※ 本記事は、Mark Hornickによる”Announcing Oracle Select AI Pre-Built AI Agents“を翻訳したものです。

2026年4月30日


インテリジェントなビジネス自動化へのニーズは、どんどん高まっています。企業は、データ管理やワークフローの効率化、変化への対応を、より速く・確実に行える方法を求めているからです。ただし、AIエージェントをゼロから自社開発しようとすると、導入までに時間がかかり、そのメリットを活かせるまでに遅れが出てしまうこともあります。

そこで登場するのが、Select AIの事前構築済みAIエージェントです。Oracle Select AI Agentをベースにした豊富なエージェント群によって、ゼロから一気に立ち上げられるような体験を提供します。これにより、組織はエージェント機能を簡単に導入し、使いながらカスタマイズすることができます。しかも、すべてはOracle Autonomous AI Databaseを含むOracle AI Database上で、安全に実行されます。

Oracle Select AIの事前構築済みエージェントは、AIエージェントに関する課題の解決を支援

データ運用のための効果的なAIエージェントの開発は、多くの組織にとって困難になりがちです。その理由として、以下が挙げられます:

  • 複雑性: クラウドAPIの統合、セキュリティの実装、エラー処理、有用な応答の提供には、通常、深い専門知識が必要です。
  • 市場投入までの遅延: ワークフローの構築、テスト、セキュリティ確保には数か月かかることがあり、ビジネス変革の機会を失いかねません。
  • アクセス性: 必要なスキルを持つのは専門的な開発者に限られることが多く、自動化のメリットの普及が進まない可能性があります。

かわりに、堅牢で実証済みのワークフローを備えた事前構築済みのサンプルAIエージェントから始めることで、組織はAI導入を加速し、リスクを低減することができます。これにより、貴重な技術リソースをより戦略的な取り組みやエージェントのカスタマイズに振り向けることが可能になります。

Oracle Select AIの事前構築済みエージェントは、AI駆動のワークフロー・ヘルパーのコレクションであり、GitHub上で無料で利用可能で、Oracle Select AI Agentフレームワークを用いて構築されています。これらのエージェントは、クラウド・リソースのプロビジョニングから、データに対する高度な自然言語インタラクションに至るまで、一般的なクラウド、データ、オートメーション・タスクを効率化する実用的なコードを提供します。必要なのは、利用したいAIプロバイダーとLLMを指定することだけです。

各エージェントはすぐに使える機能を備えていると同時に、完全に拡張が可能であり、独自のユース・ケースに合わせて動作やツールを迅速にカスタマイズできます。ドメイン非依存の汎用フレームワークを中核としているため、提供されたままデプロイすることも、自社のビジネス要件や技術要件に合わせて進化させることも可能です。さらに、自身のエージェント内でツールを再利用したり、Autonomous AI Database MCP Serverを通じて活用したりすることもできます。

含まれるエージェントの概要

これらの事前構築済みAIエージェントにより、日々の業務における効率性、知能性、使いやすさを新たなレベルへと引き上げることができます。高度なAIとOracle Cloud Infrastructure(OCI)の機能を活用することで、各エージェントはシームレスな自動化と、より賢いデータ駆動型の意思決定を実現します。これらはすべて、使いやすい対話型インタフェースを備えています:

  • NL2SQL Data Retrieval Agent: 質問を自動的に解釈し、曖昧さに対処し、自然言語によるデータベース・クエリからデータを取得し、チャートやビジュアルを生成することが可能です。
  • Autonomous AI Database Provisioning and Lifecycle Agent: 自然な対話形式のやり取りを通じて、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上のAutonomous AI Databaseの管理を可能にします。
  • Database Inspect Agent: テーブル、ビュー、トリガー、関数、プロシージャ、パッケージ、スキーマといったOracleデータベース・オブジェクトを、JiraやGitHubと連携しながら、自然言語による簡単な対話で解析・理解・管理できるアシスタントです。
  • Insight Agent for Jira: データベースをAtlassian Jiraと接続し、自然言語を使って課題検索、ユーザー/担当者の確認、コメント、変更履歴、作業ログ、プロジェクト、ボードの取得を可能にします。
  • Cloud Repository Connector Agent: GitHub、AWS CodeCommit、Azure Reposへの接続を単一かつ一貫した方法で提供し、リポジトリの内容やメタデータへ自然言語でアクセスできるようにします。
  • OCI Network Load Balancer Agent: OCI Network Load Balancerのリスナー、バックエンド・セット、ヘルス・チェックなどを含め、自然言語コマンドで管理・設定・監視を行うことができます。
  • OCI Object Storage Agent: OCI Object Storageにおけるバケット、オブジェクト、ライフサイクル・ポリシー、保持ルール、データ・レプリケーションを自然言語コマンドで管理できます。
  • OCI Vault Agent: OCIにおけるシークレットの安全な対話型管理を可能にし、機密情報の作成、確認、ローテーション、スケジュール削除などの操作をサポートします。

