■ウェビナー要領
- タイトル財務・経理DXを活用した多角化戦略の推進と経営の効率化
~先人が目指した経理DXのゴールとOracle Cloudの活用とは~
本ウェビナーでは、財務・経理DXの最新動向、電帳法や電子インボイスなどの規制対応の動き、規制対応と同時に検討すべき項目についてご説明をさせて頂きました。
弊社のERP営業がお客様にOracle Cloud ERPやCloud EPMを活用した経理DXのご提案をする際に、お客様より「導入されている企業はどのようなゴール設定をして経理DXに取り組まれたのか知りたい」という声を多くいただきます。
そのようなお客様からのお問い合わせの背景には、経理業務領域のDXが、様々な難しさに直面してなかなか進まないという実情があります。本ウェビナーでは、少しでも経理業務の効率化のお役に立つヒントをご案内出来ればとの思いで開催させていただきました。お客様の様々な課題に合わせてOracle Cloud ERPやCloud EPMの提案事例を交えながら解説させていただきました。ウェビナーの内容は以下の通り、大きく3部構成、90分で実施させて頂きました。「1」と「2」はプリンシパルセールスコンサルタントの横田 悟よりご説明し、「3」はシニアセールスコンサルタントの山田 康雄よりご説明させていただきました。
■ウェビナープログラム
1. 財務・経理業務を取り巻く変化と課題
・財務・経理業務における規制対応の動向
・お客様からの相談を頂くことの多い課題と取り組み
2.不確実な時代に先人が目指した財務・経理DXのゴールとは!?
・お客様の経営課題から学ぶ財務・経理DXのステップアップ
-経理・財務自動化
-プロジェクト型収支管理
-経理・財務組織の働き方改革
・「あの会社」が目指した財務・経理DX – 目的からゴールまでの道のり
・多角化戦略の推進で求められる経営管理ソリューションの高度化とは
3. 財務・経理DXの更なる高度化
・決算業務のDX活用した決算早期化・自動化の更なる推進
(連結:照合、プロセス、非財務/開示)
-グループ経営管理の効率化
-連結プロセスの改善、自動照合など決算早期化
-リモート決算対応
-非財務情報の収集から開示
・経営管理(FP&A)高度化の更なる促進
-予算管理・管理会計業務改革
-未来型(予測重視)経営管理
ウェビナーの内容について、以下にサマリー致しますが、もしも詳しく内容についてお知りになりたい方は下記ウェビナー事務局の担当者までお問い合わせください。
ERP/EPM ウェビナー事務局、担当:赤城 知子 (e-mail : tomoko.akagi@oracle.com)
■ウェビナーのサマリー
1.財務・経理業務を取り巻く変化と課題
多角化事業を展開されているお客様から寄せられる課題として多いのは、「経営環境の変化を迅速に察知し、制度対応にも俊敏に対応できる仕組みの整備が必要」というものです。具体的な課題と変化に強い組織が備えるべき情報システムの要件について、以下のようにまとめました。

