日本企業のAIネイティブ化を継続的に支援
~データを“支え”、AIを“動かし”、組織に“根付かせる”AI Ready Platform 2.0”~

こんにちは、OPN事務局です。OPNパートナー様によるOCI (Oracle Cloud Infrastructure) を活用したソリューションに注目してご紹介する企画、「OPNソリューションスポットライト」の第4回をお届けします。

今回は、株式会社パソナデータ&デザイン様のソリューション、「AI Ready Platform 2.0」について、錦戸様と内藤様にインタビューにお答えいただきました。
今回ご紹介するサービス「AI Ready Platform 2.0」は、OCI上でのAI活用に最適化されたデータ統合基盤を短期間で構築する支援サービスです。
「人を活かす」というビジョンのもと、AIを”根付かせる”伴走力を備えたソリューションの特長に加えて、OCIをAIネイティブ時代のデータ基盤の中核と位置づけた今後の取り組みについてもくわしくお話をお伺いしました。


株式会社パソナデータ&デザイン
ソリューション名:
「AI Ready Platform 2.0」
https://services.s-style.co.jp/lp/ai_ready_platformservice_toppage/

▼会社紹介をお願いいたします。
「人の創造力と、データの可能性が調和する、スマートで希望に満ちた未来社会をデザインする」——これが株式会社パソナデータ&デザインのミッションです。
生成AIへの期待が“現実の価値”へと転換していく節目にあたり、私たちは「データとデザインの力をビジネスに組み込む」新会社として、2026年1月5日に誕生しました。
1987年の設立以来、旧スマートスタイルが積み上げてきたデータベース/クラウド領域の専門知識に、パソナグループが培ってきたDX人材育成の知見を掛け合わせ、日本企業のDX推進を阻む“人材・データ・意思決定”の構造課題に向き合います。
Visionは「人を活かす」。人とテクノロジーが共生する社会に向けて、テクノロジーの進展によって求められる「人」の役割を探求しながら、一人ひとりのキャリアデザインにも貢献する。そんな企業でありたいと考えています。

●会社情報:
https://www.pasona-dataanddesign.com

▼パソナデータ&デザイン様の強みについてお聞かせください。
私たちの強みは、データ基盤構築・AI実装・組織定着を一体で推進できることにあります。

1. データを”支える”技術力

旧スマートスタイル時代から20年以上にわたり、MySQLを主軸としたデータベース設計・構築・運用支援を提供してきました。1000社以上の支援実績を通じて、高可用性設計や性能最適化、ミッションクリティカル環境の構築ノウハウを蓄積しています。データの根幹を担う技術力が、すべてのAI活用の土台になります。

2. AIを”動かす”設計力

Oracle Autonomous AI Database、Oracle AI Database 26ai、Oracle Generative AI Serviceなど、Oracleの最新技術を組み合わせた統合アーキテクチャを実装可能です。AIを”後付け”するのではなく、AIネイティブなデータ基盤として構築する点が特長です。

3. AIを”根付かせる”伴走力

AI活用は技術導入だけでは成功しません。パソナグループの人材育成・組織変革ノウハウを活かし、構想設計から定着支援まで伴走します。「人を活かす」というビジョンのもと、AIを現場に根付かせることにこだわっています。

データを”支え”、AIを”動かし”、組織に”根付かせる”——この三つの力を持つパートナーとして、日本企業のAIネイティブ化を支援します。

▼御社のソリューション「AI Ready Platform 2.0」についてお聞かせください。
●「AI Ready Platform 2.0」の製品概要をお聞かせください。
「AI Ready Platform on OCI 導入支援サービス(v2.0)」は、OCI上でのAI活用に最適化されたデータ統合基盤を短期間で構築する支援サービスです。Oracle Autonomous AI Database(26ai)を中核に、AI Vector Search・RAG・自然言語クエリ(Select AI)・MCP(Model Context Protocol)対応を組み合わせ、データの取り込みからAI活用までを1つのプラットフォームで完結させます。

