こんにちは。日本オラクルのクラウド・エンジニアの小西です。
あけましておめでとうございます。本年もOCIをよろしくお願いいたします。
年末年始をはさんでしばらく間が空いてしまいましたが、「Oracle Cloud Infrastructure 新機能ハイライト」では2024年もひきつづき Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の主な新機能をご紹介していきます。
それでは、前回以降のリリースノートに掲載されているOCIの新機能を見ていきましょう!
[Database] ベース・データベース:プラガブル・データベースでのSQLワークシートの利用
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コンソールのデータベース・ツールのSQLワークシートからPDBに接続できるようになりました。SQLやPL/SQLをOCIコンソールから直接実行し、PDBにオブジェクトを作成したりすることができるようになりました。
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詳細: SQL Worksheets.
[API Gateway] id_token および access_token からの複数レベルのクレーム抽出のサポート
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OpenID Connectフロー中に使用される
id_tokenおよびaccess_tokenトークンからカスタム・クレームを抽出できるようになりました。これは、マルチレベル・クレーム抽出と呼ばれるメソッドです。 -
マルチレベル・クレーム抽出を使用して、APIゲートウェイを設定して以下のことを実行できます。
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リクエスト認証に適した認証サーバーを動的に選択
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ルーティング・リクエストのバックエンドを動的に選択
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カスタム要求から抽出された値をヘッダーおよび問合せパラメータとしてバックエンドに渡す。
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詳細: Adding Context Variables to Policies and HTTP Back End Definitions.
[Database] Oracle Database@Azure マルチクラウド・データベース・サービスのリリース
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Oracle Database@AzureがEast US Regionでリリースされました!
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Oracle Database@Azureは、Oracle DatabaseワークロードをAzure上で実行するOracle Cloud Databaseサービスです。Oracle Database@Azureのすべてのハードウェアは、Azureのデータ・センターにコロケーションされており、Azure上のアプリケーションから、シンプルで低レイテンシかつセキュアに接続することが可能です。
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現時点ではEast US Regionのみで利用可能です。今後他のリージョンにも展開を予定しています。

[Compute] 専用仮想マシンホスト(Dedicated Virtual Machine Host)の再起動移行とVMシェイプ変更
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コンピュートの専用仮想マシンホスト(DVH)利用時の運用工数を削減するエンハンスが2点追加されました。
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専用仮想マシンホスト上のVMインスタンスの再起動移行(Reboot Migration)
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計画メンテナンス時に、DVH上のVMインスタンスを別のDVH上に移行
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VMインスタンスを再作成せず、再起動だけで移行が可能になったため運用工数が大幅に削減できる。
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オンデマンドで、DVH上のVMインスタンスを別のDVH上に移行
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ユーザ側のニーズに応じて必要なタイミングでオンデマンドで別ホストへの移動ができる。複数DVHホスト間でインスタンス配置を変更したい場合に柔軟に対応可能。
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専用仮想マシンホスト上のVMインスタンスのシェイプ変更
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VMインスタンスを再作成せずにスケールアップ、スケールダウンが可能になり、ワークロードの変化に柔軟に対応可能
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[Big Data] ビッグ・データ・サービスの JDK 1.8.0_381、JDK 11-0-20 用OSパッチ
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ビッグ・データ・サービスは、JDKパッチをオペレーティング・システム(OS)パッチの一部としてリリースしました。
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ビッグ・データ・サービス3.0.23以前で作成されたクラスタがある場合、今後のすべてのビッグ・データ・サービス・アップグレードの前提条件となるため、このパッチをインストールすることをお薦めします。ビッグ・データ・サービスでは、毎月新しい機能や更新された機能がリリースされ、このパッチで機能が更新されます。
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ビッグ・データ・サービス3.0.23以前で作成されたクラスタには、JDK 11を使用するTrinoを除くすべてのODHコンポーネントを実行するためのJDK 1.8.0_331が含まれています。
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JDK 1.8からJDK 1.8.0_381、およびJDK 11からJDK 11.0.20にアップグレードするために、既存のビッグ・データ・サービスのオペレーティング・システム(OS)パッチをリリースしています。
