こんにちは。日本オラクルのクラウド・ソリューション・エンジニアの小西です。
みなさま、新年あけましておめでとうございます。本年もOracle Cloud Infrastructureをどうぞよろしくお願いいたします。
「Oracle Cloud Infrastructure 新機能ハイライト」では、2022年も引き続き Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の主な新機能をご紹介していきます。
今回は年末年始で少し間が空いてしまいましたが、基本的には隔週を予定しています。
それでは、前回に引き続き、OCIの新機能を見ていきましょう!
[IAM] アイデンティティ・ドメインのないIAMでのデータベース・パスワード
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IAMデータベース・パスワードとトークンで、Autonomous Databaseのユーザ管理をIAMで集中管理ができるようになりました。これによりセキュリティを向上し、組織のユーザ追加/削除/移動に伴うデータベース管理者のユーザ管理作業(ユーザのライフサイクル管理)を大幅に削減することができます。
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ユーザはIAMにデータベース・パスワードを設定し、テナンシ内であらかじめ適切に構成されたOracle Databaseにログインする際にそのパスワードを使って認証を行うことが可能です。
[Operations Insights] Automatic Workload Repository (AWR) Hub
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AWR Hubを使用すると、重要なOracle Autonomous Databaseの自動ワークロード・リポジトリ(AWR)から詳細なパフォーマンスデータを統合して保存できます。
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詳細: Analyze Automatic Workload Repository (AWR) Performance Data.
[API Gateway] mTLSを使用したAPIクライアント検証のサポート
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APIゲートウェイがAPIクライアントによって提示されたTLS証明書を検証して、認証されたAPIクライアントのみがAPIにアクセスできるようにすることを指定できるようになりました。APIクライアントを認証するAPIゲートウェイのプロセスは、相互TLS(mutual TLS、mTLS)と呼ばれます。
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APIゲートウェイがmTLSをサポートできるようにするには、カスタムCAおよびCAバンドルをAPIゲートウェイのトラスト・ストアに追加する必要もあります。
[OCVS] Oracle Cloud VMware Solutionのホスト・リプレース
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Oracle Cloud VMware SDDC内のESXiホストに障害があった場合、障害が発生したホストをリプレースする手順が追加されました。新規ホストは、初期構成時に存在していた障害発生ホストと同じ構成、同じ課金間隔で作成されます。
[MySQL Database] MySQL Database Service オンライン・ストレージ・リサイズ
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MySSQL DBシステムのストレージ・サイズを更新して、オンラインで合計ストレージ容量を拡張可能になりました。オンライン操作なので、稼働時間や性能を損なうことなく柔軟に拡張できます。
[API Gateway] APIゲートウェイのトラスト・ストアのカスタマイズ
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APIゲートウェイがTLS証明書の検証に使用するトラスト・ストアをカスタマイズして、他の認証局(CA)および他のCAバンドルのルート証明書を追加することができるようになりました。これらのカスタムCAおよびCAバンドルは、トラスト・ストアにすでに存在するデフォルトのCAバンドルに追加になります。
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カスタムCAとCAバンドルをトラスト・ストアに追加すると、APIゲートウェイへのTLS接続(HTTPSバックエンドから、および応答キャッシュからを含む)は、デフォルトのCAバンドルとカスタムCAおよびCAバンドルの両方を使用して検証されます。 さらに、APIデプロイメントにmTLSサポートを指定した場合、APIゲートウェイはカスタムCAとカスタムCAバンドルを使用してAPIクライアント証明書を検証します。
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詳細: Customizing Trust Stores for TLS Certificate Verification
[Language] 言語サービスの事前トレーニング済モデルの機能拡張
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言語サービスは、事前トレーニング済みモデルの精度を改善し、文章およびドキュメントレベルのセンチメント分析を実行する機能をリリースしました。APIの改善により、バッチスコアリングが可能になり、1回のリクエストで最大100のドキュメントをスコアリングできます。
[Data Catalog] データ・カタログの新リリース
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データ・カタログの新しいリリースが利用可能になりました。次の主要な機能拡張が含まれています。
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ファイル名パターンの複雑な正規表現を構成しなくても、論理エンティティを自動的に生成します。
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ハーベスト中に自動的に識別されるパーティションを使用して、データレイク内のファイルをよりよく理解します。
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メタストアからデータ・カタログにメタデータを同期して、検索とメタデータの強化を容易にします。
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用語集全体のビジネス用語間の関係を定義します。
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Oracle オブジェクト・ストレージ・データ・アセットの論理エンティティにMicrosoft Excelベースのカスタム・プロパティ値のエクスポートまたはインポートを使用します。
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zlib形式を使用して圧縮されたOracleオブジェクト・ストレージ・ファイルのメタデータを収集します。
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詳細: Data Catalog and Data Catalog API.
