2025年6月下旬、ORACLE MASTER Platinum DBA 2019取得者をお招きして、オラクル青山センター24階にある茶室「聚想庵(しゅうそうあん)」にて第3回となる茶話会を行いました。その模様をレポートします。
Platinum取得者の方と実技試験開発者の野村を交えて、Platinumを取得して良かったことから、若手エンジニアの育成まで多岐に渡る話題で盛り上がりました。DBAのスキル習得の参考になる話もありますので、ぜひご一読ください。

左から 板橋章夫氏、田中庸一郎氏、大塚紳一郎氏、早川昇太氏、西尾孝之氏、野村達也
司会:自己紹介を兼ねて、業務を教えてください。
板橋 システム設計の標準化と構築テストの支援、トラブル対応などを行なっています。
田中 今はメインフレームを扱っていますが、以前はシステムの標準化を行っていました。
大塚 Oracle Databaseを活用した業務ソリューションの開発を手がけています。
早川 Oracle Database や Oracle Cloud Infrastructure などシステム構築や運用を行っています。
西尾 システム構築や運用を行っていますが、若手の育成にも力を入れています。
司会 Platinumを目指した動機を教えてください。
板橋 Platinumという最高峰の資格に対する憧れがあったので目指しました。Platinum保有者との出会いも動機の一つです。
大塚 プロフェッショナルとしてお客様に接していくためには、幅広い技術知識と実装力に基づいた自信が必要です。その自信を得るにはPlatinum資格がベストと考えます。また、私はOracle ACE Directorを拝命しており、日々の自己研鑽の継続を自身に課しています。その自己研鑽の成果の確認にもPlatinum資格の維持が最適と考えています。
司会 Platinum受験のための学習方法を教えてください。
田中 Platinum Learning Subscriptionを視聴し、あとはひたらすら実機演習を行いました。
早川 私もPlatinum Learning Subscriptionを使用しました。業務でRACは使用していましたが、RACの仕組みから勉強できてよかったです。実機環境を1クリックで用意できるのは便利でした。
野村 私自身の今までの学習方法を振り返ると、実機検証を繰り返す、という学習方法が一番だと思っています。私が学習していた頃は今と違って実機環境を用意するといってもCloudもVMも無かったので、環境構築が大変でしたが、今の方には、Learning SubscriptionやCloudを使って効率的に学習してほしいと思っています。
早川 OCIだと簡単に環境を複製できるので、OCI上にDB環境を作成すると動作検証に便利です。
司会 Platinum受験のご経験は実務にどのように役立っていますか。
板橋 受験準備でどの機能がどのマニュアルのどこに載っているかを覚えたため、マニュアルに詳しくなりました。これは業務で役立っています。
大塚 Platinumの受験準備は、マニュアルを読み込み、実機で突き詰めて検証することの反復ですが、これが私の技術力の礎になりました。新しいソリューションを実現するために新機能を採用する際は、新機能を徹底的に検証することで、お客様の信頼を得て実現していきますが、Platinum取得で身につけた、マニュアルを読み込んで徹底的に検証する、という姿勢により、現在のロールを任せてもらえるようになったと思っています。
司会 Cloud化などDatabaseを取り巻く環境は変わってきていますが、今後のDBAの役割や必要なスキルについてどのようにお考えですか。
大塚 On PremでもCloudでも、インタフェースは異なりますが、基盤としてのデータベースの知識、トラブル・シューティングのスキルなど、根幹の部分は今も昔も変わらないので、DBAにとって必要な知識は変わらないと考えています。ORACLE MASTERはその根幹の部分を学べる資格だと思います。
司会 AIでDBAの仕事は奪われると思いますか。
西尾 AIは100%正しいことを返せるとは限りません。機械翻訳も同じですが、正しいか間違っているか、使用する側にもある程度の知識がないと判断できません。だからデータベースの知識は絶対に必要で、その上でAIをうまく活用していくことが大事だと考えています。
