※本ページは、”Exadata Exascale – World’s Only Intelligent Data Architecture for Cloud“の翻訳です


世界で唯一のクラウド向けのインテリジェントなデータ・アーキテクチャであるExadata Exascaleの提供を発表できることを嬉しく思います。Exadata Exascaleは、Exadataの長所とクラウドの長所を兼ね備えた革新的な飛躍です。この次世代のハイパー・エラスティックなマルチテナント・ソフトウェア・アーキテクチャは、ミッションクリティカル、アナリティクス、AIベクター検索、JSON、Oracle Databaseといった混合ワークロードを処理できるように設計されています。

Exascaleは、ストレージ管理の分離と簡素化によって、コンピュート・リソースとストレージ・リソースがExadataプラットフォームでどのように管理されているかを再考し、革新的な新機能への道を開きました。これにより、組織がExadataに期待する、業界をリードするデータベース・パフォーマンス、可用性、セキュリティ標準が保証されるようになりました。

Exascaleの画期的な機能の1つは、Exadata上のデータベース・スナップショット、クローンに対する再考されたアプローチです。これにより、任意の読取り/書込みデータベースまたはプラガブル・データベースの領域効率の高いシン・クローンが可能になり、開発者の生産性が大幅に向上します。Exascaleは開発、テスト、デプロイメントのパイプラインの要件とシームレスに統合され、ネイティブのExadataパフォーマンスを提供できるようになりました。

Exascale上のデータベースは、Exascaleストレージ・クラウドで使用可能なすべてのストレージに自動的に分散されるため、I/O用の超低レイテンシのRDMAと、すべてのワークロードで使用可能な最大数千のコアを備えたデータベース対応のインテリジェント・スマート・スキャンが提供されます。複数のストレージ・サーバー間での自動データ・レプリケーションにより、フォルト・トレランスと信頼性が確保されます。

Oracle Cloudで提供されるExadata Database Service on Exascale Infrastructureは、完全に柔軟な従量課金制モデルを提供しています。お客様は、必要なデータベースサーバーのCPUコア数とストレージ容量を指定することで、Exadata Database Serviceのエントリ・レベルのインフラストラクチャ・コストを最大95%削減できます。このモデルにより、柔軟で詳細なオンライン・リソース・スケーリングを実現し、コストを実際の使用量に合わせることができます。

Exascaleは、既存のExadataデプロイメントと共存できるように設計されているため、お客様はExascaleの新機能を利用する時期を選択することが可能です。

 

テクニカル・アーキテクチャ

Exascale Technical Architecture

Exadataは、ダイレクト・I/Oパス・アーキテクチャを利用して、Oracle Database 23aiがインテリジェントなデータ・リクエストをストレージに直接送信することが可能になったことで、クラウド・ストレージ環境の一般的な中間ストレージ管理層が不要になり、通信がはるかに高速になります。最も重要なことは、Oracle Databaseが17マイクロ秒(注1)のレイテンシと、数百万IOPSのOLTPおよびAIスループットを実現するExadata RDMA Memory (XRMEM)と呼ばれるExadataストレージ上の独自のRDMA対応メモリー・キャッシュを使用するために、直接I/Oアーキテクチャが必要になっています。

このアーキテクチャにより、Exadataスマート・スキャンも可能になります。これにより、データベースはデータをデータベース・サーバーにすべて移動してから処理するのではなく、SQL処理をストレージにオフロードすることが可能になります。この強力でユニークなネットワーク最適化により、非常に高速な分析スキャン・スループットが得られます。

Exascaleは、サーバー・リソースの管理方法と割当て方法を変更し、Exadataのミッションを強化して、すべてのOracle Databaseワークロードを実行するための理想的なプラットフォームとなります。

Exascaleは、データベースとExadata仮想マシンがストレージを使用して、クラウドの特性(ハイパー・エラスティック、マルチテナンシ、リソース・プーリング)をExadataにさらに組み込む方法を再考しました。最終的に、ストレージを管理する個別のデータベース・クラスタのサイロ化されたストレージ・アプローチから、データベース・クラスタがデータベースのサイズや重要性に関係なく、すべてのストレージ・サーバーの集約ストレージ容量および集約パフォーマンスの可能性に簡単にアクセスできるプールされたストレージ・アプローチへと進化したことを意味します。

