こんにちは。日本オラクルのクラウド・ソリューション・エンジニアの小西です。
本日7/21はなんと、書籍「Oracle Cloud Infrastructure 徹底入門」の発売開始日です!
日本語のOCI書籍としては2冊目になります。日本オラクルのメンバーで執筆しており、私も一部担当させていただきました。前半は製品担当エンジニアによる機能解説、後半は日々お客様システムの導入支援を行っているコンサルティング部門のメンバーによる、OCI上でシステム設計を行う際の検討ポイントやノウハウが詰まっています!実際手に取っていただくとわかりますが、、かなりのボリュームです。

入門と名前がついていますが、かなり実践的な内容が充実していますので、今後OCIを使ったシステム設計などを検討されている方にはぜひとも手に取っていただきたい一冊です。
さて、今回は冒頭が告知になってしまいましたが、「Oracle Cloud Infrastructure 新機能ハイライト」では隔週でOracle Cloud Infrastructure(OCI)の主な新機能をご紹介していきます。
それでは、前回に引き続き、ここ2週間の新機能を見ていきましょう!
[Database] パフォーマンス・ハブ・レポート
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パフォーマンス・ハブに、外部データベースのパフォーマンスデータを含むアクティブレポートを作成、表示、ダウンロードする機能と、外部データベースのアクティブセッション履歴(ASH)レポートを作成、表示、ダウンロードする機能が含まれるようになりました。
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詳細
[Data Science] ノートブック・セッション内の Jupyter Lab がバージョン2.2.6にアップグレード
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新しいノートブックを作成するときは、最新バージョンのJupyter Labが使用されます。新しいノートブックに古いバージョンのJupyter Labを選択することはできません。既存のノートブックには、作成に使用したバージョンのJupyter Labが保持されます。ただしノートブックを非アクティブ化および再アクティブ化する際には、最新バージョンのJupyter Labが使用されます。ノートブック・セッションでの古いバージョンのJupyter Labのサポートは、アップグレード後6か月で終了します。
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詳細
[OKE] Kubernetes バージョン 1.19.12 のサポート
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Container Engine for Kubernetesは、バージョン1.18.10と1.17.13に加えて、Kubernetesバージョン1.19.12をサポートするようになりました。Kubernetesバージョン1.19.12のサポートが利用可能になると同時に、Container Engine for KubernetesはKubernetesバージョン1.19.7のサポートを2021年8月13日に終了します。 クラスターをすぐにKubernetesバージョン1.19.12にアップグレードすることを強くお勧めします。
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注意
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Kubernetesバージョン1.19.12は、以前のバージョンのKubernetes 1.19で発見されたセキュリティの脆弱性( CVE-2021-25735 と Kubernetes issue 87615)に対応しています。詳細は、 Kubernetes 1.19 changelog を参照してください。
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Kubernetesバージョン1.19.7は、2021年8月13日以降はサポートされなくなりますが、引き続き選択できます。ただし、クラスタをKubernetesバージョン1.19.12にアップグレードすることを強くお勧めします。
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Kubernetesバージョン1.18以前からクラスタをアップグレードする場合、Kubernetesバージョン1.19はgolangバージョン1.15でビルドされていることに注意してください。GolangはCommonNameのみを含むx509証明書をサポートしなくなりました。
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クラスターを新しいKubernetesマイナーバージョンにアップグレードするには:
[MySQL Database] MySQL Database Service タグベースのアクセス制御
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MySQL データベース・サービスのリソースにポリシーを記述する際にタグを使ってアクセスを絞り込むことが可能になりました。
[Networking] VCN, VPNウィザードでリソースの使用可能チェック
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VCNまたはVPNウィザードを使う際に、関連するリソースの制限に近づいたとき、または制限に達したときに事前に通知され、作成実行前にサービス制限が問題ないか確認できます。ダイアログには、サービス制限の引き上げをリクエストするためのボタンがあります。
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サービス制限の詳細については、 Service Limits documentationを参照してください。

[OKE] ノードプールの作業リクエスト表示
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クラスター内のノードプール操作の作業リクエストを一覧表示し、作業リクエストの詳細を取得できるようになりました。
[Anomaly Detection] 異常検出サービスの提供開始
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異常検出サービスは、シグナル間の相互関係を利用して、多変量データセット内の異常を特定するのに役立ちます。このサービスは、シグナル間の関数相互関係として各シグナルの機械学習モデルを構築し、特定された異常の精度を最大化します。これを使用して、データの異常を検出するためのモデルを構築およびトレーニングします。
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異常検出サービスのコア機械学習アルゴリズムには、オラクルが特許を取得した多変量時系列異常検出アルゴリズムが含まれています。
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サービスの使用方法:Anomaly Detection service documentation
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参考情報: AI Blog

[Big Data] ビッグデータ・サービスが、Apache Hadoop(ODH)を含むOracle Distributionで利用可能
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Apache Hadoop(ODH)を含むOracle Distributionを使用してビッグデータ・クラスタを作成できます。 ODH package には、ビッグデータを操作および保護するための次のアプリケーションが含まれています。
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Apache Ambari
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Apache Hadoop
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Apache HBase
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Apache Hive
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Apache Spark
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[Data Science] Parallel Graph AnalytiX (PyPGX) conda環境の導入
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PyPGX V21.3.1を使用して、グラフ機械学習、最適化された分析アルゴリズム、グラフクエリ言語を使用して隠された洞察を抽出します。PyPGXは、分析アルゴリズムの実行、参照、結果の保存を可能にする、高速で並列のメモリ内グラフ分析フレームワークです。独自のカスタム・グラフアルゴリズムを実装できることに加えて、PyPGXには多数の組み込みグラフアルゴリズムが含まれています。アルゴリズムのクラスには次のものがあります。
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Community Detection
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Path Finding
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Ranking
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Recommendation
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Pattern Matching
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Influencer Identification
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参考情報: Data Science Blog
[Data Science] PySpark 2.4、3.0 conda環境がリソース・プリンシパルをサポート
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データ・サイエンス・サービスは、データ・フロー・サービスとのシームレスに統合されています。データ・サイエンス・サービスを使用して、PySparkでSparkアプリケーションを開発できます。データ・フローとPySparkは、インスタンス・プリンシパル(基本的にAPIキー)を必要とするHDFSコネクターを介してOracle オブジェクト・ストレージのデータにアクセスできます。このアップデートされたPySpark conda環境を使用すると、リソース・プリンシパルを使用してPySparkアプリケーションをオブジェクト・ストレージに接続できるようになります。
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リソース・プリンシパルとは?
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どちらも認証に使用されるという点ではインスタンス・プリンシパルと似ていますが、リソースはサーバーレスでありインスタンスではありません。リソースの例としては、オブジェクト・ストレージ・バケットがあります。インスタンス・プリンシパルとリソース・プリンシパルの役割は同じですが、実装は少し異なります。インスタンス・プリンシパルには開発者が提供する資格情報が必要です。リソース・プリンシパルは、開発者の資格情報に縛られることなく認証を提供する一連のルールです。
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[Cloud Shell] CloudShellに含まれるデフォルトのTerraformバージョンが1.0.2に
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Cloud Shell(0.13.5)にインストールされた以前のTerraformバージョンからの変更は、Terraform のrelease notesに記載されています。以前のバージョンのTerraformを引き続き使用する必要がある場合は、バイナリを手動でダウンロードできます( download the binary)。たとえば、v0.13.5を使用するにはhttps://releases.hashicorp.com/terraform/0.13.5/terraform_0.13.5_linux_amd64.zipをダウンロードします。
[Functions] ドキュメントの新しいホームページ
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Oracle Functionsの ドキュメントのホームページ が再設計され、探している情報を簡単に見つけることができるようになりました。(日本語は現時点では未対応です)
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旧ページ (Overview of Functions) も引き続き利用可能です。
[Functions] ファンクションのクイックスタートガイドの更新
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更新されたクイックスタートガイドが利用可能になり、ファンクション図をすばやくセットアップして実行できるようになりました。
[OKE] ワーカーノードの問題のトラブルシュートにNode Doctorスクリプトが利用可能
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Node Doctorスクリプトを使用して、ワーカー・ノードの問題をトラブルシューティングできるようになりました。
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Node Doctorスクリプト:
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潜在的な問題領域を特定するトラブルシューティング出力を、それらの領域に対処するためのドキュメントへのリンクとともに表示します。
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システム情報をまとめて収集し、My Oracle Support(MOS)サポートチケットにアップロードできます。
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SSHまたはコマンドの実行機能を使用してNode Doctorスクリプトを実行できます。
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ワーカーノードのトラブルシューティングガイドは、コンソールからNode Doctorスクリプトを実行する便利な方法です。ワーカーノードトラブルシューティングガイドは、SSHまたはコマンドの実行機能を使用してノードドクタースクリプトを実行するために動的に生成されたコマンドを提供します。ワーカーノードトラブルシューティングガイドにアクセスするには、ノードプールの詳細ページのノードのトラブルシューティングボタンをクリックし、SSH接続またはコマンドの実行を選択して、指示に従います。
[OKE] Kubernetes バージョン 1.20.8 のサポート
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Container Engine for Kubernetesは、バージョン1.19.12および1.18.10に加えて、Kubernetesバージョン1.20.8をサポートするようになりました。Kubernetes環境をバージョン1.20.8にアップグレードすることをお勧めします。
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Kubernetes1.20.8の詳細: Kubernetes Changelog
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Kubernetesバージョン1.20.8のサポートが利用可能になると同時に、OKEは 2021年8月19日にKubernetesバージョン1.17.13のサポートを終了します。
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注意点やアップグレード方法はリリースノートを参照してください。
[Database] Exadata Cloud@Customer: Exadata Cloud@CustomerのVMクラスターでOracle Grid Infrastructureのアップグレード
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Oracle Cloud Infrastructure ConsoleまたはAPIを使用して、Exadata Cloud @ Customer VMクラスタでOracle Grid Infrastructure(GI)をアップグレードできます。
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詳細:Upgrading Oracle Grid Infrastructure on an Exadata Cloud@Customer VM Cluster
[Database] Exadata Cloud@Customer: ネットワーク検証レポートのダウンロード
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ネットワーク構成の問題のトラブルシューティングの際に、Oracle Cloud Opsが積極的に関与することなく、ネットワーク検証の失敗レポートを検証および検査できます。
[Database] Exadata Cloud@Customer: ゲストVMのOSアップデート
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OCIコンソールおよびAPIから自動化された方法で、Exadata Cloud @ CustomerのVMクラスター・ノード上のオペレーティング・システム・イメージを更新できます
[Database] Exadata Cloud@Customer: Oracle Databaseのアップグレード
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コンソールとAPIを使用して、Oracle Database 19c(長期リリース)をアップグレードできます。
以上が本日の新機能ハイライトです。
今回はExadata Cloud@Customerのアップデートが多かったですね。
今後も引き続き新機能情報をお伝えしていきたいと思います!
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