こんにちは。日本オラクルのクラウド・ソリューション・エンジニアの小西です。
お正月ボケがようやく解消されてきました。寒い日が続きますが皆様体調崩されないようご注意ください。
「Oracle Cloud Infrastructure 新機能ハイライト」では、基本的に隔週でOracle Cloud Infrastructure(OCI)の主な新機能をご紹介していきます。
それでは、前回に引き続き、ここ二週間のOCIの新機能を見ていきましょう!
[OKE] Oracle Linux 8 ワーカー・ノードのサポート
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Kubernetes 1.20.x以降を実行しているノード・プールのワーカー・ノードをプロビジョニングする際にOracle Linux 8イメージを選択できるようになりました。
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Oracle Linux 8は、Federal Information Processing Standards (FIPS) をサポートしています。Oracle Linux 8イメージを使用する場合は、FIPSモードを有効にできます。
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Oracle Linux 8イメージにはDockerは含まれていないことに注意してください。代わりに、Kubernetes 1.20.x以降を実行しているノード・プールでは、Container Engine for Kubernetesが CRI-O コンテナ・ランタイムとcrictl CLIをインストールして使用します。
[Compute] IntelベースのStandard3シェイプ(Standard X9)のリリース
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Intelプロセッサ搭載の最新X9ベースのStandard3シェイプがベアメタル、VMともにリリースされました!

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Tokyo、Osakaリージョンでも利用可能
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プロセッサ:Intel Xeon Platinum 8358(ベース周波数2.6GHz、最大ターボ周波数3.4GHz)
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VMインスタンスはフレキシブル・シェイプ
シェイプ OCPU メモリー ネットワーク BM.Standard3.64 64 1024 GB 2 x 50 Gbps VM.Standard3.Flex 1 – 32 1-64 GB per OCPU 、Max 512GB 1 Gbps per OCPU 、Max 32 Gbps
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価格
SKU 価格 メトリック Oracle Cloud Infrastructure – Compute – Standard – X9 ¥4.80 OCPU Per Hour Oracle Cloud Infrastructure – Compute – Standard – X9 – Memory ¥0.18 Gigabyte Per Hour -
他のIntelシェイプとの比較
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VM.Standard2.1 ( 1 OCPU + 15 GB mem ) = ¥ 7.656 per hour
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VM.Standard3.Flex ( 1 OCPU + 15 GB mem ) = ¥ 4.80 + ¥ 2.70 = ¥ 7.50 per hour
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VM.Optimized3.Flex ( 1 OCPU + 15 GB mem ) = ¥ 6.48 + ¥ 2.70 = ¥ 9.18 per hour
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同じOCPU数、メモリサイズであれば、Standard2とStandard3はほぼ同等の価格。
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アナウンスBlog:Announcing Oracle Cloud’s Standard3 instances with 3rd Gen Intel Xeon Ice Lake processors
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Standard2ベアメタル・インスタンスと比較して、 Standard3ベアメタル・インスタンスは、整数パフォーマンスが最大約62%、浮動小数点パフォーマンス約72%、STREAM Triad帯域幅約73%向上。

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また、Standard3のリリースに伴い、2/28以降にStandard2(X7 Standard)が、3/31以降にStandard.E3が前世代シェイプになります。これらのシェイプは今後も引き続き完全にサポートされますが、もしこれから新規に作成するのであれば基本的には同単価で最新スペックになっているStandard3やStandard.E4がおすすめです。
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詳細: Compute Shapes
[Application Performance Monitoring] アプリケーション・パフォーマンス・モニタリングの合成モニタリングの機能強化
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次の合成モニタリング機能を備えた新しいリリースが利用可能になりました。
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RESTモニターを作成するときに、本文だけでなくレスポンス・ヘッダーで期待される応答を確認できるようになりました。以前は、「レスポンス・コンテンツの確認」オプションを選択し、文字列またはREGEXを追加して、レスポンス本文やヘッダーで期待される応答を確認できます。
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RESTモニターのモニター実行間隔の最小期間として1分を指定します。
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既存のモニターのクローンを作成します。
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[OCI] 新規リージョン Johannesburg, South Africa
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South Africa Central (Johannesburg) リージョンがオープンしました!
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リージョン名 af-johannesburg-1、リージョン・キー JNB です。現時点で世界中で37リージョンが提供中となります。
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詳細
[Operations Insights] Capacity Planning でSolarisホストのサポート
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オペレーション・インサイトのHost Capacity Planning 機能でEnterprise Managerで管理されるSolarisベースのホストもサポートされました。
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詳細:Application Menu and Scope Adding Enterprise Manager Targets.