Exascaleは、ストレージ・リソースの管理をデータベース・サーバーからストレージ・サーバーに移動しました。これにはいくつかの利点があります。

  • ストレージ・サーバーがストレージ管理を制御し、ソフトウェア・アーキテクチャと運用管理を簡素化
  • ストレージ容量の利用率と効率性の向上
  • ファイル・スナップショットとクローン、ブロック・ボリュームといった新しいネイティブ機能を実装
  • 疎結合アーキテクチャにより、ハイパースケールを実現
  • Exascaleにデプロイされているデータベースでは、パフォーマンス、可用性、管理性、セキュリティといったすべての既存のExadataの機能を自動的かつ透過的に使用することが可能

Exascaleアーキテクチャは、コンピュートとストレージを分離し、ストレージ管理をデータベース・サーバーからインテリジェント・ストレージ・サーバーに移動することで、より効果的に利用し、より簡単に管理できるようにしました。インテリジェントなExadataストレージ・サーバーは、CPU、RDMAでアクセス可能なメモリー、フラッシュ・ストレージ、ハード・ディスク、インテリジェント・ソフトウェアで構成され、ワークロードで最も有利なメディアにデータを自動的にキャッシュします。Exascaleの組み込みにより、インテリジェント・ソフトウェアはストレージ・サーバー内のファイルとエクステントも管理し、Exadataの新機能を実現します。

Exadata Exascake Architecture

 

Exadata Exascaleアーキテクチャ

ここでは、Exascaleが導入する技術的な変更について詳しく説明します。

Exascale Storage Pools

Exascaleは、永続ディスク、フラッシュ・キャッシュ、XRMEMのストレージ容量、I/O機能をストレージ・プールにグループ化します。ストレージ・プールは、ストレージ・サーバー内の物理ディスクから割り当てられたプール・ディスク(ストレージ・プール用に指定されたグリッド・ディスク)の集合で、Exascaleによって管理されるエクステントの場所になります。Exascaleを使用してExadataで個々のHDDを検査する場合、各物理ディスクはストレージ・サーバーOSに論理表現(LUN)を持ちます。セル・ディスクは、LUN内のすべてのExadata関連パーティションのコンテナとして作成されます。セル・ディスク内のパーティションは、プール・ディスク、ないしはグリッド・ディスクとして指定されます。

ストレージプールは、複数のストレージサーバー間でプールディスクを集約し、ストレージ容量と I/Oを簡単かつ柔軟に割り当てる方法を作成します。Exascaleは、新しいExadata Database Service on Exascale Infrastructure (ExaDB-XS)のように、数千のストレージ・サーバーを組み込んで、真のクラウド規模のストレージ・リソースを作成することが可能です。

Exascale Files

Exascaleのすべての要素は、実際のデータベース・データファイル、REDOログ、データファイルのセットのスナップショットまたはシン・クローン、ないしは仮想マシンのブロック・ボリュームのいずれであっても、ファイルとして表されます。ファイルは、ミラー化され、複数のストレージ・サーバーに分散されるエクステントに分割されます。Exascaleでは、8MBのエクステント・サイズが使用されます。これは、Exadataのユーザーがよく知っているスマート・スキャンから優れたI/Oスループットを得るのに十分な大きさであり、使用可能な数の物理ディスクにファイルを分散(ストライプ)するのに十分な大きさです。これにより、すべてのデータベースでストレージ・サーバー・フリートのすべてのCPU、メモリー、I/O機能を活用することが可能になります。

Exascaleのファイルは、ASMのファイルが存在するASMディスク・グループによってファイルの冗長性が決定されるASMのファイルとは異なります。ファイル・タイプによってファイルの冗長性が決定され、同じExascaleストレージ・プール内の異なるファイルに異なる冗長性(異なる数のミラー)を設定することが可能です。Exascaleのファイルは、高冗長性(クラウドで推奨される唯一のオプション)、ないしは標準冗長性が設定可能です。ファイルに冗長性を移動し、ラージ・プールのストレージを使用してファイル・エクステントを格納するという意味は、使用可能なストレージ容量をすぐに増やすことが可能になりました。さまざまな冗長性設定を持つ異なるディスク・グループは不要になり、すべてのワークロードの総容量から解放され、新しいワークロードを迅速に取り込むアジリティが高まります。

