※本記事は、Steve Tindall による”Bringing OCI Generative AI Models to Oracle Integration Agentic AI“を翻訳したものです。

原文公開日:2026年4月12日


Oracle Integration(OIC)の新しいエージェント型AI機能をリリース(※日本オラクル追記:日本語翻訳版はこちら)して以来、OICがLLMへの接続やデータがどこで処理されるのか、そしてそのデータがOCIテナンシを離れるかどうかについて、多くの人から質問をうけました。このブログでは、Oracle Cloudでモデルを安全に使用するサポートを発表し、これらの質問に明確に回答したいと思います。

Oracle Integrationにおけるエージェント型AIの急速な進化に伴い、焦点は明確でした:AIを活用した自動化をどのように設計、導入、管理するかについて、お客様に柔軟性を提供することです。

26.04リリースでは、OCI Generative AIモデルのサポートをOracle Integration Cloud (OIC)のAIエージェントのファーストクラス・オプションとして導入することで、次のステップを進めています。 OCI Generative AIに関する詳細は、このブログを参照してください。

これは、より多くのモデルへのアクセスを追加するだけではありません。これは、組織がどこでAIが実行されるか、データの処理方法、AIがエンタープライズ・ガバナンス要件にどのように適合するかをより詳細に制御できるようにすることです。

OICのエージェント型AIのモデル選択肢の拡大

Oracle Integrationは、実用的なAIアプローチを採用しています。決定的なワークフローを生成AIと組み合せながら、エンタープライズ・グレードのガバナンスと制御を維持します。

このリリースでは、OICでAIエージェント・パターンを作成するときに、次のいずれかを選択できるようになりました。

  • OCI Generative AIモデルへの直接ルート (New!)
  • OICのLLM接続を介したサード・パーティのパブリック・モデル(OpenAI、Anthropic、Azureなど)

この柔軟性により、幅広い推論や汎用タスク、あるいは厳密に管理されている企業にとって機密性が高いワークフローなど、ユースケースに合わせてモデルを選択できます

エージェント向けにOCI Generative AIを選ぶ理由

主要な差別化要因は、モデルが実行される場所とデータの処理方法です。

OCI Generative AIサービスによってホストされるモデルを使用する場合:

  • LLM推論はOCIテナンシ内で実行されます
  • データは制御された環境内に残ります
  • 既存のOCIのセキュリティ、アイデンティティ、ガバナンスに関するポリシーを活用できます

これは特に次の場合に役立ちます。

  • 規制の厳しい業界(金融、医療、公共部門)
  • PII(個人情報)、財務データ、社内文書を含むワークフロー
  • データ・レジデンシーまたはデータ主権に関する厳格な要件を持つ組織

パブリックLLMは、多くのシナリオで強力かつ有効な選択肢です。このリリースにより制御による選択が可能になります。データの局所性とガバナンスが重要な場合はOCIにホストされるモデルを、より広範な汎用性やエコシステムのリーチが望ましい場合は他のモデルを使用します。

OCI Generative AIで利用可能なモデル

OCI Generative AIは、統合プラットフォームを通じて提供される主要なAIプロバイダーから、厳選されたエンタープライズ対応モデルのセットへのアクセスを提供します。

OCI Generative AIには、次のようなプロバイダからホストされたモデルが含まれています。

  • Cohere
  • Meta
  • OpenAI
  • xAI

これらのモデルはOCI内でホストおよび実行されるため、組織は以下を最大限に活用できます:

  • テナンシ内のデータ・レジデンシー
  • OCIネイティブのセキュリティとアイデンティティの制御
  • エンタープライズ・グレードのガバナンスとコンプライアンス

注1
OCI Generative AIは、Googleを含む前述のモデル・プロバイダよりも多くのモデル・プロバイダを提供しますが、それらのすべてがOCIでホストされているわけではありません。このページをリージョン別の生成AIモデルで確認すると、ホスト型または外部で使用可能なすべてのモデルが表示され、ニーズを満たすモデルを決定できます。

注2
現在、OICからLLMをリージョン跨ぎで呼び出すことはサポートしていません。つまり、OICインスタンスと同じリージョンで使用可能なOCI Generative AIのモデルを選択する必要があります。

OCIモデルとその他のモデル、いつ使用するべきか?

