日本オラクルでは、2023年4月に、国内企業を対象として、営業活動全般の課題や営業支援/顧客管理システム(以下、SFA/CRM)の導入・利用状況に関するアンケート調査を行いました。本ブログシリーズでは、数回にわたって、いくつか注目の結果をピックアップしてご紹介いたします。

第1回目の今回は、国内企業のビジネスを取り巻く環境の変化に対する懸念事項や、営業活動の課題にフォーカスします。


<調査概要>

  • 調査テーマ: 国内企業における、営業活動の課題、およびSFA/CRMの利用・導入実態を明らかにする
  • 調査対象: 国内企業の営業部門、もしくは経営・経営企画部門にご所属の正社員
    • 年間売上100億円以上の企業
    • 営業支援/顧客管理システムの導入・運用、利用に関与している方
    • 営業部門については、ご自身が法人担当(B2B)であること
  • 調査時期:2023年4月20日~4月26日
  • 回答者: 合計 n=1,400(営業部門 n= 1,200、経営企画部門 n=200)

ビジネスを取り巻く環境が大きく変化する中、「売り方の差別化」がより求められるようになっている

今回のサーベイ回答者全員(n=1,400)に対して、まずは「自社のビジネスにおける競合環境・市場環境における懸念」をお聞きしました。その結果、「懸念はない」を選択したのはわずか1割で、9割の方はなんらかの懸念を抱いていることが分かりました。

懸念があるとされた方には、具体的な懸念点として該当するものを選択肢から選んでいただく形でお聞きしました。その回答の上位6項目をグラフで示しています(下図参照)。

ビジネスを取り巻く環境変化

 

最も多くの回答を集めたのは、「製品での差別化ができなくなってきている」で、約4割の方が選択されました。そして、「顧客の好みが細分化している」が回答率34%で続いています。激しく変化する市場環境においては、売り手側は、従来の製品サービスを従来の方法で提供し続けるだけではビジネス成長が見込めない、そのような時代になってきていることを反映した結果となりました。

3位以下に注目しますと、「新規領域への展開」や「新たな競合の進出」の回答率が多く、新たな競合環境や未知なる領域で戦う必要ができていることを懸念として抱いている方も多いことが分かります。また、5位以下では、3割近い方が「商材の複雑化」や「販売プロセスの複雑化」を選択しています。複雑化する商材や販売プロセスが大きな懸念材料となり、その変化にどう対応しどう戦っていくか、という点が多くの企業でビジネス課題になっています。売り手側が買い手側に対応して、製品サービスやその「売り方」を変えていく必要ができていると言えるでしょう。

 

「営業業務効率化」と同時に、「新規開拓」と「既存顧客の深堀」、「人材育成」や「組織営業の実践」に取り組む必要がある

続いて、回答者全員(n=1,400)に「自社の営業活動全般の課題」についてお聞きしした結果をご紹介します(下図参照)。

営業活動の課題

 

最も回答率が高かったのは、「営業活動の業務効率化」で、過半数の方(回答率54%)がこの項目を選択されています。これまでも多くの企業で、営業業務の効率化については様々取り組んできてらっしゃると思いますが、依然として業務効率化が最大の課題であり続けているがことがわかります。

2位には「新規顧客・見込み顧客の開拓」が続き、43%の方がこれを選択されています。1つ順位を置いた4位には、「既存顧客からの売上拡大」が続いており、営業活動においてはその目的たる「売上拡大」に直につながる活動を課題として捉えられていることがわかります。新規のみならず、既存のお客様からの売上げを増やすこと、1つの顧客の「Share of Wallet」をいかにして広げていくか、を課題として捉えている方も多いことが分かります。

3位の「営業人材の育成」については、2位の「新規顧客・見込み顧客の開拓」とほぼ同率となっています。営業活動においては、一般的には一部の経験豊富なベテランの営業担当者への依存度が高い傾向があると思われます。その中で、経験の少ない営業・新人の営業人材をいかにして売上に貢献できる人材に育ていくか、特にマネジメント層にとっては大きな課題となっています。

5位と6位には、「営業戦略の立案」、「ノウハウ共有による営業活動の質の向上」が続きます。個々の力だけではなく、「組織」として営業活動を「戦略的」に行うことが実践できていないことを課題として捉えるかも多いことが読み取れます。


今回の回答者は、全てSFA/CRM(営業支援/顧客管理システム)の利用者となります。今回ご紹介したビジネス環境の変化への懸念や、営業活動での課題に対して、現行のSFA/CRMは対応・貢献しているのでしょうか。第2回では、SFA/CRMの現在の利用状況についての調査結果をご紹介しつつ、SFA/CRMの利用実態を深堀していきたいと思います。

 

◆調査結果のポイントはこちらの動画(外部サイト)からもご覧いただけます◆

日本オラクル_調査結果から読み解く国内企業の営業DXの現在地

https://videohub.oracle.com/media/t/1_1d19h0nz