ファイル・テンプレートは、ファイルがデータ(データファイルなど)またはリカバリ・オブジェクト(REDOログ、アーカイブ・ログ、バックアップ・ピースなど)の場合、冗長性(高または標準)およびコンテンツ・タイプなど、任意のファイルの多数の属性を定義するために使用されます。Exascaleは、Oracleデータベースが使用する様々なファイル・タイプ(および他の多くの非データベース関連ファイル)を理解します。この理解により、データ・エクステントとリカバリ・エクステントが同じディスク上に共存しないことが保証されます。また、Exascaleのディスク・パートナリング戦略により、ミラーがプライマリ・エクステントと同じストレージ・サーバーに共存しないことも保証されます。ASMでは、データファイルとリカバリ・ファイルを別々のパートナ・ディスクで別々のグリッド・ディスクに物理的に分離するために、この同じ要件が2つの別々のディスク・グループ(通常はDATAおよびRECO)を使用して実装されました。

Exascale Vaults

Exascale vaults for database storage on Exadata Exascale enabled storage

ボールトは、ストレージ・プールによって提供される物理リソースを使用し、それらをデータベース・クラスタで使用できるようにする論理ストレージ・コンテナです。ASMディスク・グループと同様、ボールトは、ストレージ・プールからデータベース・クラスタに割り当てられるストレージ容量およびI/Oリソースを定義します。

Exascaleボールトは、ASMディスク・グループのかわりにOracleデータベースによって直接使用される新しいExascale概念の中で最も目に見えるものです。ストレージにExascaleを使用するデータベースで作業する場合、spfileパラメータdb_create_file_destおよびrecovery_create_file_destは、Exascaleボールトを’@’記号で始まる宛先として表示します。たとえば、db_create_file_dest = ‘@vault_name’です。データベースは、データベースに関連付けられたデータおよびリカバリ・ファイルに同じボールトを使用します。コンテンツ・タイプはExascaleのファイル自体に関連付けられているため、管理者は、基礎となるストレージがすべてのボールトで共有されるため、このようなファイルを異なるボールトに分割する必要はありません。

ボールトは、ユーザー・アクセス制御を実装し、データベース・クラスタがデータベースのファイルおよびエクステントにのみアクセスできるように、公開キーと秘密キーのペアで保護されます。これにより、クラスタに属するファイルに同じインフラストラクチャ上の別のクラスタからアクセスできなくなります。

IOPS、フラッシュ・キャッシュ、XRMEMキャッシュなどの割当てといったストレージ・サーバー・リソースは、ExadataおよびOracle Databaseの既存のリソース管理機能に加えて、ボールトで管理できます。

Exascale Volumes

Exadata virtual machines using Exascale Volumes

Exascaleは、ExadataにユニークなRDMA対応ブロック・ボリュームを導入し、非データベース・ファイルおよびファイル・システムを共有ストレージに配置できるようにします。Exadata仮想マシンでは、データベース・サーバーのローカル・ストレージではなく、Exascaleボリュームを使用可能になりました。Exadata仮想マシン・イメージ・ファイルをExascaleボリュームに移動したことで、Exadata独自のRDMA対応データベース・ワークロードの物理データベース・サーバー間のシンプルで高速なオンライン移行が可能になりました。これにより、短期的に計画された物理サーバーのメンテナンス中に仮想マシンのダウンタイムとパフォーマンスのブラウンアウトが大幅に削減され、オンラインでの仮想マシンの移行が行われ、より長い期間で物理サーバーのメンテナンスを行うための仮想マシンのダウンタイムがなくなります(注2)。

ExascaleボリュームはRDMA対応であるため、従来のブロックI/Oと比較して非常に低いレイテンシと非常に高いスループットを実現します。また、Oracle Advanced Cluster File System (ACFS (以前のASM Cluster File System)またはXFSなどのLinuxベースのその他のファイルシステムのブロック・デバイスとして仮想マシンに接続することも可能です。

