※本記事は、Seth Singerによる”Digital-first customer service: The importance of offering unique service experiences”を翻訳したものです。

カスタマージャーニー全体における、カスタマーサービスの役割は、ただ単に問題を特定し、解決することだけではなくなってきています。今や、カスタマーサービスは、商品の購入から使用・サポートに関する問合せまで、顧客体験(CX)全体の重要なパートを担っています。

また、ブランドに対して顧客が抱く期待も変化してきています。Five9の調査によると、企業の意思決定者の83%が、カスタマーサービスの体験が顧客を引き留めるために重要だと回答しており、企業の意思決定者のほとんど(99%)が、カスタマーサービスがビジネスにとって非常に重要であると回答しています。

全4回の連載”カスタマーサービスはデジタルファーストであれ”の3回目である本記事では、ハイパー・パーソナライズな(お客様に合わせて最適化された)サービスによって、顧客が抱く期待の変化に追随していく必要性について記載します。

unique customer service experiences

 

ハイパー・パーソナライズなサービスは、デジタルファーストサービス戦略の鍵となる

こうしたカスタマーサービスの役割と重要性を踏まえると、顧客のカスタマーサービス部門とのやり取りは、多くの場合、「ブランドへのエンゲージメント」になるはずです。その結果、お客様に合わせて最適化された、デジタルなサービス体験を顧客に届けることの必要性は、想像以上に高まっていると言えるでしょう。

ハイパー・パーソナライズなサービスは、全ての顧客に同じサービスを提供することでも、汎用的なソリューションを考えることでもありません。すなわち、顧客を真に理解するために、データを活用することなのです。

ビジネスには、営業、サービス、マーケティング、サプライチェーンなどから生まれる、多くのデータがあります。顧客のニーズ、関心、ペインポイント、好まれるチャネルややり取りの方法を特定するために、データのサイロを解消し、活用できるようにしましょう。その上で、ハイパー・パーソナライズなサービスを提供し、満足度の高い優良顧客になって頂くべく、サービスプロセスを検討するようにしましょう。

例えば、以下のような活用の方法です。

  • Webサイトの閲覧履歴から、商品に対する理解度と問合せの可能性を予測する。例えば、理解度が浅く問い合わせの可能性の高い人には、再訪時に以前閲覧したページを案内する。顧客がWebサイトにログインしたタイミングで、商品の配送ステータスの更新を行う。
  • 顧客をセグメント分けしておき、状況に応じたサービス体験を受け取ることができるようにする。

 

ハイパー・パーソナライズなサービスを実現するための3つの手法

1. 顧客360度ビューを活用する

従業員向けの顧客360度ビューを活用し、リアルタイムの顧客情報を捉えることで、最適な応対を行うことができるようにしましょう。AIと統合することで、顧客ごとにパーソナライズされた最適な応対(ネクスト・ベスト・アクション)を提案してもらうことも考えられます。

2. 顧客の意図に沿ったオファーをチャネル問わず提供する

顧客の履歴データを用いて彼らが次にとる行動を予測し、その情報を全てのデジタルチャネルで共有することで、各タッチポイントでの顧客体験がより簡単でスムーズなものになるようにサポートしましょう。例えば、ホテルに宿泊しているお客様がチェックアウトする日には、どのお客様にも定型的に行う案内を省略する代わりに、レイトチェックアウトを、全てのチャネルで提案するといったことです。

3. デジタルチャネルでのやり取りをパーソナライズする

チャットやソーシャルメディアなどの、顧客が使いやすいデジタルチャネルでのサポートを提供し、そのチャネルでパーソナライズされた体験を提供するために、画面共有やビデオ通話といった1対1での顧客フォローアップを実施しましょう。


 

ハイパー・パーソナライズなサービスは、デジタルファーストなサービスによって顧客の期待に応え、企業の競争力を高めるための一つの方法に過ぎません。Oracleのサービス体験に関する最新の考え方については、この連載”カスタマーサービスはデジタルファーストであれ”の以下の関連記事をご覧ください。次回の第4回目は、「ハイパーコンビニエント(お客様にとって便利)なサービス」です。

 

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