この10月のリリースは、MySQLが新しいリリースモデル(LTS/イノベーションリリース)の導入を発表して以来、3回目のLTSリリース、2回目のイノベーションリリースとなります。リリースモデルの詳細についてはドキュメント MySQL Releases: Innovation and LTS をご参照ください。
イノベーションリリース MySQL 9.xは四半期ごとにリリースされ、新機能の追加、廃止と削除、バグ修正が行われます。
9.xリリースには、MySQL Shell、MySQL Router、Connector、MySQL クライアントも含まれます。また、MySQL Shell for VS Code の新しいリリースも提供されています。
MySQL管理者、開発者、ユーザは、9.x Iイノベーションリリース、8.4 LTS、8.0 Bugfixの各リリースをサポートする最新の9.x Connectorとクライアントに移行する必要があります。
MySQLは引き続き3ヶ月のリリースサイクルを維持
2025年1月のリリース予定
- バグ修正およびセキュリティパッチのみのリリース
- MySQL 8.4.4 LTS
- MySQL 8.0.41
- イノベーションリリース
- MySQL 9.2.0 IR
MySQL Server 9.1.0 イノベーション・リリースには以下が含まれます:
MySQL Server 8.4.3 LTS には以下が含まれます:
MySQL Server 8.0.40 には以下が含まれます:
アップグレードのご案内
- MySQL Server 8.0.xから最新の8.4.x LTS(現在は8.4.3)へのバージョンアップをお勧めします。
- 新機能の利用を希望されるお客様は、MySQL 9.1 イノベーションリリースへのバージョンアップをお勧めします。
MySQL Server 9.1 の主な新機能
MySQL Community Edition: SQL
- New! CREATE DATABASE と DROP DATABASE の一貫性確保とクラッシュセーフのサポート
- アトミックなDDLをサポートするInnoDBや他のストレージエンジンに対応
- ファイルシステムやその他の問題によって発生する可能性のある問題を的確に処理
- New! CREATE VIEW文のIF NOT EXISTS句のサポート
- 指定されたビューが存在しない場合、IF NOT EXISTS句が使用されていない場合と同じように通常通りビューを作成
- ビューが既に存在する場合、ビュー定義は変更されず警告を出力
- New! EXPLAINの改善
- 準結合(semijoin)が使用されている場合、EXPLAIN FORMAT=TREEの出力結果にその情報を包含
MySQL Enterprise Edition: JavaScript ストアドプログラム
- New! JavaScript ストアドプログラムのVECTOR型サポート
- ベクトル値を入力引数、出力引数、プリペアドステートメントのbind()パラメータ、戻り値として使用できるように強化
MySQL Enterprise Edition: MySQL InnoDB Cluster (グループレプリケーション)のフロー制御・監視
- フロー制御 が動作したかどうかと、どれくらいのスロットリングを引き起こしたかの出力を追加
- セカンダリが遅延している場合、フロー制御がプライマリを制御する
- フロー制御のチューニング のため新しい4つのメトリクスを追加
- 現在スロットルされているセッション数
- スロットルが発生した回数
- スロットル時間の合計
- 直近でスロットルされたトランザクションのタイムスタンプ
- データベース管理者は以下の実施が可能です。
- スロットリングに関するより詳細な洞察を得る
- クラスタがストレス下にあるかどうかを判断する
- フロー制御設定やハードウェア、構成の最適化
- よりスムーズなスループットの向上
MySQL Enterprise Edition: マルチスレッドアプライヤ – アプライヤ統計の拡張
- MySQLのパフォーマンススキーマに2つの新しいテーブルが追加されます。
- レプリケーション・パイプライン全体から統計情報を収集することでMySQLの可観測性を強化
- replication_applier_metrics テーブルにより、指定されたレプリケーション・チャネルに対するアプライヤ・メトリクスの提供
- replication_applier_progress_by_worker テーブルにより、指定されたワーカーに対するメトリクスの提供
- データベース管理者は以下の実施が可能です。
- DDLとDMLを区別する
- レプリケーション・スループット(バイト/秒)の監視する
- 完了したトランザクション、キューに入れられたトランザクション、進行中のトランザクション
- レプリケーションの遅延を診断し、追いつくまでの時間を見積もる
MySQL Enterprise Edition: テレメトリー
- New! OpenTelemetry ログのサポート
- MySQLサーバーからテレメトリーログをエクスポート
- OpenTelemetry 標準をサポートするコレクターとバックエンドに送信
- ログはOTLP HTTPプロトコルによるプッシュモデルを使用して、単一のエンドポイントにエクスポート可能
- ネットワーク暗号化はTLS経由で提供
- ログ圧縮をサポート
- データベース管理者は以下の実施が可能です。
- 本番環境での運用時トラブルシューティングを行う
- MySQLサーバーからログイベントを収集する
- ログデータを OpenTelemetry OTLPフォーマットに整形する
- OTLP ログを外部の OpenTelemetry Collector プロセスに送信する
MySQL Enterprise Edition: OpenID Connect (Oauth2 – JWT) 認証
- OpenID Connect (OIDC) によって以下のことが可能になります。
- ユーザーが本人であることを証明するための安全な認証方法として利用
- OIDC 認証プロトコル によるOAuth 2.0認証フレームワークを活用した統合SSOの提供
- セキュアな集中認証システムの活用
- OpenIDプロバイダ(OP)またはIDプロバイダ(IDP)として活用
- 開発者や企業で簡単に使用・管理できます。
- OpenID Connect IDP/OPにユーザー認証機能と連携することで、MySQLはRP(Relying Party)とすることが可能になります。
- OpenID の詳細については、Digital Identities に関するドキュメントをご参照ください。
- OpenID を使用すると、MySQL 9.1 のConnector、MySQL Router、クライアントは、OpenID Connect をサポートする外部の認証サーバ(IAM)によって実行された認証に基づいて、ユーザの ID を提供することができます。
- OpenID Connect IDP/OPにユーザー認証機能と連携することで、MySQLはRP(Relying Party)とすることが可能になります。
- OpenID プロバイダの例
- Oracle
- Microsoft
- Okta
- PingIdentity
- SecureAuth
- RSA Security
- Verizon
- Akamai
- その他 – Full list of Certified OpenID Providers
MySQLクライアントやツール、Connector の9.1もリリースしました。
- MySQLサーバーのバージョンに関わらず、MySQLクライアント、ツール、Connectorは常に最新バージョンを使用してください。
- MySQLクライアント、ツール、Connectorは、MySQL Server 8.0、8.4 LTS、9.1イノベーションリリースをサポートしています。
いつも MySQL をご利用いただき、ありがとうございます!