それでは、各エージェントについてさらに詳しく見ていきましょう。

エージェントがインテリジェントな自動化をどのように実現するか

事前構築済みエージェントを活用することで、日常的な自動化やクラウド運用は、専門的な技術スキルを必要とせず、誰にでも利用可能になります。必要なことをそのまま尋ねるだけで、エージェントが効率的かつ対話的に支援してくれます。

NL2SQL Data Retrieval Agent

自然言語によるクエリの力を、データベースでそのまま活用できます。このエージェントによって、データ分析は誰にとっても使いやすくなり、技術的なクエリ・スキルへの依存を減らせます。社内外のデータソースをもとに、すぐに分かりやすいインサイトや可視化を得られるため、より速く、より的確な意思決定に役立ちます。値の範囲を自動で見つけたり、不足しているコンテキストを補ったり、必要に応じてクエリを自然に再実行したりすることで、信頼できて意味のある回答を返してくれます。結果として、データをより多くの人が扱いやすくなります。

たとえば、「今四半期の顧客あたりの平均収益を表示して」といったように、平易な言葉で質問するだけで、エージェントがそれをデータベース・クエリに変換し、結果を返してくれます。さらに、「結果を棒グラフにして」といった自然な指示で、棒グラフのような可視化も作成できます。必要なコンテキストが足りない場合はそれを補い、より正確な結果が得られるようにクエリを調整し、設定されていれば関連するWeb検索も活用できます。

Autonomous AI Database Provisioning and Lifecycle Agent

OCIでのAutonomous AI Databaseの管理を、これまでよりずっと扱いやすくします。このエージェントは、手作業や複雑さを減らすことで、Autonomous AI Databaseインスタンスの管理をシンプルかつスピーディにしてくれます。専門的な知識がなくても、より素早いプロビジョニング、わかりやすい管理、ガイド付きの操作ができるようになり、OCI内のクラウド・データベースや関連リソースを効率よく扱えます。

使い方はとても簡単で、自然な言葉で質問したり指示したりするだけです。たとえば、「自分が利用できるOCIリージョンをすべて表示して」「テナンシ内のすべてのコンパートメントを表示して」「新しいAutonomous AI Transaction Processingデータベースの作成を手伝って」といったことができます。また、データベースの起動、CPU数の調整、バックアップ保持期間の更新など、個別の操作まで細かく進めることもできます。「メンテナンス実行ID <maintenance_id>のメンテナンス履歴を表示して」や「Financeコンパートメント内のキー・ストアをすべて表示して」といった形で、メンテナンス、キー管理、バックアップの作業もスムーズに行えます。エージェントが手順を案内しながら、必要なリソースを動的に見つけ出し、テナンシ全体の操作を自動化してくれます。

Database Inspect Agent

自然言語を使って、チームがデータベース・オブジェクトを手軽に探索し、やり取りできるようにします。このエージェントは、オンボーディング、デバッグ、複雑なデータベース環境の理解をスピードアップし、複雑なコードや依存関係を分かりやすく整理しながら、データベース全体の保守を効率化します。AIによる説明や、分かりやすい依存関係分析を提供することで、高度な専門知識への依存を減らし、変更の計画や検証をしやすくします。さらに、自動ドキュメント生成やテスト生成によって、コードの信頼性と品質を高め、エラーのリスクを抑え、迅速で安全なリファクタリングを支援します。その結果、チームはより自信を持って、より効率的に作業できるようになります。加えて、このエージェントはJiraと連携して課題管理を行い、GitHubと連携してソースコードを管理できるため、課題の分析からコード修正、デプロイまでをスムーズにつなげられます。

このエージェントとは、平易な言葉のプロンプトで対話します。たとえば、スキーマを調べるために「利用可能なデータベース・オブジェクトをすべて表示して」と依頼したり、列定義や依存オブジェクトを取得したり、ストアド・プロシージャとそのロジックの詳細な説明を求めたりできます。エージェントは、データベース変更の影響を分析することもできます(例:「この列名を変更したら、どこでコードを修正する必要がありますか?」)。また、開発者向けのドキュメントを生成したり、関数やプロシージャのテスト・スクリプトを作成または提案したりすることもできます。複雑な分析、デバッグ、文書化、保守の作業を会話形式で扱いやすくすることで、このエージェントは、あらゆるスキル・レベルのユーザーがデータベース・ロジックを効果的に管理し、進化させることを可能にします。

