※本記事は、Neil RamsayによるWhat is the Fusion Accounting Hub?を翻訳したものです。

この投稿では、Accounting Hubの機能の概要と、そのビジネス上のメリットについて説明します。Oracleの一般的な顧客のユースケースで締めくくります。

補助元帳会計とFusion Accounting Hub

補助元帳会計は、すべてのOracle Cloud補助元帳(買掛管理、売掛管理など)に会計サービスを提供します。Fusion Accounting Hubは、Oracle以外のapplicationsやERPでも同様の機能を使用可能にします。

主要コンポーネント

Accounting Hubは、以下の主要コンポーネントで構成されています。

補助元帳会計ポリシー

会計基準、会計構成、および勘定体系(COA)を組み合せて、企業、管理および規制の会計ポリシーを構成します。これはOracleおよびOracle以外の補助元帳に適用されます。

Accounting Hubを使用すると、ビジネス・ユーザーは、ソース・システム独自のデータ項目を使用して、独自の会計ルールを定義、保守およびレビューすることができます。たとえば、消費者ローンの勘定科目は、ローンの種類、返済スケジュールまたは顧客のリスクプロファイルに依存する場合があります。保証対象となる保険の請求に関する勘定科目、顧客事業所や控除可否です。Accounting Hubは、これらのデータ項目を「ソース」と呼びます。

会計ルールでは、定数、マッピング、複雑な条件および算式を使用します。仕訳のすべての側面(借方と貸方、勘定科目、通貨金額、摘要など)を管理します。複数期間会計などの高度な機能によって、会計期間をまたがる算式ベースの見越逆仕訳を計上できます。単発見越計上およびトランザクション戻し処理も使用できます。

会計エンジン

通常、インターフェース・プログラムはトランザクションをステージング領域に送信します。プリプロセッサは、これらをAccounting Hubにアップロードする準備をします。ステージング領域は、運用データ・ストアとしての役割を果たすこともできます。

アップロード後、会計エンジンは会計ルールをトランザクションに適用します。補助元帳トランザクションごとに個別の仕訳を生成します。セカンダリ元帳では、異なる会計処理基準とカレンダ、会計通貨を使用できます。レポート通貨元帳では、異なる会計通貨のみが使用されます。

会計エンジンは、各トランザクションのプライマリ元帳、セカンダリ元帳およびレポート通貨元帳を並行して処理します。これにより、すべての元帳に対して有効な会計を作成するか、あるいはどの元帳に対しても作成しないことで、一貫性と完全性が保証されます。

監査、リコンサイル、強化

会計エンジンは処理されたトランザクションごとに、次のものを生成します。

  • 各ソース・トランザクションおよび元帳に対する、完了状態の貸借一致した補助元帳仕訳
  • 補助元帳仕訳分析。会計エンジンが各トランザクション明細に会計基準をどのように適用したかを示すオプションの診断です。
  • 配分のリンクおよびインポートに関する参照。これらによって、どのトランザクション明細がどの仕訳明細と残高に寄与したかが追跡されます。
  • サポート参照、補助元帳仕訳明細のソース属性を取得するように会計エンジンを構成できます。サポート参照残高も使用できます。

レポート、照会、抽出

Accounting Hubは、監査のためのレポートおよび照会、照合、財務レポートを提供します。Financial CloseやEnterprise Data Managementなどを含む、EPMアプリケーションとの標準的な統合も利用できます。

Business Intelligence Cloud Connect (BICC)は、Accounting Hubから仕訳および残高を抽出します。サポート対象には、Oracle Fusion AI Data Platform (Fusion AI DP)および外部レポート・プラットフォームが含まれます。

価値提案

Accounting Hubは次の機会を提供します。

  • 敏捷性の向上。IT部門およびソース・システム所有者への依存を軽減します。ビジネス・ユーザーは会計ルールを一元的に保守できるため、応答性と一貫性が向上します。
  • リスクの制限。Accounting Hubは、ミッション・クリティカルなシステムおよびインターフェースの漸進的変化に役立ちます。
  • 可視性と制御の強化。インターフェース・プログラムやリモート・ソース・システムに分散している会計ルールを排除します。かわりに、ビジネス・ユーザーフレンドリなリポジトリに会計ルールを一元化します。
  • トレーサビリティと監査のメリット。会計エンジンは、GL残高の監査のためにソース・システム・トランザクション明細を保持します。診断は会計エンジンがすべてのトランザクション明細をどのように評価したか詳細を示します。
  • 財務レポートと管理レポートの連携。Accounting Hubのトレーサビリティおよびサポート参照機能により、管理レポートと財務レポートの整合性をかつてないレベルで提供します。

ソース・システム・データ

Accounting Hubの値は、ソース・システムと統合ツールの会計機能に依存します。次の3つのオプションを検討してください。

1.    クラウド補助元帳へのアップロード

このシナリオでは、ソース・システムのトランザクションをOracle補助元帳にアップロードします。

Oracle Cloud補助元帳でトランザクション・タイプがサポートされる場合は、このアプローチをお薦めします。たとえば、請求またはオーダー入力アプリケーションでは、Cloud Receivablesで請求書が作成されます。特に、Cloud ERPが後続のトランザクション・フローを管理する場合に適しています。たとえば、Cloud Receivablesが顧客入金も管理する場合です。

