※ 本記事は、Fusion Developmentチームによる”New ERP product update—payables, expenses, logistics“を翻訳/意訳したものです。

 

企業、金融機関、サードパーティのサービス・プロバイダー間で日々送金されている膨大な金額から考えると、B2Bのプロセスとシステムは細やかに調整されていると思うでしょう。しかし、そうではありません。異なるシステム、プロセス、データから生じる複雑さと非効率性により、取引エコシステム全体にわたってキャッシュフローの遅延やその他の問題を生じさせる可能性があります。皮肉なことに、ZelleやVenmo(編集者補足:米国で利用されている送金サービスや個人間送金アプリ)で支払いの友人設定を行う方が、サプライヤーに支払うための銀行連携の設定をするよりもはるかに簡単で楽に感じるかもしれません。

私たちはそれを変えようとしています。Oracle Fusion Cloud ERPは、金融機関やロジスティクス・プロバイダーとの価値ある統合を、事前に製品に組み込んだ形で提供することを始めています。

 

B2Bの統合が容易

現在、多くのFusion Appsのお客様は、銀行やその他のサービス・プロバイダーとの統合を構築していますが、それには6~12週間かかり、ITへの多額の投資や個別の銀行接続ごとにコンサルティング・リソースが必要になる場合があります。データを交換するための支払ファイル・フォーマットを取得するだけで、プロバイダと何度も行ったり来たりの繰り返しが必要になる場合があります。そこで、私たちがお客様のためにその仕事を担います。

Oracle Cloud ERPと戦略的パートナー企業との間の統合を製品に組み込み、企業が相互に取引できるようにし、購入、販売、支払い、および出荷プロセスを自動化および簡素化します。これにより、お客様は、数週間ではなく数時間以内に、取引先と直接接続ができるようになります。これらのB2B接続は、業界標準のファイル形式を使用します、また、Fusion Appsの四半期ごとのアップデートの一部として提供されるため常に最新の状態を維持することができます。いくつかの例を見てみましょう。

 

J.P. Morganの組み込みバンキング・サービス

J.P. Morganとの統合により、オラクルのお客様は、Oracle Cloud ERPに組み込まれた銀行口座の同期、自動化された買掛金(AP)および売掛金(AR)の支払処理、タッチレスな経費精算によるコーポレート・カード処理、自動化された明細書照合など、様々な金融サービスにアクセスできます。また、経費を自動的に記録、明細化、監査できる提携T&E(トラベル&エンターテイメント)カードを開発しました。これにより、効率が大幅に向上し、エンド・ユーザーの作業負荷が軽減されます。

 

FedEx、Uber Freight、Schneiderの統合されたロジスティクス・サービス

FedExとオラクルは提携し、Oracle Fusion Cloud Transportation ManagementとOracle Fusion Cloud Warehouse Managementにリアルタイムの料金見積、発送、追跡、請求サービスを組み込んでいます。FedEx Freightの分析を活用して、コスト、納期遵守、ESGコンプライアンスを最適化できるようになりました。Uber FreightとSchneiderも同様のパートナーシップをオラクルと締結しており、出荷担当者はリアルタイムの価格設定と決済機能、および即時かつ信頼性の高いキャパシティを利用できます。

 

B2Bの自動化により、ERP内の付加価値サービスをサポート

オラクルは、他の銀行やサービス・プロバイダーとも統合を構築し、Oracle Cloud ERPを通して付加価値の高いサービスを追加して参ります。たとえば、オラクル、HSBC、マスターカードの提携により、企業の購買担当と販売担当のバーチャルカード決済をより容易にします。Google PayやApple Payウォレットのように機能するデジタルな支払方法であるバーチャルカード(物理的なカードなしで使える安全なクレジットカード)のサポートを提供しています。

Oracle Cloud ERPに構築された機能を通して、HSBCバーチャルカードは、マスターカードのグローバルなバーチャルカード・プラットフォームに接続し、企業の購買担当が大量の支払処理を安全に行い、銀行勘定照合プロセスの合理化を実現します。これにより、Oracle Cloud ERPのお客様のキャッシュ・フローが最適化し、小切手支払が不要になり、不正防止機能を改善し、金銭的リベートを発生させるのに役立ちます。また、サプライヤーが支払を迅速に受け取り、回収リスクを低減し、売掛金を効率化するのにも役立ちます。

さらに、税務自動化ソフトウェアの大手プロバイダーであるAvalaraと提携により、オラクルのお客様がOracle Cloud ERP上で複数の国の税金計算、最新の税コンテンツ、および納税申告サービスに直接アクセスできるようになりました。

 

今後の方向性

大手の決済サービスやロジスティクスのプロバイダーを含む数万社にERPをご利用いただいているオラクルは、B2Bトランザクションにおける摩擦を排除することができる立場だと考えております。Fusion Appsやサードパーティのサービス・プロバイダーから、お客様がより多くの価値をより迅速に得ることができるように、引き続き統合機能を組み込んで参ります。

オラクルのパートナーの方で詳細をお知りになりたい場合は、Oracle Partner Communityをご覧ください。

 

Fusion Development

Fusion Developmentチームは、Oracle ERP、EPM、SCM、HCM、CXを含むOracle Fusion Cloud Applications Suiteのイノベーションの構築、維持、推進を担当しています。本部は米国、インド、メキシコ、フィリピン、ルーマニアにあり、メンバーは世界中に拠点を持っています。