※本記事は、Robert Azzopardiによる”Why Technology Matters – A Strong Foundation“を翻訳したものです。
家を建てる時、最初に行うのは基礎を築くことですよね。一般的な住宅の場合、その基礎は鉄筋コンクリートです。基礎は強くて安定的で、家の支えとならなければなりません。同じことがソフトウェア・アプリケーションにも当てはまります。ソフトウェア・アプリケーションには、強力で安定した基盤、つまりデータの保存と処理、ビジネス・ロジック、ユーザ・インタラクション、コンフィグレーション、拡張性を可能にする基盤テクノロジーが必要なのです。
この考えをさらに一歩進めてみましょう。強力な基盤テクノロジーが重要になるのは、それによってアプリケーションが稼働するからだけでなく、それ自体がビジネスに変化を起こす引き金となるからでもあるのです。テクノロジーは、ビジネス・プロセスの変更 (新しいワークフロー) を促進したり、AI/ML(人工知能/機械学習)により業務の運用に関する新しい洞察をもたらしたりもするのです。
たとえば、現場からの人事情報の問い合わせ処理にデジタル・アシスタントを使用すると、その多くの問い合わせをセルフサービスに変更して効率化し、作業負荷を軽減する上に、応答性の向上も実現できます。 AI/ML 、ブロックチェーン、IoT (Internet of Things) などのテクノロジーは、新しい市場に参入するためであれ、既存の市場に留まるためであれ、競争上の差別化要因となるのです。
現在お使いのバックオフィス・システムは、どれくらい速く変化に適応できますか?新しいテクノロジーを、どれくらい速く導入できるでしょうか?その答えが「速くはできない・・」という場合は、基盤となるテクノロジー/プラットフォームが妨げになっているということでしょう。この適応の遅れこそが、裏返すとテクノロジーが重要である理由であり、そしてお客様の継続的な成功にとって Oracle Applicationsの基盤が重要であることの核心なのです。
スピードと機敏性の基礎
Oracle Fusion Cloud Applicationsを使用すると、お客様は常にソフトウェアの最新リリースを使用することになります。新しい機能を有効にするために、アップグレードを何年も待つ必要はもうありません。 Oracle Fusion Applications のリリース・スケジュールは四半期ごとに定められているため、アップグレードのペースではなく、ビジネスのペースで新しい機能や新しいテクノロジーを導入できます。世界的なパンデミックからの教訓の 1 つは、物事の変化がいかに速いか、ということでした。昨日まではオフィスで働いていたのに、次の日にはリモートで仕事をしており、さらに世界のサプライチェーンはバラバラに引き裂かれています。 Oracle Fusion Cloud Applicationsは、世界の変化に合わせてお客様の方向転換と変化を支援します。
重要なのは、素早く適応するための、スピードと機敏性です。
柔軟性の基礎
Oracle Cloud Applicationsは、業務に合わせて柔軟に構成できます。その逆ではありません。
- アプリケーションを再コーディングしたりカスタマイズしたりせずに、業務プロセスの一部として新しいフィールドをアプリケーション画面で設定できます。
- きめ細かいロール・ベースのアクセス制御を使用して運用をモデル化する堅牢なセキュリティを実装します。
- 統合されたデータ・モデルにより、デプロイとレポートをシンプルにします。
- 企業のルック&フィールに合わせてシステムをパーソナライズします。
- Oracle Cloud Applicationsの基盤を使用して、クラウド・アプリケーションの機能とプロセスを拡張します。
これらすべては、Oracle Cloud Applicationsの基盤の上にあるからこそ実現可能になるのです。
柔軟性が重要です。設定変更するのは業務ではなくアプリケーションです。
セキュリティの基礎
実際のところ、悪い評判が立つという状況はどの企業にとっても起こり得ることです。
誰もセキュリティ侵害のニュースのヘッドラインになることを望んでいません。お客様も、そしてオラクルも。オラクルは長年にわたり、広範かつ奥深いセキュリティ標準と実践方法を開発してきました。オラクルのセキュリティ・プラクティスは多面的であり、企業システム、クラウドおよびオンプレミスの製品とサービスの開発と管理の方法を網羅しています。
セキュリティ慣行の 1 つであるオラクルのソフトウェア・セキュリティ・アシュアランスは、製品がオンプレミスで使用されるかクラウドで提供されるかに関わらず、製品の設計、構築、テスト、保守に至るまで全般的にセキュリティを組み込むための方法論であり、オラクルが実質的な責任を負うものです。オラクルのクラウド・セキュリティは、セキュリティ第一の考え方で設計されており、セキュリティ機能はOCI上で実行されるOracle Cloud Applicationsの強力な基盤の構築に役立ちます。 オラクルのセキュリティ・アーキテクチャとセキュリティ・サービスは、お客様のデータとアプリケーションの保護に役立ちます。
セキュリティが重要です。この世界は必ずしも安全な場所ではありません。
未来への投資
オラクルは毎年数十億ドルを研究開発に投資しており、これを長年に渡って行っています。逆に、新しいテクノロジーや自分たち自身に投資しない企業であれば、道を外れてしまうでしょう。
Oracle Cloud Applicationsは、AI/ML、デジタル・アシスタント、ブロックチェーン、マイクロサービス、高度分析、継続的なセキュリティ改善などを導入することで革新を続けています。常にソフトウェアの最新リリースをご使用いただいていることで、お客様はこれらのイノベーションをより早く導入できるようになっています。
イノベーションは重要です。立ち止まってはいけません。
未来のためのプラットフォーム
Oracle Fusion Applications は多くの点で唯一無二です。その 1 つは、オラクルのテクノロジー・スタック上にデプロイされているという事実です。
- オラクルのサーバー
- オラクルのストレージ
- オラクルのオペレーティング・システム (Linux)
- オラクルの仮想化技術
- オラクルのデータベース
- オラクルのFusionミドルウェアとアプリケーション・サーバー
- オラクルのアプリケーション

詳細については、「Oracle Cloud Security Blog: Oracle Stackのセキュリティ上の利点」を参照してください。
オラクル以外の従来のクラウド・アプリケーションのデプロイメントのモデルでは、複数のお客様が同じデータベースとプログラム・ファイルを共有するマルチ・テナント・アーキテクチャを利用しています。分離はデータ・ストライピングによって提供されます。このモデルはベンダーにとっては明らかなコスト削減を意味するものの、お客様にとってはエンジニアリング上の利点はほとんどありません。
以下の図は、従来のオンプレミス型のデプロイメント、従来のマルチ・テナント、そしてオラクル独自の分離テナントに至るまで、クラウド・テナンシーに見られる主なバリエーションを示しています。 オラクルが SaaSのクラウド・アプリケーションの多くに対して採用しているアプローチは、図の 3 列目に示されています。

オラクルは、お客様には占有の環境を持つ権利があると信じているため、この従来の考えに異を唱えました。当社は、仮想化された分離テナントをデプロイしますので、以下はお客様それぞれの固有のものとなります。
- データベース
- 仮想化されたミドル・ティア
その結果、お客様間でデータが混在することはありえません。これは、オラクルがデータの保護をサポートする 1 つの方法にすぎません。これにより、プライベートな暗号キーを提供できる機能、より詳細なコンフィグレーション機能、従来のマルチテナント・アーキテクチャに見られるノイジー・ネイバー(性能問題を引き起こす隣接する他社のテナント)の影響の最小化など、複数の利点が得られます。
セキュリティ・アーキテクチャだけでなく、オラクルがあらゆる側面を開発、拡張、制御しているため、オラクルのクラウドはより優れた信頼性、管理性、サポートおよびセキュリティを提供します。
基盤テクノロジーが重要です。一貫性を推進します。
インテグレーションの基礎
