本Blogをお読みいただいている皆様、2023年も大変お世話になり、心より感謝申し上げます。

さて、早いもので今年も終わりが近づいてまいりました。新しい年を迎えるにあたり、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。また、弊社製品をお使いのユーザー様、またパートナーの皆様へ心より感謝を申し上げます。
 

今年は弊社にとっては大きな変化の一年となりました。

Cernerの買収により、世界最大かつ最も豊富なReal-World Evidenceデータの集合体の1つを所有する唯一のITベンダとなり、これまでの弊社の製品群にCerner, Cerner Envizaが加わりました。どのように皆様の業務を支援させて頂くことができるのか、これからも弊社営業活動やイベント、また本Blogでもご紹介していきたいと思います。

 

また、今年からはじめた本Blogですが、ありがたいことに日に日に多くのアクセスを頂いております。今年一番アクセスを頂いた投稿トップ3をご紹介いたします。

  1. RTSMを探る「第1回:今更ですが知っていますか?IVRS、IWRS、IRTとRTSMの違い」 
  2. A2 Healthcare Taiwan、症例評価業務の基盤にOracle Argusを採用
  3. 2023/9/28に開催される日本CRO協会主催”eClnical Solutions Forum”でグローバルCTMSの導入事例をご紹介します。
     

来年も業界アップデート、製品アップデート、イベントレポート、イノベーション情報など、様々な内容を発信できればと思いますので、今後ともお読みいただけますと幸いです。ご質問・ご意見等ございましたらいつでもご連絡ください。
hsgbu-oracle_jp@oracle.com

弊社の年末年始の営業スケジュールはこちらです。

  • 年末年始休業日:2023年12月29日(金)から2024年1月3日(水)
  • 営業再開日:2024年1月4日(木)

 

最後にPharmavoiceのTrends shaping the pharmaceutical industry in 2024 | PharmaVoiceをご紹介し、2023年の締めとさせて頂きます。来る2024年が皆様にとって輝かしい一年となることを心より願っています。

 

2024年の製薬業界を形成するトレンド
By Seema Verma, SVP and GM, Oracle Life Sciences 

(Pharmavoiceで紹介された弊社Seema VermaによるTrends shaping the pharmaceutical industry in 2024 を翻訳したものです。)

 

  • リアルワールドデータとの統合がより普及する

臨床研究をリアルワールドデータ(RWD)と組み合わせることで、リアルワールドにおける疾病の経過や医療上の介入の結果について、より深い洞察が得られます。このようなリアルワールドのデータソースには、PRO(Patient Reported Outcome: 被験者日誌)、保険請求データ、ウェアラブルデバイスからのデータ、電子カルテ(EHR)に見られる詳細な患者履歴などがあり、実生活での治療について、より洗練された理解を得ることができます。これらのデータは、臨床試験の実施を強化し、医薬品の安全性と有効性のエビデンスを生成し、保険請求の戦略を考える上で極めて重要になります。

 

  • 個別化医療が焦点に

データから洞察を得るために高度な分析、機械学習、計算能力を駆使することで、臨床研究は、一般的な疾患だけでなく、個人の状態に合わせた個別化治療法を生み出す方法に焦点を当て続けるでしょう。私たちは、患者の声を積極的に取り入れ、医薬品開発の各段階が多様な患者集団の実体験に基づいたものとなるよう、大きくシフトしていくことを期待しています。テクノロジー、特に生成AIと高性能クラウド・コンピューティングの進歩により、膨大で多様なデータセットをかつてないスピードと精度で分析できるようになりました。RWDと組み合わせることで、これらのテクノロジーは、実際の治療について、より洗練された理解を提供することができます。この統合により、業界は治療法をより効果的に調整し、プロセス全体を通じて患者との連携を向上させ、臨床研究と臨床ケアのギャップを埋めることができるようになります。

 

