こんにちは。日本オラクルのクラウド・エンジニアの小西です。
「Oracle Cloud Infrastructure 新機能ハイライト」では隔週でOracle Cloud Infrastructure(OCI)の主な新機能をご紹介していきます。
先週はゴールデンウィークで新機能ハイライトの更新をお休みさせていただきましたので、3週間分になります。4月、5月は続々と新機能が出てきておりますので少々ボリュームが増えてしまいましたが、それでは、前回に引き続き、ここ3週間の新機能を見ていきましょう!
[GoldenGate] Oracle Cloud Infrastructure GoldenGate のリリース
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Oracle Cloud Infrastructure GoldenGate がリリースされました。様々なデータ管理システムからOracle Cloudデータベースへのリアルタイムでスケーラブルなデータ移動が可能になります。OCI GoldenGateは、Oracle GoldenGateのデータレプリケーション機能をフルマネージドなクラウド環境で利用できるサービスです。
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現時点で、Tokyo、Osakaリージョンを含む全商用リージョンで利用可能です。
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日本語ブログ:[新サービス リリースのお知らせ] OCI GoldenGate & OCI Database Migration
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日本語概要資料:https://www.slideshare.net/oracle4engineer/oci-goldengate-overview-20214
[Compute] 小規模アプリケーション向けのバースト可能・コンピュート・インスタンス
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コンピュート・インスタンスの バースト可能インスタンス(Burstable Instance) が登場しました!
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バースト可能インスタンスを利用することで、マイクロサービス、CI/CDパイプライン、テスト環境、開発環境などのような、通常はCPU使用率が低くて時々スパイクが発生するようなワークロードのコストを最適化することができます。
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バースト可能インスタンス作成時には OCPU数 と ベースラインCPU使用率 (12.5%か50%から選択) を設定します。通常時はベースラインのCPUが利用され、必要な際に短期間のみすべてのOCPUを利用する用スケールアップすることが可能です。
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バーストできるかどうかは、インスタンスのCPU使用状況とサーバーのリソース状況に依存します。
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インスタンスの過去24時間の平均CPU使用率がベースラインを下回っていれば、ベースラインを越えてバーストすることが可能。(ベースラインに対するCPU使用率の余りを溜めておくようなイメージ。)バーストする時間は短期間に限らる。
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バースト可能インスタンスはオーバーサブスクリプションされているため、必ずしも必要な時にバーストできるとは限らない。
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現時点では、VM.Standard.E3.Flex のみをサポート。
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価格
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課金項目自体は変わらず、標準価格にベースラインCPU使用率をかけた金額になる。メモリ課金は通常と同様に設定したサイズで課金される。
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例:1 OCPU ベースライン12.5% + メモリー 2GB のインスタンスの場合
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標準単価:Compute – Standard – E3 – OCPU ¥3.00 OCPU Per Hour
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標準単価:Compute – Standard – E3 – Memory ¥0.18 Gigabyte Per Hour
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OCPU ¥3.00 x 1 x 0.125 + メモリー ¥0.18 x 2 = ¥0.375 + ¥0.36 = ¥0.735 / hour
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制限事項などもありますので、詳細はマニュアルを参照してください。

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プリエンプティブル・インスタンス(Preemptible instances )が利用可能になりました!
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プリエンプティブル・インスタンスは、短期利用にむけのインスタンスで、通常のコンピュート・インスタンスと同じように動作しますが、他で必要になった場合にはキャパシティが回収され、インスタンスが終了(terminate)されます。インスタンスが突然削除されても問題がないように構築されているワークロードであれば、プリエンプティブル・インスタンスを利用することでコストを削減することが可能です。
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現時点では以下のシェイプでサポート
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VM.Standard.E3.Flex series (Standard – E3 series)
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VM.Standard2 series (Virtual Machine Standard – X7 series)
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価格
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課金項目自体は変わらず、オンデマンドインスタンスの価格の50%で計算される。
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E3の場合の例:1 OCPU + メモリー 2GB のインスタンスの場合
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標準単価:Compute – Standard – E3 – OCPU ¥3.00 OCPU Per Hour
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標準単価:Compute – Standard – E3 – Memory ¥0.18 Gigabyte Per Hour
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OCPU ¥3.00 x 1 x 0.5 + メモリー ¥0.18 x 2 x 0.5 = ¥1.5 + ¥0.18 = ¥1.68 / hour
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制限事項などもありますので、詳細はマニュアルを参照してください。
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これによって、VMインスタンスの容量タイプは以下の種類から選択可能になりました。
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オンデマンド:通常のインスタンス
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プリエンプティブル:キャパシティが回収される可能性がある。
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容量予約:事前に確保したキャパシティ上にインスタンスを作成。
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専用ホスト:他のテナンシーとハードウェアを共有せずに専用仮想マシン・ホスト上にインスタンスを作成。
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データ・カタログの新しいバージョンがリリースされました。以下のようなエンハンスメントを含みます。
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データ・カタログ・オブジェクトを用語やカテゴリにリンクさせるAI/MLベースの推奨
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ホーム・タブの検索語でのサジェスチョン表示
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データ・カタログ・オブジェクトへのユーザーフレンドリーなビジネス名の付与
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リソース・プリンシパル接続を使用したオブジェクト・ストアのデータアセットへの接続作成
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CSVファイル内の属性の基本データ型の理解
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など
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詳細; Data Catalog and Data Catalog API.
