この記事はPhilippe FierensによるFPP by Example Part 1 : Architecture & Conceptsを日本語に翻訳したものです。
2024年1月5日
Fleet Patching and Provisioning(FPP)を使い始めたいとお考えですか?それは素晴らしいニュースです! 幸いなことに、これはRAC Grid Infrastructureの一部であるため、追加でダウンロードする必要はありません このシリーズでは、コマンドとコンポーネントの名前が製品の以前の名称であるRapid Home Provisioning(RHP)を参照していることがわかります。 RHPサーバーやRHPクライアントおよびコマンドラインインターフェース(rhpctl)については後ほど詳しく説明します。
まずいくつかの重要な概念と用語に取り組むことから始めたいと思います。
概念と用語
ゴールド・イメージ
Oracleソフトウェア・ホーム(Oracle Database、Grid InfrastructureまたはExadata)のソース・コピーは、FPPサーバー上のACFSファイル・システムに読取り専用形式で一元的に格納されます(詳細は下記を参照)。
作業用コピー
FPPクライアントまたは次に示すFPPターゲット・タイプのプラットフォームにデプロイされると、ゴールド・イメージは作業用コhttps://blogs.oracle.com/authors/pfierensピーと呼ばれます。 これは、実際のORACLE_HOMEまたはGRID_HOMEソフトウェア・インストールであり、ここからOracle DatabaseおよびGridインストールが実行されます。
FPPターゲット・タイプ

インプレース・パッチ適用
パッチ適用をパッチ適用されていないシステムと同じシステムで実施。 パッチ適用する前に、DatabaseまたはGrid Infrastructureを停止する必要があります。 Oracleホーム内では、クラスタ内のノード毎にこれを繰り返す必要があります。 これにより、エラーやダウンタイムが発生する可能性が高くなります。さらに、問題が発生した場合、ロールバックが複雑になり厄介です。
アウトオブプレース・パッチ適用
アウトオブプレース・パッチ適用の場合、元のデータベース/グリッド・ホームを維持し、新しいパッチが適用されたホームを追加します。 完了したら、インスタンスまたはグリッド・ノードをインスタンスごとに新しいホーム・インスタンスに切り替えることができます。 エラーが発生した場合は、古いホームに戻ります。
FPPはアウトオブプレース・パッチ適用を使用します。 新しい作業用コピー(oracle_home)をデプロイしてデータベースインスタンスと新しいグリッドバージョンをその作業用コピーに移動します。

アーキテクチャ
下記の図は19c-21cのFPPコンポーネントを示しています。

コンポーネントを1つずつ見てみましょう。
RHPサーバー
RHPサーバー(“FPPサーバー”とも呼ぶ)は、FPPのコア管理サーバーインスタンスです。 Java Catalinaコンテナで実行され、外部プロセスやサービスを呼び出すタスクのオーケストレーターおよびコーディネーターです。 デフォルトでは、8894ポート(HTTPS REST)と8896ポート(JMX – RMI)でリッスンします。
HELPER
Helperは、すべてのFPPサーバーおよびFPPクライアントに存在するコンポーネントです。その役割はRHPサーバーの指示に従ってローカルタスクを実行することです。
タスクは次のもので構成されますが、これらに限定されません
- データベース、サービスの停止/開始
- データベースまたはクラスタ情報の取得
- 新しいホームへデータベースを移動
- .oraファイルのマージ
- データベースへのパッチ適用
- 実行中のSW構成
- ….
GNS
グリッド・ネーミング・サービス(GNS)はFPPサーバー上で実行されます。 サブネット、フォワーディング、予約済みIPアドレスは必要ないため、GNSサーバー構成全体は必要ありません。 これはFPPサーバーのIPアドレスを解決するために使用されます。UDP 53ポートを使用します。
ACFS
ゴールド・イメージは、Oracle ASM Cluster File System(ACFS)に読取り専用形式で保存されます。 このためにマウント ポイント(名前はカスタマイズ可能)が作成されます。FPP処理を再開可能にするためのタスクに関する情報と詳細は、ACFS内のGHCKPTディレクトリに保存されます。
MGMTDB
FPPはメタデータをMGMTDBのGHS19USERスキーマに保存します。
ここまでで、FPPを始めるにあたっての概念的な理論、アーキテクチャ、用語のほとんどを説明しました。 このシリーズの次のパートでは、理論を実践し、FPPサーバー(RHPサーバー)をインストールする方法を説明します。
参考文献 :