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Oracle JDKリリース・ノート: JDK 1.8.0_381 and JDK 11-0-20
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[Stack Monitoring] Oracle Unified Directoryのサポート
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スタック・モニタリングでOracle Unified Directory (OUD)がサポートされるようになりました。OUDのスタック・モニタリング・ソリューションには、OUDインストール・モードまたはタイプごとに1つずつ、LDAPディレクトリ・サーバー、LDAPプロキシ・サーバーおよびレプリケーション・ゲートウェイの3つのリソース・タイプが含まれます。
[OKE] Kubernetes version 1.28.2のサポート
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Container Engine for Kubernetesでは、バージョン1.27.2および1.26.7に加えて、Kubernetesバージョン1.28.2がサポートされるようになりました。Oracleでは、Kubernetes環境をバージョン1.28.2にアップグレードすることをお薦めします。
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Kubernetes 1.28.2の詳細: Kubernetes Changelog
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次の点に注意してください。
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Kubernetesバージョン1.28.2のサポートが利用可能になると、Container Engine for Kubernetesは、2024年2月15日にKubernetesバージョン1.25.12のサポートを終了します。その結果、次のことはできなくなります。
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Kubernetesバージョン1.25.12を実行している新しいクラスタの作成。
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Kubernetesバージョン1.25.12を実行している既存のクラスタに新しいノード・プールの追加。
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[Operations Insights] オペレーション・インサイトのプライベート・エンドポイント接続の変更
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オペレーション・インサイトでは、Oracleベース・データベース、Exadata Database Service on Dedicated InfrastructureおよびAutonomous Databaseに接続するためのOracle Cloudデータベースのプライベート・エンドポイントを作成できます。
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以前は、Oracle Cloud ベース・データベース用のRAC対応プライベート・エンドポイントが、RAC Oracle Cloud DatabaseおよびExadata Database Service on Dedicated Infrastructureには必要でした。2023年12月以降、オペレーション・インサイトがOracle Cloudデータベースに接続するためにこれらのタイプは必要はなくなりました。
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2023年12月より前にRAC Oracle Cloudデータベースのプライベート・エンドポイントを設定している場合は、これらは引き続き機能します。
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Dedicated Autonomousデータベースには、引き続き特別なDNSプロキシ対応プライベート・エンドポイントが必要です。
[OCI] 新規リージョン Valparaíso, Chile
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The Chile West (Valparaiso) リージョンがオープンしました。リージョン識別子: sa-valparaiso-1、リージョン・キー:VAP。
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これによってOCIのリージョンは48リージョンとなりました。

[Database Migration] データベース移行の新規ポリシー・テンプレート
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データベース移行サービスは、「ポリシー・ビルダー」(ポリシーの作成)セクションに新しいポリシー・テンプレートを追加しました。これにより、テナント管理者は、必要なすべてのポリシー(他の依存OCIサービスのポリシーを含む)を一度にプロビジョニングし、ユーザーが移行を設定および使用できるようになります。
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詳細: Required Policies and Creating a Policy
[Operations Insights] オペレーション・インサイトのAWRハブ・エクスプローラー
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AWRハブ・エクスプローラでは、データを抽出するSQL問合せを介してAWRのパフォーマンス統計を調べることができ、直感的なビジュアライゼーションを提供します。問合せでは、DBA_HIST_*ビューであるデータ・オブジェクトが使用されます。これらのビューには、AWRハブ内に格納されているAWRスナップショットが含まれます。
[Management Agent] 管理エージェントの新リリース
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管理エージェント・バージョン231214.1713では、次のエンハンスが使用できるようになりました。
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ログ・アナリティクスによって消費されるCPUおよびメモリーに関連するパフォーマンス修正。 起動パフォーマンスの向上
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/opt/oracle/mgmt_agentシンボリック・リンクへの管理エージェントのインストールのサポート。 その他のパフォーマンス強化およびバグ修正。