[Compute] ライブ・マイグレーションの新しいオプション
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通知や中断に、インスタンスを正常な物理ホストにライブ・マイグレーションさせるかどうかを選択できるようになりました。
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ライブ・マイグレーション設定の選択肢
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最適な移行オプション(デフォルト)
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オプトイン:通知や中断なしにライブ・マイグレーションする。ライブ・マイグレーションできない場合は再起動される。
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オプトアウト:メンテナンス通知がきたら、期日までにユーザーが手動で再起動する(期日までに再起動しなければ、ライブ・マイグレーションされる)
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[Database, Operations Insight] 外部データベースでOperations Insightsのサポート
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External Database サービスで Operations Insights を提供します。Operations Insightではリソース使用量やデータベースやホストのキャパシティに対する360度のインサイトを提供します。簡単にCPUやストレージリソースの分析を行ったり、キャパシティ問題の予測を行ったり、プロアクティブにSQL性能問題を特定したりすることが可能です。
[Database] Always Free Autonomous Database: APEX と JSON ワークロード・タイプの利用
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Always FreeのAutonomous DatabaseでJSONかAPEXワークロードタイプのプロビジョニングが可能になりました。
[Logging Analytics] Microsoft SQL Server Database のサポート
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Logging Analyticsで、SQLクエリーを使用してMicrosoft SQL Server データベース・インスタンス・ソースをデータ取り込みに利用可能になりました。
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以下の項目の新機能が追加になりました。
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データ・マスキング
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ディテクターの機能拡張
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問題の機能拡張
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インテグレーション
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ドキュメント
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[Compute] Optimized3シェイプのコンピュート・インスタンス
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Optimized3シェイプがVM,BMともにGAになりました!
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第三世代Intel Xeonプロセッサ(Ice Lake: Base frequency 3.0 GHz, max turbo frequency 3.6 GHz)をベースにした optimized3 インスタンス。X7に比べてプロセッサ周波数は50%向上、2倍のPCIe帯域、OCPUあたり4倍のネットワーク帯域。シングルスレッドの性能が最も高いシェイプになります。
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現時点では、Ashburn, Phoenix, Montreal, Toronto, London, Frankfurt, Seoulで利用可能で、今後他のリージョンにも展開予定です。
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VMインスタンスはE3やE4と同じく、フレキシブル・インスタンスなので、OCPUとメモリサイズを自由に設定できます。
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BMインスタンスはRDMAをサポートするクラスターネットワークを構成でき、3.2TBのローカルNVMe領域を持ちます。HPCワークロードに最適です。
Instance OCPU Memory Additional Storage Network BM.Optimized3.36 36 512 GB 3.2 TB NVMe 100 Gbps VM.Optimized3.Flex 1 – 18 1 – 256 GB Up to 1 PB of Block Volume 4 Gbps per OCPU (Max 40 Gbps) -
X7のVMインスタンスに比べ、Optimized3 VMインスタンスは整数演算88%向上、浮動小数点演算102%向上、メモリ性能53%向上、Java性能70-96%向上。
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価格
Compute – Virtual Machine Standard – X9 ¥6.48 OCPU Per Hour Compute – Virtual Machine Standard – X9 – Memory ¥0.18 Gigabyte Per Hour Compute – Optimized – X9 ¥6.48 OCPU Per Hour Compute – Optimized – X9 – Memory ¥0.18 Gigabyte Per Hour
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インスタンス・プールのリサイズを行うことで、クラスター・ネットワーク内のインスタンス数を変更可能に。
[Object Storage] オブジェクト・ストレージの自動階層化
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自動階層化(Auto-Tiering)は、データのアクセスパターンを監視し、自動的にオブジェクトストレージの標準層からよりコスト効率の良い頻度の低いアクセス層へオブジェクトを移動してストレージコストを削減します。自動階層化はバケットレベルで有効化し、オブジェクト単位での設定はできません。
Logging Analytics: Enterprise ManagerのEntity Modelの取り込みのサポート
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既存のEMCCユーザーはEMブリッジをセットアップし、エンティティモデル・データを自動的にインポートすることができます。エンティティのアソシエーション情報はOracle Cloud Logging Analyticsでトポロジーを構成するのに利用されます。
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詳細: Harvest Entity Model Data from Enterprise Manager Cloud Control and Collect Logs.