エンタープライズ・アーキテクチャにおける複雑さとリスクは、最もインテグレーションに起因すると言えるでしょう。エンタープライズ規模のクラウド・ソリューションを多国間で単一のインスタンス(グローバル・シングル・インスタンス)にデプロイすることで、企業全体のインテグレーションを構築し維持し続ける負荷を軽減することができます。
Oracle Fusion Cloud Applicationsは、ミッション・クリティカルな業務アプリケーション間でビジネス・オブジェクトをアラインする共有データ・モデルに基づくプロセスとベスト・プラクティスとで成り立っています。

ベースとなるデータ・モデルがモジュール間で共通のデータ構造であるため、ビジネス・プロセスの自動化が実現できるのです。
通常、企業は、初期データ変換、マスター・データの作成と保守、定常的なトランザクション処理、受託者のコンプライアンスなどの分野で、インバウンドおよびアウトバウンドのデータ・フローの流れに沿ったデータ管理を繰り返し必要としています。 Oracle Cloud Applicationsは、こういった要件を満たす組み込み型ツールと機能セットを包括的に提供しています。システム統合のシナリオには、個別のオンプレミス・システム、サード・パーティやレガシー・システム、およびクラウド・システム間におけるシステム間インテグレーション・フローが含まれます。 Oracle Cloud Applicationsが提供する一連のWebサービスとAPIは、ベースとなるビジネス・オブジェクトへのきめ細かなアクセス制御を提供することで、エンタープライズ規模のインテグレーション構築を簡素化します。
オラクルは、内部的に統合されたシステムとインバウンドおよびアウトバウンド REST API の包括的なスイートを提供するだけでなく、一般的なシステム統合を容易にするための統合レシピを出発点として提供します。
つながっていることが重要です。データがつながっていることで、潜在している可能性の扉が開くのです。
実証済みのテクノロジー基盤
テクノロジーはビジネスを成功に導くものです。オラクルを使用すると、イノベーションを使って俊敏に動き、お客様の業界でトップに立つことができます。まとめると、オラクルは以下のことを行います。
- 迅速に適応し実行できるプラットフォームを提供します。
- アプリケーションをビジネスに合わせて構成いただけます。その逆ではありません。
- データとアプリケーションの保護のためのセキュリティを提供します: 「Oracle SaaS によるデータの保護方法」
- デジタル・アシスタントなどのイノベーション・テクノロジーにより、新しい仕事のやり方を導入し、実現します。
- 運用と成長のための信頼できるプラットフォームを構築します。
これらの要素が合わさってOracle Cloud Applicationsの礎石となり、お客様を継続的な成功に導くことができます。 Oracle Cloud Infrastructure上でパワーアップしたOracle Cloud Applicationsを活用することで、お客様の企業が業界で優れた能力を発揮し、包括的で有望な最先端のソリューションをご利用いただけるようになるのです。
お客様の Oracle Applications に関する取り組みのあらゆる段階で、オラクルがお手伝いできることがあれば何なりとご相談ください。 「Oracle Cloudアプリケーションにとってテクノロジーが重要な理由」に関するこのシリーズは今後も続きます。
詳細については、「Oracle Cloud ApplicationsおよびOCI」ページにアクセスし、電子ブック「Oracle Cloud Applicationsに関するITおよびビジネス・リーダーのガイド」を参照してください。
シリーズの最初のブログ「氷山の下のテクノロジーが重要です」にも是非アクセスしてください。

ロバート・アゾパルディ
セールスコンサルタント
著者は、北米オラクルのApplications Advanced Technology チームのメンバーであり、技術革新を通じてお客様のビジネスの最新化を支援することに専念しています。彼は、SaaS、プラットフォーム・テクノロジー、運用、データ管理に関する専門知識とビジョンをご提供します。
アプリケーション・セキュリティblogシリーズ
第1弾「氷山の下のテクノロジーが重要です」
第3弾「ニュースになりたくないあなたへ」