Insight Agent for Jira

Insight Agent for Jiraは、データベースをAtlassian Jira Cloudに接続し、一般的なJiraワークフローを、対話型で監査可能なSelect AIツールを通じて利用できるようにします。このエージェントは、DBMS_CLOUDの機能をツールとして公開し安全にJira Cloud APIを呼び出せるようにすることで、ガイド付きの自然言語インタラクションを実現します。他のエージェントと同様に、追加のAPI機能を加えてエージェントをカスタマイズすることもできます。

このエージェントを使うことで、チームは課題の検索と詳細取得、課題に関するインサイトの生成、担当者の検索、アクティビティ履歴の確認 (コメント、変更履歴、作業ログ)といったJiraタスクを効率化できます。また、プロジェクトの検索、ユーザーの検索、ボードの探索といった、より広範な探索ワークフローにも対応しており、Jira APIの細部を覚えたり、複雑なJQLを手で作成したりする必要がありません。

このエージェントとは、「支払いタイムアウトに関するJira課題を検索して」や「FIN-123の課題の詳細を取得して」といったプロンプトで対話します。また、更新も可能で、たとえば「FINプロジェクトのJiraコメント <comment_id>を、次の内容で更新して: この課題をリリース向けに優先してください。」と指示できます。

Cloud Repository Connector Agent

Cloud Repository Connector Agentは、ソース管理の作業をデータベースに直接取り込みます。会話形式でリポジトリ操作を実行できるため、コンテキストの切り替えを減らしながら、アクションを構造化されたツール駆動の形で扱え、データベース中心の作業をより運用しやすくなります。

このエージェントは、GitHub、AWS CodeCommit、Azure Reposを単一の共通ツールセットとランタイム構成モデルでサポートしており、複数のリポジトリ・プラットフォームをまたいで作業するチームに特に有用です。対話型インタフェースから、対象プロバイダー向けのリポジトリ・ハンドルを初期化したり、リポジトリの作成・更新・一覧表示・削除を行ったり、ブランチの作成、コミット一覧の取得、変更のマージ、ブランチの削除といった一般的なブランチ操作を実行したりできます。

さらに、このエージェントはファイル操作や配信関連のタスクもエンドツーエンドで効率化します。リポジトリ・ファイルのアップロード、ダウンロード、一覧表示、削除、データベース・オブジェクト (DDL/メタデータ)のバージョン管理されたファイルへのエクスポート、そして繰り返し可能なリリース・ワークフローの一部としてリポジトリからSQLをインストールすることもできます。たとえば、次のように指示できます。「GitHubのrepo ‘my-repo’ owner ‘my-org’ のリポジトリ・ハンドルを初期化して」、「mainからfeature/checkout-v2 ブランチを作成して」、「この内容とcommit message add docs で docs/readme.md をアップロードして」、「package HR.EMP_PKG を ddl/hr/emp_pkg.sql にエクスポートして」、「branch main 上の repository file install/release_2026_02.sql からSQLをインストールして」。他の外部リポジトリ連携と同様に、認証情報、アクセス範囲、利用パターンが組織のセキュリティおよびコンプライアンスのガイドラインに適合していることを確認してください。

OCI Network Load Balancer Agent

AI主導のアプローチで、ネットワーク管理をさらにスマートに行います。このエージェントを使えば、これまで専門知識が必要だったクラウド・ネットワークの管理も、会話を通じて手軽に行えるようになります。運用の見える化や効率化が進むだけでなく、重要な操作には確認ステップが入るので安心です。リソースの作成や設定変更もスピーディに行え、監視やコントロールもシンプルになるため、ミッションクリティカルなシステムも安心して支えられます。ビジネスの変化に合わせて、ネットワーク設定も柔軟に調整できます。

操作はとてもシンプルで、やりたいことをそのまま伝えるだけです。たとえば、「利用可能なコンパートメントを教えて」「新しいロード・バランサーを作成して」「リスナーやバックエンド・ポリシーを設定して」「ヘルス・チェックを実行して」「リソースの詳細を表示して」といった依頼が可能です。具体的には、「ポート443のTCPリスナーを持つ公開ネットワーク・ロード・バランサーを作成して」「特定のコンパートメント内のロード・バランサー一覧を表示して」「バックエンド・ポリシーを更新して」といった指示もそのまま通じます。更新や削除の際には確認が入るので、安全に操作できます。このエージェントによって、クラウド規模のネットワーク管理がぐっと身近になり、技術者はもちろん、専門知識が少ない方でも直感的にインフラを扱えるようになります。

