※ 本記事は、Lakshmi SampathDavid NosalMike Isermanによる”Unlocking actionable intelligence with Oracle Cloud Applications”を翻訳/意訳したものです。

 

分析という分野において、いまや企業は単にデータを見るだけではなく、それ以上のものを求めています。ビジネス上の意思決定を行うためには、AIを活用した実用的なインテリジェンスが必要です。また、迅速に、正確に、戦略的に何をすべきかを関係者に示すような実用的なインサイトも必要です。Oracle Cloud Applicationsのパワーとオラクルの強力な分析機能を活用することで、企業はそれを実現することができます。情報の力によってビジネスの成功を促進し、最も必要なときに最も必要な場所で、アクションにつながる実用的なインテリジェンスを導き出します。

あらゆるビジネスにおいて、様々な人が、様々な目標のために、様々な情報を必要としています。最高財務責任者(CFO)は、総収益、現在の現金準備金、全体的な収益性など、ビジネスの健全性に関するグローバルな現状とその展望を求めています。一方で、売掛金(AR)マネージャーは、顧客残高の最大値、支払が遅延しがちな顧客、全体的な売掛金回収期間(DSO)などの指標を求めています。このような様々な重要な指標に関して、データから意思決定へ、インサイトからアクションへと繋げるために必要な情報を得ることが、企業にとってこれまで以上に重要になっています。  

Data to Decisions, Insights to Actions

 

Oracle Cloud Applicationsには様々な分析機能があらかじめ組み込まれており、コストの削減、効率性の向上、成功の促進に役立ちます。この分析機能は、リアルタイムに最新の本番データを使用するため、最もタイムリーな情報を取得でき、遅延はありません。Oracle Cloud Applicationの分析機能には、以下のものが含まれます。

主要業績評価指標(KPI):KPIは、ビジネス指標を見る出発点となります。オラクルには、多くの事前定義済みフォームが用意されており、また、お客様独自のフォームを作成することもできます。KPIは、ダッシュボード・スタイルで提供され、迅速で高度なデータ可視化を提供し、また、ユーザーのロールに基づいて構成されています。オラクルのUI戦略である「見渡す、詳しく見る、コミットする(glance, scan, and commit)」によって、ユーザー、チーム、リーダーに様々なソースの重要な情報を提供し、注意すべきビジネス領域を迅速に発見できるように実装されています。さらに、これらKPIは他のメンバーに伝えやすく、組織内で簡単に共有できます。

Analytics Dashbords

 

分析とレポート:Oracle Cloud Applicationsには、様々なビジネス領域に対してタイムリーに実用的なインテリジェンスを生成する分析とレポート機能が含まれています。お客様は、オラクルの事前定義済レポートを使うこともできますし、シンプルなウィザードを使用して様々なフォーマットのレポートを新しく作成することもできます。ビジネス・インサイトとデータ・インサイトは、重要なデータ・パターンを理解することを助けます。

ユーザーは、主要なイベントとデータの異常を通知として受け取ります。レポート機能を使用すると、単純なレポートから複雑なレポートまで作成することができます。また、アラート、エージェント、ダッシュボードはOracle Cloud Applicationのページに直接埋め込むことができます。ディープ・リンクを使用すると、ダッシュボードから元となるトランザクションに直接アクセスできます。データのサブジェクト領域ビューがあらかじめ用意されていることにより、レポート生成プロセスが簡素化されています。また、お客様は必要に応じてアドホック・スタイルの問合せを実行して、データベースの表に基づいたデータ・モデルを作成することもできます。

Interactive Preview

 

外部向けレポート:Oracle Cloud Applicationsには、ほとんどの企業で必要とされる外部向けレポートやドキュメントを作成する機能が含まれています。これには、小切手、請求書、発注書、財務諸表などが含まれます。この機能の重要なポイントは、レポート・レイアウトとデータ抽出が分離されていることです。ユーザーは、Microsoft WordやAdobe Acrobatなどの一般的なアプリケーションを使用して、レイアウト・テンプレートをデザインすることができます。その後、アプリケーションは様々な形式(PDF、RTF、Excel、HTMLなど)、および複数の言語のレポートを生成します。このアプローチにより、レポートのメンテナンスが軽減され、ビジネス・ユーザーは技術チームに頼らずにレポートを調整できます。  

External-facing reports

 

埋込みアプリケーション・レポートの拡張

Oracle Cloud Applicationsにあらかじめ搭載されている分析機能は非常に強力ですが、その機能を更に拡張したいという場合もあります。主なユース・ケースは、お客様がOracle Cloud Applicationsと外部データの両方に対して、一つのエンタープライズ向けレポート・ツールを使いたい場合です。外部データには、ファイル、スプレッド・シート、データ・レイク、アプリケーション、データウェアハウスなど、クラウドやオンプレミスを問わず、様々なソースが含まれます。ユーザーは、複数のソースにわたるデータをインタラクティブに分析、探索、マッシュアップしたり、データに対して独自の機械学習モデルを実行してビジネスを導くための予測を生成したりといったことを一つのプラットフォーム上で行う必要があるかもしれません。

