この記事はTammy Bednar、Kevin DeihlによるGetting Started with Exadata Database Service on Oracle Database@Google Cloudを日本語に翻訳したものです。
2024年9月10日
Oracle Database@Google Cloudは、Oracleのマルチクラウド・ポートフォリオに追加された最新のサービスで、Google Cloudリージョンで実行されているアプリケーションが、同じリージョンに置かれたOracle Cloud Infrastructure(OCI)リソースとしてOracle Exadata Database ServiceとOracle Autonomous Databaseを使用できるようになります。LookerやVertex AIなどのGoogle Cloudアプリケーションとサービスは、Exadata Cloud Infrastructureで実行されているOracle Databaseに低レイテンシでネイティブにアクセスし、AI Vector SearchなどのOracle Database 23ai機能を活用できるようになります。
Exadataは、ミッション・クリティカルなOracle Databaseワークロードに最速のパフォーマンス、最高の可用性、強力なセキュリティを必要とする世界中の組織にとって、クラウドおよびオンプレミスのプラットフォームとして選ばれるようになりました。 Oracle Database@Google CloudのExadata Cloud Infrastructureは、OCIデータセンターで使用されているものと同等であり、データベースおよびワークロードの厳しい要件を満たすように拡張できます。OLTP、分析、AI、混合ワークロード、データベース統合のための差別化された機能を提供する多数の独自の機能が含まれています。
Oracle Database@Google Cloudのメリット
Oracle Database@Google Cloudは、ミッション・クリティカルなOracle DatabaseワークロードをGoogle Cloudに移行し、Google CloudとOracle Databaseの最高の機能を活用してイノベーションを実現し、マルチクラウドの管理と運用を簡素化するのに役立ちます。

Oracle Zero Downtime Migration(Oracle ZDM)を使用して、オンプレミスのOracle DatabaseをOracle Database@Google Cloudに移行し、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)を含むOracle DatabaseおよびExadataとの完全な互換性を活用できます。 開発者は、本番環境のワークロードを実行するだけでなく、Google CloudのVertex AI、Gemini基盤モデル、多様なワークロードとデータ・タイプをサポートし、Exadata上での実行時に最適化されるOracle Database 23aiなどのプラットフォームの業界最先端の生成AI機能を使用して、新しいクラウド・ネイティブ・アプリケーションを構築することもできます。
Oracle Database@Google Cloudを使用すると、Google Cloudの既存のコミットメントを使用してGoogle Cloud Marketplaceを通じた効率的な購買により、マルチクラウドの管理と運用を簡素化できます。 Google Cloud ConsoleとOCIの緊密な統合により、Exadata Database Serviceのほとんどの管理タスクをわずか数ステップで実装できるため、短期間で運用を開始できます。 Exadata Database Serviceは、定期的なメンテナンスのためにサービスを中断する必要がなく、ワークロードの需要に合わせてデータベースの使用量をオンラインで拡張できるため、コストとダウンタイムの両方を削減できます。

Exadata Database Serviceでは、Oracleがインフラストラクチャを管理するため、お客様は一般的なライフサイクル管理タスクのための堅牢なクラウド自動化を使用してデータベースを管理するだけで済みます。 自動化により、実証済みのOracle Databaseのベスト・プラクティスが実装され、管理の負担が軽減されます。これらの堅牢な機能により、データベースの作成、拡張、更新、バックアップ、リカバリをより簡単に行うことができます。
Oracle Database@Google Cloudの設定
Google Cloudのプライベート・オファーを使用すると、Oracle Database@Google Cloudへの移行は、Google Cloudアカウントから、または既存のGoogle CloudアカウントとOCIアカウント間で構成されたオラクル・サブスクリプションでアクティブ化されます。 これらのテナント間のID連携は、権限とロールを設定するだけで実現できます。OCIは自動的にGoogle Cloudの権限内のすべてのプロジェクトへのアクセスを許可する対応するポリシーを持つ定義済みのグループを作成します。
Oracle Database@Google Cloudアーキテクチャでは、Google Cloudリージョン内のアプリケーション・リソースにネットワークを提供するために、Google CloudプロジェクトとVPCが必要です。OCI管理対象ネットワークを使用して、VPCアプリケーション・サブネットは、同じGoogle Cloudリージョンに共存するOCIの子サイトで稼働している Oracle Database@Google Cloudに接続します。 Autonomous DatabaseとExadata Database Serviceの両方のサブネットはOCIテナンシVCNに拡張されているため、OCI内の他のリソースにもアクセスできます。

