こんにちは。日本オラクルのクラウド・ソリューション・エンジニアの小西です。
4月に入りました。新年度でこれから新しくOCIを学ぼうという方もいらっしゃるかと思います。Oracleでは定期的にOCIをご紹介するWebinarや基礎的なハンズオンWebinarなども開催していますので、ご興味のある方は Oracle Cloud Infrastructure(OCI):セミナー情報 から開催予定をチェックしてみてください。
さて、「Oracle Cloud Infrastructure 新機能ハイライト」では、基本的に隔週でOracle Cloud Infrastructure(OCI)の主な新機能をご紹介していきます。
それでは 前回に引き続き、OCIの新機能を見ていきましょう!
[MySQL Database] MySQL Database ServiceでHA DBシステムからスタンドアロンDBシステムへのリストア
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MySQL Database Serviceで、高可用性を備えたDBシステムのバックアップを新しいスタンドアロンDBシステムにリストアできるようになりました。この機能を使用すると、バックアップを使用して新しいテスト環境を作成し、チャネルを使用して新しいレプリカをプロビジョニングできます。
[Compute] コンソールのトラブルシューティングおよび診断ツール
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コンソールの新しいトラブルシューティングおよび診断ツールが追加され、コンピュート・インスタンスの問題を特定して解決するのに役立てることが可能になりました。このツールは、メトリックやコンソール履歴の出力内容から、インスタンスの一般的な潜在的な問題を監視し、推奨されるトラブルシューティング手順を提供します。
[Java Management] Java Management 4.0 のリリース
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Java Management 4.0が利用可能になりました。 このリリースでは、JMSユーザーは次のことができるようになります。
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JMSで報告されたJavaランタイムでライフサイクル管理操作を実行
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JMSはOCILoggingサービスを使用してインベントリと操作ログを保存するようになったため、LoggingAnalyticsを使用して追加の分析を実行
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アプリケーションサーバーで実行されているアプリケーションをより適切に識別
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[Networking] FastConnectのオプション追加
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FastConnectで以下二点の機能追加が行われました。
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仮想回線リソースを削除することなく、コンソール上から既存のBGPセッションの無効化/再確立(非Active化/Active化)をすることが可能にりました。フェイルオーバーのテスト目的などに利用可能です。
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FastConnectで双方向転送検出(Bidirectional Forwarding Detection, BFD)のオプションが追加されました。BFDにより、パス障害時のフェイルオーバーをより高速に行うことが可能になります。新規および既存のFastConnect接続に対して適用できます。
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アナウンスBlog:Announcing bidirectional forwarding detection and enhancements for OCI FastConnect
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日本語Blog:OCI FastConnectの双方向転送の検出と機能拡張の発表


[Compute] 専用仮想マシン・ホスト(DVH)でE4, X9, X9 optimizedのサポート
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VM.Standard.E4.Flex, VM.Standard3.Flex, VM.Optimized3.Flexシェイプでも専用仮想マシン・ホスト(DVH)が利用可能になりました。
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DVHは完全にお客様専用の物理サーバ上にVMインスタンスを作成することができます。インストールするソフトウェアやOSのBYOL要件、あるいはセキュリティ上の理由で独立したホストが必要なケースで活用できます。
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DVHシェイプ一覧:https://docs.oracle.com/en-us/iaas/Content/Compute/References/computeshapes.htm#dedicatedvmhost

[Partner Portal] パートナー・ポータルでの自動スタック検証
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パートナ・ポータルでスタック・リストの自動検証が導入されました。パートナ・ポータルからスタック・アーティファクトを作成でき、作成されたスタックは、Resource Managerから検証情報にアクセスして自動的に検証されます。
[Functions] ルート以外のコンパートメントでのリポジトリの作成のサポート
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リポジトリを作成する際にルート・コンパートメント以外のコンパートメントを指定できるようになりました。ファンクション・イメージをプッシュするリポジトリを作成する場合、Oracle Functionsは、ルート・コンパートメントまたは指定可能な代替コンパートメントにリポジトリを作成します。どちらの場合も、コンパートメント内のリポジトリを管理できるように、適切なポリシー・ステートメントが存在している必要があります。
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詳細: Creating an Fn Project CLI Context to Connect to Oracle Cloud Infrastructure
[Logging Analytics] ビジュアライゼーションおよびアナリティクスの拡張機能
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ログ・エクスプローラでログを分析するときに、拡張フィールド定義およびラベルをインラインで作成できるようになりました。ビジュアライゼーションの「レコード」表(ヒストグラム、レコード、ヒストグラム付きの表、表など)にアクセスして、元のログ・コンテンツを表示し、拡張フィールド定義およびラベルを作成するためのフィールドを識別します。
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詳細: Important Tips for Working with Log Explorer and Visualizations.
[Logging Analytics] geostatsコマンドを使用したクライアント・ホスト座標によってグループ化されたサマリー統計
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問合せで新しいgeostats コマンドを使用し、「クライアント・ホスト座標」フィールドでグループ化されたサマリー統計を取得できます。オプションで、追加フィールド別にグループ化できます。この問合せの出力には、関連する地理フィールドと、集計ごとに1つのフィールドが含まれます。
[Block Volume, Monitoring]ブロック・ボリュームのクロス・リージョン・レプリケーションの新メトリック
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oci_blockstoreメトリック・ネームスペースの新しいVolumeReplicationSecondsSinceLastUploadとVolumeReplicationSecondsSinceLastUploadメトリックを使用して、ブロック・ボリューム・リソースのリージョン間レプリケーション操作のステータスを追跡できるようになりました。 -
詳細: Block Volume Metrics and Replication Metrics.
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ソース側ボリュームのメトリック