サービスの特長は以下の5点です。

  1. Oracle AI Database 26ai 正式対応
    AI機能をデータベースのコアに統合したAIネイティブ構造(AI Vector Search・RAG・LLM連携)に完全対応。Oracle Autonomous AI Databaseと Oracle Generative AI Serviceの連携により、データを外部に出さずにOCI環境内で安全かつ効率的なAI推論・生成処理を実現します。
  2. Oracle Autonomous AI Databaseを中核とした統合アーキテクチャ
    AI推論・ベクトル検索・分析・RAG処理を、データに最も近いOCI環境内で実行。レイテンシとデータ移動コストを最小化し、Oracle独自の自律型データベースにより構築後の運用負荷も大幅に軽減します。
  3. OCI + CData Syncによる柔軟なデータ連携
    OCIネイティブなデータパイプラインに加え、Data Syncの選択肢により、SaaS・クラウド・オンプレの多様なデータソースに対応。国内SaaS(kintone・Sansan・freee等)を含む400以上のデータソースとの連携を実現し、分散データを一元的にAI活用基盤へ統合します。
  4. MCP対応 × エンタープライズ級セキュリティ
    Claude・ChatGPT・CopilotなどMCP(Model Context Protocol)対応のAIアシスタントから、Oracle Autonomous AI Database上のデータに安全にアクセス可能。IAM・データマスキング・暗号化・監査ログ・閉域ネットワーク構成により、金融・製造・公共など高度なセキュリティ要件にも対応します。
  5. 3つの導入アプローチを標準メニュー化
    AI活用フェーズや社内体制・投資判断に合わせて選べる3プランを用意しています。
    「まず試す(PoC検証型:約1.5ヶ月)」
    「確実に作る(グランドデザイン型:6ヶ月〜)」
    「早く始めて育てる(アジャイル成長型:約2〜3ヶ月で一次リリース)」
    どのプランから入っても、本番稼働・拡張まで一貫して伴走します。

●サービスが生まれた背景、および解決したい課題についてお聞かせください。
多くの企業が生成AIを「試した」段階で止まっています。その原因は、AIツールの性能ではありません。「データ基盤が整っていない」という現実です。
社内データはSaaS・クラウド・オンプレ環境にバラバラに散在し、Oracle Databaseなどの既存資産をどのようにAIと接続すべきかわからない。生成AIチャットを試してみたものの回答精度が上がらず、PoCで終わってしまう。AI活用が一部の担当者に属人化し、組織全体に展開できない——こうした課題が、日本企業のAI活用を阻む「データ基盤の壁」として共通して存在しています。
弊社はデータベースを20年以上扱ってきたSIerとして、企業の重要データの多くがデータベースに蓄積されている現実を実務を通じて実感してきました。そのデータをいかにAIが使える状態に整え、本番運用まで定着させるか。その問いへの答えとして設計したのが、「AI Ready Platform on OCI 導入支援サービス」です。
そして今回ご紹介している「AI Ready Platform 2.0」は、その進化系で、最新の Oracle AI Database 26ai に対応した新バージョンとなります。

●こういうお悩みを持つお客様にご利用いただきたい、こういう方にぜひご相談いただきたい、という想定がありましたらお聞かせください。
特に以下のようなご相談をお待ちしております。
・Oracle Databaseに長年蓄積してきたサポートナレッジをチーム全体でAI活用できるようしたい。
・お客様からのお問い合わせへの初回回答精度を改善したい。
・PoCで終わらず本番稼働まで伴走してもらいたい。
・既存のAWS分析環境はそのままに、OCI側にAI専用基盤を追加接続するような提案がほしい。
・AI活用をリスクゼロでスタートできたらうれしい。
・就業規則・マニュアル・過去の問い合わせ履歴を統合したAIアシスタントを求めている。
・オペレーターが調べる作業から解放され、判断と顧客対応の品質向上に専念できるような環境づくりがしたい。

▼今回OCIを選ばれた理由についてお聞かせください。
●「AI Ready Platform 2.0」でOCIが採用される理由についてお聞かせください。

OCIを選んだ理由は一言で言えば、「Oracleのデータ資産とAIが、最もシームレスにつながる場所だから」です。
企業の重要なデータの多くはOracle Databaseに蓄積されています。Oracle AI Database 26aiでは、AI Vector Search・RAG・Select AIなどの機能がデータベースのコアに統合されました。これにより、AIを”外部サービスとして接続する”のではなく、”データのそばで動かす”設計が可能になります。
OCIでは、Oracle Autonomous AI DatabaseとOracle Generative AI Serviceを同一環境内で連携できるため、データを外部に出すことなくAI推論・生成処理を実行できます。これにより、
・レイテンシの最小化
・データ移動コストの抑制
・セキュリティリスクの低減
を同時に実現できます。

さらに、VCNによる閉域構成・IAM・暗号化・監査ログなどのエンタープライズ機能により、金融・製造・公共など厳格なガバナンス要件にも対応可能です。
私たちがMySQLおよびOCIに特化してきたSIerであることも、この選択を後押ししています。Oracle技術への深い理解があるからこそ、Oracle Autonomous AI Databaseの能力を最大限に引き出せる。OCI採用は、戦略ではなく技術的必然の結果です。

