~オラクル謹製のVMwareのクラウド移行支援サービスの紹介とパートナー向けスキル・トランスファーの発表~
▼はじめに
2024年7月5日に開催されたFY25 Partner Kickoffにて、弊社執行役員の吉川より、BroadcomによるVMware社の買収に伴うお客様・パートナー様への影響と、オラクルとしての回答についてのプレゼンテーションが行われました。また、日本オラクルが提供するVMwareサービスの紹介と、パートナー様のビジネス加速を目的とした移行支援についても詳しく説明されました。本記事では、吉川のプレゼンテーションの内容とその意図を解説しながら振り返っていきます。
本プレゼンテーションの内容は大きく4セクション構成となっています。
1. 昨今VMwareを取り巻く状況
2. 続VMwareの先はOracle Cloud VMware Solution
3. 日本オラクルが提供する移行支援サービス
4. 移行支援サービスのパートナー様向けスキル・トランスファー支援の発表
プレゼンテーション資料はこちらからダウンロード可能です。(要O.comログイン)
https://www.oracle.com/opn/secure/get-enabled/sales/04-20240705-fy25-partner-kickoff-12077235-ja.pdf
※吉川の公演
▼昨今VMwareを取り巻く状況
●BroadcomによるVMware買収の影響
BroadcomがVMwareを買収したことにより、市場にはさまざまなインパクトが生じています。特に、仮想化基盤のビジネスに従事している皆様には、以下のような大きな変化が起きていると認識しています。
まず一つ目として、永続ライセンスの終了とサブスクリプションモデルへの移行という観点です。
これまで販売されていた永続ライセンス(パーペチュアルライセンス)が終了し、すべてがサブスクリプション形式に移行しました。さらに、製品がスイートとして提供されるようになり、環境によってはコストが大幅に上昇するお客様も増えています。
続いて、OCIと同じハイパースケーラーとして位置づけられているAWSからのVMwareソリューションの提供が停止したことが挙げられます。
また、パートナー・プログラムの変更により、パートナー様の一部は、再販権をを失うといった影響を受けています。
●VMwareからの移行の難しさ
VMwareの仮想化技術はOracle Databaseと同じく基幹システムの一翼を担うものです。コアなアーキテクチャの変更は既存システムに対して大きな影響を与えます。そのため、上述したような価格改定を避けたいと考えつつも、移行にかかる作業や時間的制約により、新しいVMwareのオファリングに契約更新せざるを得ないお客様が多いのが実情です。
新しいライセンスモデルへの適応や、クラウドへの移行は多くのお客様にとって課題となっています。
▼続VMwareの先はOracle Cloud VMware Solution
●現実的な移行とクラウドネイティブ環境へのシフト
現実的な移行を実現し、その後クラウドネイティブな環境に徐々にシフトしていくためには、適切なロードマップを作成することが非常に重要です。このため、私たちは「続VMware」という言葉を使って、段階的な移行を提案しています。
Oracle Cloud VMware Solution(Oracle Cloud VMware Solution)についてご紹介します。Oracle Cloud VMware Solutionは、オンプレミスでのVMware環境を、運用形態も含めてOracleのクラウド上で「そのまま」移行できるソリューションです。
このソリューションは、以下の3つの課題に対処しています。

●3つの課題に対する施策
1. オンプレミス既存VMware環境との互換性
Oracle Cloud VMware Solutionは他のハイパースケーラーと異なり、オンプレミスとの高い互換性を提供しています。これにより、既存のVMware環境をほぼそのままクラウドに移行できるため、運用手順やサードパーティのソリューションを変更する必要がありません。VMwareの管理者権限をお客様に提供することができるのは、ハイパースケーラーの中でOracleだけです。
2. EXSiのパッチとバージョンコントロール
Oracle Cloud VMware Solutionでは、ESXiのバージョンアップやパッチの適用をお客様のスケジュールに合わせて実施することができます。Oracleがパッチを強制することはないため、お客様の運用スケジュールに合わせた柔軟な対応が可能です。
3. 価格固定化
Oracle Cloud VMware Solutionは、お客様の契約期間中の価格を固定化します。これにより、クラウドに移行した後も価格が上がる心配がなく、コストの予測がしやすくなります。この価格固定は契約上明文化されており、すでに契約されているお客様にも適用されます。
https://www.oracle.com/contracts/docs/paas_iaas_universal_credits_3940775.pdf
※一部抜粋
1. This SKU contains Third Party Services (as that term is defined in Your Agreement) and the pricing on this SKU is subject to change upon at least 30 days’ prior notice via the Console.