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OCIのコンソールのナビゲーション・メニューが刷新されました!最近サービスが増えてきてメニューバーが長くなってスクロールが大変でしたが、カテゴリ別の表示に変わりました。
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メニューがカテゴリ別の表示に
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ホームメニューにはよく使うサービスを固定することができ、最近使った画面もリストされます。
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[Compute, Networking] コンピュートインスタンス起動時にDNSレコード作成のオプト・アウト指定
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コンピュート・インスタンス作成時に、インスタンスのVNICのDNSレコード作成をオプト・アウトできるようになりました。
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詳細: Creating an Instance.
[Data Science] Data Science のEnvironment Explorerの更新
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Conda環境はData Scienceノートブック内で柔軟性と再現性を提供します。Environment ExplorerはConda環境を管理、検索するためのGUIツールです。このリリースではEnvironment Explorerに関するいくつかのアップデートが行われています。
[Logging] Unified Monitoring Agentの機能拡張
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Ubuntu 16/18/20 サポート
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ruby.exe/ruby interpreter process利用時のCPU使用率上昇の解決
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カスタム・ログ監視エージェントで構成チェックの追加
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お知らせ(Announcement)のメール通知先アドレスを複数名指定することができるようになりました。これまではお知らせの通知先メールアドレスは一つしか登録できず、このアドレスを変更するためにはSRで依頼する必要があったので、便利になりました。
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IAMポリシーで設定します。グループ内のユーザーのメールアドレスが設定されて検証済みである必要があります。
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設定例:Allow group Announcement_Admin to read announcement-email in tenancy
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詳細: Email Delivery.
[Database, Database Management, Operations Insights] 外部データベース:RACデータベースのサポート
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OCIの外部データベースとしてOCIの外に存在するRACデータベースを管理することが可能になりました。
[Database] 可用性ドメインまたぎのOracle Data Guard構成でリージョナル・ボールト・キーにアクセス
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When you enable Oracle Data Guard on an Autonomous Database on dedicated Exadata infrastructureで、Oracle Data Guardを有効化する際に、プライマリのデータベースをは別の可用性ドメインにスタンバイデータベースを配置した構成で、データベースの暗号化に顧客管理暗号キーを使用できるようになりました。
[Database] Exadata Cloud@Customer: オペレーターのアクセス制御
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Oracle Operator Access Controlは、Oracleのオペレーターのインフラ上での管理作業や実施したすべてのアクションの監査ログを管理することができるコンプライアンス監査システムです。
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誰がいつインフラにアクセスできるかのアクセス権を付与
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Oracleのオペレーターが実施したアクションのニアリアルタイムのレポート
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Oracleのオペレーターが実施できるアクションの制限
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権限の削除
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詳細
[Database] ADB-D on Exadata Cloud@Customer: インフラストラクチャ・パッチ適用
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ADB-Dedicated メンテナンスで、Exadata Infrastructure (EI) Autonomous VM ClusterやAutonomous Container Database (ACD)のパッチ適用を含みます。
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言語(Language)サービスは、AIや機械学習機能によって非構造化テキストの言語を検出するサービスです。また、テキストに関するさらなる発見を手助けするツールを提供します。
[Registry] レジストリがOpen Container Initiative準拠
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Oracle Cloud Infrastructure RegistryがOpen Container Initiative準拠のレジストリになりました。つまり、レジストリと相互運用性のあるツール(containerd や Helm)はOCIレジストリでも互換性があることになります。
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詳細: Overview of Registry.
以上が本日の新機能ハイライトです。
コンピュート・インスタンスでは、標準のインスタンスに加え、容量タイプとして容量予約(前々回のハイライトでご紹介)、プリエンプティブル・インスタンス、専用仮想マシンホストという選択肢が増え、また、バースト可能インスタンスによってCPUのバーストも可能になりました。ユースケースに応じて様々な構成を検討できる選択できるようになりました。
また、GoldenGateはDBのデータ移行を行う際に非常に強力なツールですので、OCIのサービスとして利用可能になったことで既存システムの移行を、よりスムーズに行うことができるのではないかと考えられます。
どんどん増えていくサービス群をより操作しやすくするためにコンソールメニューも刷新されたりと、OCIが日々進化していることが実感できますね。
今後も引き続き新機能情報をお伝えしていきたいと思います!
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