生成AIはいま最も重要なテクノロジーのトレンドといって間違いありません。これはほぼすべての業界に大きな影響を与える変革的な力です。この急速に進化を進めるテクノロジーは開発者がほぼすべての新規および既存のアプリケーションの進化において重要かつ絶好の機会となっています。

ITエンジニアの採用支援を行う企業OnHiresは「今後数年間のヨーロッパと米国のAI開発者の需要は、他の職業の需要よりも優先されるだけでなく、他の分野の開発エンジニアの採用をも大幅に上回るだろう」と指摘しています。また、「AI開発者の給料はIT分野で最も高い職業の1つと考えられている」と強調している。

AI開発者になることは新しいスキルを獲得することを意味しますが、MySQLを利用したアプリケーションを開発している場合はそのプロセスは簡単です。MySQLは長い間、開発者にとって最も人気のあるデータベースであり、MySQL HeatWaveはデータベース内の機械学習と生成AIおよびベクトル・ストアのサポートを実装する予定となっており、AI開発者になるために既存のスキルを応用するだけで簡単に構築できるように開発が進められています。たとえば:

  • MySQL HeatWaveには、データベースとオブジェクト・ストレージの両方のデータを使用して機械学習モデルを構築、トレーニング、説明するために必要なものがすべて含まれています。HeatWave AutoMLは、アルゴリズムの選択、モデル・トレーニングのためのインテリジェントなデータ・サンプリング、特徴量の選択、ハイパーパラメータの最適化など、機械学習のライフサイクルを自動化します。データを別の機械学習用のクラウド・サービスに移動する必要はなく、またエンジニア自身も機械学習の専門家である必要はありません。使い慣れたSQLコマンドを使用して機械学習モデルを構築でき、HeatWave AutoMLは、JupyterやApache Zeppelinなどの一般的なノートブックからの利用ももちろん可能です。
  • 2023年のOracle CloudWorldにてMySQL HeatWaveのロードマップとしてベクトル・ストアを使用した生成AIをサポートする予定を発表しました。2024年4月初の時点ではプライベート・プレビューとなっています。ベクトル・ストアを使用することで、各企業の独自のデータで活用して大規模な言語モデル(LLM)を強化し、パブリックなデータのみでトレーニングされたモデルを使用するよりも、ビジネスに対する正確でコンテキストに即した回答を得ることができます。生成AIおよびベクトル・ストア機能を使用すると、MySQL HeatWaveと自然言語で対話し、オブジェクト・ストア内の様々なファイル形式でドキュメントを効率的に検索するアプリケーションを構築できます。
  • MySQL HeatWaveはOCI、AWS、Azureで利用でき、アプリケーションの構築と導入に優れた柔軟性を提供します。

 

MySQL HeatWave向けのベクトル・ストアおよび生成AIの拡張機能

MySQL HeatWaveを活用したAI開発者への道筋をよりご理解いただくために、ベクトル・ストアと生成AIの実装、および最新の機能強化について詳しくご紹介します。

  • MySQLデータベースとHeatWaveは、ベクトルを格納するための新しいVECTORデータ型をサポートするようになり、標準のSQLを使用してVECTORデータを作成、処理および管理できるようになります。
  • ベクトル・ストアはMySQL Shellと統合されるため、使い慣れたインタフェースを使用して自然言語で質問や回答を受け取りが可能です。MySQL Shell for VS Codeを介して自然言語を使用してデータを問い合せることもできます。ZeppelinやJupyterなどのサードパーティ・ツールからMySQL HeatWaveの生成AIおよびベクトル・ストア機能にアクセスして活用することもできます。
  • ドキュメントを検出してベクトル・ストアで取り込むパイプラインは自動化されており、ユーザーの非構造化データの変換やベクトル埋込み(Vector Embedding)の生成などにより、機械学習の専門知識を持たない開発者がベクトル・ストアを活用の難易度を引き下げています。
  • ベクトルに関する処理は、HeatWaveのインメモリーおよびスケールアウト・アーキテクチャを活用して高速化されます。ベクトル・ストアでのベクトル埋込みの生成は、すべてのクラスタ・ノード間で並列に実行されます。複数の入力ファイルを複数のスレッドで並列に処理できます。その結果、PDF, DOCX, HTML, TXT, PPTXなどのさまざまな形式の非構造化データをベクトルストアに高速に取り込むことができます
  • MySQL HeatWaveでLLMを使用するためのオプションがいくつかあります。OCIの生成AIサービスを使用すると、CohereとMetaの事前にトレーニングされた基礎モデルにアクセスして、テキストの要約とベクトル埋め込み、テキストの生成ができます。また、HeatWave LLMでも実行できます。
  • もう1つの重要な点は、生成AIを機械学習などの他のHeatWave機能と組み合せて簡単に使用できることです。たとえば、HeatWave AutoMLレコメンド・システムを使用して、顧客が自然言語で質問したり、好みに基づいて様々なレストランからおすすめの料理を入手できるようにするオンラインのフード・デリバリー・サービスのアプリを簡単に構築できます