大塚 将来的に、DBA業務の一部がAIに置き換わるというのはあるとは思いますが、今の時点でDBAの役割がすぐに変わるとは思いません。ただ、AI技術の進化は注視しており、特にAI Vector Searchは非常に興味深い機能なので、注力してUpdateをウォッチしています。
野村 今後はAIに命令するプロンプト技術が重要になってくると思いますが、いくらプロンプトが良くても問合せ先のデータベースの質が高くないと良いデータが返ってこないので、基盤となるデータベースの設計や運用管理の技術はまだまだ重要です。
司会 若手エンジニアの育成についてどのようにお考えですか。
大塚 若手エンジニアに「データベース」と言ってもなかなか興味を持ってもらえませんが、AIという言葉を出すと興味を持ってもらいやすいです。ベクトル・データベースにデータを入れてAI Vector Searchで検索して、というところから興味を惹き、そこから根幹を支えるテクノロジーであるOracle Databaseを学習してもらうようにしています。Technology Learning SubscriptionにはAI Vector Searchを含むすべてのコースが搭載されているので、Technology Learning Subscriptionを使って高い視座で学習してもらっています。
早川 育成される側の意見ですが、モチベーションを上げてくれる上司がいるか、適切な情報を紹介してくれる上司がいるか、その辺の影響が大きいです。
野村 いろいろな企業さまの人材育成のご相談を受けていて常々思うのですが、教育は世代を通して継続していくことがとても大事だと思っています。現在、対応できるエンジニアがいるから、ということで新しく育てない時代があると、その世代のスキルが抜けてしまうことの影響に加えて、その後の世代への教育や業務にも支障が出るなど立て直しが大変になります。
司会 Platinumを取得された皆さまにとって、Platinumの価値は何ですか。
板橋 Platinum取得はゴールではなく、Platinumを取得してからが始まりだと考えています。Platinumを取得することで、人からの見られ方も変わりますし、仕事のクオリティも上がります。Platinum取得でしか得られない経験がPlatinumの価値だと思います。
田中 一年掛かりでPlatinum試験の受験準備をしてPlatinumを取得でき、最後までやり切ったという自信になりました。
早川 Platinum 試験は、ゲームに喩えるなら、ラスボスではなく中ボスだと思います。試験合格に向けて実機を操作してエラーが発生し、その度にマニュアルを読み込む経験を何度も繰り返すため、自身を大きく成長させてくれます。また、Platinum を取得して終わりではなく、その名に恥じないように技術習得を続けていくことも大事だと思っています。そのため、Platinumはゴールではなく、自身を更に成長させつつも、積み上げてきた技術を遺憾なく発揮できるイベントだと考えます。
大塚 PlatinumはOracle Databaseに関する高い実装力を持つことを客観的に裏付けるものとして重要視しています。特に海外で活躍する際には不可欠だと考えています。近年、Cloud化によって日本のエンジニアの舞台は海外へと広がりつつあります。こうした状況の中、世界共通基準のスキルを証明するPlatinum資格は、グローバルに活躍の場を広げる上で高い価値があります。
西尾 Platinum試験は、エンジニアとしての技術習得の道筋を示してくれるものであり、技術者の生きる糧だと思っています。技術は進化していくので何も勉強していないとエンジニアとして落ちぶれていってしまいますが、何もないところから何を勉強すればよいか見極めるのは難しいので、Platinumに限らずORACLE MASTERが学ぶべきことの道を示してくれる、というのは有り難いです。
第3回茶話会レポート、如何でしたでしょうか。Platinum取得者の方からPlatinum資格への思いを伺い、私どもも身の引き締まる思いです。
最後になりましたが、茶話会にご参加くださった皆さま、有難うございました。
参考リンク
ORACLE MASTER Platinum DBA 2019 取得者に聞く Platinum 学習方法 〜茶話会レポート#1〜
ORACLE MASTER Platinum DBA 2019 取得者に聞く Platinum 学習方法 〜茶話会レポート#2〜