  • クラウドとAIの導入が臨床研究と臨床ケアのギャップを埋める

現在、臨床研究は一部の健康データに基づいていますが、患者の臨床ケアデータの多くはアクセスできず、サイロ化されています。業界は、テクノロジー、クラウド・コンピューティング、データ統合、臨床ケア研究がすべて同じスペクトルの一部となる地点まで来ています。クラウド・テクノロジーは、接続された堅牢なデータセットへのアクセス拡大への橋渡しに役立っています。AIによって迅速な分析と洞察が可能になれば、臨床研究はよりアクセスしやすく、より安価で、情報はより完全なデータに基づき、より正確なものになるでしょう。

例えば、個別化された新しい治療法が現在、そして将来的に市場に出回るようになると、患者や医療提供者は、その安全性や副作用の可能性に関する正確な情報を得る必要があります。自動化とAIは、システムが潜在的な問題を事前に特定し、無駄な繰り返し作業やエラーを排除するのに役立つ「予測的」シグナル検出を可能にします。ファーマコビジランス・プロセスの業務効率を向上させるため、AIと大規模言語モデル(LLM)への投資は今後も続くでしょう。リアルワールドデータと組み合わせることで、これらの進歩はデータを分析し、新薬の潜在的なリスク要因を特定するのに必要な時間と労力を大幅に削減することができます。これにより、有害事象の早期発見や医薬品安全性監視の改善に役立ちます。

AIの恩恵が臨床試験のライフサイクル全体に影響を与えることで、選択できる臨床試験が増え、参加方法をより自由にコントロールできるようになるため、患者の負担が軽減されることになります。これにより、最終的には医薬品が市場に出回るまでの時間が短縮され、臨床試験に関連する全体的なコストが削減されることになります。

 

  • 生成AIの存在感がさらに増す

特に生成AIは、自動化、最適化、高度な洞察力を通じて、創薬、臨床試験、安全性において効率化を促進し、医薬品開発のあらゆる段階を変革し始めるでしょう。LLMは生物学と分子スクリーニングの理解を深め、新たな治療法の開発につながる前臨床段階における創薬パイプラインのスピードと質を向上させます。生成AIはまた、多様な患者集団を特定し、試験デザインを最適化し、ゲノム、EHR、RWDを含む多数のデータセットを統合することで、患者リクルートメントと臨床試験の成功率を向上させるなど、臨床試験において重要な役割を果たすことができます。近い将来、完全にデジタル化されたプロトコルの実現に近づくために、生成AIが役立つようになるかもしれません。

 

  • 分散型(およびハイブリッド)臨床試験は常態化する

パンデミックは、分散型臨床試験(DCT)の採用を大きく加速させました。現在、コネクテッドデバイスやウェアラブルといったものが、DCTが必要なデータを収集するための実行可能な選択肢となり、今後も進化し続けるでしょう。これにより、試験参加へのハードルが下がり、臨床試験へのアクセスが拡大し、患者の利便性が向上します。臨床試験のデザインは、従来の方法とDCTのバランスを取りながら、患者のニーズをプロセよりよく組み込むことが期待されます。

 

  • 臨床試験への幅広いアクセスと多様性を創出するため、患者の選択性が重視される

2024年には、患者や医療提供者を臨床試験に容易につなげられるよう、臨床試験プロバイダーがより協調的に取り組むようになるでしょう。医師と患者にとって、匿名化されたデータを共有して研究を促進し、患者を有望な臨床試験につなげる多様な医療システムへのアクセスを引き続き可能にすることは、画期的な知見や治療法の発見、開発、展開を加速させることにつながります。薬局チェーン、小規模の地域病院、さらには地元の薬局など、地域に根ざした環境は、より多くの臨床試験施設を提供し、社会経済的背景や地理的条件を超えて、患者にとってより広範で多様なアクセスを生み出すでしょう。

クラウド、自動化、AIが今後もライフサイエンス業界と臨床試験へのアプローチを進化させていくことは間違いありません。これらの技術が業界のあらゆる側面に変革をもたらす影響は、試験の立ち上げから個別化医療、医薬品の安全性に至るまで、臨床研究のあらゆる側面に及ぶでしょう。これらの技術やその他の新たな技術を最も効果的に活用する企業こそが、実用的で安全な治療法をより早く市場に送り出すことができると考えています。