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[Stack Monitoring] Oracle GoldenGateのサポート
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スタック・モニタリングで、Oracle GoldenGateリソース(GoldenGate Service Manager、GoldenGate Performance Metric Server、GoldenGate Admin Server、GoldenGate Extract、GoldenGate Replicat、GoldenGate Distribution Server、Distribution Path、GoldenGate Receiver Server、GoldenGate Receiver Pathなどのコンポーネントを含む)がサポートされるようになりました。
[OKE] パス分析テストでKubernetesクラスタでのネットワーク構成の問題をトラブルシューティング
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事前定義されたネットワーク・パス分析テストを実行して、Container Engine for Kubernetesを使用して作成したクラスタのネットワーク構成の問題をトラブルシューティングできるようになりました。これらのパス分析テストでは、仮想ネットワーク・トポロジを調査し、複数のルート表を検証し、ネットワーク・セキュリティ・グループ(NSG)およびセキュリティ・リストのセキュリティ・ルールを精査します。実際のトラフィックは送信されず、構成が調査されてネットワーク到達可能性の確認に使用されます。
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たとえば、パス分析テストを使用して、VCNネイティブ・ポッド・ネットワーキングCNIプラグインを使用するKubernetesクラスタ内のポッドがOCIサービスにアクセスできるかどうか、またはその逆を判断できます。
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一部のテスト・パラメータまたはすべてのテスト・パラメータのデフォルト値は、クラスタで使用されるリソースのプロパティから導出されます。事前定義済のパス分析テストを実行すると、結果をJSONファイルとして保存できるため、過去のテスト結果と比較も可能です。
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パス分析テストは、OCIのネットワーク・パス・アナライザ(NPA)によって実行されます。事前定義済のパス分析テストに加えて、NPAを使用して独自のカスタム・パス分析を作成することもできます。
[Operations Insights] オペレーション・インサイトでHP-UXホストのサポート
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オペレーション・インサイトのHost Capacity Planningでは、Enterprise Managerを介してモニターされるHP-UXホストがサポートされるようになり、HP-UXターゲットのオペレーション・インサイト・リアルタイムのパフォーマンスおよび管理機能を利用できます。
[Operations Insights] オペレーション・インサイト Host Capacity Planningの機能拡張
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オペレーション・インサイト・ホスト・キャパシティ・プランニングに、次の機能改善が追加されました。
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サービスのホストを自動有効化:ホストまたはテナンシに追加されるたびに、新しいコンピュート・インスタンスを自動的に追加できます。
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バースト可能なベースライン推奨事項:バースト可能なインスタンスがサポートされるようになり、バースト可能として現在構成されているホストに関する情報、およびバースト性を活用できるコンピュート・インスタンスの推奨事項を表示できます。
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割り当てられていないストレージ:パーティションまたはファイルシステムに割り当てられていない未割当て領域を持つすべてのディスクが表示されるようになりました。
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[MySQL HeatWave] 作業リクエストによるバックアップ、リストアの進捗状況監視
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作業リクエストは、MySQL HeatWave DBシステムのバックアップおよびリストア操作の進捗状況を監視できるようになりました。バックアップ作業リクエストは、「バックアップの詳細」ページで表示できます。
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バックアップ操作のトラブルシューティングのために作業リクエスト・エラーを表示することもできます
[APM] APM 合成モニタリングの新リリース
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APM合成モニタリングの新しいリリースで、次の機能が追加されました。
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オンプレミス・バンテージ・ポイント: オンプレミス・バンテージ・ポイント(OPVP)を使用して、使用可能なパブリック・バンテージ・ポイントがアクセスできない場合に、オンプレミス環境内またはセキュアなクラウド環境内の任意の環境のアプリケーションを監視できます。
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DockerまたはKubernetesデプロイメントを使用してOPVPを作成できます。必要なイメージをAPMコンソールからダウンロードし、設定ウィザードを使用して設定手順を作成してバンテージ・ポイントを作成します。
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DNSモニター: 合成モニタリングで使用可能な新しいモニター・タイプ。DNSモニターを使用して、複数のDNSレコードの正しい認可サーバーへのDNSサーバーまたはその委任(あるいはその両方)の可用性をテストできます。これは、DNSレコードが正しく解決され、パフォーマンスが高いかどうかを監視するために不可欠です。
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詳細: Create a Monitor.
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以上が本日の新機能ハイライトです。
今後も引き続き新機能をお伝えしていきたいと思います。
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