※ 本記事は、Fusion Developmentチームによる”What you need to know about MCP, A2A in Fusion Appsilding custom reports”を翻訳/意訳したものです。
ポイント
- Oracle Cloud Fusion Applicationsリリース26Aでは、AIエージェント同士がシステムをまたいで安全に連携できるようになり、AIエージェントの活用が、個々のユースケースから、業務を自動化するワークフローへと広がります。
- MCPは、AIエージェントが外部の「信頼できる最新データ」を取りに行くための仕組みです。A2Aは、Fusion ApplicationsのAIエージェントが、Oracleや他社のAIエージェントと協力するための仕組みです。
- MCPとA2AはOracle AI Agent Studioに組み込まれており、Fusion Applicationsのセキュリティと権限管理(役割に応じたアクセス制御)がそのまま適用されます。そのため、安心してAI活用を広げられます。
AIエージェントの活用が広がるほど、「AIエージェント同士をどう安全に連携させ、ルール(ガバナンス)を守りつつ、ビジネスで本当に役立つ形にできるのか?」という課題が出てきます。Oracle Fusion Cloud Applicationsは、AI Agent Studioのリリース26Aに搭載された相互運用機能で、この課題に答えます。これらの新機能により、バラバラに使われがちなAIが、仕事の流れの中でより大きく活かせるようになります。
この考え方の中心にあるのが、2つのオープン標準規格です:Model Context Protocol(MCP)とAgent-to-Agent(A2A)プロトコル。どちらも重要ですが、役割が違います。この違いを理解すると、AI活用を拡大させやすくなります。
データ取得のためのMCP
MCPは、AIエージェントが外部のツールやデータソースに、安全かつ決められた形でアクセスできるようにする仕組みです。エージェントは、大規模言語モデル(LLM)の一般知識に頼るのではなく、外部システムに「信頼できるデータ」を取りに行くことができます。例えば、財務管理エージェントは取引処理を進める際に、外部サービスから最新の為替レートを取得して使うことができます。Fusion Applicationsの外にある信頼できる情報を根拠にしながらも、業務の主導権(判断や処理の流れ)は財務のAIエージェントが保ったまま進めることができます。
エージェントの協業のためのA2A
A2Aは、別々のシステムで動くAIエージェント同士が、安全にやり取りして協力できるようにする仕組みです。A2Aを使うと、あるAIエージェントが別のAIエージェントに仕事の一部を依頼し、その結果を受け取って全体の業務の流れに組み込むことができます。これにより、Fusion Applications上のAIエージェントが、それ以外のAIエージェント(Oracleの別製品のAIエージェントや、他社のAIエージェント)とも連携して、より複雑で時間のかかる依頼を完了できるようになります。例えば、Oracle Fusion Cloud HCMの面接日程調整アシスタントが、候補者の面接調整を進める中で、現地訪問が必要になった場合に、A2Aを使ってNavanやAmex GBTといった出張管理サービスのAIエージェントに連絡し、面接スケジュールに合う飛行機やホテルの手配を調整できます。採用担当者はFusion Applicationsの画面を離れることなくそれらを進められます。
仕事の流れの中のエージェント
SlackやMicrosoft Teamsのようなコラボレーションツールの中で汎用的なAIエージェントを使っている会社も多いと思います。そうしたAIエージェントは、従業員からの休暇や経費のルールを調べるための一般的な質問に答えるためによく使われます。多くの場合、休暇規程や経費規程などのPDFを要約した情報をもとに案内します。
ただ、このタイプの汎用AIエージェントだけでは、「有給休暇の残日数」や「申請中の経費精算の状況」といった、個人に紐づく業務データまでは答えられません。
A2Aによって、汎用AIエージェントが「専門家を会話に呼ぶ」ような形で、Fusion ApplicationsのAIエージェントとつながるようになります。例えば、Slackで使っているAIエージェントがA2Aを通してFusion Applicationsの専門家AIエージェントを呼び出し、Oracle Fusion Cloud HCMで個人の傷病休暇の残日数を確認したり、Oracle Fusion Cloud ERPで申請中の経費精算のステータスを確認したりできます。これにより、チャットの使いやすさを保ったまま、より実務に直結した体験を提供できます。
企業向けの信頼性
Fusion Applicationsでは、MCPとA2Aを“企業利用に耐える”ガバナンス前提で実装しています。AI Agent Studioに組み込まれているため、やり取りにはFusion Applicationsのセキュリティモデルがそのまま適用されます。認証(ログインの確認)は一貫して行われ、権限管理(役割に応じたアクセス制御)によって、ユーザーは「自分に見えるべきデータ」だけを参照できます。どの場所からエージェントを使っても(Fusion Applicationsの画面でも、Slack/Teams経由でも)この考え方は変わりません。これにより、技術部門やコンプライアンス部門は、小さな試行から全社展開へと進める上で必要となる確信・自信を得ることができます。
まとめ
リリース26AでMCPとA2Aが使えるようになったことで、Fusion Applicationsの中でも外でも、AI活用の幅を広げるチャンスが生まれます。MCPは、Fusion ApplicationsのAIエージェントが外部のデータベースやサードパーティアプリなど「外部の情報源」につながるための仕組みです。A2Aは、Fusion ApplicationsのAIエージェントが他のAIエージェントと協力して、より複雑な仕事を行うための仕組みです。
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Fusion Development
Fusion Developmentチームは、Oracle ERP、EPM、SCM、HCM、CXを含むOracle Fusion Cloud Applications Suiteの構築、維持、推進を担当しています。本部は米国、 インド、メキシコ、フィリピン、ルーマニアにあり、メンバーは世界中に拠点を持っています。