このような要件がある場合、Oracle Cloud Applicationsと合わせて、Oracle Fusion Data Intelligence(元Oracle Fusion Analytics)を活用することができます。Fusion Data Intelligenceは、複数のソースから取り込んだデータを分析する機能を提供しており、搭載されている360度データ・モデルや規範的なAI/機械学習モデルは、必要に応じて調整や拡張をすることができます。お客様は、予測、クラスタ、トレンド線、外れ値、テキスト分析、グラフ分析、アフィニティ分析などの事前構築済みのコンポーネントを簡単に利用できます。さらに、Fusion Data Intelligenceは、Oracle Cloud Applications専用の事前構築済コンテンツを提供しています。事前構築済のコンテンツは、ERPの財務リスクの予測、HCMの採用の最適化、CXの予測精度の向上、SCMの定時配送の遵守など、主要なビジネス領域に対応しています。Fusion Data Intelligenceのユーザーは、Oracle Transactional Business Intelligence (OTBI)のサブジェクト領域とOracle Analytics Cloudの最新のデータ可視化機能を利用することで、ビジネスを導くための戦略的な予測分析と日常業務を効率化するための戦術的な分析の両方を行うことができるようになります。


Fusion Data Intelligenceは、分析、プレパレーション、可視化、自然言語処理、レコメンデーションによって、より迅速なアクションを促進することでユーザーをサポートします。生成AIによるデータ・インタラクション、機械学習によるコンテキストを理解したインサイト、AIを活用した文書解析など、リリースごとにますます多くのAIや機械学習による機能がプラットフォームに組み込まれています。

Procurement Efficiency Analysis

 

また、外部ソースからデータをインポートする場合、管理者はデータ・コネクタを使用して簡単に拡張できます。オラクルのETLツールでも、他社のETLツールを通してでも、FDIのデータベースにデータをロードできます。もう一つの選択肢は、適切な権限をユーザーに付与して、ファイルやライブ外部接続を介してデータをアップロードする方法です。ユーザーは、対話形式またはスケジュールに基づいて、データ・セットを作成するために外部ソースへの問い合わせを実行できます。外部からのデータがロードされると、プラットフォームは、Oracle Cloud Applicationsのデータに対してと同様に、外部データに対してもAIを活用した分析を生成します。

Fusion Data Intelligence

 

Oracle Fusion Data Intelligenceは、強力なデータ基盤の上で、データを瞬時に可視化し、魅力的なインサイトを生み出すための非常に強力な機能を提供します。これは、取込み、モデリング、プレパレーション、エンリッチメント、可視化までのすべてに対応することで実現しています。さらに、AIによる自然言語処理(NLP)は、テキストと音声の両方をサポートしており、会話形式での検索と分析が可能です。AIによるレコメンデーションと組み合せることで、ユーザーは、データと会話しながら、外れ値を探ったり、アクションが必要な場所をハイライトしてもらうことができます。

搭載されているAIと予測分析によって、アクションにつながるインテリジェンスを生み出します。また、自動化された機械学習により、予測を行い、外れ値を検出し、可能性を計算し、トレンド線を生成し、独自のインサイトを発掘します。

さらに、Fusion Data Intelligenceのお客様は、外出先でデータを見るためにOracle Analytics Mobile Appを使用できます。ユーザーはデスクトップに縛られることなく、いつどこで日々の活動をしていても、モバイル・デバイスからビジネスの健全性を即座に確認することができます。

Analytics Mobile App

 

Fusion Data Intelligenceのお客様は、AIによる自然言語生成を使用した独自のポッドキャスト機能を活用することもできます。ワークブックのコンテキスト・メニューの「ポッドキャストを聞く」を選択するだけでポッドキャストが生成され、データから抽出されたトレンド、シフト、ハイライト、異常について音声で説明を聞くことができます。朝の身支度や運動、通勤中に、最新のビジネス・パフォーマンスを音声で聞けたらと誰もが思うのではないでしょうか。

 

まとめ

Oracle Cloud Applicationsには、アプリケーション内のリアルタイム・データを分析する非常に強力ですぐに使用できる分析ツールが搭載されています。これらのツールを使用するとユーザーは、データを意思決定へ、インサイトをアクションへとつなげるために必要な情報を簡単に得ることができます。

お客様は、Oracle Fusion Data Intelligenceを使用して、Oracle Cloud Applicationsの組み込み分析機能を拡張することができます。組み込み分析機能を使うことで、お客様は稼働中の本番環境のトランザクションについての広範囲なレポートを取得できます。そして、インテリジェンス・プラットフォームをさらに追加することで、企業全体で使用できるほぼすべてのデータ・ソースのデータを組み合せたレポート・ツールが実現します。このプラットフォームには、Oracle Cloud Applicationsのためのレポート、分析、ダッシュボードなどの事前構築済みコンテンツが含まれています。したがって、Oracle Fusion Data Intelligenceを使用してOracle Cloud Applicationsの組込み分析ツールを拡張する場合、対応できないアプリケーションや拡張エンタープライズ・レポート要件は事実上ありません。

Oracle Cloud Applicationsの強力なレポート機能を使用してビジネスを改善する方法についてさらに情報を得るには、Oracle Applications営業チームにいつでもご連絡ください。また、テクノロジがOracle Cloud Applicationsにとって重要である理由については、Oracle Cloud Applications Technology Blog Seriesでもご紹介しています。

Oracle Cloud ApplicationsおよびOracle Fusion Data Intelligenceの詳細は、次をご参照ください。  

Oracle Cloud Applications

Oracle Fusion Data Intelligence

 

「このブログ・シリーズは、オラクル北米のApplications Advanced Technologyチームによって書かれています。このチームは、お客様が技術革新を通じてビジネスを最新化できるよう支援することに専念しています。SaaS、プラットフォーム・テクノロジ、運用およびデータ管理に関する専門知識とビジョンを提供します。」