- データドリブン:新事業を立ち上げたがデータがバラバラで活用できていない、データ統合のために導入したデータウェアハウスはデータモデルが複雑で収集にも時間がかかる→組織や業務を超えて統合された「信頼できる唯一の情報源」から市場や業務の変化を迅速に察知する仕組みを整備
- スケーラブル:急速な事業成長により従来システムでは業務処理が追いつかない、エクセルや手作業による突貫工事で属人化やレピュテーションリスクが高まっている
→クラウドを活用して、ビジネスボリュームや取り扱うデータボリューム、および利用者の増減に柔軟に対応できる基盤を整備 - コンポーザブル:大量のアドオンやサイロ化された多数のシステムによりシステム改善に多大な時間とコストを要する。レガシーシステムの技術者不足によりシステム改修ができない→ビジネスの変化に合わせて迅速かつ柔軟に、外部サービスや疎結合アプリケーションを繋ぎ変えて利用できる仕組みを整備
弊社のERP製品ではOracle Fusion Cloud ERPという製品をDXに向けた次世代経営プラットフォームとしてお客様にご案内しております。その特徴としまして、お客様のビジネス環境に合わせて進化していくクラウド型のERPパッケージです。下図に示すように、財務会計・管理会計の他、サプライチェーン・カスタマエクスペリエンス 顧客との接点を管理する領域、人事、加えて経営管理これらを同じクラウドのプラットフォームで管理ができる物となっています。これにより、管理されるデータはシングルデータモデルとなり、それによりAI・MLによるデータ活用が可能になります。また、多角化事業や変化対応が必要な今の時代では、ERPパッケージだけでお客様の競争優位性や独自要件は満たせません。オラクルのクラウド型ERPでは、APIやオープンテクノロジーにより外部のシステムとのデータ連携や業務プロセスの部品提供のような形でデータと業務を統合することができます。当然クラウドですのでお客様がインフラと呼ばれるシステム設備を調達する必要もございません。

2.不確実な時代に先人が目指した 財務・経理DXのゴールとは!?
続いて、この不確実な時代に我々のソリューションを生かして先人たちが目指したDXのゴールについてご説明します。
お客様の経営課題から学ぶ財務・経理DXのステップアップとして、既に経理業務のDXに着手されている企業が、どのような課題に対してどのような段階を踏んで対応していっているか、を説明します。
STEP1では、DXを活用した財務・経理の効率化です。経営課題はたくさんあれど、まずは経理・財務業務の課題解決も大事です。

Oracleを活用した経理・財務業務のDXですが、データ操作と調整にかかっている時間のほとんどを自動化できるように目指しています。
そうすると、データ分析にかかる時間や戦略的アクションの時間を確保できるようになりますが、その先にはデータ分析の時間もシステムから自動で行えるようになり、より戦略的アクションの時間へシフトいただける世界を目指しています。その上で、現時点での自動化・ワークスタイル・情報分析の3つにおいてどのように業務がスマートになるか、をご案内させて頂きます。

まずは現状業務の自動化が役立つプロセスとして以下のようなシーンでDXによる改善の余地、余白が大きく残っています。
・タッチレス取引により日々の伝票入力の自動化
・仕訳生成の自動化
・事業の多角化による煩雑な照合作業
現状業務の自動化などによるDXの効果によって得られる効率化やコスト削減から、未来に向けてワークスタイル変革、推奨アクションアラート、ペーパレス化、経営戦略サポート、情報の即時化、異常・不正検知もAIを活用、将来予測といったこれまでの業務に付加価値をもたらしていく領域のDXに着手していく、というものです。
STEP2は、プロジェクト型サービスのデータ統合です。財務・経理の業務効率化と主軸の事業のデータ統合ができたStep1ですが、プロジェクト型サービスや新事業のプロトタイプなどデータ統合がし辛い領域もシングルデータモデルに取込、経営管理を高度化します。例えば、プロジェクト型ですと要員稼働の偏りや商材や要員スキルを的確に管理したりすることが必要です。また、プロジェクト管理は個人や現場の経験に依存していたりします。多角化事業の特徴としてアジャイルに新事業を立ち上げることも多いですが、その際に管理する仕組みがなく収支情報が不明瞭となったりするという課題を多くいただきます。このような散在するプロジェクト管理情報や予測の情報も一元化することでより経営管理を高度化していきます。ここでは、営業担当者の方が受注し契約、進捗管理をしたあとに会計、経営者に情報がバケツリレーのように渡されていますが、このような一元化されていないケースでは精度や品質も次第に低下していきます。ですので、入れる人も使う人も一つのバケツで使う、データ統合ができることで、「すぐに使える」「こぼれない」「安全に使える」ようになります。これによりプロジェクトのライフサイクルの全体がカバーできるようになります。原価管理では案件別に予算登録が行なえ、各タスクごとに予実管理ができます。原価の実績情報は、ERPの会計モジュールから自動収集することができ、グラフィカルに管理することが可能です。契約管理では、契約内容から請求や売上計上をコントロールでき、事業の多角化により請求・収益計上の形態が異なる場合でも管理が可能です。
STEP3は経理・財務組織の働き方改革です。オラクルの製品ビジョンとして登録作業や分析作業を自動化することで戦略サポートにシフトしていくお話をさせていただきました。経理・財務組織を迅速な経営の舵取りに必要な戦略パートナーに改革していくステップとなります。
実際にいただく課題感として、多角化事業において経営方針と合わせてファイナンス視点で実績・課題を明らかにしたい、予測をいち早く行いたい、そのために財務KPIを設定しているけど活用できていない、活用するためのスキルを持った人材はいるけど、データ加工などに時間をとられてしまっている・・・こんなお声をいただきます。
これはオラクル自体の事例となりますが、オラクルも本日ご紹介しておりますOracle Cloud ERPを使って業務をしております。
その上で、DXを活用し、決算早期化を実現しております。

