「佐原は見た!」vol.1:自己紹介 (oracle.com)

自己紹介の記事で社内ラジオの製作をしているとサラリと書いたのですが、今日はそれについて少し書きたいと思います。

謙遜が美しいとされる日本の中で海外の人並みのプロフィールを書いて社内外にアピールする人は役員級以外ではまだ稀です。ですから、日本の人事やコミュニケーションを担当者は積極的にタレントを発掘しに行かなければならないのだと思います。その発掘作業の一つがインタビューです。何処に行っても思うのですが、インタビューをすると世の中は本当に素晴らしい人で溢れている事がわかります。

◆テキストでもなく、動画でもなく、ラジオ?

社内ラジオの醍醐味は私とインタビューの対象者との楽しく濃密な会話です。リモートで出来なかった雑談に代わる効果、つまり仲間に対する興味や繋がりの醸成をこのラジオでは目指しているので、話して頂く内容は仕事についてではなく、その人が情熱をささげている事や大事にしていることです。テキストには表現されない、声のトーン、間、笑い声が聴覚情報としてギュッと閉じ込められている事がコンテンツを魅力的なものにしてくれます。声には人の心を動かす力があるのは周知の事実だと思いますが、動画から視覚情報を取り除くだけで人の声は優しく刺さってくるので不思議です。

また何故動画インタビューにしないのか?という質問ですが、動画として意味があるかどうかは音声を消せばわかると学生時代に教わったのですが、言い換えると音声を消して意味が伝わらないものは動画には向かないのです。また音声のみの場合のデータの軽さ、リスナーが通勤中や食事中に”ながら作業”ができるといった手軽さが忙しい営業チームには最適だと考えました。

radio

◆出演する人はみんな面白い人?

さてインタビューをお願いすると、「私なんて面白くないですよ~」と言う人は多いのですが、それは過度の謙遜か、他人から見える面白い自分を知らないだけの事が多いように思います。自分の事は自分が一番よく分からないというのは本当だと思います。しかし、「もう少し詳しく教えてください」「何でそう思ったのですか?」「何故それが好きなんですか?」等とお話を深く掘り下げるきっかけだけ作れば、自然とその人が光る瞬間が録音されるのです。例えば、「辛いけれど山登りが好き」という話をされたとします。質問を重ねたりしながら掘り下げていくと、辛くても登り続けられる理由は「山頂を目指すという明らかな目標があり、登頂方法は好きなように自分で決められるから」というその人の情熱のポイントが見えてくるのです。その人の光るポイントが聴いている人に伝わると良いな~、と思いながら毎回愛を込めて私は10分程度の音源に編集し、社内に約2週間毎公開しています。

 

◆収録は45分~1時間

ここで気づいたと思いますが、社内ラジオと言ってもライブで放送するのではなく、Zoomで録音してキレイにラジオ風の音源に編集し、リスナーの都合で聞いてもらえるように社内のSlackに掲載しているのです。45分から1時間話をしていると、最初は緊張していた人も最後の方にはリラックスしていて、録音をされている事も忘れてくれるのです。人前で話すのが得意でもそうでなくても時間をかければいい話が録音できます。

 

◆嬉しい効果

嬉しい事にこのラジオのお蔭で、私に声をかけてくれる人が増えました。また過去にインタビューを受けた方が社内の人脈を広げる事が出来たという報告もあり、私のモチベーションにも繋がっています。

 

◆オラクルの企業文化

オラクルは新卒もいますが、中途採用で入社した方も多く、違う業界、職種、企業文化を経験してきた人達が同じゴールに向かって仕事をしています。多様なバックグラウンドの人が集まる場所には「私も分からないかもしれないけれど、分からない事は聞いてくださいね」というオープンな空気が流れています。またイノベーターの精神が社内に広がっているからか、「前例がないから」とアイデアを即時却下される事はありません。そんな土台があるから、きっとこのラジオは実現し今も続いているのだと思います。