※ 本記事は、Markus MichalewiczSinan Petrus Tomaによる”Accelerated Recovery for Minimal Impact with Oracle AI Database 26ai“を翻訳したものです。

2026年4月9日

エンタープライズ環境において、重要なコンポーネントの再起動は避けられません。予期せぬ障害によるものもあれば、メンテナンスやパッチ適用の一環として必要な場合もあります。

再起動が発生した際に重要なのは、サービスがどれだけ迅速かつスムーズに復旧するかです。アプリケーションやユーザーにどの程度の影響が生じるのでしょうか?どのくらいの速さで生産性を取り戻せるのでしょうか?

そこで、Oracle AI Databaseが決定的な違いをもたらします。データベースの再起動からアプリケーションが完全に利用可能になるまでの時間を短縮します。復旧が早くなり、多くの場合、ユーザーに目立った影響はほとんど生じません。

OLTPワークロードの復旧を最大10倍高速化

Oracle Real Application Clusters (RAC)のFast Restart Recovery機能は、インスタンスの停止または再起動から稼働可能なデータベースになるまでの時間を短縮します。Oracle AI Database 26aiではOracle Database 19cと比べて、影響を受けたインスタンス上で稼働していたOLTPアプリケーションが最大10倍速く処理を再開できます。その結果、エンドユーザーはほとんど、あるいは全く影響を感じません。

リカバリ中も、ワークロードはクラスター内の残りのデータベースインスタンスで引き続き実行されます。これにより、Oracle RAC環境のバランスが保たれ、予測可能なリカバリ時間を実現できます。結果として、計画的なメンテナンスや予期しない障害が発生しても、顧客はSLAを満たし続けることができます。

あらかじめ定義されたリカバリ・インスタンス(Buddy Instance)やダーティ・バッファ・リストの並列処理などの機能により、Oracle AI Database 26aiは、企業が最も重視する成果であるサービス可用性を大幅に向上させることができます。

図1: OLTPワークロードの復旧を最大10倍高速化

プラガブル・データベースの再起動後のオープン時間を最大2倍高速化

プラガブル・データベース(PDB)は統合の基盤です。多数のPDBで多くのワークロードを実行している場合、再起動、フェイルオーバー、計画メンテナンス時のわずかな遅延であっても、積み重なり大きな遅延となりえます。

Oracle AI Database 26aiのRACは、Oracle Database 19cと比較して、PDBのオープンを最大2倍高速化し、マルチテナントのリカバリを向上させます。これは、PDBオープン時の分散ロックマネージャ(DLM)操作を含め、以前は逐次実行されていた処理を並列化することで実現しています。

その結果、メンテナンスまたはフェイルオーバー後、PDBはより早く利用可能になり、アプリケーションのダウンタイムが減少します。運用上のボトルネックが軽減され、共有環境内の他のテナントへの影響も最小限に抑えられます。

Application Continuityで中断を最小限に抑える

再起動の高速化やPDBのオープン高速化があっても、システム全体への影響を減らす最も効果的な方法は、そもそもアプリケーションがその影響を受けないようにすることです。

Application Continuityは、障害発生時に中断されたトランザクションを自動的に再実行することで、中断によるアプリケーションへの影響を軽減させます。これにより、計画メンテナンスや予期しない停止が発生しても、アプリケーションから目に見える影響はありません。

Cursor Repositioningを備えたTransparent Application Continuityを搭載したOracle AI Database 26aiは、Oracle Database 19cよりも40%以上高速なクエリ・フェイルオーバーを実現します。フェイルオーバー先インスタンスでクエリを再生成して再実行し、すでにクライアントに送信済みの行を破棄するだけになる事態を回避します。代わりに、結果セットを再生成し、カーソルを最後に返された行に再配置し、次の行から処理を再開します。

Oracle AI Database 26aiのTransparent Application ContinuityのCursor Repositioning機能は、Oracle Database 19cよりも40%以上の高速なクエリ・フェイルオーバーを実現します。これにより、フェイルオーバー・インスタンスに対する問合せの再生成およびリプレイが回避され、クライアントにすでに送信された行が破棄されます。かわりに、結果セットを再生成し、提供された最後の行にカーソルを再配置して、次の行から処理を再開します。

結論

これらのイノベーションを組み合わせることで、Oracle AI Database 26aiでのリカバリが加速し、アプリケーションの影響が最小限に抑えられます。

  • Fast Restart Recovery により、OLTPはより早く通常処理が可能になります
  • PDBオープンの高速化により、マルチテナント環境のリカバリが向上し、ダウンタイムが半分に短縮されます
  • これらの高速なリカバリ機能により、クラスタはより迅速に安定した状態に戻ることができます。
  • Application Continuityは、中断されたセッションを自動的にリプレイすることで、中断をさらに削減します。

これらにより、多くの計画メンテナンス・イベントおよびほとんどの計画外停止は、アプリケーションへの影響を削減できます。その結果、強靭なeコマース運用、金融サービス・ワークロードの可用性、統合マルチテナント・デプロイメントの効率が向上します。

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