こんにちは。日本オラクルのクラウド・エンジニアの小西です。
早くも7月です。今年も半分が終わってしまったという事実に驚愕しています。
さて、「Oracle Cloud Infrastructure 新機能ハイライト」では隔週でOracle Cloud Infrastructure(OCI)の主な新機能をご紹介していきます。
それでは、前回以降のリリースノートに掲載されているOCIの新機能を見ていきましょう!
[OKE] Kubernetesメトリック・サーバーをクラスターのアドオンとしてデプロイ
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Kubernetesメトリック・サーバーをクラスタ・アドオンとして使用できるようになりました。Kubernetesメトリック・サーバーは、リソース使用状況データのクラスタ全体の情報収集を行います。Kubernetesメトリック・サーバーは、各ワーカー・ノードで実行されているkubeletからリソース・メトリックを収集し、KubernetesメトリックAPIを介してKubernetes APIサーバーに公開します。Kubernetesメトリック・サーバーをスタンドアロン・プログラムとしてではなくクラスタ・アドオンとして使用すると、構築やメンテナンスが簡素化されます。
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以下のエンハンスによって、よりシンプルに。
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Kubernetesメトリック・サーバーを有効または無効にします。
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Oracleによる自動更新のオプト・インおよびオプト・アウト。
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Kubernetesメトリック・サーバー・アドオンのバージョンを選択します。
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承認されたキー/値ペアの構成引数を使用して、アドオン固有のカスタマイズを管理します。
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詳細:Working with the Kubernetes Metrics Server as a Cluster Add-on
[Generative AI Agents] 新規のOCI Generative AI RAGエージェントのベータ・リリース
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ORD(us-chicago-1)リージョンでOCI生成AIエージェント・サービスの新しいベータ版がリリースされました。この最新バージョンにより、次の機能を備え、既存リリースに対して大幅な機能強化が実現します。
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エージェント設定の合理化により、より直感的なユーザー・エクスペリエンスを実現
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応答の質と関連性が向上し、より正確で有用な会話を実現
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より優れたインサイトを得るための高度なデータ取得および再ランク付け機能
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管理されたチャット履歴で簡単に会話を追跡
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統合ベクトルストアとデータ取込みパイプラインによるナレッジベース導入
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OCI OpenSearchデータによる独自(BYO)検索の簡素化されたサポート
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RAGエージェントを使用すると、ユーザーは、高度な取得および生成機能を備えた自然言語インタフェースを使用して、データからインサイトを抽出できます。
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[Generative AI] OCI Generative AIでCohere Command R + が利用可能
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OCI生成AIは、事前トレーニング済みのCohere Command R +モデルをサポートするようになりました。コマンドR+は、モデルをさらにトレーニングすることで構築されたコマンドRモデルの拡張バージョンです。言語をより深く理解し、より微妙で状況に適した応答を生成できます。
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Command R+は、言語を深く理解する必要がある、より複雑で専門的なユースケース向けに設計されています。たとえば、特定のドメインや業界向けの長い形式コンテンツの生成、要約、質問への回答、言語生成などです。
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提供モデルのリスト: Pretrained Foundational Models in Generative AI.
[Stack Monitoring] Microsoft IISのサポートとUIでの自動ホスト・プロモーション
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スタック・モニタリングで、Microsoft Internet Information Services (IIS)リソースがサポートされるようになりました。IISを監視する管理エージェントは、IISが実行されているホストにローカルにデプロイする必要があります。
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また、UIを使用した自動ホスト・プロモーションの有効化がサポートされるようになりました。
[OCVS] Oracle Cloud Infrastructure VMware SolutionでIntel® Xeon® processor と NVIDIA Tensor Core A10 GPU を持つ新GPUシェイプのサポート
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NVIDIA A10 GPUを搭載したBM.GPU.A10.4シェイプ(64 CPUコア)を使用するVMware ESXiホストを作成できるようになりました。
[Data Science] データ・サイエンス AIクイック・アクションを使った独自モデルの利用
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データ・サイエンス・サービスによってキュレートされたモデルではなく、使用したいモデルがある場合は、モデルを登録することで、オブジェクト・ストレージからAIクイック・アクション(AI Quick Actions)に取り込むことができます。最新バージョンのAIクイック・アクションを取得するには、ノートブック・セッションを非アクティブ化して再アクティブ化する必要があります。
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モデルを登録するには、次の2つの方法があります。
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検証済みモデルを登録します。
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未検証モデルを登録します。
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検証済モデルは、データ・サイエンス・サービスによって構成やデプロイメントがテストされてファイン・チューニングされたモデルの1つです。未検証モデルは、サービスがテストしていないモデルです。
[Management Agent] 管理エージェントのアップデート
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管理エージェントの新しいリリースでは以下のアップデートが含まれています。