その上で、弊社ではFP&Aというテーマで財務・経理部門が戦略サポートを行う役割にシフトしていっております。
従来ではデータ収集や報告資料作成などオペレーションに時間を割いていました。DXを活用したModernファイナンスではオペレーションを自動化し、いままでできなかったパフォーマンス分析の時間を確保し、財務・経理部門が経営のサポートができるようになりました。現在、お陰様で日本のDX推進の代表例となるような国内事例も増えてきております。

3.財務・経理DXの更なる高度化
続いて、多角化戦略の推進で求められる経営管理ソリューションの高度化についてご説明します。

多角化戦略の推進においては、
・単体ベースだけにとどまらず連結ベースでの情報の見える化
・複数事業の経営戦略・中長期計画の作成
・サービス多様化で発生する照合業務への対応
・事業別の計画・予算・管理会計のさらなる精度向上
などが求められています。
ERPでは日々のオペレーションを中心としたDXソリューションや経営分析高度化の基盤となる実績管理のご紹介をしておりましたが、日々の変化対応を加速するために、ERPと親和性の高い経営管理ソリューションによって、痒いところに手が届く、そんなイメージでERPに加えて経営管理ソリューションを有効活用できます。
特に他社との競争優位性に大きく影響があるのは、ステップアップのSTEP3である経営サポートとしての業務に時間を当てていくことかと思います。
本ウェビナーでは、「決算早期化・自動化の更なる推進」と「経営管理(FP&A)高度化の更なる推進」の2つに分けて、製品のデモを交えてご紹介を致しました。

デモンストレーション
・決算タスク・スケジュールの管理
・連結会社間取引の事前照合
・経営報告資料の作成・レビュー

デモンストレーション
・予測プランニングによる販売製品数量の予測
・IPM Insightによる異常値の検知
ウェビナーの後に受講者の皆様からアンケートにご回答頂いた結果から、現在の経理業務で課題と感じられている点について尋ねたところ、以下のような回答内容となりました。

このアンケート結果から以下のようなことが言えると思います。
- 経理業務の課題については「業務が属人化している」とする回答率が最も高く64.4%、続いて「Excelなどを使っている為、業務が煩雑である」とする回答率が46.7%となっており、経理業務の効率の悪さや、人依存であることが指摘されている。
- 回答率40%で3番目に高い課題は「月次決算の対応など、経理担当者の残業が増大化している」とするもので、決算対応などの業務負荷が大きいことを示している。
経理業務の課題を解決していく上で、Oracle Cloud ERP/EPMが課題解決に向けて有効な手段の1つであると考えます。またアンケートではOracle Cloud アプリケーションの定期的なセミナーや製品情報の提供、デモンストレーションのご要望を多数頂きました。引き続き、お客様のご要望が強いテーマを取り上げて、今後もウェビナーを継続していきますので、よろしくお願い致します。