[Anomaly Detection] 異常検出サービスに多変量と単変量が追加
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異常検出サービス(Anomaly Detection)は、相互に高度に相関している複数の時系列シグナルデータ値を分析することによってモデルを生成する多変量異常検出ソリューションです。このリリースでは、値が他のシグナルと弱く相関しているシグナルをドロップするのではなく、モデル・トレーニングAPIで個々のシグナルに対して個別の異常検出モデルを生成します。
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このリリースの一部として、モデル・トレーニングAPIは2種類のモデルを識別して生成します。特定のデータセットに対して、複数のシグナルのシグナル値が相互に相関している場合、APIは多変量異常検出モデルを生成します。値が他のシグナルとの相関関係が弱い(またはまったく)場合、APIは個々の信号に対して個別の単変量モデルを生成します。
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このリリースのハイライト
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非相関シグナルの単変量モデル
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完全に無相関のデータセットで単変量モデルのみをトレーニングする機能
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単変量モデルにフォールバックする機能
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以前と同様に一貫したパフォーマンスを維持するための多変量および単変量ペイロードの並列推論
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より効率的なモデルパッケージングソリューション
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ブログ: AI Blog
[Data Science] コンピュータ・ビジョンとTensorFlowコンダ環境の導入
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Computer Vision for CPU and GPU on Python 3.7 (バージョン 1.0) conda 環境は、画像の前処理とコンピュータ・ビジョン・タスクの実行のための最も強力なデータサイエンス・ツールが含まれています。これらのconda環境を使用して、オブジェクトの識別、オブジェクトの追跡、画像のステッチと圧縮、顔認識、眼球運動の追跡などを行います。Slug名はcomputervision_p37_cpu_v1とcomputervision_p37_cpu_v1です。
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TensorFlow 2.6 for GPU on Python 3.7(バージョン3.0)conda環境は、最先端の機械学習モデルを作成するためのツールとライブラリのエコシステムです。TensorFlowを使用して、画像認識のためのディープニューラルネットワークをトレーニングおよびデプロイできます。言語処理、反復ニューラルネットワーク、およびその他の機械学習アプリケーション。Slug名はtensorflow26_p37_gpu_v3です。
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詳細:
[OCI] 新規リージョン Stockholm, Sweden
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Sweden Central (Stockholm) リージョンがオープンしました。リージョン名 eu-stockholm-1、リージョン・キー ARN です。
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詳細
[Management Agent] 管理エージェントの新リリース
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以下の変更点が含まれる管理エージェントの新リリースが利用可能になりました。
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Management Agent version 211116.1857: Apache Log4j upgraded to 2.16.0.
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Management Gateway version 211116.1857.1639578812: Apache Log4j upgraded to 2.16.0.
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[Application Performance Monitoring] Application Performance Monitoringの新リリース
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次の新機能を備えた新しいリリースが利用可能になりました。
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APM Javaエージェント・ハイブリッド・モード:アプリケーションは、エージェント組み込みトレーサーを使用して、エージェントによって自動的に生成されたスパンにアプリケーション・スパンを追加できます。詳細:Configure APM Java Agent Hybrid Mode
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カスタムのアプリケーションサーバー・リソース・ディメンションの簡略化された構成。詳細:Configure Application Server Resource Dimension.
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JBossサポートの改善。詳細:Deploy the APM Java Agent
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カスタム・プローブの改善。
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WebLogic Serverメトリックを有効にするOut-of-the-Box構成。詳細: Application Performance Monitoring Metrics
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[Data Science] データ探索、NVIDIA RAPIDS、およびParallel Graph AnalytiX Conda環境
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次のconda環境が導入されました。
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The Data Exploration and Manipulation for CPU v3 には、データセットの取り込み、処理、視覚化のためのライブラリが含まれています。ADS(ライトバージョン)がプリインストールされており、OCIの複数のデータソースからデータを取り込むことができます。 kafka-pythonライブラリを使用してストリーミングからのストリームを利用することもできます。Slug名はdataexpl_p37_cpu_v3です。
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NVIDIA RAPIDS 21.10 for GPU v1には、GPUでエンドツーエンドのデータサイエンス・パイプラインを実行するためのライブラリ群を含むNVIDIA RAPIDSフレームワークが含まれています。これは、scikit-learnとpandasに馴染みのあるルックアンドフィールを備えています。Slug名Rapids2110_p37_gpu_v1です。
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Python Parallel Graph AnalytiX 21.4 for CPU v1は、グラフクエリ言語、最適化された分析アルゴリズム、グラフ機械学習を提供するグラフツールキットです。データセット内の隠れた洞察を大規模かつ高性能に抽出できます。Slug名はpypgx214_p38_cpu_v1です。
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詳細:
[Data Science] JuypterLab Git拡張機能がノートブック・セッションに追加
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JuypterLab Git extension がノートブック・セッションで利用できるようになりました。この変更は最新のノートブック仮想マシン(NBVM)に付属しているため、拡張機能をアクティブ化するには、ノートブック・セッションを非アクティブ化して再アクティブ化する必要があります。 “Failed to load the jupyterlab-git server extension” が表示された場合、これは、古いバージョンのNBVMを実行しているため、Git拡張機能を使用できないことを意味します。”Dismiss” をクリックすれば、問題なくノートブックで作業できます。
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詳細:
[Management Agent] 管理エージェントの新リリース
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以下の変更点が含まれる管理エージェントの新リリースが利用可能になりました。
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Management Agent version 211116.1858: Apache Log4j upgraded to 2.17.0.
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Management Gateway version 211116.1858.1639953444: Apache Log4j upgraded to 2.17.0.
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[File Storage] ファイル・ストレージの転送中暗号化の新しいリリース:Oracle Linux 8およびARMインスタンスのサポート
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OCIのファイル・ストレージ・サービスで転送中暗号化を有効化するためには、oci-fss-utils パッケージをインスタンスにインストールしてマウント・ターゲットへのセキュアな接続を行います。oci-fss-utilsパッケージのバージョン30-0 では、以下のインスタンス・タイプをサポートします。
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Oracle Linux, CentOS 7 x86
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Oracle Linux, CentOS 8 x86
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Oracle Linux, CentOS 7 Arm
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Oracle Linux, CentOS 8 Arm
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以上が本日の新機能ハイライトです。AIやデータ・サイエンス系の新機能がたくさんありましたね。
また、昨年Oracle Blogのプラットフォーム移行後にRSSが利用できなくなっていたのですが、復活しました!オラクルエンジニア通信のブログ更新をRSS取得したい方はブログページ右上のハンバーガーメニューから一番下の「RSS」を選択してください。

今後も引き続き新機能情報をお伝えしていきたいと思います。
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