この記事はTony PolitanoとTammy Bednarによる”How to get started with Oracle Autonomous Database on Oracle Database@Google Cloud“の日本語翻訳版記事です。
2024年10月18日
オラクルのマルチクラウド・ポートフォリオの一部であるOracle Database@Google CloudはGoogle Cloudリージョンで実行するアプリケーションです。今回の発表では、同じリージョンに配置されたOracle Cloud Infrastructure(OCI)リソースとしてOracle Exadata Database ServiceとOracle Autonomous Databaseを使用できるようになっています。Lookerや Vertex AIなどのGoogle Cloudアプリケーションやサービスは、Exadata Cloud Infrastructure上で稼働するOracleデータベースに低レイテンシーでネイティブにアクセスできるようになり、AI Vector Search などのOracle Database 23aiの機能を活用できるようになります。
こちらの記事では、Google Cloud上でのExadata Database Serviceのセットアップについて説明していますが、この記事ではGoogle Cloud上でのOracle Autonomous Databaseのセットアップについて説明していきます。 Exadata Database ServiceとAutonomous DatabaseはどちらもExadataプラットフォーム上で動作しますが、Autonomous Databaseは自動パッチ適用、セキュリティ、バックアップ、アプリケーション開発、統合、データ分析のためのツール群など、完全な自動化と付加価値機能を提供するという特徴があります。Exadata Database ServiceとAutonomous Databaseの両方には、OLTP、アナリティクス、AI、混合ワークロード、データベース統合のための差別化された機能を提供する独自の機能が多数含まれています。
Google Cloud ConsoleとOCIが緊密に統合されているため、ハードウェア、VMクラスタ、ストレージの調達やデプロイを行うことなく、数分でAutonomous Databaseを立ち上げることができます。 サーバーレス型の提供形態として、Google CloudでAutonomous Databaseを起動すると、基盤となるインフラストラクチャのデプロイ、スケーリング、およびセキュリティ保護はオラクルが行うため、ユーザーはデータベースを使用するアプリケーションの構築に専念できます。Oracle Autonomous Databaseは、自動データ保護のためのバックアップの設定と実行も自動的に行います。また、すべてのバックアップとリカバリ機能は、OCIコンソール、APIコール、またはコマンドラインインターフェイス(CLI)を介して処理することもできます。
Oracle Database@Google Cloudのセットアップ
Google Cloudのパブリック・オファーを使用して、Google Cloud上でOracle Autonomous Databaseを実行するには、Google Cloudアカウントからまたは既存のGoogle CloudアカウントとOCIアカウント間で構成されたOracleサブスクリプションが必要です。これらのテナンシー間でIDをフェデレートするには、パーミッションとロールを設定するだけです。OCIは対応するポリシーを持つ定義済みのグループを自動的に作成し、Google Cloud権限内のすべてのプロジェクトへのアクセスを許可します。
Oracle Autonomous Database on Google Cloud アーキテクチャでは、Google Cloud リージョン内のアプリケーション・リソースのネットワーキングを提供するために、Google Cloud プロジェクトと Virtual Private Cloud が必要です。OCI 管理ネットワークを使用して、VPC アプリケーション・サブネットは、同じ Google Cloud リージョンに配置された OCI 子サイトで動作する Oracle Autonomous Database on Google Cloud に接続します。Exadata Database Serviceと同様に、Autonomous DatabaseのサブネットはOCIテナンシーVCNに拡張され、OCIの他のリソースにアクセスできます。
ワンステップでデプロイ
Google CloudではワンステップでOracle Autonomous Databaseを起動することができます。 手順はコンソールを使用して、必要な情報を入力するだけです。
(ここでは複数のスクリーンショットとして示されていますが、コンソールを使用する場合は1つの画面に全て収まっています):
まず初めに、リージョンを含むインスタンスの詳細を入力し、データベースのワークロード・タイプを選択します。

次にライセンスタイプ(ライセンス込みまたはライセンス持込み)、データベースのバージョン(19cまたは23ai)、CPUおよびストレージサイズ、バックアップ保持期間(デフォルトは60日)、ネットワーク、サブネットを選択します。

そして、管理者のパスワードを追加し、データベースを作成します。

一度作成したデータベースは、コンソール上で設定を調べたり、変更したりすることもできます。

シンプルなマルチクラウド
Oracle Autonomous Database on Google Cloudを使用すると、既存のGoogle Cloudコミットメントを使用したGoogle Cloud Marketplaceを通じて合理化された購入を行うことで、マルチクラウドの管理と運用を簡素化できます。Google Cloud ConsoleとOCIが緊密に統合されているため、短期間で作業を開始し、数分でAutonomous Databaseを稼働させることができます。Oracle Autonomous Databaseは、すべてのメンテナンスとパッチを自動的に処理しするうえ、Google Cloud上のOracle Autonomous Databaseは自己修復が可能です。たとえば、データベース内のバックアップ、リカバリ、パッチ適用、フェイルオーバーなどの自己修復機能は、そのようなプロセスを自動化する自己駆動型データベース属性によって実現されます。同様に、エンドツーエンドの暗号化、データ検証、破損の特定、分離、修復などの自己修復機能は、データベースとすべてのバックアップに対して「常にオン」で動いています。

小さく始めて、拡張は迅速に
Oracle Autonomous Databaseでは、単一のデータベースから開始してすぐにメリットを得ることができ、データベース全体を処理できるように迅速に拡張できます。 基盤となるExadataインフラストラクチャはオラクルが管理するため、お客様は特定のハードウェアやVMクラスタを調達または管理する必要はありません。
Oracle Autonomous Database on Google Cloudでは、Oracle Autonomous Datbase Elastic Poolsを活用することでコストを削減することもできます。 Elastic Poolsを利用することで、Autonomous Databaseのコンピュート・リソースの割り当てに関する課金を統合することができ、最大87%のコスト削減が可能になります。ダウンタイムなしに弾力的にスケールアップ/ダウンできる多数のデータベースが必要な場合、Elastic Poolsを作成して使用することで利益を得ることができます。 Elasticプールは、物理的にデータベースを共通のフレーム、ラック、またはVMクラスタに統合することなく、統合による経済的なメリットを提供します。 プール容量は最大4096ECPUで、128ECPUからスタートし、必要に応じて拡張することができます。 さらに、自律型データベースは物理的に統合する必要がないため、本番用、開発用、テスト用のデータベースを同じElastic Poolにまとめて課金することができ、総所有コストをさらに削減できます。
まとめ
Oracle Database on Google Cloudを使用すれば、ミッションクリティカルなOracle DatabaseアプリケーションをGoogle Cloudで実行できます。Oracle Autonomous Database on Google Cloudは、Exadata上で動作する完全な自律型データベースを提供し、オンプレミスのOracleデータベースをGoogle Cloudに簡単に移行できます。そして、Oracle Autonomous Database on Exadata Cloud Infrastructureの高可用性、パフォーマンス、スケーラビリティを活用できます。Oracle Databaseのこの新しい導入オプションにより、Exadata Database ServiceとOracle Autonomous Databaseの利点を活かして、Google Cloudで稼働するアプリケーションとサービスを組み合わせることができます。