ネイティブのGoogle Cloud自動化を活用すると、Oracle Database@Google CloudでExadata Database Serviceを簡単に開始できます。Exadata Database Serviceのプロビジョニングには、次の3つの簡単なステップが必要です。
- Exadata Infrastructureの作成
- Exadata Infrastructure上にExadata VM Clusterを作成
- Exadata VM Cluster上にOracle Databaseの作成
Exadata Infrastructureの作成
Google Cloudプロジェクトは、権限の設定、API の使用、課金の有効化など、すべてのサービスを作成および管理するための基盤となるもので、Exadata Infrastructureを使用するために必要です。 Google Cloudに配置されたExadata Database Serviceは、専用のExadata Infrastructureをサポートしており、最小構成として2つのデータベース・サーバーと3つのストレージ・サーバーが含まれています。これらのサーバーは、高速で低レイテンシの内部RDMAネットワークファブリックによって内部接続されており、特別な設定は必要ありません。 必要に応じて、データベース・サーバーやストレージ・サーバーを追加できます。 Google Cloud上の Exadata Database Service は、クラウド内の他のサービスに安全に接続するために必要なネットワーク・リソースとExadata Infrastructureを統合します。 Exadata Database Service では、Oracleが毎月のセキュリティ・アップデートと四半期ごとのインフラ・アップデートを実施します。四半期ごとのインフラストラクチャ・メンテナンス・スケジュールは、ビジネス要件に合わせて指定できます。
Oracle Database@Google Cloudのメニュー・オプションからExadata Databaseを選択し、Exadata Infrastructureを作成します。

Exadata VM Clusterの作成
Exadata Infrastructureを作成することで、Exadata VM Clusterを作成する準備が整いました。複数のVM Clusterを作成して、Exadata Infrastructureに統合するOracle Databaseワークロードを分離できます。 VM Clusterを作成する際は、コンピュート、メモリ、およびローカル・ストレージ・リソースを指定し、VM Clusterとデータベースへのアクセスに必要なクライアント・ネットワークおよびバックアップ・ネットワークを構成します。最初のVM Clusterを作成するには、Exadata Infrastructureを選択し、Exadata VM Clusterの作成をクリックします。

Oracle Databaseの作成と管理
最初のOracle Databaseを作成するには、Exadata VM Clusterを選択し、”MANAGE IN OCI”をクリックします。Google CloudとOCIの統合により、OCIコンソールに直接移動し、そこでOracle Databaseを作成できます。

Oracle Databaseを作成する際に、Oracle Database 19cまたは23aiを選択できます。Oracle Zero Data Loss Autonomous Recovery Serviceを使用して、データベースに最適化された自動バックアップを構成できます。 このサービスでは、Oracle Databaseの変更をリアルタイムで保護し、永久増分バックアップ戦略が活用されます。Autonomous Recovery Service では、従来のリカバリのように数日分の増分バックアップを適用する代わりに、仮想フル・バックアップを使用して即座にリストアすることで、バックアップ・ウィンドウが大幅に短縮され、リカバリ時間が短縮されます。Exadata Database Service の自動化により、Autonomous Recovery Serviceによってバックアップとリカバリが簡素化されます。

Oracle Databaseの移行
Oracle Databaseが作成されると、Oracle ZDMを使用してデータを移行できます。Oracle Database@Google Cloudで稼働するExadata Database Serviceのレプリカ・データベースをデプロイし、オンプレミスの本番データベースと同期させます。準備ができたら、アプリケーションをクラウド・データベースに切り替え、クラウド移行を完了します。

まとめ
Oracle Database@Google Cloudを使用すると、ミッション・クリティカルなOracle DatabaseアプリケーションをGoogle Cloud上で実行できるようになります。 オンプレミスのOracle DatabaseをGoogle Cloudに簡単に移行し、Exadata Cloud Infrastructureが提供する高可用性、パフォーマンス、スケーラビリティを活用できます。 Oracle Databaseのこの新しいデプロイメント・オプションを使用すると、Google Cloudで実行されているアプリケーションやサービスを、Oracle Exadata Database Serviceの利点と組み合わせることができます。
詳細情報
- Oracle Database@Google Cloudのデプロイ
- Oracle Database@Google CloudでのOracle Exadata Database Serviceのプロビジョニング
- Demo for provisioning Exadata Database Service on Oracle Database@Google Cloud
- Demo for migrating databases to Oracle Database@Google Cloud using Oracle Zero Downtime Migration
- Oracle Database@Google Cloud web page