2.    総勘定元帳へのアップロード

ここでは、仕訳または残高を総勘定元帳に直接アップロードします。

ソース・システムまたはETLツールが有効な会計を生成できる場合は、このアプローチをお薦めします。即ち、少なくともプライマリ元帳のCOAを使用する、完全で貸借一致した仕訳です。

3.    Accounting Hubを導入

Accounting Hubは、生のトランザクションデータまたはパススルー仕訳を取り込みます。次のデータの場合はAccounting Hubを検討することをお薦めします。

  • 生のトランザクションデータ。Oracle補助元帳でサポートされるトランザクション・タイプではなく、ソース・システムで独自の仕訳を生成できない場合。
  • パススルー仕訳。ソース・システムがトランザクション通貨で貸借一致した仕訳を生成するものの、その勘定科目(COA)が会計方針には非対応の場合。

一般的なAccounting Hubのユースケース

いくつかの実際のユースケースは、Accounting Hubのソリューションに役立ちます。

金融サービスおよび類似産業

金融サービス企業は、大量のトランザクションと複雑なITインフラストラクチャを特徴としています。会計ロジックは、ソース・システム、レガシー・プラットフォームおよびETLアプリケーションに属します。銀行は、現在のアーキテクチャを合理化し、敏捷性を高め、リスクを制限し、最終的にコストを削減するために、財務変革への取り組みに着手しています。Accounting Hubは、柔軟で最新のプラットフォームに会計処理を一元化することで貢献します。

金融サービスの顧客は、段階的な導入アプローチを採用しています。第1の優先事項は、規制変更の対象となるシステム、または耐用期間終了に近づいているコンポーネントに依存するシステムです。

大手通信企業は、銀行よりも少ないソース・システムではありますが同様の課題に直面しています。

Accounting Foundation Cloud Service (AFCS)は、このアーキテクチャの主要コンポーネントです。Accounting Hubへのアップロード用にリモート・ソース・システムのトランザクションを照合、検証および準備します。

会計を転記すると、会計基盤はAccounting Hubから抽出された財務詳細でソース・システムのトランザクションを補完します。補完された(インストゥルメント単位の)結果は、再評価やリスクや収益性などの分析アプリケーションへの供給など、さらなる処理の基礎となります。運用データ、財務残高、分析アプリケーションによる結果は、企業業務のレポート・プラットフォームに連携されます。

企業会計プラットフォーム

買収によって成長する多国籍企業の多くは、新たに取得した子会社のIT機能を統合しないことがあります。その結果、企業全体で信頼できるタイムリーなレポーティングを行うことに課題を抱えています。レポートの次元の不整合やデータ品質の低下により、可視性と統制が弱体化します。

Accounting Hubは、子会社ERPの会計から企業勘定科目(COA)へのマッピングを一元化し、データの検証により企業一般会計を保護します。必要に応じて、複数の表示を生成できます。サポート参照情報を使用して、要約された管理ディメンションと財務fレポートとの照合を行います。

迅速な買収企業のオンボーディング(クラウドへの移行)

買収企業のIT機能を統合する企業mp、Accounting Hubのメリットを得られます。

中期的には、最近取得された子会社のERP機能は企業側に吸収されます。ただし、買収の直後は子会社旧来の勘定科目(COA)とプライマリ元帳の勘定科目(COA)のマッピングにAccounting Hubが使用されます。複数の表示と財務レポートをすぐに利用できます。サポート参照は、管理レポートおよび照合に役立ちます。

子会社のユーザーは、企業のソリューションに段階的に移行します。それと同様に、IT部門はインターフェースを廃止し、最終的にはレガシーERPを廃止できます。

フェーズI:子会社の会計は、Accounting Hubを介して企業クラウドに連携します。Accounting Hubは、レガシー勘定科目(COA)および会計ポリシーを企業標準にマッピングします。

フェーズII:子会社は、複雑さとビジネスの優先順位に応じて、Oracle Cloudの補助元帳を段階的に導入します。各ビジネス・プロセスがOracle Cloudに移行すると、取得した子会社ERPからのデータ連携が廃止されます。

フェーズIII:IT部門はレガシーERPとそれによるAccounting Hubへのデータ連携を廃止します。

まとめ

Accounting Hubは、高度な会計対応の変換ツールです。上流のソース・システムによってもたらされる課題に対処します。会計機能がどれほど基本的なものであるかは関係ありません。

多数のソース・システムを持つ業界では、Accounting Hubが財務変革構想の重要な要素です。また、段階的なクラウド移行においても重要な役割を果たすことができます。

Neil Ramsay

Cloud ERP開発担当シニア・ディレクタ

NeilはE-Business SuiteにさかのぼるOracle ERPアプリケーションに関する30年の経験を持っています。製品戦略への参加前、NeilはOracle Redwood Shoresキャンパスのアプリケーション開発担当シニア・ディレクタでした。ACE ERPチームのメンバーとして、Neilは戦略的な顧客のクラウド変革のジャーニーに協力しています。Neilはスペインのマドリードに拠点を置いています。