※ 本記事は、Fusion Developmentチームによるブログ投稿”New—Oracle AI Agent Studio for Fusion Apps“と “See Oracle AI Agent Studio in action (demo video)“を翻訳/意訳したものです。

 

主なポイント

  • Oracle AI Agent Studio for Fusion ApplicationsはAIエージェント開発プラットフォームです。AIエージェントの新規開発やカスタマイズをすることができ、お客様のビジネス・プロセスの自動化を促進します。
  • 高度なAIに関するスキルは不要で簡単に始めることができ、お客様のニーズに合わせてAIエージェントを調整したり、動作を管理することができます。
  • Oracle Fusion Cloud ERP、HCM、SCM、CXのサブスクリプションに含まれており、追加コストは不要です。

AIエージェントは、情報を要約したり、意思決定を行ったり、タスクを実行するなど、ある目標を達成するために働きます。一つのAIエージェントが独立して動くことも、複数のAIエージェントがチームのように連携し、複雑な仕事を行うこともできます。その結果、AIエージェントは、会社全体にわたる様々なタイプの作業に対して、画期的な変化をもたらします。ただし、ビジネスは二つとして同じものがないため、最適な結果を得るには独自のニーズに合わせてカスタマイズすることが必要になります。そのためにOracle AI Agent Studioは作られました。

 

1. Oracle AI Agent Studioにより、AIエージェントを簡単に使い始めることができます

AIエージェントを使い始めるには、どこからどのようにして始めればよいか、どのくらい費用がかかるのかを知る必要があります。AI Agent Studioが、以下の重要なポイントで役立ちます。

  • 追加料金不要: Fusion Applicationsのサブスクリプションをお持ちのお客様は、AI Agent Studioをご利用いただけます。AI Agent Studioを使ったり、構築したAIエージェントを稼働するために、追加の料金は必要ありません。また、AI Agent StudioはFusionネイティブであり、Fusion Applicationsと同じアーキテクチャ、インフラストラクチャを共有しています。AIエージェントを新しく追加すると、それは、アプリケーションやユーザー・エクスペリエンスにおいて、Fusion Applicationsとシームレスに統合されます。
  • 役立つテンプレート:Oracle AI Agent Studioは、フロント・オフィスやバック・オフィスの様々な機能に対応するエージェント・テンプレートを提供しています。これらは、簡単なプロセスを自動化するた単一ステップのエージェントから、より複雑なタスクのために構築された複数エージェントによる複数ステップのワークフローまで多岐にわたります。
  • Fusion Applicationsとのデータ統合:エージェント・テンプレートには、ビジネス・オブジェクト、ビジネス・ルール、API、ナレッジ・ストア、データなどのFusion Applicationsリソースへのアクセスが用意されています。これにより、エージェントはFusion Applicationsとやりとりして、財務管理、人事、サプライチェーン、マーケティング、営業、カスタマー・サービスのプロセスを自動化できます。

 

2. Oracle AI Agent Studioを使用すると、独自のニーズに合わせてAIエージェントをカスタマイズできます

Oracle AI Agent Studioの主な目的は、AIエージェントをあなたの希望通りに動かすことです。場合によっては、機能を少し、または大きく変えることになります。

  • エージェントのカスタマイズと新規作成:テンプレートの使用、構成オプション、カスタム開発といった方法で希望通りのワークフローを作成することができます。AIエージェントのテンプレートを手を加えずにそのまま導入することから始めたり、また、テンプレートを使わずにAIエージェントやAIエージェント・チームを一から構築することもできます。AIエージェントを微調整するのはとても簡単です。たとえば、支払などのトランザクションに対して人間による承認を追加したり、ワークフローの主要なステップを管理するプロンプトを調整したりすることができます。
  • 最適なLLMの使用:Oracle AI Agent Studioには、Fusion Applicationsとの連携に最適化されたLLM、プロンプト、計算機などのツールが付属していますが、それ以外にも、業界や企業に固有のモデルなど、ほぼすべてのLLMを選択して統合することができます。導入するエージェントごとに最適なLLMを選択できます(必要に応じて自由に切り替えることもできます)。
  • サードパーティ・サービスとの統合を標準搭載:AI Agent Studioは、外部エージェントやデータ・ソースとの接続が搭載されており、Fusionエージェントの機能を通信(Slackなど)、検索(Googleなど)、地図や画像認識など、多くのサードパーティ・アプリケーションに拡張できます。また、Oracle Integration Cloudは、外部のアプリケーションやサービスを活用するためのさらなるオプションを提供します。