●他社クラウドと比較した際のOCIの優位性についてお聞かせください。
他社クラウドとOCIを比較したとき、AI Ready Platformの観点で特に優位性を感じる点は3つあります。

  1. AIとデータが統合された構造
    多くのクラウドでは、AIサービスとデータベースは別サービスとして提供されます。そのため、AI活用の際にはデータ連携設計が重要になります。
    他社クラウドでは、AIサービスとデータベースが別サービスとして分離しており、データをAIに渡すために移動コストとレイテンシが発生します。OCI + Oracle Autonomous AI Databaseでは、AI Vector SearchやRAG処理がデータベース内でネイティブに実行されるため、この構造的なボトルネックが存在しません。
    AIのために”データを動かす”のではなく、”データのそばでAIが動く”設計が実現できます。
  2. トータルコスト最適化
    OCIはコンピューティング・ストレージ・ネットワーク転送コストが主要他社と比較して低く、大量データ処理が前提となるAI基盤のトータルコストで優位性があります。
    さらにOracle Generative AI Serviceの自動運用機能により、運用管理コストの削減も期待できます。
  3. 既存Oracle資産との親和性
    Oracle Databaseを基幹データベースとして利用しているお客様は、既存のデータ構造・スキーマをそのまま活かしたAI基盤設計が可能です。
    他社クラウドのAI基盤を採用した場合、基幹・業務システムのデータベースとAI用データベースでスキーマレベルの再設計が必要になるケースが多く、DWHのように別系統での運用管理が求められます。データパイプラインの構築・維持コストも含めると、見えないトータルコストは決して小さくありません。
    OCIであれば、既存のOracle DatabaseをそのままAI基盤の中核に位置づけられるため、スキーマ再設計も二重運用も不要です。既存資産を活かしながら、最短距離でAIネイティブな環境へ移行できます。

●ソリューション開発にあたって工夫した点/苦労した点についてお聞かせください。
【工夫した点1:3つの導入アプローチの体系化】

PoCで終わる最大の原因は「次の一手が設計されていないこと」です。「まず試す(PoC検証型)」「確実に作る(グランドデザイン型)」「早く始めて育てる(アジャイル成長型)」の3プランを標準メニュー化し、お客様の投資判断・体制・スピード感に合わせて入口を選べるようにしました。どのプランから入っても本番稼働・拡張まで一貫して伴走できる設計になっています。

【工夫した点2:OCI × CData Syncの組み合わせ】
OCI標準のデータ連携ツールだけでは対応できない国内SaaS(kintone・Sansan・freee等)との連携を、CData Syncとの組み合わせで標準対応としました。AI活用以前に「データを集める仕組み」を整えることが、成功の鍵だからです。

【苦労した点:実プロジェクトを通じた精度改善ノウハウの蓄積】
RAGの回答精度はデータの質・チャンク設計・モデル選定など多くの変数に依存し、教科書通りには行きません。当社では、お客様への提案・実装と並行して、グループ内での実証プロジェクトも積み重ねてきました。
例えば、パソナグループの人材紹介事業では、Oracle Vector SearchとOracle Database 23aiを活用した高精度マッチングプラットフォームのPoCを実施。転職希望者の特性・スキルと求人情報をベクトル検索でマッチングする仕組みを構築し、AIベクトル検索の有用性検証からノウハウのAI化・スコアリングによる精度向上まで段階的に検証してきました。
こうしたグループ内外での実プロジェクトを通じて積み上げた経験則が、お客様への提案・実装における精度チューニングの裏付けになっています。

●具体的な活用シナリオおよび導入の流れについてお聞かせください。
【シナリオ1. 既存業務データの統合とAI活用】

SalesforceなどのSFAや基幹データベースに分散したデータをCData SyncでOracle Autonomous AI Database 26aiに集約し、お客様が利用しているAIアシスタントやチャットUIから自然言語で横断分析できる環境を構築します。
Select AIやAI Vector Searchを活用することで、従来はBIやSQL操作が必要だった分析を、対話形式で実行可能にします。
また、CData Syncが対応する400以上のデータソースにより、将来的なデータ追加・拡張にも柔軟に対応できます。

【シナリオ2. 社内ナレッジのRAG活用】
マニュアル・規程・過去の問い合わせ履歴・技術ドキュメントなどをOracle Autonomous AI Database上のVector Storeに統合し、AIチャットやAIエージェントから即座に検索・回答できる環境を構築します。
26aiに統合されたAI Vector Search機能を活用することで、データを外部に出さずにセキュアなRAG環境を実現します。
属人化していた社内知識を、組織全体の資産として活用できる状態にします。

