※本記事は、Neil Ramsayによる”Harness the Business Value of Quarterly Updates“を翻訳したものです。
四半期アップデートは、Oracle Cloudを使用するお客様に継続的なイノベーションを提供します。この投稿では、四半期アップデートの主な機能を要約し、IT部門担当者、ステークホルダーおよびビジネスユーザーの方々への推奨事項を説明します。
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新機能の導入
四半期ごとに新機能を十分に確認することが重要です。機能が自分に関連するかどうかを理解するビジネスプロセスオーナーと実装者も参加させましょう。すべての機能が適用されるわけではありませんが、詳細なレビューを行わないと、アップデートが本番に適用されたときに混乱が生じるリスクがあります。
Oracle Cloud Readinessでは、次のタイプの変更の種類を区別しています。
Ready for Use by End Users – エンドユーザーがすぐに使える(機能提供時には使用可能)
一般的に、レポートや小規模なUIまたはプロセスベースの新機能で、ビジネスユーザーへの影響が少ないものを指します。通常、これらの機能はマイナーなフィールド、バリデーションまたはプログラムの変更です。
Customer Must Take Action before Use by End Users – エンドユーザーが使用する前にお客様による処理が必要(機能提供時には無効)
ビジネスユーザーがこれらの機能を使用する前に、処理が必要です。いつ有効にするかは自分でコントロールします。たとえば、新しいBIサブジェクト領域、新しいWebサービス、またはアクセス出来るようになる前にユーザーロールに割り当てる必要がある機能などです。
Optional Uptake of New Features (Opt In) and Opt-in Expiry – 新機能のオプション導入(オプトイン)およびオプトイン失効
エンドユーザー エクスペリエンスを変更させる可能性がある新機能は、無効にした状態で配信されます。オプトインUIで明示的に有効にする必要があります。また、使用する前に、追加のセットアップや設定手順が必要になる場合もあります。
オプトイン機能では、ステージポッドで機能をレビューしテストする時間が与えられます。その妥当性を判断したら、ビジネスユーザーへのロールアウトを準備することができます。
オプトイン機能には、オプトイン失効リリースがあり、その時点で、その機能はエンドユーザーに自動的に公開されます。失効を待つ必要はありません。プロダクションポッドでオプトインが有効化されると、これ以上の手順は必要ありません。
機能が利用可能になってからオプトイン失効の期間は様々ですが、追加の設定または構成が必要な機能の場合は、少なくとも2つの四半期となります。オプトインが失効する前に、機能をレビュー、実装およびロールアウトするのに十分な時間を確保するようにしてください。
シードセキュリティロールの変更は、カスタムロールに自動的に伝播されないことに注意して下さい。四半期アップデートで、カスタムロールのベースとして使用したシードロールが変更された場合、対応する変更を手動で適用してテストする為のリソースを割り当ててください。
すべてのFusion Cloudアプリケーションの失効されるオプトイン機能は、統合されたオプトイン失効機能ページでレビューすることができます。
オラクルの推奨事項
学際的(分野横断的)チームの設立
四半期ごとのテストの調整と新機能の評価とロールアウトを担当する常設的なチームを設立します。IT部門、ステークホルダーおよびビジネスユーザーは、必要に応じて対応できるようにする必要があります。
テストの優先順位付け
関連するレポートや統合などの主要なビジネスプロセスに重点を置きます。ステージポッドの更新が完了したら、できるだけ早くテストを実行し、問題が発生した場合はサービスリクエストのログを記録します。
自動化
ステージ更新と本番更新の間、2週間で四半期ごとのアップデートとメンテナンスパックを繰り返し手動テストすると、リソースが集中し、エラーが発生しやすくなります。自動化することで、より早く結果を得ることができ、結果の分析にリソースを割くことができるようになります。
本番からテストへのコピーのリクエスト(P2T)
四半期ごとのリリーステストは、本番と同じ構成とトランザクション量を持つステージポッドで実行すると、最も価値があります。Oracle Support note 2015788.1に記載されているガイドラインとスケジュールに関する考慮事項を考慮して、四半期ごとのリリースアップデート前にP2Tをリクエストすることをお薦めします。
Oracle Cloudレディネス・ドキュメントの確認と対応
Cloud Readinessドキュメントを慎重に確認して、四半期アップデートがビジネスプロセスに与える影響を評価して下さい。追加のセットアップや設定手順が必要なオプトイン失効に特に注意してください。
結論
Oracle Cloudの四半期アップデートには多くのメリットがありますが、ビジネスの円滑な運営のためには意識的に管理する必要があります。四半期ごとのリリースを予測し、レビューとテストを計画することがこれらのメリットを実現するための鍵となります。
Neil Ramsay
クラウドERP開発担当シニアディレクター
E-Business Suiteまでさかのぼり、30年にわたるOracle ERPアプリケーションの経験を持ちます。製品戦略に参加する前は、OracleのRedwood Shoresキャンパスでアプリケーション開発担当のシニアディレクターを務めていました。ACE ERPチームのメンバーとして、戦略的なお客様のクラウドトランスフォーメーション ジャーニーに協力しています。現在、スペインのマドリッドを拠点に活動しています。