2026年4月のOracle Cloud Infrastructureのサービス・アップデートです。

マルチクラウド領域では、国内リージョン展開の“面”がさらに広がり、主要ハイパースケーラーを跨いだデータ基盤の選択肢が一段と現実的になっています。Oracle AI Database@Azure / Google Cloud / AWSはいずれも東京・大阪リージョンでの提供が進み、Autonomous AI Database(Serverless)やExadata Database Service(Dedicated / Exascale)といった主要サービスを、国内の複数クラウド上で利用できる構成が整ってきました。これにより、アプリケーション配置や既存クラウド投資を前提としながら、データベースのみを最適な基盤へ配置する設計が取りやすくなり、レイテンシ最適化やBCP、クラウド間分散といった要件に対して柔軟に対応できます。

インフラ領域では、運用性と将来の標準化を見据えた改善が継続しています。OCIコンソールは新デザインへの移行が進み、複数サービスでUIの一貫性と操作性が強化されました。また、サービス制限引き上げリクエストのフロー改善により、必要なリソース拡張をよりスムーズに行えるようになっています。加えてFile Storageでは、ユーザー定義のメンテナンススケジュール設定やカスタム証明書対応など、エンタープライズ環境で求められる運用統制機能が拡充されました。

仮想化・移行領域では、Oracle Cloud VMware Solution(OCVS)が大きな転換点を迎えています。従来のライセンス込みモデルから、VMware Cloud Foundationライセンスを持ち込むBYOLモデルへと正式に移行し、既存のVMware投資を活かしたクラウド移行の柔軟性が高まりました。特に既存環境からの移行においてはワークロードの再配置を伴わずにモデル変更が可能であり、コスト最適化と移行リスク低減の両立がしやすくなっています。

DB/AI領域では、“AIネイティブなデータベース活用”に向けた機能強化が目立ちます。Autonomous AI Databaseでは、Select AIがプロパティグラフに対応し、自然言語からグラフクエリ(PGQ)を生成できるようになりました。また、ADMIN権限の複製機能やSSO対応により、セキュリティと運用性の両立が進んでいます。さらに、外部HTTPリクエスト時にデータベース識別情報をヘッダーとして付与できる機能や、SGA/PGA利用率の可視化など、外部連携と運用監視の観点でも改善が加えられています。

加えてExadata関連では、ExaDB-DとExaDB-XS間でのData Guard(19c)対応が追加され、異なるインフラ形態間での高可用性構成がより柔軟に構築可能となりました。これにより、コスト最適化やワークロード特性に応じてインフラを組み合わせつつも、従来同様のDR設計を維持できる点は実運用上の大きなメリットです。

事例・関連ニュースとしては、大日本印刷様による生成AI活用基盤の構築では、Autonomous AI Databaseを用いて文書データと業務データを統合し、現場判断の高度化を実現しています。また大東建託様の事例では、Exadata Cloud@Customerへの統合により約40のデータベースを集約し、運用コスト削減と性能向上(ETL処理の高速化など)を同時に達成しています。さらに、Oracle AI Databaseにおいてエージェント型AIの発表もあり、今後は「データベースそのものがAI活用基盤となる」方向性がより明確になってきました。

過去のサービス・アップデートは、こちらをご覧ください。
各サービスの詳細なアップデート情報は、ドキュメントをご覧ください。


Oracle Cloud Infrastructure:2026年4月度サービス・アップデート


Oracle Cloud Infrastructure:参考情報