優秀賞を受賞したファイントゥデイ様に、開発の舞台裏を伺いました

日本OATUG(Oracle Application Technical User Group)、Cloud ERP/EPM SIGでは、2026年2月から約4か月にわたり、初となる**「Fusion AI Agent Studio ハッカソン」**を開催しました。

ハンズオンやアイディエーションからスタートし、作品応募、ユーザー投票、審査を経て、多くの実践的なAIエージェントが生まれました。今回は、その中でも優秀賞を受賞した株式会社ファイントゥデイ様に、ユースケース選定の背景や開発を通じて得られた学び、これからAI活用を進める企業へのメッセージについてお話を伺いました。

株式会社ファイントゥデイ 槙 智史 様、市川 宗司様

「業務インパクトが大きいテーマ」を選んだ

数ある業務課題の中から、ファイントゥデイ様がテーマとして選んだのは在庫水準の最適化でした。選定理由については、

「一部門だけで完結する業務ではなく、複数部門にまたがり、業務へのインパクトが大きいテーマだった」 「ロジスティックスなど外部のステークホルダーがいるため、重要度・貢献度が高いユースケースであることが選定したポイントとなった」と振り返ります。

AI活用の効果をより広く発揮できる業務を意識してユースケースを選定したことが、今回の成果につながったそうです。また、RPAではなくAIエージェントが適している理由として、経験やナレッジに基づく推論を伴う業務までカバーできる点についてもご説明いただきました。

AI開発で最も苦労したのは「プロンプト設計」

実際にAIエージェントを開発してみて、当初の想定とは異なる発見を伺いました。

「特に苦労したのはプロンプト設計です。AIは期待する回答が返ってこない場面も多く、何度も試行錯誤を重ねながら改善を進めた。」とのことでした。

また、「ラフな質問や短いセンテンスでは、業務で求められる精度の回答は得られない」

という学びも共有いただきました。AIを業務で活用するには、業務要件を適切に言語化することが重要であることを実感されたそうです。

AIは「業務を見直すきっかけ」になる

もう一点、開発を通じて大きな気づきを共有いただきました。

「AIで代替できる業務は何かを考えるきっかけとなった。AIを前提として業務プロセスを見直す機会になったことが、大きな成果だった」と、語っていただきました。

AIエージェント開発の道のりは困難

「ユーザーにAIエージェントを実際に使うイメージを持ってもらい、という思いで取り組みを始めたが、ここまでの道のりは大変だった。チームメンバー3名で取り組んできたが、他のユーザー企業、パートナー企業、オラクル社との勉強会を通じ、伴走しながら進めてきた。」とこれまでの苦労を振り返っていただきました。

また、 「ユーザーに『これは使いたい』と思ってもらえる、期待を超えるレベルまで仕上げること」が最も難しかった点でもあったそうです。 技術だけではなく、ユーザー体験まで考慮した開発の重要性がうかがえました。

AI時代に必要なのは「ITスキル」より「業務理解」

これからAI活用に挑戦する企業へのメッセージとして印象的だったのは、

「まず業務を理解することが重要」

という言葉でした。

APIやデータ構造などの技術知識はもちろん必要ですが、それ以上に、

  • 業務全体を理解すること
  • 部門横断でEnd to Endのプロセスを考えること

が、AI活用を成功させる鍵になるとのことでした。

最後に

インタビューの最後には、

「AIを使うことを前提にオラクルの仕組みが整ってくると思う。OracleのAIエージェント活用を、皆さんと一緒にさらに盛り上げていきたい。」

という力強いメッセージをいただきました。

今回のインタビューでは、AIエージェント開発の技術面だけではなく、業務変革という視点からも多くの示唆をいただきました。

Cloud ERP/EPM SIGでは今後も、ユーザー企業の実践事例を共有しながら、Oracle Fusion AIの活用を後押しする活動を継続してまいります。