OCI Object Storage Agent

対話形式の自動化で、オブジェクトストレージの作業をもっとスムーズに行えます。このエージェントを使えば、バケットやオブジェクト、ライフサイクル・ポリシー、保持ルール、レプリケーションなどを手軽に管理でき、非構造化データをしっかりコントロールできます。すばやく的確に操作できるので作業効率が上がり、確認メッセージによってミスも防ぎやすくなります。また、OCIの他のサービスともスムーズに連携できます。対話型の操作によって、管理のしやすさが向上し、手作業の負担や非構造化データを扱う際のリスクも軽減されます。

操作はとてもシンプルで、エージェントに話しかけるだけです。たとえば、バケットの一覧表示や作成・変更・削除も、依頼するだけで実行でき、オブジェクトのアップロードや名前変更、コピー、移動もわかりやすい指示で行えます。さらに、データ管理の自動化に向けたライフサイクル・ポリシーの設定や保持ルールの適用、マルチパート・アップロードの管理、リージョン間レプリケーションの設定なども簡単です。バケットやオブジェクトの詳細確認、アーカイブ・ファイルの復元、事前認証アクセスの管理などもスムーズに行えます。重要な操作は確認しながら進められるので安心です。こうした対話型の仕組みによって、オブジェクト・ストレージ全体の運用が、より直感的でわかりやすくなります。

OCI Vault Agent

シークレット管理をもっと手軽にしながら、セキュリティも強化できます。このエージェントを使うと、シークレット管理がより使いやすく、コンプライアンスにも配慮しやすくなります。日々の作業をスムーズに進められるほか、最小権限アクセスや明確な確認操作によってセキュリティのベスト・プラクティスを自然に守れます。また、操作内容は人が読んで分かりやすい形で返してくれるため、透明性の高い運用や監査にも役立ちます。手作業や運用リスクを減らしながら、時間の節約とセキュリティ強化を両立できます。

使い方はとても簡単で、やりたいことを自然言葉で伝えるだけです。たとえば、「Vault操作に使えるコンパートメントをすべて表示して」といった形でコンパートメントを確認したり、「Securityという名前のコンパートメントのOCIDを取得して」といった指示でOCIDのような機密情報を取り出したり、リージョン内に保存されているシークレットを一覧表示したりできます。新しいシークレットの作成、値の更新、バージョンのローテーション、削除の予約も、依頼するだけで進められ、重要な変更はエージェントが案内しながら確認してくれます。さらに、シークレットの各バージョンの確認、削除済みシークレットの復元、複数環境にまたがるシークレット管理にも対応しており、すべて会話形式で直感的に操作できます。こうした対話型のインタフェースによって、技術的なハードルが下がり、シークレット管理の自動化、制御、セキュリティを一通りまとめて進めやすくなります。

セキュリティ、コンプライアンス、ベスト・プラクティス

これらのエージェントは、他のOracleソリューションと同様に、エンタープライズレベルのセキュリティを前提として設計されています。確認プロセスや最小権限の原則、明確なアクセス制御がワークフローに組み込まれており、リスクを抑えながらデータ資産を保護できるようになっています。カスタマイズを行う際は、自社のポリシーやOracleのセキュリティ・ガイドラインに沿っているかを必ず確認しましょう。

はじめてみる

Select AIの事前構築済みエージェントは、AIによるエンタープライズ自動化の次のステップを示すものです。高度なワークフローを、より使いやすく、柔軟に、そして安全に活用できるようにします。クラウド活用を加速したい場合や、データアクセスを効率化したい場合、あるいは対話型のスマートな運用を実現したい場合に、これらのエージェントは実用的な基盤となります。

実際に試してみたい場合は、GitHubリポジトリにアクセスすると、コードやドキュメント、セットアップ・ガイドが一式そろっています。クローンしてデプロイし、必要に応じてカスタマイズできます:

  • サンプルワークフローから始めて、すぐに価値を体感する
  • 自分のユースケースに合わせてツールやデータソース、応答内容をカスタマイズする
  • セキュリティやコンプライアンスのベストプラクティスに従う

参考情報

詳しくは以下をご覧ください: