この記事はAnuja Malik,Karthik GopalakrishnanによるOracle Database@AWS Achieves Gold MAA Certification for Maximum Availability Architectureを日本語に翻訳したものです。
2025年9月4日
Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure on Oracle Database@AWSが、Maximum Availability Architecture(MAA)のGoldに認定されたことをお知らせいたします。この認定により、Exadata Database Service on Oracle Database@AWSが、複数のAmazon Web Services Availability Zones(AWS AZ)およびAWSリージョンにまたがるフェイル・オーバーをサポートし、Oracleの最高水準の高可用性および災害復旧(HA/DR)基準を満たしていることが確認されました。Gold MAA認定を取得したExadata Database Service on Oracle Database@AWSは、クラウドの柔軟性と実証済みの耐障害性を融合し、サーバー障害やリージョン全体の障害からミッション・クリティカルなワークロードを保護します。
Oracle Maximum Availability Architecture (MAA): 稼働時間のゴールド・スタンダード
Oracle MAAは長年にわたり、極めて高いレベルのデータベース可用性とデータ保護を実現するためのベストプラクティスの実証済みのブループリントを提供してきました。 複数の階層(Bronze, Silver, Gold, Platinum)の耐障害性を定義し、階層があがるにつれて保護レベルが強化されます。 Gold MAAは、1分未満のフェイル・オーバーとほぼゼロのデータ損失が求められるミッション・クリティカルなアプリケーション向けに設計されています。 これは、ローカルな高可用性を実現するOracle Real Application Clusters(RAC)、リアルタイムの災害復旧を可能にするOracle Active Data Guard、冗長性、アップデート、自動化に関する運用上のベストプラクティスを組み合わせたものです。 Oracle Database@AWS上のExadata Database Serviceは、このリファレンス・アーキテクチャを使用して、AZ間およびリージョン間のデプロイメントをサポートし、企業がクラウドの俊敏性を犠牲にすることなく、厳格なサービスレベル契約(SLA)とコンプライアンス目標を達成できるよう支援します。

Oracle Database@AWSにおけるGold MAAには何が含まれますか?
- Oracle RACによるアクティブ-アクティブクラスタ: Exadata Database Service on Oracle Database@AWSは、クラスタ内での高可用性のためにOracle RACを使用しています。アクティブ-アクティブ構成のデータベース・ノードによってシームレスなフェイルオーバーが可能となり、ローリングメンテナンスを有効にすることで、計画停止時間を最小限に抑えます。
- AZまたはリージョン間のActive Data Guardスタンバイ: Gold構成では、プライマリ・データベースが別のAZやリージョンにあるスタンバイ・データベースへ常時REDOを送信し続けることができ、ほぼリアルタイムなレプリケーションとデータ損失ゼロを実現します。
- 包括的なバックアップおよびリカバリの統合: MAA Goldレベルでは、リカバリ要件に応じて、Object StorageまたはZero Data Loss Autonomous Recovery Serviceを利用したOracleのベストプラクティスによるバックアップとリストアを組み込んでいます。Object Storageの場合、例えば日次の増分バックアップとアーカイブREDOにより、ポイントインタイムリカバリが可能で、標準的なRPO要件に適しています。ミッション・クリティカルなワークロードには、OCI上のRecovery ServiceがリアルタイムにREDOを取り込み続けて連続的な保護を実現し、データ損失ゼロの即時リカバリを提供します。また、Recovery Serviceは隔離されたリカバリ・ゾーンでバックアップを自動で検証し、保護します。これらはリアルタイムの冗長性を提供するData Guardと組み合わせることで、複数レベルのデータ保護を実現します。
- 冗長化されたネットワークとストレージ:: Exadata Database Service on Oracle Database@AWSは、冗長化されたネットワーク接続とミラーリングを備えており、インフラストラクチャにおける単一障害点を防ぎます。Gold MAAでは、ネットワーク経路の多重化やディスク・ミラーリング、各コンポーネントのフェイルオーバー機能まで、”n+1″モデルで設計されています。このアーキテクチャには、あらかじめ冗長性を備えたネットワーク・トポロジーが含まれており、いずれかの接続やコンポーネントが障害を起こしてもデータベースが利用可能な状態を維持します。この包括的なアプローチは、Oracle独自のExadataストレージ機能にも及びます。インテリジェントなストレージ・サーバーはドライブ障害が発生しても影響なくデータ提供を継続できます。
- ダウンタイムを最小化するパッチ適用とアップグレード: MAA Goldの重要な特徴の一つは、計画メンテナンスによる業務影響を防ぐことです。Exadata Database Service on Oracle Database@AWSは、データベースやクラスタ・ソフトウェアのオンライン・パッチ適用方法をサポートしています。RAC(ローリングパッチ)とData Guard(一時ロジカル・スタンバイやローリング・アップグレードによるデータベース・アップグレードなど)を組み合わせることで、多くのアップデートを無停止、または数秒程度の中断で適用可能です。例えば、四半期ごとのデータベース・パッチはローリング方式で適用でき、メジャーバージョンアップもスタンバイへのスイッチオーバーによりダウンタイムを最小限に抑えることができます。これにより、SLAを損なうことなく、セキュリティや機能の最新化が可能です。
これらの機能を総合することで、障害やアップデート時でも継続稼働が可能な、検証済みのエンドツーエンドのHA/DRスタックを提供します。
Oracle MAA SilverおよびGoldレベル
| 計画外停止 |
Silver: 目標復旧時点と目標復旧時間(RPOとRTO)のサービス・レベル目標(SLO) |
Gold: RPOとRTOのSLO |
| 回復可能なノードまたはインスタンスの障害 |
30秒未満 | 30秒未満 |
| 災害: 破損やサイト障害 |
RTO: 数時間から数日 RPO: リカバリ・サービスにより最後のバックアップ以降またはほぼゼロ |
RTO: 数秒から数分 RPO: ゼロから数秒 |
| 計画メンンテナンス |
|
|
| ソフトウェアやハードウェアのアップデート |
ゼロ |
ゼロ |
| メジャーのデータベース・アップデート |
数分から1時間 |
30秒未満 |
無停止もしくはオンライン処理への影響を最小限に抑えるためには、MAAアプリケーション・チェックリストのベストプラクティスを適用してください。Oracle Application Continuity(AC)およびTransparent Application Continuity(TAC)を利用することで、アプリケーションの停止による影響を最小化し、潜在的なダウンタイムを完全な停止ではなく、わずかな“ブラウンアウト”に抑えることができます。
結論: マルチクラウドの柔軟性とエンタープライズ・レジリエンスの融合
Exadata Database Service on Oracle Database@AWSは、Oracle Exadataの高いパフォーマンスと可用性に加え、AWSの豊富なネイティブサービスと運用管理性を併せ持つ良いとこ取りを実現するソリューションです。今回、Gold MAA認定により、企業は最も重要なOracleのワークロードをAWS上に安心してデプロイできるようになり、稼働時間やレジリエンスを損なう心配がありません。これこそが真のマルチクラウド活用です。ビジネスのニーズに合わせてOracleをどこでも稼働でき、レジリエンス・継続性・変革に向けて設計されたアーキテクチャがそれを支えます。
詳細は以下のリソースを参照ください。
- Oracle Database@AWSの一般提供開始について
- Oracle Database@AWSを使用してOracle Exadataの移行を簡素化する方法について
- AWS Marketplace上のOracle Database@AWSについて
- Oracle Database@AWSの購入オプション
- Oracle Autonomous DatabaseおよびOracle Exadata Database Serviceについて