この記事はSuraj Rameshによる”OCI Full Stack DR Supports Oracle AI Database@Azure, @AWS, and @Google Cloud“の日本語翻訳版記事です。

Oracle AI Database@Azure、Oracle AI Database@AWS、Oracle AI Database@Google Cloud は、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)によって管理されるデータベース・サービスです。これらのサービスはOCI上で提供されますが、実際にはMicrosoft Azure、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloudの各データセンター内で稼働します。

OCI上で利用しているものと同じOracle Exadata Database ServiceやOracle Autonomous AI Database を、ハイパースケーラー環境上のアプリケーションに近い場所で利用できるため、高性能・高可用性・高セキュリティを実現します。

  • Oracle AI Database@Azure
    OCI上の Oracle AI DatabaseサービスをMicrosoft Azureリージョン内で提供
  • Oracle AI Database@AWS
    OCI上の Oracle AI DatabaseサービスをAWSリージョン内で提供
  • Oracle AI Database@Google Cloud
    OCI上の Oracle AI DatabaseサービスをGoogle Cloudリージョン内で提供

いずれの環境でも、データベースは各クラウドベンダーのデータセンター内で動作しながら、OCIのコントロール・プレーンで管理されます。これにより、OCI Full Stack DRとの統合が可能になります。


OCI Full Stack DR とは

OCI Full Stack Disaster Recovery(Full Stack DR)は、OCIリージョン間でコンピュート、データベース、アプリケーションの切り替えを自動化するサービスです。

既存のインフラやアプリケーションを大きく変更することなく、災害対策(DR)や計画切替を自動化でき、単一の実行プランからDRオペレーションを管理できます。

今回、OCI Full Stack DRはOracle AI Database@Azure、@AWS、@Google Cloud上で稼働するOracle Databaseサービスのロール切替に対応しました。

事前にOracle Data Guard、Active Data Guard、またはAutonomous Data Guardを構成しておくことで、以下をOCIコンソールから一元的に実行できます。

  • Switchover(計画切替)
  • Failover(障害切替)
  • DR Drill(DR訓練)

これにより、複数データベースをまたぐDRオペレーションを手作業なしで実行できます。


OCI Full Stack DRが提供する価値

従来から Oracle Data Guard API(OCI Console/CLI/SDK)を利用することで、データベース単位での SwitchoverやFailoverは可能でした。

しかし実際の業務システムでは、複数のデータベースが連携して動作しています。

OCI Full Stack DRでは、これら複数データベースをまとめて管理できるため、以下を実現できます。

  • 複数DBを単一の DR Protection Groupとして管理
  • Switchover/Failover/DR Drillのワークフロー定義
  • 複数DBの同時切替
  • 実行履歴や監査ログの一元管理

これにより、

「DBごとに個別切替」

ではなく、

「DRプランを1回実行」

するだけで、システム全体のDRオペレーションを実施できます。


対応サービス

OCI Full Stack DRは、以下のOracle AI Databaseマネージドサービスをサポートしています。

  • Oracle Autonomous AI Database Serverless
  • Oracle Autonomous AI Database on Dedicated Exadata Infrastructure
  • Oracle Base Database Service
  • Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure
  • Oracle Exadata Database Service on Exascale Infrastructure

利用前提

OCI Full Stack DRを利用するには、以下が必要です。

  • Data GuardまたはAutonomous Data Guardの構成
  • OCI Console/CLI/SDK経由での構成
  • DR Protection Groupの作成

これらを設定することで、Full Stack DRがSwitchover/Failover/DR Drill用のDRプランを自動生成します。


注意事項

OCI Full Stack DRが保護対象とするのは、Azure、AWS、Google Cloud上で稼働するOracle AI Database サービスです。

以下のハイパースケーラー側ネイティブサービスは保護対象ではありません。

  • 仮想マシン(VM)
  • Kubernetes サービス
  • ネイティブストレージ
  • アプリケーションサービス

そのため、アプリケーション層については、各クラウドベンダーが提供するDR機能と組み合わせた設計が推奨されます。


まとめ

Oracle AI Database@Azure、@AWS、@Google Cloudにより、ユーザーは任意のハイパースケーラー環境でOracle Databaseを利用できるようになりました。

さらにOCI Full Stack DRを組み合わせることで、

  • マルチクラウド環境での DR 自動化
  • DR 運用の標準化
  • DR Drill の効率化
  • 監査対応
  • RTO 短縮

を実現できます。

Oracle Active Data GuardまたはAutonomous Data GuardとOCI Full Stack DR を組み合わせることで、マルチクラウド環境においても、一貫性のあるDR運用をOCIコンソールから実施可能です。