※ 本記事は、Fusion Developmentチームによる” 9 questions finance should ask CRM teams”を翻訳/意訳したものです。
クラウド上で提供される様々なサービスを利用する世界になっても、御社の成功と御社のお客様の成功が切り離すことができないことは変わりありません。お客様との関係を、良好で、継続的で、一貫性があるものに保つことが、ロイヤルティと将来の収益へとつながります。営業、マーケティング、財務、会計に至るまで、すべての部門が最終的に御社の成功へとつながるようなより良い対応をお客様に対して行なっていく必要があります。
しかし、フロントオフィス(営業、マーケティング、カスタマーサービス)とバックオフィス(財務、サプライチェーン、人事)のシステムがばらばらに運用されている場合、お客様に最善の対応を行い、トップラインとボトムラインを拡大していくことは難しいと感じるでしょう。オラクルは、Oracle Fusion Cloud ERPとあらゆるフロントオフィスのサービス・プロバイダが提供するCRMシステムが連携できるように多額の投資を行ってきました。しかし両者が連携したとしても、ERPソリューションとCRMソリューションが異なるクラウド上で稼働している場合、ITチームは統合作業や非同期のアップグレード・サイクルの管理に余計なリソースを費やしているかもしれません。また、CFO、CRO、CMO、CIOは、それぞれ異なる数値を見てビジネス状況を判断しているかもしれません。もっと良い方法があります。次の質問をすることから始めましょう。
1. 取引が成立した後、そのお客様のデータを会社全体で使用することができますか
異なるERPシステムとCRMシステムを使用すると、様々な部門がそれぞれ異なる情報にアクセスすることになります。本来は、ロールに基づいて同じ情報が提供されることが適切です。多くの場合、お客様対応窓口、運用、財務の部門は、それぞれ、顧客ファイル、契約履歴、資産所有記録といった異なる資料を使用して仕事をしています。したがって、部門間で同じ情報やデータの理解を行うことができません。これを改善することで、優れたカスタマー・エクスペリエンスを提供でき、新しいビジネスを立ち上げるスピードが向上します。
2.財務責任者は、請求と売掛金を改善して、支払と運転資金の節約が実現できますか
請求と売掛金の状態は、営業担当からバックオフィススタッフまでの誰かが見ている顧客情報(請求情報、支払条件、配送先住所など)に不備があると悪化します。典型的な対応策は、スプレッドシートのインポートなどのエラーが発生しやすい手作業のプロセスによるものです。この問題を改善することで、会社の利益、運転資本の状況、資金回転率を改善できます。
3.決算にかかる人員と時間はどれくらいですか
異なるERPシステムとCRMシステムを使用すると、財務責任者も営業責任者も、月末の決算プロセスの残りのタスクが何なのか、四半期決算に対してまだクローズしていない商談はどれなのかを把握したり、また、将来のビジネス予測を正確に行うことが困難になります。不正確な情報やばらばらの情報が混在することにより、照合作業も増えてしまいます。この問題を改善することで、営業コストを削減し、財務予測を改善し、各部門がより戦略的な財務変革イニシアチブに集中できるようになります。
4.契約や注文の確認、その他の請求に関する重要な情報を定期的に追跡していますか
請求は、フロントオフィスのシステムとバックオフィスのシステムの最も重要な共通部分です。ソリューションがばらばらであることにより、サブスクリプション、価値ベース、使用量ベースなどの請求モデルの実行に必要なデータの統合が複雑になります。多くの場合、営業チームと財務チームが、スタッフがエラーの発生しやすい手作業による照合を行って、顧客の支払と時期を判断することになります。この問題を改善することで、売掛金の未回収、請求エラー、お客様との係争が軽減されます。
5.複雑なユースケース(複数の要素による計上処理や収益配分など)をサポートできますか
会計処理は、ASC606、IFRS15、AASB15といった会計標準が収益を認識する方法とタイミングをそれぞれ定義しているため、より複雑になっています。商談、注文、契約、プロジェクト、請求書に関するばらばらな情報ソースをつなぐ負担で、製品ベースの収益モデル、SaaSモデル、バンドルされた契約、および/または使用量ベースの契約のサポートがより困難になっています。この問題を改善することで、収益を認識する速度を速め、財務予測の信頼性を高めることができます。
6.ビジネスのグローバル・ビューがありますか、ビッグ・データの「金鉱山」に悩まされていませんか
顧客のライフサイクル全体で発生した情報を活用するには、最初の商談から請求書、引き落とし、クレジットに至るまでの顧客データの完全な監査証跡が不可欠です。これが欠如すると、CFO、CRO、CMOは、顧客離れやリスク領域に関するインサイトや詳細なレポートを見ることができず、新たな機会の可能性を逃す可能性があります。この問題を改善することで、パフォーマンス・データのより正確で共有された理解に基づいて、エグゼクティブ間のコラボレーションが向上します。
7.営業部門とバックオフィス部門がより効果的に連携できるように、営業から財務までのプロセスは自動化されていますか
CRMと結びついていない会計トランザクションがあると、反復可能で予測可能なタスクの自動化の妨げとなります。これにより、請求サイクルと回収通知が遅くなり、さらに承認プロセスと収益認識の管理が弱くなります。この問題を改善することで、収益漏れが減少し、月末決算の迅速化につながります。
8.財務チームと運用チームは新製品を簡単に導入できますか
営業担当がお客様に「できます」と言いたくても、システムの制約により財務部門から「できない」と言われることがよくあります。営業のシステムと財務のシステムが別々だと、サービスを新しい市場に提供したり、新製品とサービスをまとめ、まったく新しいサービスを開発したりすることが困難になります。製品のローンチには、財務、顧客、製品、注文、契約、請求のデータを合わせて解釈する必要があるためです。この問題を改善することで、新製品の導入が加速し、製品ポートフォリオ全体の管理を改善できます。
9.財務データと顧客データはシステム間で安全に連携されていますか
複数のベンダーによる複数のクラウド・アプリケーションを移動するデータの保護は困難です。同様に、複数のクラウド・システムにログインするユーザーは、悪質な攻撃者への機会を生み出します。また、システムの数が増えるにつれて、クラウドの監視と観測がますます困難になっていきます。アプリケーションを提供するベンダーの数を減らすことで、脆弱性を減らし、組織のセキュリティ体制を向上させることができます。
いかがでしたか。「思ったほどでもない。しかし確かに、Oracle Cloud ERPとCRMシステム、多数のマーケットプレイスのアプリケーションを統合した後は、何もシステムに変更を加えていない。」とお考えかもしれません。御社のビジネスと御社のお客様の利益のために、現状と違うアプローチの利点を評価するだけなら費用もかかりません。オラクルの統合されたERP&CRMクラウド・アプリケーションにより、ライセンス料やその他のIT費用の削減については言うまでもなく、プロセスやデータがつながっていない数を減らすことで、見過ごすことのできないほど多くのメリットを得ることができます。
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Fusion Development
Fusion Developmentチームは、Oracle ERP、EPM、SCM、HCM、CXを含むOracle Fusion Cloud Applications Suiteの構築、維持、推進を担当しています。本部は米国、 インド、メキシコ、フィリピン、ルーマニアにあり、メンバーは世界中に拠点を持っています。