However, for existing orders, pricing for SKUs with long term service commits (for example 1-year, and 3-year service periods) will be applied as specified in the rate card attached to Your order.
<補足>上記は為替変動の影響を防ぐものではありません

尚、OCIでは脱VMwareの移行を検討しているお客様に対して、OCIでは様々なソリューションを提供しています。
IaaS環境やコンテナ、サーバーレスの環境への移行、オンプレミスに設置できるクラウド「Oracle Compute Cloud at Customer」、さらにはKVMへの移行を希望するお客様には「Oracle Linux Virtualization」というソリューションの用意があります。
様々なソリューションで受け入れ可能な仕組みが用意されているということを理解していただければ幸いです。
▼日本オラクルが提供する移行支援サービス
日本オラクルはこれまでに多くのOracle Cloud VMware Solution導入プロジェクトを手がけてきました。例えば、日立建機様の導入事例はその一例であり、数多くのプロジェクトをスケジュール通りに、障害なく完遂しています。しかし、初めからこのようにスムーズに進行できたわけではありません。日本オラクル自身もノウハウを蓄積し、問題が起きないように改善活動を行っていくことでお客様に適切に提案する方法を開発してきました。
●案件創出とセールス方法の改善
案件を創出するためには、お客様にとってのメリットを明確に伝え、既存の事例を活用して安心感を提供するセールス方法が重要です。日本オラクルは、このようなセールス方法を改善し続けています。また、机上検証のためのフレームワークも開発し、クラウドへのリフトに伴う課題を事前に把握し、失敗を防ぐための対策を講じています。
●OCLS(Oracle Cloud Lift Services)
これらのノウハウを集約したものが、Oracle Cloud Lift Services(OCLS)です。OCLSは、ケース・スタディ支援、フィジビリティ・スタディ支援、POC支援、プロジェクト早期立ち上げ支援など、標準化されたメニューを提供し、フィジビリティ・スタディやロードマップ策定支援によってお客様に繰り返し利用可能な形で支援を行っています。
1. フィジビリティ・スタディ
Oracle Cloud VMware Solutionの導入プロジェクトでは、まずオンプレミスのVMware環境を精査し、アセスメントを行います。お客様にとってわかりやすく、シンプルに課題を解説し、スムーズに移行するための方法論をリファレンスアーキテクチャに基づいて提示します。
2. ロードマップ作成支援
最終的には、VMwareから例えばIaaS・コンテナやサーバーレスといったモダナイズするためのロードマップ作成支援も行います。これにより、お客様は段階的にクラウドネイティブな環境へ移行することができます。
OCLSは無償のサービスとして提供されますが、より深いプロジェクト設計が必要な場合は、Oracle Consulting Serviceのチームが有償で支援を行います。
●OCLSの実績
1. オルバヘルスケアホールディング様
わずか3人の体制で、OCLSチームが約2ヶ月半という短期間で200VMのオンプレミスVMware環境をOracle Cloud VMware Solutionにリフトしました。
https://blogs.oracle.com/oracle4engineer/post/oracle-cloud-update-summary-202404
2. パーソルキャリア様
転職サービス「doda」を支える300VMのVMware環境をOracle Cloud VMware Solutionに移行するプロジェクトを成功させました。
https://blogs.oracle.com/oracle4engineer/post/customer-reference-persol-career
3. サンドラッグ様
ストアコントローラーのクラウドへのリフトプロジェクトを、パートナーのNSW様と共に成功させました。
https://www.oracle.com/jp/news/announcement/sundrug-selects-oci-for-store-computers-migration-2024-01-29/
4. ベネッセコーポレーション様
学校向けのサービスを提供しているシステム群をOracle Cloud VMware Solutionでリフトし、パートナーのアシスト様と共にPOC支援や初期構築支援を行いました。
https://www.oracle.com/jp/news/announcement/benesse-moves-school-company-systems-to-oci-2024-04-17/
5. インテリジェント ウェイブ様
金融向けのサービスを提供するこの会社では、パートナーのCTC様と協力し、POC支援および環境構築を行いました。