 

3. Oracle AI Agent Studioを使用することで、AIエージェントの動作を管理します

AI Agent Studioには、エージェントを安全にテスト、展開、管理するためのツールが用意されています。

  • 導入前にエージェントのテストや改善をします。テスト・ライブラリとテスト・ツールが付属しており、開発中のエージェントのパフォーマンスを試し、改善するのに役立ちます。これにより、エージェントが導き出す結果を確認し、機能を改善できます。AIエージェントのパフォーマンスが信頼できたら、本番に移行します。
  • 必要な場所に必要に応じて導入:Oracle AI Agent Studioは、エージェントをどこに、どのように導入するかについて幅広い選択肢を提供します。Fusion Applicationsに組み込む以外にも、外部エージェント、Webサイトでのチャット、サードパーティ・アプリケーションへの組込みなど、ほぼすべてのプラットフォームに展開できます。Webhook、JavaScript、コマンドラインCurl、HTMLなど、一般的な統合をサポートしています。
  • Fusion Applicationsのデータ保護とID管理の使用: Oracle AI Agent Studioは、Fusion Applicationsのセキュリティ構成、ポリシー、アクセス制御に準拠しています。管理者、および、エンド・ユーザーには、ロールベースのアクセス制御によって有効化されたデータや機能のみが表示され、脆弱性とコンプライアンス・リスクが軽減されます。  

 

デモ動画

 

管理者であるマリアがAI Agent Studioを使って、AIエージェントを導入します。マリアは、テンプレート・カタログから「保守・修理の評価・委任」を選び、自社のニーズに合わせて調整していきます。テンプレート・カタログには、財務、人事、サプライチェーン、営業、カスタマーサービス、マーケティングといった様々なビジネス機能を自動化するためのテンプレートが用意されています。

選択したAIエージェントの全体構成を確認した後、マリアはまず、自社が独自に開発した特定の大規模言語モデルを使うようにLLMの選択を変更します。そして、構成オプションでこのAIエージェントに含まれる各エージェントのオプションを確認していきます。あるエージェントに対して人による承認ステップを追加し、また、別のエージェントに対しては、エージェントが案内するドキュメントが適切なものを参照しているかどうかを確認します。また、統合ツールの中からOutlook連携を選択し、保守の推奨に関するサマリーをメール送信することを設定します。最後に、エージェントを適用する前に、テスト機能を使用して、望み通りの動作をするかを確認します。

このデモは、AIエージェントをいかに簡単に使い始めることができるか、高度なAIスキルが不要かを示しています。この例は、機器の保守・修理に関するものですが、Oracle Cloud ERP、HCM、CX、その他のSCM機能についても同様です。AIエージェントのテンプレートは、さまざまなフロントオフィスやバックオフィスのプロセスに使用できます。

 

まとめ

Oracle AI Agent Studioは、エージェントを必要な形で必要な場所で使用するための柔軟性を提供します。すでにお持ちのソフトウェアの一部として提供されるため、追加のサブスクリプション料金や、AIスキル人材の確保や、複雑な実装プロジェクトに費用をかける必要はありません。お客様のニーズを満たすエージェントの開発や導入をシンプルにし、導入場所、方法、時期を自由に選ぶことができます。

 

次のステップ

 


Fusion Development

Fusion Developmentチームは、Oracle ERP、EPM、SCM、HCM、CXを含むOracle Fusion Cloud Applications Suiteの構築、維持、推進を担当しています。本部は米国、 インド、メキシコ、フィリピン、ルーマニアにあり、メンバーは世界中に拠点を持っています。