 

HeatWave AutoML - オンラインのフード・デリバリー・サービスの例

 

AIの複数のユースケースには、データベースやオブジェクト・ストレージ(不正検出、臨床研究、予測メンテナンスなど)にわたって保存されたさまざまな形式のデータの分析が含まれます。MySQL HeatWave Lakehouseを使用すると、オブジェクト・ストレージ、MySQLデータベース、またはその両方の組合せのデータをレコード速度で問い合せることができます。問合せ処理はすべてHeatWaveエンジンで実行されるため、MySQL互換ワークロードに加えて、MySQL以外のワークロードに対してHeatWaveを利用できます。それでは、MySQL HeatWave Lakehouseに対する最近の機能強化について見ていきましょう。

 

MySQL HeatWave Lakehouseの拡張機能

MySQL HeatWave Lakehouseの最近の機能強化は以下のものも含まれます。

  • MySQLデータベースに格納されているJSONドキュメントのリアルタイム分析にHeatWaveを使用できるため、JSONドキュメントに対するクエリが大幅に高速化されます。
  • JavaScriptのネイティブ・サポートにより、開発者はJavaScriptにストアド・プロシージャとストアド・ファンクションを記述し、MySQL HeatWave内でネイティブに実行できます。ユーザー定義型、コンテナ、関数型プログラミング構造など、JavaScriptが提供する豊富な言語機能により、SQLで実装するよりも簡素化されます。JavaScriptで多彩なアプリケーション・ロジックを実装し、MySQLデータベース内でプログラムを実行することで、高いパフォーマンスを得ることができます。

MySQL HeatWave Lakehouseを使用したオブジェクト・ストレージのデータに対しても、次の機能を使用できるようになりました。

  • HeatWaveを使用して、オブジェクト・ストレージに置かれた半構造化データとしてのJSON形式のファイルに対するSQL文での分析をできるようになりました。たとえば、オブジェクト・ストレージにJSONデータを格納して、コンテンツ管理アプリケーションやリアルタイム・ダッシュボードを開発できます。
  • HeatWave LakehouseでのネイティブなJavaScriptのサポートにより、JavaScriptでオブジェクト・ストレージ内のデータを処理できます。たとえば、HeatWave LakehouseでJavaScriptの豊富な機能を使用して動的にコンテンツがロードされるアプリを構築し、オブジェクト・ストレージ内のデータに対して処理および問合せできます。

MySQL HeatWaveを使用してオブジェクト・ストアのデータに対してJavaScriptを実行

AIは世界を劇的に変革しており、業界全体に大きな影響を与えます。MySQL HeatWaveを使用すると、既存のMySQLスキルを応用してAI開発者になり、この革命に参加できます。今すぐMySQL HeatWaveを無料で試してください

その他のリソース

•    MySQL HeatWaveの詳細
•    開発者向けリソース
•    MySQL HeatWaveの無料ワークショップをリクエストする

  i https://www.onhires.com/blog-post/the-most-demanded-ai-developers-in-the-world-and-their-salaries 
  ii https://www.jetbrains.com/lp/devecosystem-2023/databases/ 
  * 免責事項: ベンチマークのSQL文はTPC-DSベンチマークを元としていますが、TPC-DS仕様に準拠していないため公開されたTPC-DSベンチマーク結果とは比較できません。