■ODANというERGについて

オラクルにはEmployee Resource Group (以下ERG)というものがあります。社員が主体となって職場環境改善や多様性への啓蒙活動や社内のコミュニティーの構築等を担っていますが、多くの外資系企業が取り入れています。

世界共通で見かけられるERGのグループは主にLGBTQ、女性活躍、障害についてです。

 

日本オラクルで障害について取り上げているのはOracle Diverse Abilities Network (以下ODAN)というERGです。私はこのERGのメンバーとしてイベントの企画の提案や運営を手伝っています。私は今のところ心身ともに大きな問題を抱えた事はないのですが、周りには糖尿病で食事の前に必ずインシュリンを打たなければならない人、家族がある日ALSという難病を発症した人、リュウマチで肘が伸びない人、全盲の人、学習障害の人、生まれつき片腕が無い人や心臓病の人、自閉症の子供を育てている人がいます。こんなに色々な事情を抱えている人が周りにいて、会社の中にいない訳がないと思っています。そしてそれを会社の中でオープンに話すのは難しいと感じる人が多いのは色んな理由がありそうです。色々理由がある中、少なくとも「良からぬ偏見にさらされると思うから」という理由は無くす必要があります。

person deaing with gap

 

■人生の早い段階で「障がい者」になるのか、遅い段階で「障がい者」になるか、というだけの問題。

私もいずれ年齢を重ねて目や耳が悪くなり、足腰も弱くなる事でしょう。(祖母が骨粗鬆症だったので、遺伝しているかもしれません。)定年という概念がなくなり公的年金に頼れない今、仕事をするために常に心身ともに100点満点の健康であり続けなければいけないというのは、永遠に終わらないマラソンを走らされているような気がします。

これって苦しくないですか?

でも寝たきりになっても社会と関わったり、したいと思っている仕事をテクノロジーの力を借りてやり続ける事ができたり、新しい自分の能力を見つけるチャンスがあったらどうでしょう?

そんな未来が私にもあったら喜んで老いと付き合えそうです。そう思ったら今のODANの活動は自分事です。

 

■「障害」とされている事は本当に「障害」なのか?

一つの定規で測った時だけ不都合に見えるから「障害」なのではないか?と思っています。

私には全盲の友達がいます。彼女は真っ暗闇の中を堂々と白杖をついて歩き、揚げ物等の料理をすることができ、9倍速の音声をしっかり聞き取り、的確な言葉を使い周囲で起きている事を説明できるので、私の目には超人でしかないのです。私が出来る事と彼女が出来る事が違うだけなんです。

そして、不便と感じる事も私と違うだけです。例えば私は便利と感じてしまっている顔認証システムです。全盲の人は激しい眼振がある場合も多く、眼振を伴う場合は顔認証が通らない事が殆どなのです。これは一つの例ですが、その他にも沢山教わり、全盲の人が感じる世界を全く知らない自分にハッとさせられました。

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■何故ダイバーシティーが大事なのか?

様々な能力や視点が考慮され、透明性をもった話し合いと共に前向きに職場内の評価制度や設備を改善している企業はそうでない企業に比べ、格段に成長をするという報告があります。多面的に洗い出された不便を皆で改善した結果がイノベーションとなり、それが実は世の中にも求められている製品とサービスに繋がるからです。また言わずもがな、自分の意見に価値があると心から思える従業員は期待以上の活躍をするからでしょう。

一人一人の個性が尊重され、それぞれが思いっきり能力を発揮できる会社のカルチャー作りに皆で取り組みたいですね。

 


「佐原は見た!」vol.1:自己紹介

「佐原は見た!」vol.2:声の力

「佐原は見た!」vol.3:生演奏のあるお花見