※ 本記事は、Niranjan Mohapatraによる”VCN CIDR requirement for a database using Oracle database service for Azure“を翻訳したものです。

2023年5月15日


Oracle Database Service for Azure (ODSA)は、1つ以上のHeatWaveノードを持つデータベース・サービス(Oracle Base Databaseサービス、Oracle Exadata Cloudサービス、MySQL HeatWaveなど)をプロビジョニングする際に、最小のプライベートCIDR範囲要件のサイズを削減しました。Oracleデータベース(Base DatabaseおよびMySQLを含む)の新しい最小CIDR範囲要件は/28 (16 IP)で、/27 (32 IP)は、Azure用のOracle Databaseサービスを使用するExadata Cloudの最小CIDR範囲要件です。最小CIDR範囲要件は/23で、これは512 IPの範囲です。その制限により、一部のエンタープライズ顧客は、特にすべてのプライベート・ネットワーク(他のパブリック・クラウドやオンプレミスのデータ・センターのプライベート・ネットワークを含む)を接続する際に、512のプライベートIPの範囲を提供するという課題に直面しました。

ODSAを使用してデータベース・サービスをプロビジョニングすると、組込みの自動化によって、プライベートCIDR範囲を使用してOracle Cloud Infrastructure (OCI)仮想クラウド・ネットワーク(VCN)とそのサブネットが作成されます。次に、データベース・サービスは、VCNのサブネットからIPアドレスを割り当てます。デプロイ前プロセスでは、指定したネットワークCIDRに対して、リクエストされたデータベース・シェイプの要件がチェックされます。CIDR範囲がデータベース・シェイプに対して不十分な場合、次の例のようなエラーが表示されます。:

Reserved = 5 // Azure reserves the first 4 IPs and last IP in the CIDR range
UsedIps = Number of IPs already in use in the subnet // Zero when creating a new McVCN
if ( (CidrSize - Reserved - UsedIps) < RequiredIps )
Error: CIDR size is insufficient to support the requested DB shape

このブログでは、新しいCIDR範囲の要件、およびOracle Database Service for Azure内でCIDR範囲がどのように使用されているか、プロビジョニングするサービスに基づいて適切な領域を選択する方法を説明しています。

Solution Architecture
図1: ODSAネットワーク・アーキテクチャの例

データベースのプロビジョニング中にODSAでCIDR表記を使用してVCNを指定すると、そのVCN CIDRは2つのサブネットに分割されます。1つのサブネットはクライアントおよびアプリケーション・アクセスに使用され、別のサブネットはバックアップ専用です。各サブネットには、指定されたCIDR範囲の半分しかありません。サブネット当たり5つのIPアドレスは、Oracle Database Service for Azureによって予約され、プロビジョニングしているサービスでは使用できません。これらの予約済アドレスの詳細は、「これらのサブネット内でのIPアドレスの使用に関する制限はありますか。」を参照してください。

次の表は、OCI VCNのCIDR範囲が2つのサブネットに分割され、各サブネットの使用可能なIPがどのように分割されるかの例を示しています:

VCN CIDR

Subnet CIDR

IPs reserved per subnet

Usable IPs per subnet

/28

2 x /29

5

3 (2^^3 – 5)

/27

2 x /28

5

11 (2^^4 – 5)

/26

2 x /27

5

27 (2^^5 – 5)

/25

2 x /26

5

59 (2^^6 – 5)

/24

2 x /25

5

123 (2^^7 – 5)

/23

2 x /24

5

251 (2^^8 – 5)

/22

2 x /23

5

507 (2^^9 – 5)

次の表に、OCI VCNを再利用する機能リリースで、ODSAを介して様々なCIDR範囲を使用してプロビジョニングできるOracleデータベースのタイプと数を示します:

Database shapes                                            

VCN CIDR range

 

/28

/27

/26

/25

/24

/23

/22

Exadata X9M (Maximum 32 nodes)

0

0

0

0

0

1

3

Exadata X8M / X9M (Eight nodes)

0

0

0

1

3

7

14

Exadata Base System / X8M / X9M (Minimum two nodes)

0

1

2

5

11

22

46

Oracle Base Database two nodes

0

1

3

8

17

35

72

Oracle Base Database single node

3

11

27

59

123

251

507

MySQL HeatWave single node

1

5

13

29

61

125

253

 

次の表に、ODSAを介してプロビジョニングされる様々なシェイプのデータベースに必要なIPの数を示します:

Database shape

Number of IPs required per database

Oracle Base Database single node

1

Oracle Base Database two nodes

(2 * 2 nodes) + 3 SCAN = 7

MySQL HeatWave single node

1

Exadata Base System / X8M / X9M (Minimum two nodes)

(4 * 2 nodes) + 3 SCAN = 11

Exadata X8M / X9M (Eight nodes)

(4 * 8 nodes) + 3 SCAN = 35

Exadata X9M (Maximum 32 nodes)

(4 * 32 nodes) + 3 SCAN = 131

 

まとめ

OCI VCNのフレキシブルCIDR範囲要件の新しいリリースでは、OCI VCNに/28から/16までのCIDR範囲を選択し、データベースのタイプ、クラスタ・ノードの数などに応じて、ODSAを使用するプロビジョニングに対してCIDR範囲を適切にサイズ設定できます。詳細は、ネットワークCIDRサイズ設定を参照してください。

ODSAを使用したマルチクラウドのユースケースの詳細は、次のリソースを参照してください。: