレクター、Arni Smit氏

今回のアップデート内容は次のとおりです:

  • 15リージョンへの拡大: より多くの企業が、レイテンシの影響を受けにくいユーザーにより近い場所でワークロードを導入できるようになり、データ・レジデンシー要件に対応しながら、Google Cloudリージョン全体で一貫したスケーリングを実現できます。今後メキシコやトリノなどのリージョン追加も予定されており、この拡張により、世界中のミッションクリティカルなワークロードに対して、より高い可用性と低レイテンシを実現できるようになります。
  • Oracle GoldenGate Serviceの統合 (CY26の後半に提供開始予定): リアルタイムでシステムへの負荷を抑えたデータ移行を可能にし、オンプレミスのOracle AI DatabaseからOracle AI Database@Google Cloudへ簡単に移行できるようになります。また、BigQueryと統合されているため、Google Cloud分析サービスを使用してOracle AI Databaseに格納されている業務データを分析できるようになります。これにより、BigQueryの機械学習機能をリアルタイムのOracleデータに対して実行できるようになります。

これらのアップデートに加えて、Google CloudのデータとAIサービスとの連携もさらに強化されています。新しい機能によって、OracleデータをAIワークフローに簡単に取り込めるようになります:

  • Remote Model Context Protocol (MCP)との統合: Google Cloud内のAIエージェントやアプリケーションがOracle Databaseにアクセスしやり取りするための標準化された安全なインタフェースを提供します。これにより、AI駆動型ワークフローの連携の複雑さを軽減します。なお、MCPに接続する前に、組織のデータおよびプライバシ・ポリシーを確認してください。
  • Knowledge Catalogとの統合: 統合されたデータ・ガバナンス機能をOracle AI Database@Google Cloudに拡張します。これにより、チームがデータ基盤全体に渡って、一貫したガバナンス・プラクティスを適用できるようにします。
  • Database Centerとの統合: Oracleデータベース環境をGoogle Cloud Database Centerに統合し、一元管理を可能にします。また、パフォーマンス、可用性、セキュリティ、データ保護に関するAIベースの分析・インサイトも提供されます。
  • BigQueryおよびBigLakeのデータ・アクセス (CY26の後半に提供開始予定): Oracle AI DatabaseでBigQueryによって書き込まれたIceberg表を読み取れるようになります。BigLakeを共有カタログとして使用することで、オープン・フォーマットのデータに対するクロス・プラットフォーム・アクセスを実現し、環境間でデータを複製する必要性を減らすことが期待されています。
Oracle AI Database@Google Cloud regions

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