Culture starts with you。つまりカルチャーをつくるのは社員一人一人という考え方のもと、自らの意思や挑戦を尊重した社員主体の活動を重視しています。
その基盤の一つとなっているのがEmployee Resource Group(ERG)です。ERGのなかの一つに女性の次世代リーダー育成を目的とした、Oracle Women’s Leadership(以下OWL、代表: 赤平 百合、下新井田 佳奈)があります。OWLが10月27日に開催したイベントでは、日本オラクル株式会社 取締役 執行役 社長 三澤 智光やリーダー達が、どのようにしたら日本オラクルがよりインクルーシブに、社員一人ひとりが自分らしく活躍できる会社になることができるのかというテーマについてパネルディスカッションを実施しました。
パネリストの一人として登壇した日本オラクル 代表執行役 法務室長 中島 里香に、女性管理職比率を2025年までに5%アップさせるという目標を掲げて組織的な取組みを行う女性活躍推進について話を聞きました。
問)いまの性で生まれ育ってみて、よかったと思うこと、苦労したと思うことをお聞かせください。
女性として生まれたから、息子2人を生み、育てられたことがよかったというのが率直な気持ちです。ところが、次男が生後1ヵ月半の時に、主人を肺がんで亡くしました。専業主婦から就職活動をし、子育てをしながら仕事をしていくことは苦しく感じることがよくありました。法律事務所で働いていた頃は、帰宅も遅く、家にずっといないために「港区ひとり親支援」で派遣されたシッターさんにも顔を合わせることができないことがよくあったことを、今でも覚えています。そんな苦労がありながらも、子供を育てる機会が与えられたことは本当に幸せでした。
問)女性の管理職比率について数値目標をつくることについて違和感があるという声もありますが、どうお考えでしょうか?
組織のカルチャーを変えていきたい時には、トップダウンでメッセージを打ち出すのはとても効果があると思います。皆がより意識をするようになるので。そうしないと、変わらないという現実があるので、女性の側もそこは受け入れてしまっても良いのでは、と思います。 数値目標以外でも例えばDiversity & Inclusionもそうですし、トップダウンでメッセージを伝えていくことによって、みんなの意識に根付いてきて、ジワジワとカルチャーって変わっていくのだと思います。より多くの女性がトップ層に上がっていった方が、例えばトップレベルで議論をする時色々な側面からの意見をぶつけ合うことが出来るようになります。似たような人々を管理職に揃えてしまうと、感覚が似ているので重要な判断を下す時に誰も気付かない「死角」ができてしまいます。性別や経験が違う人達を揃えることによってその死角を出来るだけ抑え、日本オラクルにとってより良い選択が出来ることになります。数値目標はより良いコーポレートカルチャーに持っていく「近道」として受け入れても良いのではないかと考えます。
問)管理職になりたくない女性が多いといいます。どう考えますか?
管理職になりたくない、と思っている女性は「今でも家庭と仕事の両立でパンパンなのに、これ以上仕事増えたら無理」とか、「管理職になってうまくいかなかったら転職は難しい」とか保守的になってしまっている方が多い気がします。私も51才でオラクルに転職したので、似たような気持ちもありました。管理職は当然プラス面、マイナス面があります。しかしこの新しいチャレンジが与えられて何よりも人として成長が出来たと思います。上司の評価も、また周りからも、単なるスキルにとどまらず、360度評価されていて、自分の中で今までとは違う「筋肉」が鍛えられている実感があります。管理職になるということはより自分を高める機会が与えられることなので、自分に合った環境は整うことを信じて、管理職になることにも前向きにとらえていくのがいいと思います。
問)ロールモデルはいましたか?
元ゴールドマン・サックス証券副会長、現在はMPower Partners ゼネラルパートナーのキャシー松井さんです。亡くした主人の上司でした。日本に女性のロールモデルってなかなか実際に出会ってお付き合いしてもらえることってあまりないと思うので、私はラッキーでした。私にとってキャシーさんは苦しい時に光と方向性を示してくれる「灯台」のような存在です。男女問わず、ロールモデルって誰にでも必要だと思います。女性は仕事を続けていくことに戸惑いは何度もあるし、罪悪感は常に付きまとうように感じます。私はキャシーさんがいらしたから戸惑ったときは彼女に相談できて、不完全な自分を許すことが出来ました。時間を取ってもらえる関係ではなくても、今はネット等でロールモデルを見つけることが出来るし、その人の動画を見たり、著書を読むことが出来ます。社内にロールモデルがいないという声をたまに聞きます。社内に制限せず、社会に目を向けて、ロールモデルを探して、見つけてみるのもいいと思います。
問)女性活躍のために中島さんのようなリーダー自身が変わらないといけないとしたら、どのような点でしょうか?
先日、日本オラクル社外取締役の夏野剛さんと直接お話する機会を持たせていただき、はっとさせられたことがありました。夏野さんはこれまでに画期的な事業を立ち上げたりしていて、新しい時代を創るビジネスリーダーと言われています。ワクワクする人生って、自分で切り開いていくんだ、と夏野さんと話していて思いました。またワクワクって人に伝達するということも彼と話して肌で感じました。今の課題としては日本オラクルにおいても単に与えられた仕事をこなしていくのではなく、何か始めるとか、自分でワクワクを切り開いていき、他の女性にそのワクワクを伝達し、元気にしていきたいです。
OWLでは、リーダーたちとともに、将来の女性リーダーが育つ環境づくり、そしてチームで補完し合いながら組織の誰もが自分らしさを発揮できる優しい組織づくりを目指していきます。
私たちとともにキャリアを自らつくっていきたいと思われたら、career opportunitiesにアクセスしてみてください。