Exascaleボリュームは、ディスク上のファイルとして表されます。また、I/O、冗長性、スナップショットおよびクローン機能を利用して、ストレージ・サーバーのプール全体にも分散されます(次を参照)。これらの高パフォーマンスで領域効率の高いボリューム・コピーにより、仮想マシンおよびファイルシステムのバックアップとリストアが簡単になります。

データベースへのアクセス

Exascaleは、ストレージ・サーバーからデータベース・クラスタのファイル・エクステントを管理します。Exascaleは、クラスタ全体のマッピング・テーブルで管理されるすべてのエクステントを追跡し、各データベース・サーバーおよびインスタンスによってキャッシュされ、任意のデータベースでそのファイル・エクステントを検索できるようにします。Oracle Databaseは、ExadataのダイレクトI/Oアーキテクチャを利用して、データが配置されているストレージ・サーバーにI/Oを直接発行します。Exascaleを使用するデータベースがエクステントを読み取る場合、プライマリ・エクステントがどこにあるかを認識し、必要なI/O (XRMEMへのRDMAリード、ないしはスマート・スキャンでのオフロードされたSQL)を発行します。

Exadata Exascale Mapping Table

各ファイル・エクステントは、マッピング・テーブルのバケットにマップ(ハッシュ)され、エクステントのプライマリ・コピーとミラー・コピーの場所が提供されます。マッピング・テーブルは同時に、最大数千のストレージ・サーバーをサポートするのに十分な大きさで、データベース・サーバーにキャッシュできる小さいサイズです。データベースの拡大に伴い、データファイルの拡張、新しいデータファイルの追加、新しいプラガブル・データベースなど、またはより多くのデータまたはストレージ・サーバーが追加されると、マッピング・テーブル内の同じバケットにさらに多くのファイル・エクステントがマップされます。マッピング・テーブルは、ストレージ・サーバーで自動的かつ透過的に管理され、データベース・サーバーおよびインスタンスによってキャッシュされるため、管理が不要になります。

データにアクセスするために、データベースはマッピング・テーブルのキャッシュされたコピーを使用して、必要なエクステントの場所を決定し、必要なストレージ・サーバーにダイレクトにI/Oを発行します。スマート・スキャンの場合、オフロードされたSQLは、関連するストレージ・サーバーに送信されます(すべてのデータベースのエクステントがすべてのストレージ・サーバーに分散されるため、通常はすべてのストレージ・サーバーに対して実行されます)。

データベースのマッピングテーブルは、ストレージサーバーがクラスタに追加または削除されたり、ファイルがリバランスされたり、その他の必要な(ただしエソテリックな)理由により、時間の経過とともに古くなるキャッシュされたコピーです。ストレージサーバーを追加または削除しても、マッピング・テーブルのサイズは変更されません。ASMとは異なり、このような操作の実行時に分散ロックを必要とせず、ストレージ・サーバー上のマッピング・テーブルが常に使用可能になります。データベースが、予想されるエクステントが存在しなくなった場所にI/Oリクエストを発行すると、I/Oは拒否され、キャッシュされたマッピング・テーブルがリフレッシュされ、I/Oが再発行されます。

スナップショット と クローン

Exascaleでは、Exadataにネイティブのリダイレクト/オンライト・ファイル・スナップショットおよびクローン(シン・クローンを含む)機能が導入されています。Exascaleのエクステント管理に基づいて、ファイル・スナップショットおよびクローンはストレージ・サーバー内で作成および管理されるため、データベース・サーバーからクローン/スナップショット・ファイル管理の責任がなくなります。また、ストレージ・サーバーでは、これらのファイルのアウトオブプレース(書込みリダイレクト)作成および進行中のI/Oをローカルで管理できます。