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ターゲット側ボリュームのメトリック

[Logging Analytics] OCI DevOpsビルド・ログの取込みのサポート
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OCIサービス・ログのサポートの継続的な拡張の一環として、OCI DevOpsビルド・ログをさらに収集および分析できるようになりました。
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ログを取得するには、Ingest Logs from Other OCI Services Using Service Connector および OCI Parser Details のOracle定義のパーサーの詳細を参照してください。
[Data Science] Accelerated Data Science v2.5.9 のリリース
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高速で簡単なモデル・デプロイメントのために、以下のフレームワーク固有のクラスが追加されました。
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AutoMLModel、SKlearnModel、XGBoostModel、LightGBMModel、PyTorchModel、TensorFlowModel
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前のリストに含まれていないフレームワークのGenericModelクラスを追加しました。
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以下の新しいクラスのメソッドを使用してモデルをデプロイできるようになりました。
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.prepare(): デプロイ後にモデルを実行するためのscore.py、Runtime.yaml、モデル情報およびスキーマ・ファイルを作成し、モデル・アーティファクトをアーティファクト・ディレクトリに追加します。 -
.verify():モデル・カタログからエンドポイントにデプロイする前に、モデルをローカルでテストできます。 -
.save(): モデルおよびモデル・アーティファクトをモデル・カタログに保存します。 -
.deploy(): モデル・カタログからRESTエンドポイントにモデルをデプロイします。 -
.predict(): エンドポイントをコールし、デプロイされたモデルから参照を作成します。
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管理対象エグレスでのジョブの作成のサポートが追加されました。
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ジョブのバグを修正しました。このバグは、短期間に大量のログがあったときにログエントリが削除されていました。これで、
jobwatch().のすべてのログをリストできます。 -
これらの新しいクラスを使用してTensorFlow、XGBoost、LightGBMおよびPyTorchモデルをデプロイするには、データ・サイエンス・ノートブックの例を参照してください。
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詳細
[Operations Insight] zLinuxサポート、 アラーム作成の拡張、上位5プロセス
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オペレーション・インサイトでは、zLinuxホスト・プラットフォームがサポートされるようになりました。アラームの作成は、OCIモニタリング・サービスへの直接アクセスによって簡素化されました。ホストの傾向および予測分析では、物理メモリーまたはCPU使用率に基づいて上位5つのプロセスの内訳を表示できます。
[Data Catalog] Data Catalogの新リリース
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データ・カタログの新しいリリースが使用可能になりました。バグ修正および機能拡張とは別に、次のことができます。
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IBM DB2 AS400システムからのメタデータの収集
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Oracle Object Storageデータ・アセットの収集ジョブの作成時に、論理エンティティのファイル名パターンを作成して割り当てます
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Spark 3.2でのメタストアの使用
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メタストア作業の復元性とパフォーマンス向上
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[APM] APM Java Agent and Tracer Version 1.5 が利用可能
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APM Java AgentおよびTracerバージョン1.5で、次の新機能が使用できるようになりました。
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要約トレースの改善。この機能は、トレースごとのスパン数が多すぎる場合を排除するように設計されています。これにより、ユーザーは呼び出しごとのスパンの最大数を制限できます。
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Oracle Service Bus(OSB)12cのサポート。
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WebLogic Server配列メトリックが追加されました。
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APMトレーサーを使いやすくするためにMaven Centralに公開されました。
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[Compute] 診断リブートを利用したコンピュート・インスタンスの再構成
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他のトラブルシューティング・ステップで解決できない場合は、診断リブートを使用して、到達不能なコンピュート仮想マシン(VM)インスタンスを再構築できるようになりました。診断の再起動中に、インスタンスは停止され、物理VMホストで再構築され、再起動されます。
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VMインスタンスに接続できないようなケースで、他のトラブルシューティングの手段がすべて失敗した場合の最終手段。診断リブート実施前にOSの再起動やインスタンスの構成が正しく設定されているかなど確認すること。
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診断リブートでは、インスタンスは停止し、再構成され、再起動される。(再構成といっても、OCIDやインスタンスの作成日などの基本情報はもちろん、IPアドレス、ボリューム、VNICなどのインスタンスのプロパティ情報も保持され、再構成前と変わらない。)
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詳細: Performing a Diagnostic Reboot

[OKE] Support for PVC block volume performance levels
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Container Engine for Kubernetesで、PVCブロック・ボリュームのパフォーマンス・レベルがサポートされました。「低コスト」、「バランス」または「高パフォーマンス」パフォーマンス・レベルでブロック・ボリュームに基づくPVCを定義できるようになりました。
以上が本日の新機能ハイライトです。
今後も引き続き新機能情報をお伝えしていきたいと思います。
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