日本オラクルでは10月31日にOracle Applications Dayを開催しました。本イベントでは、先日米国ラスベガスで行われた「Oracle CloudWorld 2023」で発表されたオラクル・アプリケーションの最新のビジョンを、さまざまな業務ソリューションの最新情報を中心にご紹介しました。こちらはそのサマリー内容となります。

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企業アプリケーションのあり方を激変させるAIとSaaSの進展

日本オラクル株式会社

クラウド・アプリケーション統括 Vice President    武藤 和博
クラウド・アプリケーション事業統括 常務執行役員 善浪 広行

日本企業のDXの取組み状況は米国と比較してもまだまだ遅れており、部署ごとのDXがまだ多く、新しいサービス創出やビジネスモデルの変革は少ないのが現状です。そういった日本の現状に対して、オラクルのアプリケーション事業の重点施策は、事業環境変化に向けたモダナイゼーションのためのSaaSと、AIで業界全体のDXを推進して日本社会の生産性を向上するという2点としています。これまでのオンプレミスのERPでは、多額の導入コストと、バージョンアップコスト、増え続ける技術的負債等が問題でした。モダナイゼーションができず、ビジネスの変化に追随することができなくなるだけでなく、セキュリティリスクが高まり、災害対策コストも膨らみます。

私たちのOracle Fusion Cloud Applicationsでは、バージョンアップやインフラ更改がなく、システムライフサイクルコストを大幅削減し、自動アップデートよって常に時代の変化に追従できます。特に、今回Oracle Cloud Worldで発表された生成AIは、知識労働、意思決定やコラボレーションに関連する業務を劇的に効率化します。生成AIと人間が会話しながらアウトプットを作るような新しい働き方を提示しています。
 

これからのERP過去の慣習から脱却し、未来を切り拓く

日本オラクル株式会社

執行役員 クラウド・アプリケーション統括 ソリューション戦略統括 塚越 秀吉
    理事 クラウド・アプリケーション統括  ソリューション戦略統括 インダストリーSE本部 中山 耕一郎

オラクルのクラウドアプリケーションは、Designed for change.Built for you.という方針のもと、ビジネスの変化に対応するために、四半期ごとに何百ものアップデートが行われています。私たちのOracle Fusion Cloud Applicationsは、過去10年にわたるSaaSの実績があり、利用企業をメジャーアップグレードの苦労・無駄なコスト投資から解放します。また、自動化のセキュリティー対策や、災害対策が実現でき、ユーザーの皆様はアプリケーションの利活用に集中できます。 Oracle Fusion Cloud Applications のAI機能は、アプリケーションに組み込まれているだけではなく、稼働環境も含めて組み込まれており、OCI Supercluster などの優れた技術で短期間で低コストなAI機能提供が可能になっています。またオラクルは生成AIのエンタープライズ活用の課題と言われているハルシネーション (もっともらしいウソ) の発生や情報ソースの明確化に対して、RAG(Retrieval-Augmented Generation) と Vector Database を組合わせた企業データ活用の方向性を示唆しています。

 

変化する時代におけるAIを駆使したファイナンスのイノベーション

日本オラクル株式会社

クラウド・アプリケーション統括 ソリューション戦略統括 ソリューション・エンジニアリング本部 執行役員 三谷 英介
クラウド・アプリケーション統括 ソリューション戦略統括 ソリューション・エンジニアリング本部 FMS/EPM ソリューション部 部長 大城 秀暁

当社では、Oracle Fusion Cloud ERPにイノベーションを常に取り込んでお客様に展開しています。昨年発表されたOracle B2Bという組込み型のバンキング、ロジスティクス、デジタル・サービスを今年はさらに拡張し、マスターカード様との提携を発表してエコシステムの拡大を図っています。また、AIに関連するイノベーションもアップデートされており、ファイナンス業務の効率化を推進しています。技術進化の恩恵を即座に享受できるように、SaaSに予め組込まれたAIであり、パターンを検出して日常的なタスクを自動化したり、異常値を発見するような機能等を各種提供済みです。

例えば、請求書入力作業を自動化したり、勘定科目と管理セグメントコードを自動付与したり、疑わしいデータの発見を行うAIの機能をアプリケーションに組み込んでご提供しています。さらに、生成AIの開発にも力をいれています。生成AIでは、財務に特化したモデルでユーザーの専門知識を強化したり、データのストーリーを伝える説明文書を作成するような領域でファイナンス業務の効率化を支援します。

 

AIを活用したサプライチェーンの変革

日本オラクル株式会社

執行役員 クラウド・アプリケーション統括 ソリューション戦略統括  塚越 秀吉

クラウド・アプリケーション統括 ソリューション戦略統括 ソリューション・エンジニアリング本部 SCM/PLMソリューション部 部長  谷口 耕三

 ここ数年で、グローバルでのサプライチェーンの大きな変動と混乱がありました。企業はこれまで以上に迅速にこの変化に対応する必要があります。しかし、現在のSCMのシステムは、多くが老朽化し、顧客/市場の要求事項の高度化に対応できなくなっているのではないでしょうか?また、システムの有識者が減少し、保守運用の技術者が枯渇しているという話もよくお聞きします。オラクルのSCMでは、変化に対応する最新のSaaSでありながら、包括的な企業情報・プロセスを管理するプラットフォームによって、皆様が市場の変化に迅速かつ柔軟に対応するためのご支援をしております。

今回のOracle Cloud Worldでは、SCMのイノベーションについて①次世代ユーザー・エクスペリエンス、②組み込み型AI/MLと生成AI③インダストリーフォーカスについてアップデートが発表されました。中でもAIについては、AI/MLプランニング・アドバイザの機能(新製品投入時の予測最適化 – 属性ベース予測等)や、登録された品目情報からマーケティングメッセージを自動生成したり、サプライヤ選定時における候補を推奨する際の生成AIの機能がアップデートされました。

 

Generative AIが生み出す新しい働き方とカスタマーエクスペリエンス

日本オラクル株式会社

クラウド・アプリケーション統括 ソリューション戦略統括 ソリューション・エンジニアリング本部 HCM ソリューション部 部長   矢部  正光

クラウド・アプリケーション統括 ソリューション戦略統括 ソリューション・エンジニアリング本部 CX ソリューション部    部長   宮川  崇

人的資本経営の潮流や働き方の多様化への対応の中で、人事管理システムにも様々なことが期待されています。オラクルのHCMでは、生成AI、従業員エクスペリエンス、イノベーションの提供という3点でお客様に新しい価値を提供しています。Oracle Cloud HCMの生成AIでは、採用や目標設定、人事評価といった業務で、オーサリングや要約、提言、洞察と計画といった項目での機能が提供されています。さらに、今後は、人事におけるコーチングや交渉、問題解決等の新しい機能を含めて100以上のユースケースを開発して展開していく予定です。

今回のOracle CloudWorldのCXセッションでは、AI によるマーケティング、セールス、サービス業務の効率化について、様々な機能が発表されました。案件獲得のための営業インテリジェンスや会話型のAI等、20以上の組み込みAIに加えて、チャットの概要を自動生成してエージェントの労力と認知的負荷を軽減したり、問合せ(SR)の回答を自動作成するような生成AIの機能も多数発表されています。