[Network Load Balancer] ネットワーク・ロード・バランサのIPv6サポート
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ネットワーク・ロード・バランサ(NLB)でデュアル・スタックIPv6アドレスもサポートされました。同じネットワーク・ロード・バランサの上でIPv4もIPv6もサポートできます。
[OKE] カスタムのCloud-init初期化スクリプトのサポート
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Container Engine for Kubernetesでインスタンスをワーカー・ノード・ホストとして構成する際に使用される起動スクリプトをカスタマイズすることができるようになりました。インスタンスが初めて起動すると、cloud-initが起動スクリプトを実行します。
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デフォルト・ロジックの前または後に、独自のロジックをスクリプトに追加できます。デフォルトの起動スクリプトをカスタマイズすることで、例えば以下のようなことが可能になります。
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セキュリティとコンプライアンスの目的で、すべてのワーカーノードホストにSELinuxポリシーを構成
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起動時にインスタンスのエフェメラル・パブリックIPの割り当てを解除し、代わりに予約済みのパブリックIPをインスタンスに再割り当て
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企業内のプロキシの構成
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カスタムyumプロキシの構成
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必須のウイルス対策ソフトウェアやその他のセキュリティツールをインストール
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[Database] Exadata Cloud Service: DB作成時のDB_UNIQUE_NAME と Oracle SID接頭辞の設定
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Exadata Cloud Serviceで新しいOracleデータベースを作成するときに
DB_UNIQUE_NAMEの値とOracle SID接頭辞を指定できるようになりました。Oracle Data Guardアソシエーションでスタンバイ・データベースを作成するときにこれらの値を設定することもできます。 -
詳細:
[Database] Exadata Cloud Service: プラガブル・データベースのライフサイクル・サポート
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Exadata Cloud Serviceで、コンソールやAPIからプラガブル・データベース(PDB)の作成と管理が可能になりました。
[Big Data] Big Dataの新リリース
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Big Data Service clusters バージョン 3.0.5 以降
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Data Catalog External Metastore がクラスターのコンソールから構成できます。
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Big Data Connector の機能、 Oracle Loader for Hadoop, Oracle SQL Connector for HDFS, Copy to Hadoop がクラスタ・ノードで利用可能です。
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[Database] VMおよびベアメタルDBシステム:コンソールやAPIでのData Guardタイプの選択
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仮想マシンまたはベアメタルDBシステムの場合、コンソールで新しいData Guardアソシエーションを作成するとき、またはAPIを使用するときに、Oracle Active DataGuardと通常のOracle Data Guardのどちらかを選択できるようになりました。既存のデータのData Guardタイプを変更することもできます。コンソールとAPIを使用したGuard Guardの関連付け。
[OKE] ファイル・ストレージ・サービス上のKubernetes Persistent Volume Claims (PVCs) プロビジョニングのサポート
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Oracle Cloud Infrastructure ファイル・ストレージ・サービスでファイル・システムをマウントし、Kubernetes永続ボリューム・クレーム(PVC)をプロビジョニングできるようになりました。ファイル・ストレージ・サービスのファイル・システムは、クラスターにデプロイされたCSI(Container Storage Interface)ドライバーを使用してContainer Engine for Kubernetesによって作成されたクラスター上で実行されるコンテナ内にマウントされます。
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ファイル・ストレージ・サービスを使用してPVCをプロビジョニングするには、ファイル・ストレージ・サービスでファイル・システムとマウント・ターゲットを手動で作成し、新しいファイル・システムに基づく永続ボリューム(PV)を定義して作成し、最後に新しいPVCを定義します。 PVCを作成すると、Kubernetes Container Engineは、ファイル・ストレージ・サービスに基づくPVにPVCをバインドします。
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ファイル・ストレージ・サービスは、デフォルトでOracle管理の暗号化キーを使用して、保存データを常に暗号化します。PVCを作成する場合、Vaultサービスで自分で管理する独自のマスター暗号化キーを使用してファイル・システムを暗号化するオプションもあります。
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保存中の暗号化とは別に、PVCを作成するときに転送中暗号化を指定するオプションもあります。転送中データは、保存中データがOracle管理キーやユーザ管理キーを使用して暗号化されているかどうかに関係なく、常にOracle管理のTLS証明書を使用して暗号化されます。
[Data Science] JupyterLabのエンハンスメントと新規アイコン
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JupyterLab環境に以下の機能強化が行われました。
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環境エクスプローラーのタブリスト・ビューが更新され、画面でのユーザーエクスペリエンスが向上
