
こんにちは、善浪です。
前回は、弊社戦略本部の野田さんと共に、日本オラクルのアプリケーションのユーザ会(日本OATUG)の歴史を振り返りつつ、ユーザ会にかける想いを語り合いました。今回はその続編です。
ブログのサブタイトルにある「Designed for Change. Built for You./変化対応のために設計され、お客様の成功のために開発」は、Oracle Fusion Cloud Applicationsの開発の基本方針です。Oracle Fusion Cloud Applicationsは、変化し続けることを前提に製品開発がされており、四半期に1度アップデートが実施されています。
では、四半期ごとに追加される新機能のアイデアは何に基づいているかご存知でしょうか?
その答えの一つがユーザ会です。実にアップデートで追加される新機能の80%~85%がユーザからの声が基となっています。
しかし、ユーザ会は製品開発の要求を上げるだけの場には留まっていません。製品同様に、ユーザ会もお客様の成功のためにより良いプラットフォームを目指して変化し続けています。
今回は、そのように変化し続けるユーザー会の最新の取り組みをテーマにお話しします。
オラクル社員の想いをお客様へ届けるプラットフォームへ
善浪広行(以下、善浪):ではここからは、直近のユーザ会の取り組みについて教えてください。
野田由佳(以下、野田):前回も触れましたが、2021年のキックオフイベントをきっかけにSaaS分科会が創設され、年2回のペースでイベントを開催しています。SaaSになって大きく変わったのは、ユーザ会の運営がユーザ様主導ではなく、オラクル主導の形に変更されたことです。
善浪:Oracle本社の開発責任者のRondy(Rondy Ng, ERPアプリケーション開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデント)が日本のユーザ会のスポンサーなったのも大きな変化です。オンプレミス時代では、オラクル本社の人間が日本のユーザ会のスポンサーなったケースはなかったです。
また、直近は分科会が活性化していますね。製品ごとにイベントを開催したり、調達管理製品(Oracle Fusion Cloud Procurement)の導入企業様にご参加いただき座談会をしたり、エグゼクティブ向けイベントをしたりと、目的に応じて柔軟に開催形態を変化させてイベントを実施しています。
野田:そうですね。それらのイベントはオラクル社員の熱い想いをきっかけにイベントを企画しています。ユーザ会のスピード感が増しているように思います。
善浪:分科会がオラクル社員の想いやリーダーシップを受け止めるプラットフォームになってきたんですね。私たちの想いがユーザ会を経由してお客様に届けられるのは素晴らしいですね。
野田:ありがたいことに全てのイベントがお客様から大好評なんです。オンプレミス時代と比較してオラクルとお客様との関係が近くなったと、イベントを通じて実感しています。
エグゼクティブ座談会「ユーザ会を次のレベルへ」
野田:今年の2月19日にエグゼクティブ座談会「未来を創るCloud ERP〜経営視点のデジタル変革を熱く語る鼎談〜」を開催しました。このイベントは善浪さんからの提案がきっかけでしたね。
善浪:はい、実は長年、ユーザ会を次のレベルへと押し上げるためにエグゼクティブ向けのイベントをしたいと考えていました。そんな時、あるお客様から、「現場の話ではなく、経営者としてDXやSaaSにどう向き合うべきかについて語り合いたい」という熱いリクエストを頂戴し、イベントを開催することとなりました。参加いただいた多くが役員や部長席の方々で、ユーザ会を次の段階に引き上げるヒントになりました。
野田:対談テーマがとても良かったですね。皆さん共通のテーマは「変革」と「スピード感」でした。常に100点を求める製造業のお客様も、「改善のスピードこそ命。70点でも80点でもどんどん進め、そして改善を続ける」と話され、SaaS活用においても「システムは育てるものである」というスタンスで臨まれていました。こうした意識の変化は非常に印象的でしたね。
善浪:IT投資の考え方は、相当議論が盛り上がりましたね。皆さん当然ながらROIを重視しています。その上で、「ROIの数字合わせに時間を使うなら、早く取り組みを行いたい」というのが重要なメッセージだったと受け止めました。
野田:とにかく、皆さんスピード重視というのが伝わってきましたよね。また、皆さん経営者として、社員のモチベーションをいかに上げるかに腐心されているということを改めて知りました。意識変革を促すことも重要ですし、変革に取り組むメンバーの要望に応えることが重要なのだと。
善浪:そうですね。そうした変革意識の高い経営者と、我々も一緒に変革をしていきたいですね。
他にも、ユーザ会会長のUCCジャパンの黒澤さん(黒澤 俊夫氏、UCCジャパン株式会社 執行役員 ICT・デジタル・情報セキュリティ担当)が、「ユーザ同士が活発に情報交換して、ナレッジを溜めて、そしてベンダーやSIerと取り組む必要がある」、とコメントされたのが印象的でした。
ITはあくまでもツールにすぎません。そのツールをどう使うかの「ナレッジ」を溜めることが重要であり、そうしたナレッジをユーザ間で共有したり、共通課題と認識していることは連携してベンダーに伝えていく、というエコシステムの形がより鮮明になってきていますね。最近では、お客様同士で密に情報を共有されていて、我々を介さずに検討中の企業と共にユーザ訪問する、というケースも出てきていますね。
野田:ご参加いただいた全てのお客様が、対談内容やお客様同士の交流・会話を通じて、自社への最適解を探求してらっしゃるという印象を受けました。当日の議題の大半が、「SaaS活用」ではなく「どう変革していくか」でしたね。
余談ではありますが、皆様プレゼンテーションがお上手で対応が非常に柔軟なのも、大変印象に残っています。
善浪:常に考えていらっしゃるからこそ、迅速かつ柔軟に対応できるんだと思います。目線を上げたエグゼクティブ向けのイベントも継続して開催したいですね。
ユーザ会に対する想い
善浪:ユーザ会が良いプラットフォームになりつつあるので、これからも様々な新しい要素と掛け合わせてユーザ会を盛り上げていきたいです。ユーザー様、パートナー様、オラクルにとって何か良いことを生み出せないか、日々考えています。
野田:社員持ち込み企画が成功し始めているので、もっと多くの方が参画してくれると嬉しいです。プラットフォームが出来上がってきていますので、より多くの人が活用できるようになると良いですね。
善浪:賛成です。オラクル主導に運営体制を変更しましたが、お客様からの持ち込み企画があると面白いかもしれないですね。
野田:はい。あとは継続ですね。ユーザ会は一度危うく解散しかけましたが(※前回投稿を参照)、継続したことで、数百名集めるプラットフォームにリバイタライズしてきました。
善浪:変革し続けながら継続していくことも重要ですね。まさに四半期ごとに変革し続けるSaaSに似ています。
野田:ユーザ会も「Designed for Change. Built for You.」を常に意識し、お客様の成功のために変化し続けたいです。
善浪:野田さん、本日はありがとうございました。

「四方よし」の実現を目指して
二回にわたる野田さんとの対談をご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、かつてないほどの盛り上がりを見せているユーザ会についてご紹介しました。
まだユーザ会に参加したことのない方は、ぜひ一度ご参加いただき、その熱気と活気を体感していただければと思います。
新たな学びや発見が待っています。
過去に実施したユーザ会の様子を野田さんがブログに投稿してくれています。雰囲気をお知りになりたい方、ぜひご一読ください。
我々は「四方よし」を掲げて日本市場に向き合っていますが、今後も引き続き、「買い手」「売り手」「世間」「パートナー様」すべてのビジネスの成長を目指す四方よしの考え方を深化させていきます。
編集部より
※役職は対談時点のものです