Exascaleは、開発、テストおよび他の多くの日常的なユース・ケース用のデータベースおよびプラガブル・データベース・クローンを、完全なクローンまたは領域効率のよいシン・クローンのいずれか即時に作成することが可能です。クローンは、どちらの場合も、読取り/書込みデータベースまたは読取り専用データベースから作成できます。継続的な静的読取り専用ソースからのクローニングが必要になるなど、複雑な前提条件は不要です。すべてのデータベースをクローニングできます。また、クローンからクローンを作成することも可能です。Exascale上のすべてのデータベース(クローンを含む)は、データベースの目的に関係なく、Exadataが提供するすべてのパフォーマンス・メリットを享受できます。Exascaleの領域効率の高いクローニングとユニークなExadataパフォーマンス機能の組合せにより、すべてのワークロードおよびすべての組織のすべてのライフサイクル・ステージに対してExadata Exascaleが配置され、より多くのデータベースの統合から得られる価値が大幅に増加します。

プラガブル・データベース・クローンを作成するためのファイル・スナップショットおよびクローン機能は、フル・クローンの場合は既存のCREATE PLUGGABLE DATABASE <CLONE_NAME> FROM <SOURCE_PDB>; 、シン・クローンの場合はCREATE PLUGGABLE DATABASE <CLONE_NAME> FROM <SOURCE_PDB> SNAPSHOT COPY;’を使用して作成されます。これにより、コンテナ・データベースがExascaleおよびデータベース内で必要なすべてのアクティビティを調整するため、クローンおよびスナップショットの作成(および破棄)が簡略化されました。

プラガブル・データベース・スナップショットおよびPDBスナップショット・カルーセルは、読取り/書込みクローンを作成できる読取り専用ポイントインタイム・ファイル・スナップショットです。前述と同様の構文(CREATE PLUGGABLE DATABASE <CLONE_NAME> FROM <SOURCE_PDB> SNAPSHOT)を使用するか、PDBスナップショット・カルーセル(ALTER PLUGGABLE DATABASE <PDB_NAME> SNAPSHOT MODE EVERY t seconds/minutes/hours)を自動的に使用して、スナップショットを後で使用するために作成できます。

プラガブル・データベース・クローンは、同じコンテナ・データベース内、データベース・リンクを使用するコンテナ・データベース間、データベース・リンクを使用するスタンバイ・データベースから、スナップショットから作成できます。

Exadata Exascale Clones


コンテナ・データベースとそのプラガブル・データベースをクローニングする場合、gDBCLoneユーティリティ(My Oracle Supportから利用可能)は、Exascaleおよびサポートされているデータベース・インフラストラクチャ(パスワード・ファイル、パラメータ・ファイル、インスタンス、CRSへの登録などを含む)でのファイルのクローニングをサポートします。コンテナ・データベース・クローンは、任意のライブ・データベースまたはスタンバイ・データベースから作成することもできます。

Exadata Exascale Standby Database Clones


パフォーマンス

Exascaleはストレージをストレージ・プールに集約するため、データベースはサイズに関係なく、ストライプ化され、同じ数のストレージ・サーバーにわたってミラー化されるため、Exascaleストレージ・クラスタに存在するディスクになります。これにより、すべてのデータベースが、すべてのストレージ・サーバーのI/Oパフォーマンスにアクセスし、すべてのコア、メモリーおよびインテリジェント・ソフトウェア機能をタップできます。

Exascaleは、Exadataのスマート・システム・ソフトウェアとで設計されています。Exadataに固有の利用可能なすべてのパフォーマンス機能、最適化機能を利用可能です。Oracle Database 23aiでは、Exadata X8Mで導入されたハードウェアベースのRDMAを利用して、ストレージ・サーバーのExadata RDMA Memory (XRMEM)で17マイクロ秒(注1)の8K OLTP Read I/Oレイテンシを実現しています。Exadata Smart System Softwareは、ディスク上のデータをExadata Smart Flash CacheおよびXRMEMに自動的にキャッシュし、すべてのOracle Databaseワークロードにおいて、非常に低レイテンシなメモリー、非常に高いIOPSのフラッシュ、およびHDDの膨大な容量を提供します。