【シナリオ3. 段階的なAI基盤の拡張】
既存の分析環境や基幹システムはそのままに、OCI側へAI活用基盤を追加接続するアプローチも可能です。
まずは特定ユースケースで効果を検証し、その後データソースや活用範囲を段階的に拡張します。
AI Ready Platformは、お客様のAIアシスタント・業務アプリ・AIエージェントとの連携を前提に設計されています。

【導入の流れ(PoC検証型の例)】
⓪ 構想整理・PoC計画策定(業務課題・ユースケース・KPI定義)
① OCI環境構築・CData Sync設定・データ取り込み・初期RAG実装・一次精度検証(約1.5ヶ月)
② 精度向上施策・改善仮説立案・PDCA評価 (2ヶ月)
③ 本番環境構築・開発・リリース(要件に応じて個別見積) (3ヶ月)
▼ 本番稼働後も精度改善・データソース拡張・機能追加を継続支援 (トータル7ヶ月がベースライン)

▼OCIに関するパソナデータ&デザイン様の取り組みについてお聞かせください。
●OCI ビジネスの今後の展開についてお聞かせください。

2026年1月5日にデータとデザインの力をビジネスに組み込む新会社として、株式会社パソナデータ&デザインが発足しました。これまで我々が株式会社スマートスタイルとして培ってきた技術と、パソナデジタルアカデミーのDX人材育成プログラムを合わせ、グループ内で蓄積したノウハウを今後は外に向けて展開してまいります。

パソナグループから統合してきたパソナデジタルアカデミーでは、DX推進を希望される会社様から社員を選抜いただき、研修プログラム受講いただくことが可能です。AI活用を中心に、研修で得た知見を自社へ持ち帰り、社内展開につなげることができるという大きなメリットがあり、お客様の技術的な悩みなどを解決するべくワンストップで支援するソリューションとして提供することが、今回のグループ統合の大きなテーマとなっております。
私たちは、OCIをAIネイティブ時代のデータ基盤の中核と位置づけ、次の3つの方向で展開を加速していきます。

  1. Oracle AI Database 26ai対応の深化と先行提案
    2025年10月に発表されたOracle AI Database 26aiは、AI機能をデータベースのコアに統合した大きな転換点です。
    国内パートナーとしていち早く対応し、Oracle Autonomous AI DatabaseとOracle Generative AI Serviceを組み合わせたAIネイティブ基盤の構築支援を強化していきます。
    今後はマルチエージェント対応やMCP活用など、技術進化に合わせた新たな活用シナリオの提案にも継続的に取り組みます。
  2. グループ内実証による知見の高度化
    パソナグループ内でのAI活用検証プロジェクトを継続的に推進し、実運用で得られた知見をお客様への提案・実装に還元します。
    “自ら使い続けている基盤”だからこそ語れる具体性と現実解を、競争優位の源泉として磨き続けます。
  3. MySQL × OCI × AIを一体で提案する強み
    20年以上にわたり培ってきたMySQL事業の専門性を起点に、OCI移行とAI基盤構築を一体で提案できる体制を強化します。
    特にMySQLやOracle Databaseを基幹データベースとして利用しているお客様に対して、既存資産を活かしながらAIネイティブ環境へ移行する道筋を示せる点は、当社ならではの強みです。

データを“支え”、AIを“動かし”、組織に“根付かせる”。
OCIを軸に、日本企業のAIネイティブ化を継続的に支援していきます。

■製品紹介ページ
AI Ready Platform on OCI 導入支援サービス:

https://services.s-style.co.jp/lp/ai_ready_platformservice_toppage/

OCI専用ブランド「CloudMikö」:
https://cloudmiko.jp/

■お問い合わせ先
株式会社パソナデータ&デザイン

Mail:info_dd@jp.pasona.com


【OPN編集後記】
今回は、株式会社パソナデータ&デザイン様のソリューション、AI Ready Platform 2.0シリーズについてくわしくお話を伺いました。
今回のインタビューを通じて印象的だったのは、パソナデータ&デザイン様が掲げる「データを“支え”、AIを“動かし”、組織に“根付かせる”」という一貫した思想です。
Oracle Autonomous AI Database 26aiを中心に、AI Vector SearchやRAG、Select AIを“データのそばで動かす”設計は、精度・セキュリティ・運用負荷の観点で現実的かつ強力なアプローチだと感じました。

グループ内での継続的な実証で得た知見を提案・実装に還元できることに加え、研修・リスキリングなどのDX人材育成と技術導入を組み合わせ、人・組織まで含めて定着を支援できる点が同社の強みだと感じました。

パソナデータ&デザイン様の今後ますますのご活躍を心よりお祈りしております!