※ 本記事は、Richmond Alakeによる”Oracle and DeepLearning.AI Launch New Agent Memory Course for AI Developers“を翻訳したものです。
2026年5月18日
AI開発者やエンジニアが、プロンプトやコンテキスト・エンジニアリングだけでなく、メモリ・エンジニアリングの実装に向け Oracle AI Databaseをエージェント・メモリ・コアとして活用するための無料の短期コースです。
「メモリは、ステートレスなLLMを、時間の経過とともに学習するエージェントに変えます。エージェント・メモリを設計・実装する方法は、現在AIで最も議論されているトピックの1つです。このコースでは、AI開発者とエンジニアが最も一般的なメモリ・パターンを包括的に理解できます。」
DeepLearning.AI創設者、Andrew Ng氏
OracleとDeepLearning.AIは本日、DeepLearning.AIプラットフォームで利用可能な新しい短期コース「Agent Memory: Building Memory-Aware Agents」のリリースを発表しました。このコースでは、AI開発者やエンジニア向けに、AIエージェントに持続性、継続性、長期にわたる学習能力を与えるメモリ・システムを設計および実装する方法を学べる内容になっています。
多くのエージェントは「記憶」を持ちません。新しいセッションが始まるたびにゼロからスタートし、過去のやり取りで蓄積されたコンテキストは失われ、すでに実行した内容から学習する仕組みもありません。その結果、AI開発者はしばしば、コンテキスト・ウィンドウにすべての情報を詰め込む、会話ログを毎回ロードする、その場しのぎの検索を追加するなどの回避策に依存することになります。
こうした方法でも機能はしますが、エージェント・システムの中で情報をどのように保持・管理すべきかについて、明確な考え方は提供されません。このコースでは、「メモリ」をAIエージェントの中心的な要素として扱い、そのメモリ・ファーストの視点を基盤に構成されています。
「この数年、私たちは単一のLLMコールから最良の結果を得るために、プロンプト・エンジニアリングやコンテキスト・エンジニアリングに注力してきました。しかし、数日から数週間にわたって動作するエージェントに適したコンテキストを設計するには、効果的なメモリシステムが必要です。このコースでは、エージェントの構築においてメモリ・ファーストのアプローチを採用しています。」
Oracle、AI開発者エクスペリエンス・ディレクタ、Richmond Alake氏
プロンプト・エンジニアリングを超えて
すでにプロンプト・エンジニアリングという言葉を聞いたことがあるでしょう。また、コンテキスト・エンジニアリングについても聞いたことがあるかもしれません。このコースでは、その次の段階としてメモリ・エンジニアリングを紹介します。長期メモリを、モデルの外部に存在し、永続的で構造化された中核インフラとして扱う考え方です。
このコースでは、LangChain、TavilyおよびOracle AI Databaseを基盤として、5つのハンズオン・モジュールを通じて、メモリ・スタック全体について学びます:
- なぜAIエージェントにメモリが必要なのか: 記憶を持たないエージェントがどのような問題を引き起こすのかを学び、コース全体で採用されるメモリ・ファーストのアーキテクチャを理解します。
- メモリ・マネージャの作成: さまざまな種類のメモリーに対応した永続的なメモリー・ストアを設計し、効率的な検索のためのメモリ・データをモデル化します。さらに、エージェントの実行中に読取り、書込み、検索を制御するマネージャを実装します。
- セマンティック・ツール・メモリを使用したエージェントのツール利用の拡張: ツールを「手続き的記憶 (Procedural Memory)」として扱い、それらをベクトル・ストアで索引付けします。そして、推論時にはセマンティック検索を使用して、その状況に本当に関連するツールのみを取得する仕組みを学びます。
- メモリ操作: 抽出、統合および自己更新メモリ: 生のやり取りから構造化された情報を抽出し、また、エピソード・メモリをセマンティック・メモリに統合し、エージェント自身がナレッジ・ベースを自律的に更新し、矛盾を解決できるようにする「書き戻しループ (write-back loop)」を実装するLLM駆動パイプラインを構築します。
- メモリ対応エージェント: 起動時に長期メモリーから情報を取り込み、実行中の推論状態を途中保存しながら、セッションをまたいで学習したコンテキストを保持するステートフル・エージェントを構築します。
「このコースで扱うパターンは単なる理論ではありません。AI開発者やエンジニアは、メモリー・ストアの構築、情報抽出パイプラインの接続、メモリー内の矛盾をどのように処理するかなど、実際の実装を順を追って学ぶことになります。受講後には、自分たちの本番環境向けエージェントに応用できる、実際に動作するコードを手にすることができます。」
Oracle、AI開発者アドボケート、Nacho Martinez氏
エージェント・メモリー・コアとしてのOracle AI Database
Oracle AI Databaseを、このコース全体で統合エージェント・メモリ・コアとして利用します。このコースでは、データベースを単なる受け身の保存場所として扱うのではなく、Oracle AI Databaseを、各メモリ・パターンを本番で機能させるための、能動的な検索・永続化レイヤーとして機能させる方法を示します。
Oracle AI Databaseは、複数の重要な検索戦略を単一のエンジン内で提供します。例えば、セマンティックの類似性と非構造化ナレッジ検索のベクトル検索、関連するエンティティ間の関係性を考慮した推論を行うグラフ探索、さらに、高い精度と一貫性が求められる構造化とトランザクション・メモリのリレーショナル・クエリなどです。これにより、データ・タイプごとに別々のシステムを用意する必要がなくなり、システム全体の複雑さを軽減できます。
このコースで学ぶ「セマンティック・ツール・メモリー」「自己更新メモリ」「メモリ統合」などのメモリー・パターンは、Oracle AI Databaseで本番レベルのエージェント・システムを構築するために実際に利用されているものと同じです。このコースでは、そのアーキテクチャをAI開発者やエンジニア自身が直接扱える形で学べます。
このコースの対象者
「Agent Memory: Building Memory-Aware Agents」は、次のような方を対象としています:
- 本番レベルのメモリ・アーキテクチャを必要とするAIエージェント・システムを構築または評価するAI開発者およびエンジニア
- LLMをマルチターン・マルチセッションのワークフローへ組み込むMLエンジニア
- LangChain、LangGraph、Tavilyを利用し、永続的かつ構造化されたメモリを実装したい開発者
- 大規模なAIエージェント基盤向けインフラとしてOracle AI Database評価する技術リーダー
利用可能
Agent Memory: Building Memory-Aware Agents – エージェント・メモリ: メモリ対応エージェントの構築はDeepLearning.AIで利用可能になりました。このコースは無料でアクセスでき、Oracleの経験は必要ありません。開発者は、https://www.deeplearning.ai/short-courses/agent-memory-building-memory-aware-agents/ で登録できます。
Oracle AI Databaseについて
Oracle AI Databaseは、AIワークロード向けに構築されたコンバージド・データベース・プラットフォームです。ネイティブ・ベクトル検索、グラフ探索、リレーショナル検索、および本番エージェントのメモリー・システムに必要な永続性インフラストラクチャをすべて1つのデータベース・エンジンで提供します。これにより、AIイノベーションのボトルネックとなる断片化されたインフラストラクチャが解消されます。Oracle AI Databaseは、開発者や企業がAIエージェントのための統合メモリコアとしてグローバルに使用され、インテリジェントで安全なメモリ対応AIエージェントを構築および導入しています。
