この記事は Database Management Now Monitors MySQL HeatWave Clusters and Lakehouse の翻訳版です。 

昨年末、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上のMySQL Heatwave Database Service向けにOCIデータベース管理サービスの一般提供が開始されました。

開始当初はMySQLのOLTPワークロードの可観測性にフォーカスしていましたが、この度MySQL HeatWaveクラスタとLakehouseを有効にしたDBシステムを監視対象とできるよう機能拡張したことお伝えします。この機能拡張により、データベース管理サービスは、データベース管理者に深い洞察とプロアクティブな監視の機会を提供することで、確実なパフォーマンス維持と十分な情報に基づく意思決定を支援します。

オラクルは数十年にわたりデータベース管理のリーダーであり続けてきましたが、Oracle Cloud上で独自の機能を活用できるようになりました。データベース管理サービスのこの新機能は、MySQL Enterprise Monitor(MEM)とEnterprise Managerに搭載されている業界をリードするオラクルのイノベーションをOracle Cloudにもたらします。

機能の概要

  • OCI上で展開・管理されているMySQL HeatWaveやOracle Databasesを含む複数のデータベースを、それぞれのフリート・サマリーで監視できる統一されたユーザー・インターフェース
  • MySQL HeatWaveクラスタとLakehouseが有効なデータベース・フリート全体のパフォーマンス問題をプロアクティブに検出し、根本原因を特定する機能の強化
  • フリートまたは特定のデータベースのパフォーマンス・アラートの統合、およびトリアージ調査の実施
  • SQL実行性能問題のプロアクティブな検出と根本原因の特定

 

MySQL HeatWaveクラスタとレイクハウスのフリート監視

データベース管理サービスは、以下の様なフリート監視機能を提供します:

  • OCI上にデプロイされた複数のMySQL HeatWaveレイクハウスを有効にしたDBシステムを監視するための統合されたユーザー・インタフェース
  • アラームセクションでは、DBシステムのHeatWaveクラスタに特化したメトリクスを確認することができます。ここでは、重大度レベルで分類されたアラームが表示されます。
  • データベース管理で監視中のDBシステムにアタッチされたHeatWaveクラスタの詳細が確認できるHeatWaveクラスタタブが表示されます。このタブでは、特定のDBシステムに絞り込むことができます。
  • フリートページには、DBシステムにアタッチされたHeatWaveクラスタに関する主要な構成および監視メトリクスが表示されます。
  • モニタリング・ステータス: HeatWaveクラスタの現在のモニタリング・ステータス:
    • 稼働中: HeatWaveクラスタのヘルス・ステータスは正常、リロード中、またはリカバリ中です。
    • 停止中: HeatWaveクラスタのヘルス・ステータスが異常。このステータスは、HeatWaveクラスタのノードの1つでも障害状態にある場合に表示されます。
    • 不明: HeatWaveクラスタのヘルスステータスのメトリックが利用できない場合に表示されます。
  • ノード: HeatWaveクラスタ内のHeatWaveノードの数。
  • レイクハウス:  レイクハウスの有効化ステータス。レイクハウスがHeatWaveクラスタに対して有効になっているかどうかを示します。
  • メモリー使用率: HeatWaveクラスタのノードで使用されているメモリの割合。
  • CPU使用率: HeatWaveクラスタのノードで使用されているCPUの割合。

 

図1:   MySQL HeatWaveクラスタのフリート・サマリー
図1:   MySQL HeatWaveクラスタのフリート・サマリー

HeatWaveクラスタの監視

フリートサマリーページからMySQLデータベースの詳細ページにドリルダウンして、DBシステムにアタッチされているHeatWaveクラスタの主要メトリクスを監視することができます。

HeatWaveクラスタ情報タブに移動して、DBシステムのコンパートメントとOCID、クラスタのノード数、HeatWaveノードのシェイプ、レイクハウスの有効化ステータスなどの詳細情報を確認できます。また、アラーム数も確認することもできます。

サマリーセクションのHeatWaveクラスタタブを使用すると、以下のことが可能になります:

選択した期間のHeatWaveクラスタのヘルス・ステータスの概要を表示するヘルス・ステータス・タイムラインの監視。ヘルス・ステータスは、HeatWaveクラスタが正常か、データを再ロードしているか、リカバリ中であるか、またはノード障害が発生しているかを示します。

メモリ(%)およびCPU(%)を含む重要なHeatWaveクラスタメトリクスの監視。これらのメトリクスは視覚的に表示され、HeatWaveクラスタの状態、キャパシティ、およびパフォーマンスを迅速に把握することができます。

メモリ(%)およびCPU(%)のメトリクス・チャートでは、HeatWaveノードレベルできめ細かな確認が可能です。さらに、「ノード・メトリックの集計」チェックボックスを選択すると、HeatWaveクラスタ内のすべてのノードの合計メトリクスが表示されます。特定のHeatWaveノードに関する詳細な情報を確認する場合は、[ノード]ドロップダウン・リストから目的のノードを選択します。

図2:   MySQLデータベース詳細ページのサマリー・セクション
図2:   MySQLデータベース詳細ページのサマリー・セクション

メトリクス表示のカスタマイズ

HeatWaveクラスタ・メトリクスの包括的な範囲を監視し、さまざまな指標を使用してデータを分析するには、次の手順に従います: 

  1. 左ペインの[リソース]ー[メトリック]をクリックします。
  2. 次に、[HeatWaveクラスタ]タブを選択します。
  3. ここには[サマリー]セクションに表示されるグラフのほか、[ネットワークスループット]などの追加メトリックのグラフが表示されます。

表示されるメトリクスをカスタマイズしたい場合は、[期間]フィールドの左横にある[チャートの選択]ドロップダウン・リストを使用します。

図3:  MySQLデータベース詳細ページのメトリクス・セクション
図3:   MySQLデータベース詳細ページのメトリクス・セクション

パフォーマンス・ハブ

パフォーマンス・ハブは、開発者とDB管理者がクエリ・パフォーマンスを監視することで、データベース・アプリケーションのパフォーマンスを迅速に改善することを可能にします。豊富なグラフを活用することで、処理速度低下の根本原因となっている SQLクエリを正確に突き止めることができます。グラフからより詳細なクエリの情報にドリルダウンすることができ、データベース・パフォーマンスの問題を即座に可視化します。パフォーマンス・ハブを使用すると、開発者は開発途中のSQLクエリを改善できるだけでなく、本番環境で実行されているSQLクエリを継続して監視・修正することも可能です。

Heatwaveクラスタが有効になっているMySQL DBシステムの場合、パフォーマンス・ハブには、選択した期間に実行されたSQL文の総数と、HeatWaveクラスタにオフロードされたSQL文の数が表示されます。

Figure 4:  Performance Hub for MySQL HeatWave enabled databases
図4:  MySQL HeatWaveクラスタがアタッチされたDBシステムのパフォーマンス・ハブ

実際にやってみましょう!

データベース管理サービスは、OCIコンソールの[監視および管理]メニューから実行できます。このサービスには、コンソール、CLI、REST APIからアクセスできます。MySQL Heatwaveのデータベース管理機能は、すべてのリージョンで利用可能です。ガバメント・リージョンでは近日提供予定です。

データベース管理サービスは、2024年4月現在はOCIのMySQL Heatwave Database Serviceに対して利用できます。オンプレミスのMySQLデータベースのサポートは近日開始予定です。

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