https://www.oracle.com/jp/news/announcement/intelligent-wave-selects-oracle-cloud-infrastructure-2023-07-04/
Oracle Cloud VMware Solution導入支援サービスは、初めは日本オラクルの社員だけで行っていましたが、徐々にパートナー様と協力して行うようになり、成功事例も増えています。これからも、パートナーの皆様と共に、お客様のクラウド移行をスムーズに支援していくことを目指しています。
▼移行支援サービスのパートナー様向けスキル・トランスファー支援の発表
これまで日本オラクルはパートナー様と協力してOracle Cloud VMware Solutionの導入を進めてきましたが、FY25では一歩進めて、パートナー様自身が独立してOracle Cloud VMware Solutionを提供できるようにすることを目指しています。OCLS(Oracle Cloud Lift Services)のノウハウをパートナー様にトランスファーし、サービスのブラッシュアップに役立てていただきたいと考えています。
サポートの方法は二通りあります。
一つ目は、日本オラクルのOCLSメンバーが直接販売パートナー様にスキル・トランスファーを行う方法です。
二つ目は、再販パートナー様向けに一次店を介してサービス支援を行う方法です。
これにより、広範なパートナー様が自社のサービスとしてOracle Cloud VMware Solutionを提供できるようになると考えています。

●直接支援のアプローチ
直接支援の場合、パートナー様のOracle Cloud VMware Solutionへの慣れ親しみ度に応じて段階的に支援を行います。以下のようなステップを考えています。
商談持ち込み: パートナー様が商談を持ち込み、Oracleにサポートを依頼するケース。
初期参加: OCLSの様子を見たいパートナー様が初期段階で参加するケース。
スキル・トランスファーと共同作業: Oracleのエンジニアがスキル・トランスファーを行い、パートナー様と共同でプロジェクトを進めるケース。
独立運用: パートナー様が独立してOracle Cloud VMware Solutionを繰り返し実施できるようになり、Oracleのエンジニアは後方支援に回るケース。
高品質なサービスを提供できるパートナー様には、Oracleのハイタッチ営業が持つ商談をお任せすることも考えています。これにより、パートナー様はさらに多くのビジネスチャンスを得ることができます。
●多段商流モデルのアプローチ
再販パートナー向けの支援
日本オラクルでは、多段商流モデルの構築を進めており、一次店経由で二次店のサービス支援を行う試みをしています。SBC&S様がこの取り組みに手を挙げてくださり、現在、二次店向けの支援準備を進めています。
●SBC&S様との協力
第一弾としてSBC&S様を通じて二次店の販売店様に対しても、OCLSのノウハウを凝縮し、導入支援サービスを提供します。VMwareのエンジニアがいないパートナー様には、SBC&S様が適切なパートナーをご紹介し、共同でプロジェクトを進める体制を整えています。
FY25に向けた新しい取り組みは、パートナー様がOracle Cloud VMware Solutionを独自に提供できるようにするためのスキル・トランスファーと多段商流モデルの支援に焦点を当てています。日本オラクルは引き続き、パートナー様と共に成長し、より多くのお客様に価値を提供していきます。これからも、皆様と共に成功を目指して取り組んでまいります。
▼最後に
今回のプレゼンテーションでは、BroadcomによるVMwareの買収に伴う市場の変化から始まり、OCI上のVMware対応ソリューション(Oracle Cloud VMware Solution)の特長、導入支援サービス、そしてFY25に向けた新しい取り組みについて詳細にご紹介しました。
BroadcomによるVMwareの買収は、永続ライセンスの終了やサブスクリプションモデルへの移行、AWSからのVMwareソリューション提供停止など、パートナー様やエンドユーザーに大きな影響を与えました。この市場の変化に対し、迅速かつ効果的に対応することが求められています。
FY25では、パートナー様自身がOracle Cloud VMware Solutionを独立して提供できるようにするためのスキル・トランスファーに注力します。これにより、パートナー様が自社のサービスとしてOracle Cloud VMware Solutionを提供し、ビジネスチャンスを拡大することが可能になります。
今回の取り組みは、日本オラクルとパートナー様の共通の成功を目指す重要なステップです。パートナー様の成長とお客様の満足度向上に寄与できるよう、引き続き全力でサポートしてまいります。今後とも、日本オラクルとのパートナーシップを強化し、新たなビジネスチャンスを共に開拓していきましょう。
ご質問やご要望がございましたら、どうぞお気軽にお知らせください。Oracleは常に皆様の成功をサポートする準備ができています。
以上