モデル選択についての簡単な考え方は以下の通りです。

シナリオ推奨モデルの選択
機密性の高いエンタープライズ・データOCI Generative AI
規制の厳しい環境OCI Generative AI
汎用AIタスクパブリックLLM
混合ワークフローハイブリッド・アプローチ

実際には、多くの組織がハイブリッド・モデル戦略を採用し、柔軟性とガバナンスのバランスをとります。

すべてをまとめる

OCI Generative AIモデルのサポートにより、Oracle Integrationは引き続き基本原則「統合、自動化、AIを単一のエンタープライズ・プラットフォームに統合」に基づいて提供します。

これにより、次のことが可能になりました。

  • テナンシ内で実行されるLLMを利用したエージェントを構築する
  • 高度なエンタープライズ接続と組み合わせる
  • ポリシー、監視、コンプライアンスの制御によってガバナンスを効かせる

これが、実用的でエンタープライズ対応のエージェント型AIを可能にするもので、実験段階を超えて、実稼働レベルの自動化への移行を実現します。

さぁ始めましょう

OICエージェントでOCI Generative AIの使用を始めるには:

  1. 前提条件ステップを完了します(まだ実行していない場合は、以下の前提条件をご確認ください)
  2. 新しいAIエージェント・パターンを作成し、パターン・レシピの ReAct for OCI GenAI (26.4) を選択します。
  3. 名前と説明を入力し、「作成」をクリックします。
    Create Pattern
  4. パターン・ガイドラインを構成するか、提供されているデフォルトを使用します(推奨)。
  5. エージェントに使用するモデル名を設定します(OCI Generative AIのモデル・ページを参照)。たとえば、openai.gpt-oss-120b または meta.llama-3.3-70b-instruct を設定します。
    Set Pattern Model
  6. プロジェクトの「統合」タブを開き、「ルックアップ」セクションを確認します。OCIGenAI_Propertiesが表示されます。このルックアップを編集し、RegionおよびCompartment_OCIDを設定します(これはOCI Generative AIモデルのリージョンおよびコンパートメントになります)。
  7. ルックアップを保存します。
    Edit lookup
  8. 新しいエージェントを作成し、新しいパターンを選択します。

OICからOCI Generative AIを使用するための前提条件

Oracle Integrationのエージェント内でOCI Generative AIモデルを使用するには、OICとOCI Generative AIサービスの間のセキュアなアクセスを確立するために、いくつかの初期設定ステップが必要です。

これらの前提条件は、OICのOCI Generative AIネイティブ・アクションに使用されるものと同じであり、AIサービス・アクセスに対する一貫した管理されたアプローチを保証します。

設定には、大まかに次のものが含まれます。

  • OCI Generative AIサービスのプロビジョニング
    サービスがOCIテナンシで有効になり、ターゲット・リージョンで使用可能であることを確認します。
  • IAMポリシーの構成
    Oracle Integrationで生成AIモデルを安全に起動できる権限を付与します。
  • 動的グループおよびリソース・プリンシパルの設定
    OICは、資格証明を埋め込むことなくOCIサービスを使用して認証できます。
  • セキュアな接続の構成
    OICとOCI Generative AIエンドポイント間のプライベートでセキュアな通信を確保します。
  • OICでの再利用可能な接続の作成
    接続を定義およびテストし、エージェントと統合間で利用できるようにします。

このアプローチは、既存のOCIセキュリティおよびアクセス・パターンに基づいて構築されるため、OIC内での他のOCIサービスの利用方法と一貫しています。

詳細な手順については、公式ドキュメントを参照してください。
👉 https://docs.oracle.com/en/cloud/paas/application-integration/integrations-user/prerequisites.html