日本オラクルでは、2023年4月に、国内企業を対象として、営業活動全般の課題や営業支援/顧客管理システム(以下、SFA/CRM)の導入・利用状況に関するアンケート調査を行いました。

本ブログシリーズでは、いくつか注目の結果をピックアップしてご紹介いたしました。第1回では、現在の営業活動の課題、第2回では営業部門の方が、SFA/CRMをどのように利用しているかについて、アンケート結果を元に掘り下げました。

3回目の今回は、経営・経営管理部門の方がSFA/CRM導入に期待している効果や実際に得られている効果などに焦点を当てます。


<調査概要>

  • 調査テーマ: 国内企業における、営業活動の課題、およびSFA/CRMの利用・導入実態を明らかにする
  • 調査対象: 国内企業の営業部門、もしくは経営・経営企画部門にご所属の正社員
    • 年間売上100億円以上の企業
    • 営業支援/顧客管理システムの導入・運用、利用に関与している方
    • 営業部門については、ご自身が法人担当(B2B)であること
  • 調査時期:2023年4月20日~4月26日
  • 回答者: 合計 n=1,400(営業部門 n= 1,200、経営企画部門 n=200)

経営部門は、SFA/CRMの導入によって、収益性向上や営業業務プロセス効率化の実現を求めている

今回のサーベイ回答者のうち、経営・経営管理部門に所属されている200人に対して、「SFA/CRM(営業支援/顧客管理システム)に期待していること」をお聞きしました(下図参照)。

SFA/CRMへの期待

最も多くの回答を集めたのは「収益性の向上」で、回答率は48%と約半数の方が選択しています。収益拡大というビジネス課題の解決策として、SFA/CRMに多くの期待が寄せられていることがわかります。

2位以下では、「営業業務プロセスの効率化(コスト削減)」、「既存顧客からの売上拡大」、「新規顧客・見込み顧客の開拓」がそれぞれ回答率45%、44%、43%とほぼ同率で上位に入っています。これらの回答は、第1回で取り上げた「営業活動全般の課題」の上位項目と一致していることから、経営・経営管理部門は、SFA/CRM導入が、いわゆる営業活動の全般の課題解決につながることを期待していること分かります。また、システムの導入により、「データに基づいた効果的な営業活動の展開」の実現にも期待を寄せています。

 

SFA/CRMの導入がビジネスにインパクトを与えるような効果は生み出しているケースは多くない

では実際に、これらのSFA/CRMに期待される項目は達成できているのでしょうか。下のグラフを見ていきましょう。

SFA/CRMへの期待と現実

このグラフでは、経営・経営管理部門がSFA/CRMに期待している項目と、SFA/CRMにより達成できている項目の回答率を比較しています。

期待している項目1位の「収益性向上」については、その回答率48%に対して、「達成している」とした回答率は25%と、期待と現実に大きなギャップがある事が分かります。また2位以下の項目では、特に「既存顧客からの売上拡大」で期待とのギャップが大きく見られます。既存顧客をより深く知り、そこで売上を広げていく、「Share of Wallet」の拡大に期待を寄せるも、現行のSFA/CRMでは期待する成果を得られていないことも多いようです。

「データに基づく効果的な営業活動の展開」についても、期待と現実に開きがあります。第2回では、営業部門でのSFA/CRMの活用は、顧客や案件の「記録」と「管理」にとどまり、データ利活用に及んでいないことを指摘しましたが、経営・経営管理部門でもまた同様に、データ利活用が不十分であるとの認識が見て取れます。SFA/CRMを導入するも、データよりも、勘や経験により多く頼る営業スタイルがまだ多いのかもしれません。

 

経営部門の85%が自社の営業活動は属人化されていると考えている

同じく経営・経営企画部門の方に、「自社の営業活動は属人化されていると思いますか」と尋ねたところ、実に全体の85%の方が「属人化している(「かなりそう思う」と「ややそう思う」の合計)」と回答しています。比較的大規模な企業を調査対象としていますが、大企業であっても、営業活動が属人化されているケースが非常に多いようです。

また、経営・経営企画部門が考える、営業活動の属人化の要因のトップは、「データに基づいた戦略が立てられていない」こと、となっています。ここでも「データ活用」がキーとなっています。営業支援システムを導入し、そのシステムにデータを記録・管理していても、そのデータを活用した戦略立案や、勝率向上に結びつく活動ができていないと、経営・経営企画部門では認識しているようです。また、「営業のノウハウが共有できていない」がそれに続いており、営業が個人の活動、「個のナレッジや力」でなされていることも、属人化につながる大きな要因と認識されているようです。

属人化の理由

 

皆様の組織は、同じような課題をお持ちではないでしょうか。

これまで3回にわたり、営業活動の課題に関するアンケート結果をご紹介しました。今回調査した国内企業様では、SFA/CRMを導入するも、十分な効果を得られていないケースが見られました。システムの使い勝手の問題の他、社内のデータ連携や、データの利活用に課題を感じる企業が多いことが分かりました。皆様の組織では、同じような課題はお持ちではないですか。

 

私たちオラクルは、皆様の組織の営業活動の課題を解決し、生産性と勝率向上に導く次世代営業支援システムとして、Oracle Fusion Salesを開発しています。もしもご興味・ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

◆日本オラクル お問い合わせ先

https://www.oracle.com/jp/corporate/contact/

 

◆オラクル製品に関するセミナーも実施しています。今年(2023年)に実施したウェビナーの概要はこちらのブログ記事をご覧ください

【Webセミナー】収益DXセミナー「営業の生産性向上と勝率向上を導く」 開催報告

 

◆調査結果のポイントはこちらの動画(外部サイト)からもご覧いただけます

日本オラクル_調査結果から読み解く国内企業の営業DXの現在地

https://videohub.oracle.com/media/t/1_1d19h0nz

 


これまでの国内企業調査レポート「営業DXの実態」ブログ

第1回 変化するビジネス環境における営業活動の課題とは

第2回 SFA/CRMは業務プロセス効率化や勝率向上に貢献していますか