Exadataは、AIベクトル処理、オンライン・トランザクション処理(OLTP)、アナリティクス、インメモリー分析など、すべてのOracle Databaseワークロードを実行するための最適なプラットフォームであり続けています。Exadataは、スケールアウト型の高パフォーマンス・データベース・サーバー、最新のPCIeフラッシュを備えたスケールアウト型のインテリジェント・ストレージ・サーバー、RDMAアクセス可能なメモリーを使用した独自のストレージ・キャッシング、およびすべてのサーバーとストレージを接続するクラウドスケールのRDMA over Converged Ethernet (RoCE)内部ファブリックを備えた最新のクラウド対応アーキテクチャを備えています。Exadataで独自のアルゴリズムとプロトコルを採用したインテリジェントなソフトウェアは、ストレージ、コンピュート、ネットワーキングにデータベース・インテリジェンスを実装し、他のデータベース・プラットフォームよりも低コストで高いパフォーマンスと容量を提供します。

Oracle Cloud Infrastructure で利用可能

Exadata Exascaleは、新しい Exadata Database Service on Exascale Infrastructure (ExaDB-XS)を基盤としてOCIで使用できるようになりました。このマルチテナント(または共有)サービスにより、あらゆる規模のあらゆる顧客およびデータベースが、Exadataのパワーをコスト効果的かつ効率的に利用できるようになります。インテリジェントなExadataデータベースサーバー、およびストレージ・サーバーの大規模なプールで構成されるExadata Database Service on Exascale Infrastructureを使用すると、仮想マシン・クラスタを8 ECPU、VM当たり22GBのメモリー、および300GBのデータベース・ストレージとして、数十個以上の物理サーバーのRDMAおよびI/O容量、および数百から数千のCPUコアを解き放つプラットフォーム上に作成できます。

Exadata Database Service on Exascale Infrastructureを使用すると、お客様は、専用インフラストラクチャをサブスクライブしないような、重要度の低いデータベースで、より低いエントリ価格でExadata Database Serviceのメリットを享受できます。専用Exadataインフラストラクチャと共有コモディティ・インフラストラクチャ上の仮想マシン間のギャップを埋めます。サイズやワークロードに関係なく、あらゆる業界のあらゆる組織にExadataのメリットをもたらします。

Exadata Database Service on Exascale Infrastructureの利点

Exadata Database Service on Exascale Infrastructure Benefits

  • 強力なExadataのパフォーマンス、信頼性、可用性

Exascale Infrastructure は、ビジネスクリティカルなOracleデータベースにきわめて高いパフォーマンス、信頼性、可用性およびセキュリティを提供するExadataのすべての機能を継承します。Exadata独自のデータベース対応インテリジェンスにより、AI、アナリティクス、ミッションクリティカルなOLTPワークロードが加速されます。

  • 非常に低いコスト

Exascale Infrastructureでは、低コストの最小サイズから始めることが可能で、データベースのコンピュートおよびストレージ・リソースに対してのみ支払います。

  • オンデマンドでスケーラブルなプール・リソース

共有コンピュートおよびストレージの大規模なプールを備えたExadata Database Service on Exascale Infrastructure を実行すると、サーバーベースのサイズの制限や、中断を伴うマイグレーションを気にすることなく、データベースを時間の経過とともに迅速に拡張できます。

  • アジャイルな開発

Exascale Infrastructure は、迅速かつ効率的なデータベース・シン・クローニング機能、Exadataネイティブなパフォーマンス、開発者の敏捷性を高めるストレージ・コストの削減を備えています。

まとめ

Exascaleは並外れてエキサイティングです。クラウドとExadataの長所を組み合せて、Exadataのソフトウェア・アーキテクチャを再考し、クラウド用に設計された世界で唯一のインテリジェントなデータ・アーキテクチャを実現しています。Exascaleは、直接I/Oアーキテクチャ上に構築されており、Exadataと同じ究極の性能を提供し、これらの機能を任意のサイズのデータベース、ワークロード、重要度またはライフサイクル・ステージ、あらゆるOracle Databaseのお客様にも拡張しています。Exascaleは、新しいExadata Database Service on Exascale Infrastructure により、よりシンプルな操作、合理化された開発パイプライン、および開発者の生産性の向上を実現し、Exadataをすべてのお客様の手に渡します。

これは始まりに過ぎません。

Exadata Exascaleの開始

Exadata ExascaleおよびExadata Database Service on Exascale Infrastructureの詳細は、次のリソースを参照してください:

脚注

{注1}X10Mで17マイクロ秒。X8M/X9Mで19マイクロ秒
{注2}将来のリリースで利用可能