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ログ・アナリティクス・サービスを使用する場合、大規模なディレクトリ・モニタリングに関連するパフォーマンス修正
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UCPのセルフ・チューナー機能の未使用のデータ構造を排除することで、ヒープ・メモリーを最適化
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不具合修正
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[Management Dashboard] 管理ダッシュボードの新リリース
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以前は Observability & Managementの各サービスの一部として利用できていた管理ダッシュボード・ソリューションが、Oracle Cloud Infrastructureコンソールのナビゲーション・メニューの別のメニュー項目からアクセスできるようになりました。この機能改善により、監視および管理リソース監視要件に対応した、統一された一元化されたダッシュボード・ソリューションが提供されます。また、「ダッシュボード」、「ウィジェット」および「フィルタ」ページの「作成場所」列は、「サービス」列に置き換えられました。「サービス」列には、ダッシュボード、ウィジェットまたはフィルタのデータを提供する監視および管理サービスの名前が表示されます。
[Data Science] データ・サイエンスでラージ・モデルのサポート
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データ・サイエンス・モデルのデプロイメントおよびモデル・カタログ・サービスは、大規模なモデル・デプロイメントをサポートするようになりました。
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大規模なモデル・アーティファクトは、モデル・カタログ・サービスに格納でき、モデル・デプロイメントの作成に使用できます。エンドポイント・マッピング機能を使用すると、
/predictおよび/healthエンドポイントの標準API契約に準拠していない場合でも、Text Generation Interface (TGI)などの推論コンテナを統合できます。 -
詳細:Large Models
[Support Management ] 生成AIを活用したサポート・チャットによるサポートの改善
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OCIコンソールからサポート・リクエストを作成する前に、OCI Generative AIを利用したガイド付きサポート・フローが開始されるようになりました。
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チャット・ボットは技術的な質問に対して回答をするようにトレーニングされています。(ただし回答は英語となります。)
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簡単な質問であれば、SRを起票して問い合わせを行うよりも迅速に回答を得ることが可能です。

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[Networking] Oracle Interconnnect for Google Cloud
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Oracle Cloud Infrastructure(OCI)とGoogle Cloudの相互接続が可能な「Oracle Interconnect for Google Cloud」の提供を始めました。クラウド間の、高帯域幅で低レイテンシのプライベート接続を迅速にプロビジョニングすることが可能です。
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1, 5, 10, 20, 50 Gb/secの帯域を選択可能
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クラウド間データ転送料金なし、ポート料金のみ
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冗長構成は仮想回線を2port作成する必要がある
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世界中の11のリージョンで提供開始。日本では東京リージョンで提供(2024年7月時点)
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レイテンシは2ms以下だが、リージョンやアプリケーションによって異なるため実際に測定することを推奨
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ユースケース
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Google Cloudはアプリケーション、OCIはDBの構成
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OCIからオンプレミスへの通信をGoogle Cloudをハブとして転送(Google Cloud Network Connectivity Centerを使用)
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関連ブログ:
[Base Database] カスタム・ソフトウェア・イメージ
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お客様環境で必要なすべての更新をバンドルして認定されたOracle DatabaseおよびGrid Infrastructureのカスタム・ソフトウェア・イメージを作成することで、開発者およびデータベース管理者は、承認済みで再利用可能なゴールド・イメージを構築できます。
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詳細: Software Images
[Database Management] データベース移行サービス:新規APIバージョン、MySQLデータベースのサポート、拡張パラメータの指定
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データベース移行では、OracleおよびMySQLデータベースの接続および移行を管理するためのAPIのセットを含む、新しいREST APIバージョンが導入されています。
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データベース移行サービスでは、OracleデータベースをOCIに移行する際に、Oracle Data PumpおよびOracle GoldenGateの高度なパラメータを指定するためのサポートが導入されています。
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データベース移行では、MySQL接続と、MySQLデータベースをOCI MySQL Heatwaveサービスに移行するためのまったく新しいサポートが導入されています。
[OCI] 新規リージョン Singapore West (Singapore)
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シンガポール西部(シンガポール)(Singapore West (Singapore))リージョンが使用可能になりました。リージョン識別子はap-singapore-2です。リージョン・キーはXSPです。このリージョンには1つの可用性ドメインがあります。
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リージョンの詳細: Regions and Availability Domains.
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新しいリージョンをサブスクライブする手順 Managing Regions

以上が本日の新機能ハイライトです。
今後も引き続き新機能をお伝えしていきたいと思います。
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