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[環境エクスプローラー]タブと[ランチャー]タブのHealthcare Neurophysiology、Computer Vision、およびRapids conda環境の新しいアイコン。
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[ランチャー]タブの更新
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開始手順を提供するウェルカムセクション
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検索機能
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Oracleが提供する拡張機能のリストを示す特別なセクション
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[Visual Builder] Visual Builder のリリース
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Oracle Visual Builderは、魅力的なモバイルおよびWebアプリケーションを開発およびホストするための視覚的で宣言型のクラウド環境です。RESTベースのサービスからデータに簡単にアクセスし、データを保存および管理するための再利用可能なビジネス・オブジェクトを作成できます。クラウドベースのビジュアル開発ツールを使用することで、追加のソフトウェアをインストールしなくても、応答性の高いWebアプリケーションとモバイル・アプリを作成してテストできます。ビジュアル・デザイナを使用すると、UIコンポーネントをドラッグアンドドロップし、属性をカスタマイズし、動作を定義することで、アプリケーションにページをすばやくレイアウトできます。
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Oracle Visual Builderは、生産性を高めるための豊富なビジュアル・デザイナを提供しますが、経験豊富な開発者は常にアプリケーションのソースコードにアクセスできます。開発者は、コードエディタを使用してアプリケーションの機能を強化し、カスタムJavaScript関数を記述してアプリケーション・メタデータを編集できます。Oracle Visual Builderは、オープンソースのOracle JavaScript Extension Toolkit(Oracle JET)を活用して、魅力的なWebおよびモバイル・インターフェイスを作成します。Webコンポーネント標準に基づいて構築された再利用可能なOracle JET Webコンポーネント・アーキテクチャをアプリケーションに追加して、ユーザーエクスペリエンスをさらに向上させることができます。
[MySQL] MySQL version 8.0.28 のサポート
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MySQL Database Service で MySQL 8.0.28 がサポートされました。新規のMySQL DB システムは最新のMySQL Databaseバージョンに基づきます。
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既存のDBシステムのアップグレード、例えばバージョン8.0.27から8.0.28については手動でアップグレードが必要。MySQL Server upgrades
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新規のマイナーバージョンはいくつかの改善やBug修正を含みます。詳細: MySQL 8.0.28 Release Notes
[OKE] Container Engine for Kubernetes でブート・ボリュームとブロック・ボリュームのユーザ管理キーでの暗号化をサポート
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VMインスタンスを使用してノード・プールをプロビジョニングする場合、Vaultサービスで自分で管理する独自のマスター暗号化キーを使用して、保存中および転送中のワーカー・ノードのブート・ボリュームを暗号化することが可能になりました。独自のマスター暗号化キーを使用する場合は、保存中と転送中の両方の暗号化に同じキーが使用されます
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ブート・ボリュームの暗号化の詳細: Custom Create Workflow to Create a Cluster.
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ブロック・ボリューム・サービスを使用して永続ボリューム・クレーム(PVC)をプロビジョニングする場合、以下の指定をして、ブロック・ボリュームの暗号化方法を選択できるようになりました。
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使用するマスター暗号化キー。Vaultサービスで自分で管理する独自のマスター暗号化キーを指定可能
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ブロック・ボリュームのアタッチ・タイプ(iscsiまたは準仮想化)
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クラスター内の各ノードプールで転送中の暗号化が有効になっているかどうか。
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ブロック・ボリュームによってサポートされるPVCのブロック・ボリュームの暗号化の詳細:Encrypting Data At Rest and Data In Transit with the Block Volume Service.
[Block Volume] クロス・リージョン・ボリューム・グループ・レプリケーション
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これまでブロック・ボリュームのクロス・リージョン・レプリケーションはボリューム単位での設定のみでしたが、ボリューム・グループ単位での他のリージョンへの自動非同期レプリケーションの設定が可能になりました。詳細:Volume Group Cross Region Replication
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注意:既知の問題により、Firefoxブラウザは現在コンソールでのボリューム・グループの作成または編集でサポートされていません。回避策として、サポートされている他のブラウザのいずれか(supported browsers)を使用してください。詳細:Firefox browser not supported for creating or editing volume groups in the Console
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Blog:Announcing OCI Block Storage crossregion volume group replication

以上が本日の新機能ハイライトです。
今回のハイライトの個人的なハイライトは、X9 Standardシェイプのリリースです!新しいスペックのIntelシェイプを検討されている方はぜひチェックしてみてください。
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今後も引き続き新機能情報をお伝えしていきたいと思います!
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